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マーケティングの職務経歴書の書き方|採用担当に伝わる記入例と無料テンプレート

マーケティングの職務経歴書の書き方|採用担当に伝わる記入例と無料テンプレート

マーケティングの職務経歴書でいちばん伝わりにくいのは、「自分の仕事で、どの数字が動いたのか」です。売上は、商品・価格・季節・営業の動きなど、多くの要因で上下します。「売上拡大に貢献しました」と書くだけでは、採用担当はあなたの施策の成果かどうかを判断できません。

同じマーケティングでも、広告で新規客を集める人と、会員に買い続けてもらう人では、追う数字がまったく違います。採用担当は、担当領域・商材・規模が自社で任せたい仕事と重なるかを最初に確かめます。

この記事では、生活用品のD2C企業で広告運用とCRM(会員への継続的な働きかけ)を担当してきた人の記入例をもとに、項目ごとの書き方を解説します。広告代理店・SNSとコンテンツ・BtoB・販促の書き分け方と、生成AIを使った経験の書き方も紹介します。

この記事でわかること

  • マーケティングの職務経歴書の完成イメージ(記入例)
  • 広告費・EC化率のデータから見た、マーケティングの仕事の変化
  • CPA・2回目購入率など、施策の成果を「自分の数字」として書く方法
  • 広告代理店・SNSとコンテンツ・BtoB・販促の書き分け方
  • 広告運用・クリエイティブ・分析・SEOでのAIの使い方と、その書き方

無料テンプレート

マーケティングの職務経歴書、記入見本つきのテンプレートがあります

この記事の記入例と同じ形式で、Word・Excel・PDFの3形式。空欄のテンプレートと記入見本がセットになっています。

マーケティングの職務経歴書の記入例

まずは完成イメージです。キッチン・バス・掃除用品を自社ECとモール店で売るD2C企業に新卒で入社し、EC運営を2年、デジタル広告を3年経験したあと、現在はCRMグループのリーダーを務める人を想定しています。画像をタップすると拡大できます。

マーケティングの職務経歴書の記入例(D2C企業で広告運用・CRM 約6年半)
マーケティングの職務経歴書の記入例(A4・2枚)

この記入例と同じ形式のテンプレートを無料で用意しています。Word・Excel・PDFの3形式で、それぞれ空欄テンプレートと記入見本の2点セットです。

データで読む:マーケティングは「結果が数字で返ってくる仕事」になった

書き方に入る前に、広告のお金の流れと、商品が売れる場所の変化をデータで見ておきます。3つの資料を重ねると、見えてくることは1つです。マーケティングの仕事は、使ったお金の結果がすぐ数字で返ってくる仕事になりました。だから職務経歴書でも、任された規模・自分の関わり方・商材に合った指標を数字で示せる人が評価されます。

広告費の過半数がネットへ。結果がすぐ数字で返る広告が主役になった

電通の「2025年 日本の広告費」によると、2025年の総広告費は8兆623億円でした。このうちインターネット広告費は4兆459億円で、構成比は50.2%と初めて過半数に達しました。前年比も110.8%と、新聞・雑誌・ラジオ・テレビの「マスコミ四媒体」(98.4%)を大きく上回っています。

媒体別の広告費(電通 2025年 日本の広告費)。インターネット広告費が4兆459億円で過半数
媒体別の広告費:インターネット広告費が初めて過半数に(電通、2025年)

出典:2025年 日本の広告費(電通・共同通信PRワイヤー配信のニュースリリース)(2026年3月5日発表)

ネット広告は、結果がクリック数や購入数としてすぐに返ってきます。広告のお金の半分以上がそこに流れているいま、マーケティングの経験は「いくら任され、何がどれだけ動いたか」で読まれます。まずは任されていた広告費の規模を年額で書きましょう。記入例の「広告費 年約1億4,000万円(2022年度)」のように書けば、同じくらいの予算を任せられるかを採用担当がすぐに判断できます。

ネット広告の約9割は毎日調整する「運用型」。問われるのは、自分で回したか、任せたか

同じ日の「インターネット広告媒体費 詳細分析」では、ネット広告の媒体費3兆3,093億円を取引のしかたで分けています。検索連動型広告やSNS広告など、入札方式で取引する「運用型広告」が2兆9,352億円で、88.7%を占めました。

