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カウンターセールスの職務経歴書の書き方|採用担当に伝わる記入例と無料テンプレート

カウンターセールスの職務経歴書の書き方|採用担当に伝わる記入例と無料テンプレート

カウンターセールスの職務経歴書で評価されるのは、「接客が好き」「お客様に寄り添ってきた」という気持ちではありません。採用担当が知りたいのは、来店したお客様を、どれだけ契約につなげてきたかと、その手続きをどれだけ正確に進めてきたかです。

旅行会社、携帯ショップ、来店型の保険ショップなど、扱う商品は違っても「聞き取る→提案する→見積もる→契約・手続きする→フォローする」という流れは共通です。この流れのどこで力を発揮したかを数字で書けば、別の業界にも経験が伝わります。

この記事では、旅行会社の店頭カウンターで約10年半働き、チームリーダーを務める人の記入例をもとに、項目ごとの書き方と評価される理由、応募先別の書き分け方を解説します。

この記事でわかること

  • カウンターセールスの職務経歴書の完成イメージ(記入例)
  • 公的データから見た、カウンターの仕事の範囲と旅行業界の回復
  • 売上に成約率・単価を添える書き方と、OK例・NG例の違いの理由
  • 応募先別の書き分け方と、数字が書けないときの対処法
  • 2026年のカウンターセールスとAI:AIの経験を職務経歴書にどう書くか

無料テンプレート

カウンターセールスの職務経歴書、記入見本つきのテンプレートがあります

この記事の記入例と同じ形式で、Word・Excel・PDFの3形式。空欄のテンプレートと記入見本がセットになっています。

カウンターセールスの職務経歴書の記入例

まずは完成イメージです。旅行会社で国内旅行カウンター、海外旅行カウンターを経て、旗艦店で海外旅行チーム(6名)のリーダーを務める人を想定しています。画像をタップすると拡大できます。

カウンターセールスの職務経歴書の記入例(旅行会社の店頭カウンター 約10年半)
カウンターセールスの職務経歴書の記入例(A4・2枚)

同じ形式のテンプレートを、Word・Excel・PDFの3形式(空欄と記入見本の2点セット)で無料で用意しています。

データで読む:カウンターセールスは「売る力」と「最後までやり切る正確さ」の両方で読まれる

書き方に入る前に、カウンターの仕事と旅行業界を、公的なデータで見ておきます。3つの資料を重ねると、見えてくることは1つです。カウンターの経歴は、売上の数字だけでは伝わりません。評価されるのは、売った数字と、手続きを最後までやり切った正確さを、応募先に合わせて見せられる人です。

売ったあとの手続きまで、ほぼ全員が担っている

厚生労働省の職業情報提供サイトjob tag「旅行会社カウンター係」では、この仕事に就く人が実際に行っている業務の割合(実施率)がわかります。希望の聞き取り、予約、手続きの説明はいずれも97.7%で、ほぼ全員が担っています。

旅行会社カウンター係の主な仕事の実施率。キャンセル手続き97.7%、未精算の確認・督促95.5%
旅行会社カウンター係の主な仕事の実施率:キャンセルや未精算の確認も9割以上(job tag)

出典:職業情報提供サイト(job tag)「旅行会社カウンター係」(厚生労働省) タスク

目を引くのは、売ったあとの仕事です。キャンセル手続き(97.7%)や、未精算の支払いの確認・督促(95.5%)も、見積もり(95.5%)と同じくらいの人が担っています。店外の企業を訪問する営業は59.1%で、来店客への対応が中心の仕事です。

これを職務経歴書の側から読むと、販売の実績だけを書いた経歴は、仕事の半分しか伝えていないことになります。採用担当が知りたいのは「売ったあとの手続きを任せて大丈夫か」でもあるからです。記入例が「確認リストで海外手配のミスを年14件(2023年度)→5件(2025年度)に削減」と書いているのは、この正確さを数字で見せるためです。契約・手続きまで窓口で担う流れは携帯電話や保険も同じなので、この読み方はほかのカウンターにも当てはまります。

