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職務経歴書を“盛る”のは、経歴詐称になる? バレなくても、苦しむのは自分

職務経歴書を“盛る”のは、経歴詐称になる? バレなくても、苦しむのは自分

こんにちは。レジュメラボ編集長の佐藤です。

「職務経歴書なんて、みんな多少は盛ってるでしょ」。転職の話になると、わりとよく聞くセリフです。

でも、ちょっと立ち止まって考えてみてください。盛った時点で、その職務経歴書は事実と違うことが書かれた書類になっています。そして、事実と違う経歴を書いて採用されることを、世の中では「経歴詐称」と呼びます。

今日はこの「盛る」の話を、少し厳しめに、でも正直にしてみます。

経歴詐称の相談が、前年の1.4倍に増えている

採用前の調査を手がける企業調査センターは、2025年上半期に「採用後に経歴詐称がわかった」という企業からの相談が、前年比141%に増えたと発表しています(企業調査センターの発表)。この上半期だけで、相談や調査の対応は4,500件を超えたそうです。

どんな手口が多いのか。同社が挙げている典型例を、見つかるきっかけと一緒にまとめるとこうなります。

よくある経歴詐称の手口と見つかるきっかけ。存在しない会社名は登記確認、在籍期間の水増しや空白期間の隠蔽は在籍確認、役職や業務の誇張はリファレンスチェック、学歴詐称は卒業証明書、SNSとの食い違いは公開情報の確認で見つかる
よくある経歴詐称の手口と、見つかるきっかけ

出典:採用後に判明する“経歴詐称”リスクが再び顕在化(企業調査センター)

並べてみると、どれも「ちょっと盛った」の延長線上にあるものばかりです。在籍期間を少し長く書く、役職を一段上に書く、短かった職歴を書かずにおく。本人は「盛った」くらいの感覚でも、書類としては立派な詐称です。

企業は、思っている以上に確かめている

「でも、そんなの調べようがないでしょ」と思う人もいるかもしれません。ところが、そうでもないんです。

リファレンスチェックを実施している企業の割合。全体で36.6%、実施を検討している企業も36.6%、従業員301名以上の企業では56.5%
リファレンスチェックを実施している企業の割合

出典:リファレンスチェックに関する調査コラム(マイナビキャリアリサーチLab)

マイナビの調査では、前の職場の上司や同僚に話を聞く「リファレンスチェック」を実施している企業が36.6%。検討中の企業を合わせると73.2%です。従業員301名以上の企業に限ると、すでに56.5%が実施しています。

ほかにも、卒業証明書の提出や、前の勤め先への在籍確認、入社手続きで出す書類など、事実と照らし合わせられる場面はいくつもあります。「盛っても、たぶんバレない」は、もう通用しにくくなっていると考えたほうがいいと思います。

どこからが「詐称」になるのか

では、経歴詐称がわかったらどうなるのか。ここは法律の話になるので、公的な解説を引いておきます。

広島県の労働相談Q&Aでは、最高裁の判例(炭研精工事件、1991年)をもとに、学歴や職歴などの「重要な経歴」を偽った場合は、懲戒解雇の理由になりうると解説されています。目安は「会社が本当のことを知っていたら、採用しなかったと考えられるかどうか」です。

ここで気をつけたいのは、「少しだけだから大丈夫」という線引きは、書く側が勝手に決められるものではない、ということです。会社名、在籍期間、役職、資格、学歴、年収。こうした確かめられる項目は、少しでも事実と違えば、それだけで「事実と違う経歴」です。

短かった職歴を省くのも同じです。書きにくい職歴ほど、隠さずに書いて、短く経緯を添えるほうが、結果的に信頼につながります。

短い在籍の職歴をどう書くかは、短期離職がある人向けの記入見本で、そのまま確認できます。

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バレなくても、苦しむのは自分

ここからが、今日いちばん伝えたいことです。

仮に、盛った職務経歴書で選考を通過して、誰にもバレなかったとします。それで一件落着かというと、私はそうは思いません。盛った分は、入社してから自分に返ってきます。

たとえば、チームで出した成果を「自分の成果」として書いたら、入社後は一人で同じ成果を求められます。いちばん良かった月の数字を、いつもの数字のように書いたら、その数字があなたの目標になります。少し触っただけのスキルを「業務で活用」と書いたら、初日からその仕事が回ってきます。

採用する側は、書類に書かれたとおりの人を採用し、書かれたとおりの仕事を任せます。だから盛った分だけ、入社後の期待と実力のズレが大きくなる。そのズレは、評価が上がらない、周りとうまくいかない、結局また辞める、という形で、自分にのしかかってきます。

転職は、書類を通すことがゴールではありません。入社して、ちゃんと活躍して、長く働けてこその転職です。そう考えると、盛ることにメリットは一つもないんです。

盛らずに、磨く

じゃあ、事実だけを書いたら地味な職務経歴書になってしまうのか。そんなことはありません。盛らなくても、同じ経験をもっと伝わる形にすることはできます。私はこれを「磨く」と呼んでいます。

「盛る」と「磨く」の書き方の比較。売上1.2億円を達成ではなく、5名のチームで売上1.2億円のうち新規開拓を担当し3,000万円を受注、など
「盛る」と「磨く」は、ここが違う

右側の「磨いた書き方」は、どれも事実をそのまま書いているだけです。でも、何を担当して、どれくらいの成果を出したのかが具体的にわかるので、読む側にはむしろ魅力的に映ります。「チームで1.2億円、そのうち自分は新規開拓で3,000万円」と書ける人は、自分の役割をきちんと説明できる人だからです。

磨くときのコツは、3つだけです。

  • 自分が担当した範囲を、正確に書く:チームの成果なら、チームの規模と自分の役割をセットで。
  • 数字は変えずに、見せ方を工夫する:前年比、達成率、社内での順位など、事実の数字を伝わる形で示す。
  • 実績が少なければ、過程を書く:何に気づき、どう工夫し、何が変わったか。結果が小さくても、仕事の進め方は伝わります。

数字の見せ方は、営業職の記入見本がいちばんわかりやすいと思います。達成率や社内順位を、盛らずにきちんと書いた例です。

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「そもそも書ける実績がない」と感じている人は、実績がない人向けの記入見本を見てみてください。盛らなくても、仕事への向き合い方で勝負できる書き方をまとめています。

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迷ったときの確認方法

書き上げた職務経歴書を、前の職場の上司が読んだと想像してみてください。うなずいてくれる内容なら大丈夫です。「え、そこまでやってたっけ?」と言われそうな箇所があれば、そこは盛っています。リファレンスチェックが広がっているいま、この確認方法はそのまま現実の確認にもなります。

おわりに

職務経歴書は、あなたの代わりに、面接より先に企業へ届く書類です。だからこそ、少しでも良く見せたくなる気持ちは、よくわかります。

でも、盛った書類で手に入れた内定は、入社後のあなたを苦しめます。事実を正確に、伝わる形に磨いた書類なら、面接でいくら深掘りされても怖くありません。入社してからも、書いたとおりの自分で勝負できます。

盛るより、磨く。応援しています。

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Author

佐藤 大貴

レジュメラボ編集責任者/アースダイバー代表

佐藤 大貴

人材紹介の会社で、キャリア系メディアの編集長をしていました。転職やキャリアをテーマにした記事づくりに長く関わり、2019年にアースダイバー株式会社を立ち上げました。編集長時代、たくさんの求職者の方やキャ…

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