インターネット広告媒体費の取引手法別の内訳。運用型広告が2兆9,352億円で88.7%
インターネット広告媒体費の取引手法別の内訳:運用型広告が88.7%(CARTA HOLDINGSほか、2025年)

出典:2025年 日本の広告費 インターネット広告媒体費 詳細分析(CARTA HOLDINGS・電通・電通デジタル・セプテーニ)(2026年3月5日発表)

運用型広告は、出稿したら終わりではありません。キーワードや配信先ごとの入札額、広告文や画像を、成果を見ながら毎日のように調整します。この調整を社内でするのか、代理店に任せるのかは会社によって違います。だからこそ採用担当は、自分で運用したのか、代理店を管理したのかを確かめます。

記入例が「代理店2社の窓口」「検索広告の運用を代理店から社内に切り替え」と関わり方を書き分けているのは、このためです。代理店に任せていた人も、予算配分や改善の指示を自分で決めていたなら、それがそのまま書くべき中身になります。

ECで売れる割合は物販全体で約1割、生活雑貨は3割超。商材が違えば追う数字も違う

経済産業省の「令和7年度 電子商取引に関する市場調査」によると、2025年の物販のEC化率(すべての商取引のうちECで売れた割合)は、物販全体で9.80%でした。一方で、生活雑貨・家具・インテリアは31.73%と、物販全体の3倍以上がECで売れています。食品・飲料・酒類は4.66%にとどまります。

物販系分野のBtoC-EC化率(商品分野別・2025年)。生活雑貨・家具・インテリアは31.73%
物販系分野の商品分野別のEC化率:生活雑貨・家具・インテリアは31.73%(経済産業省、2025年)

出典:令和7年度 電子商取引に関する市場調査 報告書(経済産業省) 図表3-3(2026年10月21日公表)

ECが主戦場の商材と、店頭がまだ中心の商材とでは、使う手法も追う指標も変わります。CPAや2回目購入率は、どんな商材を、どこで売っているかがわかって初めて意味が伝わる数字です。記入例が会社概要に「自社ECとモール店が中心のD2C」(D2C=自社で企画した商品を自社のECなどで直接売る形)と書いているのは、そのためです。会社概要には、商材と販売チャネルを一言添えましょう。

まとめると、マーケティングの職務経歴書では、売上への貢献を語る前に、任された予算の規模、自分で運用したのか管理したのか、商材に合った指標の変化を書けるかで差がつきます。ここからは、採用担当がそれを書類のどこで確かめているかを見ていきます。

マーケティングの職務経歴書テンプレートを無料でダウンロード

採用担当がマーケティングの職務経歴書で見ている3つのこと

こうした変化と、採用の現場でよく言われる傾向を踏まえると、採用担当は次の3つを確認しています。どの項目も、このどれかが伝わるかを意識しましょう。

  1. どの領域を、どんな商材と規模で担当してきたか広告・CRM・SNS・商品企画など、マーケティングは担当領域で中身が大きく変わります。扱った商材と販売チャネル、広告費や会員数の規模、社内で運用したのか代理店に任せたのかを、採用担当は最初に確認します。
  2. 成果を、指標と前後の比較で示せるか獲得単価(CPA)、2回目購入率、解約率など、担当領域の成果を表す指標が「いつから、いつまでに、どれだけ変わったか」。売上全体ではなく、自分の施策が動かした数字を見ています。
  3. 仮説から検証まで回し、周りを動かせるか施策を思いつくだけでなく、評価の方法を決めて検証し、続けるか止めるかを判断できるか。商品部やCSなど他部署を巻き込んで進めた経験も、入社後の動き方を想像する材料になります。

項目別の書き方:OK例とNG例の違い

ここからは項目ごとに、NG例とOK例を並べて解説します。同じ経験でも、どの数字をどう添えるかで、採用担当の受け取り方は大きく変わります。

職務要約:経験年数・担当領域・規模・立場・代表的な数字を3〜5行で

職務要約は、採用担当が最初に読む部分です。マーケティングでは担当領域が広いため、「どの領域を何年」と「その領域の代表的な数字」を必ず入れます。新規獲得とCRMの両方を経験した人は、それぞれ1つずつ数字を選びましょう。

× NG例

生活用品メーカーでWebマーケティングを担当してまいりました。広告運用やメルマガ配信など幅広い施策に携わり、売上拡大に貢献しました。データに基づいたマーケティングが得意です。