売上が消えた時期も、急に伸びた時期も、売上だけでは本人の力が見えない

観光庁の「主要旅行業者の旅行取扱状況」によると、主要旅行業者の海外旅行の取扱額は、2019年度の約1.83兆円から、2020年度は約425億円まで落ち込みました。前年度の約2%という水準です。

主要旅行業者の国内旅行・海外旅行の取扱額の推移(2019〜2025年度)
主要旅行業者の旅行取扱額の推移:海外旅行は2020年度に急減し、2025年度は約1.43兆円に(観光庁、2019〜2025年度)

出典:主要旅行業者の旅行取扱状況 年度総計(観光庁) 2025年度ほか各年度

その後は回復が続き、2024年度の海外旅行の取扱額は、同じ資料で比べた2019年度の73.4%まで戻りました。2025年度は約1.43兆円で、前年度比107.1%です。集計の対象となる旅行会社は年度によって異なるため、年度をまたいだ比較は目安として見てください。

前年度の約2%という落ち込みは、一人の工夫で動かせる大きさではありません。反対に、回復期の大きな前年比には、市場が戻った分が含まれます。つまり旅行のカウンターの経歴は、どちらの時期も、売上の数字だけでは本人の力を測れないのです。

だから書き方を時期で変えます。売上が書けない時期は、記入例の「キャンセル・返金の手続き約420件」「オンライン相談を2年間で約180件」のように、担った仕事の量で書きます。回復期は、達成率や「店舗15名中2位」のような店の中での位置を添えると、市場の追い風ではなく本人の成果として読んでもらえます。

同じ経験でも、事務として出すか、販売・営業として出すかで競争の度合いが変わる

job tagでは、旅行会社カウンター係の統計上の区分は「その他の営業・販売関連事務の職業」です。ただ、カウンターの経験は、販売職や営業職の求人にも応募できます。どの職種として応募するかで、置かれる状況が変わります。

職業別の有効求人倍率。営業・販売事務の職業0.88倍、商品販売の職業1.72倍
職業別の有効求人倍率:営業・販売事務は0.88倍、商品販売は1.72倍(ハローワーク、2026年8月)

出典:一般職業紹介状況(令和8年8月分)について(厚生労働省) 参考統計表

厚生労働省の「一般職業紹介状況」によると、2026年8月の有効求人倍率は、これに近い区分の「営業・販売事務の職業」が0.88倍で、職業計の1.06倍を下回りました。仕事を探す人のほうが求人より多い状態です。「商品販売の職業」は1.72倍、「営業の職業」は2.05倍でした。ハローワーク経由の求人だけの統計で、転職市場全体を表すものではありません。

編集部の読みでは、事務寄りの求人ほど、似た経歴の応募者の中で抜け出す材料が要ります。事務寄りなら手配・精算の正確さを、販売・営業寄りなら達成率・成約率・単価を前に出しましょう。

まとめると、カウンターセールスの職務経歴書では、売上に加えて、手続きをやり切った正確さと市場の波に左右されない本人の数字(成約率・単価・店内順位)を書けるかで差がつきます。ここからは、採用担当がそれを書類のどこで確かめているかを見ていきます。

カウンターセールスの職務経歴書テンプレートを無料でダウンロード

採用担当がカウンターセールスの職務経歴書で見ている3つのこと

こうした変化と採用の現場でよく見られる傾向を踏まえると、採用担当は次の3つを確認しています。どの項目も、このどれかが伝わるかを意識して書きましょう。

  1. 何を、どんな店で売ってきたか扱ってきた商品(旅行・携帯電話・車・保険など)と、店の立地・スタッフ数・担当の範囲。来店型の店で、相談から契約まで一人で任されていたか。
  2. 数字で示せる販売の力売上(取扱額)の予算達成率に加えて、成約率や1件あたりの単価。来店客を契約につなげる力と、提案で単価を上げる力が、店の数字にどう効いたか。
  3. 正確さと、店を回す力手配・契約のミスを防ぐ工夫や、後輩の指導、チームの予算管理。お客様の大切なお金と予定を預かる仕事なので、売る力と同じくらい正確さが重く見られます。

項目別の書き方:OK例とNG例の違い

ここからは項目ごとに、NG例とOK例を並べて解説します。OK例は記入例からの引用です。

職務要約:商品・店・立場・代表的な数字を3〜5行で

職務要約は、採用担当が最初に読む部分です。経験年数、扱ってきた商品、店の規模、立場、代表的な実績を3〜5行にまとめます。国内か海外か、個人か法人かといった担当の範囲も大切な情報です。

× NG例

大学卒業後、旅行会社に入社し、店頭カウンターでお客様の旅行の相談や販売を担当してまいりました。お客様一人ひとりに寄り添った接客を心がけ、多くのお客様から喜びの声をいただいております。

ここが惜しい

  1. 国内か海外か、どんなお客様が多い店かがわからず、経験の中身が伝わりません。
  2. 経験年数や立場が書かれておらず、どこまで任せられる人かを判断できません。
  3. 「寄り添った接客」「喜びの声」は多くの応募者が書く言葉で、成果を示す数字がありません。

○ OK例

大学卒業後、2016年4月に株式会社サンプルトラベルに入社し、約10年半、店頭カウンターで個人のお客様の旅行相談と販売に従事してまいりました。国内旅行の担当を経て2019年から海外旅行を担当し、現在は旗艦店で海外旅行チーム(6名)のリーダーを務めています。2025年度は個人の取扱額1億8,500万円(達成率109%)、チームで6億4,200万円(達成率107%、前年比112%)を達成しました。

ここが評価される

  1. 「国内旅行の担当を経て海外旅行」と担当の移り変わりが書かれ、扱える商品の幅が一文でわかります。
  2. 個人とチームの実績を分けて書いているので、売る力とまとめる力の両方が伝わります。
  3. 記入例では最後に得意なこと(旅程の提案とフォローの仕組みづくり)を1文添えています。自己PRの予告になり、続きを読んでもらいやすくなります。

職務経歴:店ごとに「規模・担当・実績・取り組み」をそろえる

カウンターセールスは、異動のたびに店の規模や扱う商品が変わりがちです。店ごとに同じ見出しで書くと、経歴の流れを追いやすくなります。下の画像の3つのポイントを押さえましょう。

カウンターセールスの職務経歴の書き方のポイント
職務経歴の書き方のポイント

× NG例

東京都内の店舗で海外旅行カウンターを担当。お客様のご要望に合わせた旅行プランを提案し、売上目標を毎年達成しました。

ここが惜しい

  1. 店のスタッフ数や担当したお客様の層がなく、どんな環境で働いていたのかがわかりません。
  2. 「毎年達成」だけでは、予算の大きさも達成の度合いも判断できません。
  3. 提案の工夫が書かれていないため、応募先でも同じ成果を出せるかが伝わりません。

○ OK例

【店舗】15名(海外旅行チーム6名)。予算管理、新人・異動者4名の指導を担当

【実績】2025年度:チーム予算6億円/実績6億4,200万円(達成率107%、前年比112%)

個人:予算1億7,000万円/実績1億8,500万円(達成率109%、店舗15名中2位)

(中略)

【取り組み】見積り後の連絡を「3日後・1週間後」の2回にそろえ、フォロー表でチーム内に共有

ここが評価される

  1. 【店舗】【実績】【取り組み】と見出しをそろえているので、どの店の経歴も同じ順番で読めます。
  2. 予算と実績を並べて達成率を添えているので、目標の大きさと結果を採用担当が確かめられます。
  3. 「15名中2位」と店の中での位置を書くと、店の立地や商品の人気に頼った数字ではないことが伝わります。

数字が落ち込んだ時期も、やったことで書く

データの章で見たとおり、2020年度の海外旅行の取扱額は前年度の約2%でした。記入例では、海外渡航が制限された2020〜2021年度を「キャンセル・返金の手続き約420件」「オンライン相談を2年間で約180件」と件数で書いています。売上が書けない時期は、担った仕事の量と新しく始めたことを書くと、空白に見えません。

成約率・単価など実績の数字:売上に「成約率」「1件あたりの単価」を添える

カウンターの売上は、店の立地や季節に大きく左右されます。本人の力を伝えるには、売上を成約率と1件あたりの単価に分けて見せるのが近道です。

× NG例

2025年度:売上1億8,500万円。接客の質を高め、成約率アップに貢献しました。

ここが惜しい

  1. 予算が書かれていないため、1億8,500万円が高いのか低いのか判断できません。
  2. 「成約率アップ」は、どれだけ上がったのかがわからず、実績になっていません。
  3. 取扱額の大きさは、店の立地や商品の単価にも左右されます。売上だけでは本人の力が見えにくくなります。

○ OK例

個人:予算1億7,000万円/実績1億8,500万円(達成率109%、店舗15名中2位)

個人の見積りからの成約率 38%→46%、1件あたり取扱額 54万円→58万円(2024年度→2025年度)

ここが評価される

  1. 成約率は「来店したお客様を契約につなげる力」、1件あたり取扱額は「提案で単価を上げる力」を表し、売上が伸びた理由まで伝わります。
  2. 「38%→46%」と前後の数字と年度を書いているので、取り組みの効果を確かめられます。
  3. 成約率や単価は、旅行以外の商品の店にも通じる指標です。異業種のカウンターに応募するときも評価されやすくなります。

成約率は「何を分母にしたか」をはっきりさせる

成約率は、来店数・相談数・見積り数のどれを分母にするかで大きく変わります。記入例のように「見積りからの成約率」と書き、面接で聞かれたら数え方を説明できるようにしておきましょう。

携帯ショップなら補償サービスのセット率、自動車なら保険やローンの付帯率など、商品によって使いやすい指標は変わります。どの指標でも、分母と「いつからいつの変化か」を添えるのが共通のルールです。

活かせる経験・知識・スキル:応募先で使える経験を3つに絞る

職務経歴に書いたことの中から、応募先で使える経験を3つ程度に絞って箇条書きにします。カウンターの経験なら、販売・仕組みづくり・指導のように強みの種類を分けると、重なりなく伝わります。

× NG例

・接客経験10年

・旅行の知識

・コミュニケーション能力

ここが惜しい

  1. 「接客経験10年」は職務経歴を読めばわかり、ここで書く意味がありません。
  2. 「旅行の知識」「コミュニケーション能力」は抽象的で、何ができるのかが伝わりません。

○ OK例

・国内・海外の個人旅行の相談販売10年半。相談から旅程・見積り・手配まで一人で担当

・見積り後のフォローの仕組み化による成約率の改善(38%→46%)

・チームリーダーとしての予算管理と新人指導(メンバー5名、新人・異動者4名を指導)

ここが評価される

  1. 相談から手配まで「一人で担当」と書くことで、入社後すぐに任せられる範囲がわかります。
  2. 販売・仕組みづくり・指導と、強みの種類が重ならないように選んでいます。
  3. 求人票の「求める経験」と言葉をそろえると、採用担当の目に留まりやすくなります。

資格とシステムは、別の欄で具体的に

旅行業務取扱管理者のような業務に関わる資格は「■資格」欄に取得年月とあわせて書きます。予約・発券システムや顧客管理システムは「■PC・システムスキル」欄に使った年数を添えると、即戦力かどうかの判断材料になります。

旅行業務取扱管理者は、旅行会社の営業所ごとに置くことが法律で決められている国家資格です。海外旅行を扱う営業所には「総合」が必要なため、同業への転職では特に目に留まります。

自己PR:強みは2つまで。接客の工夫を数字の変化で示す

自己PRは「強み → 接客や仕事の進め方の工夫 → 結果の数字」の順に書きます。カウンターの仕事では、接客の手順を具体的に書けるかどうかで差がつきます。

× NG例

私の強みは笑顔と気配りです。どんなお客様にも丁寧に対応し、リピーターのお客様も多くいらっしゃいます。最近はAIも活用して業務を効率化しています。

ここが惜しい

  1. 「笑顔と気配り」はカウンターセールスの応募者の多くが書く言葉で、差がつきません。
  2. 「リピーターが多い」は、何人・何割なのかがわからず、確かめられません。
  3. 「AIも活用」は、何に使い、どう確かめたのかがなく、かえって不安を与えます。

○ OK例

ご要望を聞き出し、旅程と見積りで形にする力

相談にいらっしゃるお客様の多くは、行き先より先に「旅行でしたいこと」をお持ちです。予算・日数・同行者に加えてそれを最初に伺い、旅程案を2つ用意して比べていただいています。2025年度は1件あたり取扱額が54万円から58万円に上がりました。

ここが評価される

  1. 「最初に伺う」「旅程案を2つ用意する」と接客の手順が具体的で、応募先でも再現できる力だと伝わります。
  2. 単価の変化という結果まで書いているので、接客の工夫が店の数字につながったことがわかります。
  3. 記入例では2つ目の強みとして、フォローの仕組みづくり(成約率38%→46%)を書いています。強みは2つまでに絞ると、それぞれの根拠が厚くなります。
カウンターセールスの職務経歴書の記入見本つきテンプレート

応募先別:カウンターセールスの職務経歴書の書き分け方

カウンターの経験は、別の商品のカウンターや営業、店舗以外の仕事にも活かせます。同じ経歴でも、応募先によって前に出す経験と数字を入れ替えることが大切です。

応募先採用担当が見るポイント前に出したい経験・数字
同じ業界のカウンター入社してすぐ一人で窓口に立てるか扱える商品の範囲、システムの経験年数、業務に関わる資格、達成率と店内順位
別の商品のカウンター商品が変わっても通じる販売の力と、新しい商品を覚える力成約率・単価の変化、手続きミスの件数、商品知識を覚えた期間
法人営業・外回りの営業来店を待たずに、自分からお客様をつくれるか再来店・紹介・追加契約の件数、法人のお客様への提案件数
店舗以外の仕事(オンライン相談・手配・コールセンターなど)顔の見えない相手への対応力と、処理の正確さオンライン・電話での対応件数、手配件数、ミスの件数、手順書づくり

同じ業界のカウンターへ

同業への転職では、手続きの基本はわかっている前提で読まれます。採用担当が確かめたいのは、どの範囲を一人で任せられるかです。

職務経歴書に書きたいこと

  • 扱ってきた商品の範囲(旅行なら国内・海外、個人・団体など)
  • 予約・発券や契約手続きのシステムと、使った年数
  • 業務に関わる資格と取得年月、個人の達成率と店内順位

記入例

【PC・システムスキル】航空券の予約・発券システム(GDS)、自社の予約・手配システム(10年半)

【資格】国内旅行業務取扱管理者(2016年11月)、総合旅行業務取扱管理者(2018年12月)

ポイント

  1. システムの名前と年数があるので、入社後の研修がどの程度で済むかを採用担当が見積もれます。
  2. 海外旅行を扱う営業所で求められる総合の資格を持っていることが、一目でわかります。

よくある落とし穴

同業だからと、社内の呼び方のまま書いてしまうケースです。商品名やシステム名は会社ごとに違います。「航空券の予約・発券システム」のように、ほかの会社の人にも伝わる言葉に置き換えましょう。

別の商品のカウンターへ

旅行から保険ショップへのように、商品が変わる転職です。商品の知識は入社後に覚えるものとして、商品が変わっても通じる販売の力が見られます。成約率・単価・ミスの件数は、どのカウンターでも通じる共通の言葉です。

職務経歴書に書きたいこと

  • 相談から契約までの流れの中で、自分が工夫したこと
  • 成約率・単価・ミスの件数など、商品に左右されにくい指標の変化
  • 新しい商品や制度を、短い期間で覚えた経験

記入例

・来店されたお客様のご要望を伺い、2つの案を比べて選んでいただく提案(1件あたり取扱額 54万円→58万円)

・見積り後のフォローの仕組み化による成約率の改善(38%→46%)

・確認リストによる手配ミスの削減(年14件→5件)

ポイント

  1. 記入例の人物が保険ショップなどに応募する場合の「活かせる経験」の書き換え例です。旅行の言葉を減らしています。
  2. 成約・単価・正確さの3つがそろっているので、商品が変わっても同じ流れで成果を出せることが伝わります。

よくある落とし穴

前の業界の専門用語をそのまま使うケースです。「GDS」「バウチャー」などは、別の業界の採用担当には伝わりません。応募先で使う言葉に言い換えるか、一言の説明を添えましょう。

法人営業・外回りの営業へ

営業職に移る場合、採用担当が気にするのは「来店を待つ働き方から、自分でお客様をつくる働き方に移れるか」です。再来店や紹介、追加の契約を自分から生み出した経験を探して書きましょう。

職務経歴書に書きたいこと

  • 見積り後のフォローなど、自分から連絡して契約につなげた経験
  • 再来店・紹介・追加契約の件数
  • 法人や個人事業主のお客様への提案の経験

記入例

【実績】2025年度:来店した個人事業主・中小企業のお客様に法人契約を提案し、年間42件を契約(うち3回線以上の契約18件)

契約後は3か月ごとに利用状況を確認する連絡を入れ、回線の追加を年間60回線受注

ポイント

  1. 携帯ショップで働く人が法人営業に応募する場合の例です。来店客から法人契約を生み出した経験は、営業職に直結します。
  2. 契約後に自分から連絡して追加受注につなげており、待つだけの働き方ではないことが伝わります。

よくある落とし穴

「接客経験を活かして営業に挑戦したい」と意欲だけを書くケースです。小さな件数でも、自分から連絡して決まった契約を数えて書きましょう。

店舗以外の仕事へ(オンライン相談・手配・コールセンターなど)

オンライン相談、手配の専門部署、コールセンターなど、店頭に立たない仕事への転職です。顔の見えないお客様への説明力と、件数の多い処理を正確に進める力が見られます。データの章で見たとおり、カウンター係のほぼ全員がキャンセルや未精算の確認まで担っています。その経験がそのまま強みになります。

職務経歴書に書きたいこと

  • 電話・メール・ビデオ通話など、対面以外で対応した件数
  • キャンセル・返金・変更など、手続きの件数
  • ミスを防ぐ確認の仕組みと、その結果

記入例

【取り組み】2020〜2021年度は渡航制限のため、キャンセル・返金の手続き約420件を担当。国内旅行の販売に切り替え、オンライン相談(ビデオ通話)の立ち上げに参加し、2年間で約180件を受け付けました

確認リストで海外手配のミスを年14件(2023年度)→5件(2025年度)に削減

ポイント

  1. 記入例の職務経歴からの引用です。店頭以外の仕事に応募するなら、この2つを職務要約にも入れましょう。
  2. 件数の多い手続きとミスを減らした実績がそろい、処理の正確さを裏付けられます。

よくある落とし穴

店頭で売った実績ばかりを書き、手続きや手配の経験を「その他」で済ませてしまうケースです。店舗以外の仕事では、その部分こそが主役です。

あわせて読みたい:個人営業の職務経歴書の書き方

2026年のカウンターセールスとAI:職務経歴書にどう書くか

AIの使い方や、どの程度の活用を求めるかは、応募先の規模・業界・社内ルールによって大きく違います。IPA(情報処理推進機構)の「DX動向2026」では、AIを導入している企業は従業員1,001人以上で8割近くにのぼる一方、101人以下では16.6%にとどまります。

AIを使った経験がないからといって、書類選考で不利になると考える必要はありません。まずは求人票に「生成AI」「AIツール」などの記載があるかを確認しましょう。記載があれば具体的に書き、なければPC・システムスキル欄に1行添える程度で十分です。

カウンターセールスで現実的なAIの使い方

総務省の「令和8年版 情報通信白書」によると、生成AIを使う日本企業のうち「営業・販売」の業務で使う割合は約6割です。カウンターでは、次のような使い方が現実的です。

  • お客様に渡す旅程案やプランの説明文の下書きをつくる
  • 持ち物リストや出発前の案内文、よくある質問への回答のひな形をつくる
  • 海外の宿泊施設や現地の手配先に送る、英語の問い合わせ文の下書きをつくる
  • 新しい商品や料金プランの資料を要約して、説明の要点を整理する

出入国の条件、料金、キャンセルの規定などは、間違えるとお客様の損失につながります。AIには下書きや整理を任せ、条件や金額は必ず公式の情報や社内の資料で確かめることが前提です。

「何の業務で・どう使い・どう確かめたか」を書く

× NG例

生成AIを活用し、お客様への提案力を高めました。

ここが惜しい

  1. どの業務に、どのように使ったのかがわかりません。
  2. お客様の情報を入力していないか、出力を確認したかが書かれておらず、個人情報を扱う仕事を任せられるか判断できません。

○ OK例

生成AI:社内で認められたツールで旅程案の説明文の下書きを作成(2025年4月〜)。お客様の個人情報は入力せず、内容は自分で確認

ここが評価される

  1. 記入例の「PC・システムスキル」欄からの引用です。「旅程案の説明文の下書き」と対象の業務が具体的なので、使い方をイメージできます。
  2. 「社内で認められたツール」「個人情報は入力せず」「内容は自分で確認」と書いているので、情報を慎重に扱える人だと伝わります。

使うとき・書くときの注意点

カウンターでは、氏名・生年月日・旅券番号など、お客様の個人情報を日常的に扱います。AIの経験を書くときは、次の3点を添えましょう。

  • お客様の個人情報や、社外秘の料金・条件をAIに入力しなかった
  • 会社が認めたツールを、社内ルールの範囲で使った
  • AIの出力をそのまま使わず、条件・金額・日付を自分で確認した

使った経験を実際より大きく書くのは避け、面接で「出力のどこを直したか」と聞かれても答えられる範囲にとどめます。

AIを使っていない・禁止の職場だった人は

個人情報を多く扱う窓口では、生成AIの利用を禁止している会社も珍しくありません。無理に書く必要はなく、ルールに従ってお客様の情報を守ってきたこと自体が大切な姿勢です。

代わりに、仕事のやり方を自分で変えた経験を書きましょう。見積り後のフォロー表をつくった、確認リストで手配のミスを減らした、オンライン相談の立ち上げに参加した、といった経験は、新しい道具を取り入れて仕事を良くできる力を示します。

実績の数字が書けないときの対処法

カウンターの仕事は、予約や契約の記録がシステムに残るため、数字を拾いやすい仕事です。まずは記録の場所を確認しましょう。

記録の場所拾える数字書き方の例
予約・契約のシステム見積り件数、成約件数、取扱額、1件あたりの単価見積りからの成約率 46%
店の日報・朝礼の資料予算達成率、店の中での順位店舗15名中2位
自分のフォロー表・手帳フォローの件数、再来店・紹介の件数見積り後の連絡を2回にそろえる
ミス・クレームの報告手配・手続きのミスの件数年14件→5件

正確な数字がわからない場合は「約」「月平均」をつけ、どう数えたかを面接で説明できる範囲で書きましょう。そのうえで、次のようなケースごとの考え方を参考にしてください。

来店数は店の立地や季節で決まり、自分では選べない

来店数が自分で選べないからこそ、来店したお客様を契約につなげた割合が本人の力になります。
例:「相談からの成約率 32%(店舗平均27%)」
成約率が出せない場合は、店の中での順位を添えるだけでも伝わります。

受付や手続きが中心で、販売の数字がない

手続きが中心だった人は、処理の量と正確さを書きます。
例:「機種変更・名義変更などの手続き 1日平均約15件。書類不備による差し戻しは年間2件」

繁忙期と閑散期の差が大きく、年間の数字が平凡に見える

年間の数字だけでなく、いちばん忙しい時期にどれだけ対応したかを書く方法があります。
例:「年末年始の申込みが集中する11〜12月に、1日最大12組の相談を担当」

個人の予算がなく、チームで数字を追っていた

チームの数字の中で、自分が担った役割を分けて書きます。
例:「チームの予算達成(達成率104%)に向け、見積り後のフォローを担当。自分の担当分の成約は年間約150件」

あわせて読みたい:店長・販売職の職務経歴書の書き方

提出前のチェックリスト

書き終えたら、提出前に次の項目を確認しましょう。

  • 職務要約に、経験年数・扱ってきた商品・店の規模・立場・代表的な実績の数字が入っている
  • 店ごとに、スタッフ数と担当した商品・業務を書いている
  • 売上(取扱額)は予算と実績を並べ、達成率の計算が合っている
  • 成約率や1件あたりの単価に、分母や年度を添えて前後の数字で書いている
  • 業務に関わる資格(旅行業務取扱管理者など)を、取得年月とあわせて書いている
  • お客様の個人情報や社外秘の数字を書いていない。AIを使った場合は、個人情報を入れず自分で確認したことを書いている
  • A4で2枚程度(多くても3枚以内)に収まり、誤字脱字がない

職務経歴書の誤字や、金額・年度の書き間違いは、そのまま「手続きを任せて大丈夫か」という不安につながると考えておきましょう。

状況別の無料テンプレート

ブランク、転職回数、未経験…気になる事情があるなら、状況別の記入見本も


職種の書き方はこの記事で、事情の伝え方は状況別の記入見本で。2つを組み合わせれば、書きにくいところも迷わず書けます。

よくある質問

旅行会社の「取扱額」と「売上」は、どちらを書けばいいですか?

旅行会社では、お客様からお預かりする旅行代金の合計(取扱額)と、会社の売上(手数料など)が別になることがあります。カウンターの個人目標は取扱額で管理されることが多いため、記入例のように「取扱額」と明記して書くのがわかりやすい方法です。

2020年ごろの休業や出向の期間は、どう書けばいいですか?

期間と事実を短く書きます。例:「2020年5月〜2021年3月 雇用調整のため一時休業(うち6か月はグループ会社に出向し、コールセンター業務を担当)」。出向先での仕事や件数を添えると、その期間も強みとして伝わります。

事務職と販売職、どちらとして応募すればいいですか?

どちらにも応募できますが、書類で前に出す経験を変えましょう。事務寄りの求人では手配・精算の正確さやシステムの経験を、販売・営業寄りの求人では達成率・成約率・単価を職務要約に入れます。

資格を勉強中ですが、書いてもいいですか?

業務に関わる資格なら、「〇〇〇〇年〇月 受験予定」「学習中」と書いて構いません。合格していない資格を合格したように書くのはやめましょう。

AIを使った経験がないと、不利になりますか?

AIの活用をどの程度求めるかは応募先によって大きく違い、経験がないことだけで不利になるとは限りません。求人票にAIの記載がある場合は、フォロー表や確認リストで仕事のやり方を変えた経験を書き、新しいツールに前向きな姿勢を伝えましょう。

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佐藤 大貴

レジュメラボ編集責任者/アースダイバー代表

佐藤 大貴

人材紹介の会社で、キャリア系メディアの編集長をしていました。転職やキャリアをテーマにした記事づくりに長く関わり、2019年にアースダイバー株式会社を立ち上げました。編集長時代、たくさんの求職者の方やキャ…

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