ここが惜しい

  1. 経験年数と立場がなく、どこまで一人で任せられる人かを判断できません。
  2. 「幅広い施策」では担当の中心がわからず、広告とCRMのどちらに強いのかが伝わりません。
  3. 「売上拡大に貢献」「データに基づいた」は、数字がないため確かめられません。

○ OK例

2018年4月に生活用品のD2C企業である株式会社サンプルライフに入社し、EC運営を2年経験した後、2020年からマーケティング部で約6年半、デジタル広告の運用とCRMを担当しています。広告では新規顧客の獲得単価(CPA)を6,200円から4,800円に下げ、現在はCRMグループのリーダー(4名)として、初回購入者の2回目購入率を24%から31%に上げました。

ここが評価される

  1. 「EC運営→広告→CRM」と担当の移り変わりが書かれ、新規獲得から継続購入まで経験していることが一文でわかります。
  2. 広告とCRMそれぞれの代表的な指標を1つずつ選び、前後の数字で書いています。

職務経歴:部署ごとに「担当・実績・取り組み」をそろえる

担当領域は異動で変わることがよくあります。部署ごとに【担当】【実績】【取り組み】の見出しをそろえると、読み手は同じ順番で経験を追えます。下の画像の3つのポイントを押さえましょう。

マーケティングの職務経歴の書き方のポイント(注釈付き)
職務経歴の書き方のポイント

× NG例

マーケティング部でCRMを担当。メールやLINEの配信を企画し、リピート率の向上に取り組みました。新しい施策を積極的に提案し、チームを牽引しました。

ここが惜しい

  1. 会員数や配信の規模がなく、どの程度の仕事を任されていたのかがわかりません。
  2. 「リピート率の向上」は、何の指標がどれだけ上がったのかが書かれていません。
  3. 「積極的に提案」「牽引」では、どんな施策を、どう進めたのかが伝わりません。

○ OK例

【担当】会員約38万人へのメール・LINE配信と定期便。リーダー(自分を含め4名)

【実績】(2023年度→2025年度)

初回購入者の90日以内の2回目購入率 24%→31%

(中略)

【取り組み】購入回数と最終購入からの日数で会員を8分類し、配信シナリオを6本→18本に再設計

ここが評価される

  1. 【担当】【実績】【取り組み】と見出しをそろえているので、部署が変わっても同じ順番で読めます。
  2. 会員数とチームの人数を書くことで、仕事の規模と立場が一目でわかります。
  3. 会員の分け方まで書いているので、成果を出したやり方を応募先でも再現できると伝わります。

施策の成果:指標・前後の数字・期間をセットで書く

マーケティングの職務経歴書で、いちばん差がつくのがここです。書くべきなのは会社全体の売上ではなく、自分の担当領域が直接動かせる指標です。新規獲得なら獲得単価(CPA、1人の新規顧客を得るのにかかった広告費)、CRMなら2回目購入率や解約率などがあたります。

× NG例

担当した施策により、EC売上が前年比150%に成長。広告のROASも大きく改善しました。

ここが惜しい

  1. EC売上は商品・価格・季節など多くの要因で動きます。自分の施策の成果かどうかが判断できません。
  2. 「大きく改善」では、改善前と改善後の数字がなく、効果の大きさがわかりません。

○ OK例

新規顧客の獲得単価(CPA)6,200円→4,800円、新規顧客数 年2.1万人→2.9万人(2020年度→2022年度)

(中略)

初回購入者の90日以内の2回目購入率 24%→31%

定期便の月間解約率 4.8%→3.6%

ここが評価される

  1. 担当領域ごとに「その領域が動かせる指標」を選んでいるので、本人の成果として読めます。
  2. CPAと新規顧客数を並べると、単価を下げるために獲得数を減らしたのではないことが伝わります。
  3. 「90日以内の」「月間の」と数え方を書いているので、面接で聞かれても説明できます。

CPAだけが下がっていると「獲得数を絞っただけでは」と読まれかねません。記入例のように、トレードオフになる指標を並べて書くと、成果の質まで伝わります。

売上やシェアなど社外秘の数字は書き方に注意

売上の実額や広告の詳しい設定は、在籍中の会社の機密にあたることがあります。実額を出せないときは「前年比」「〇〇→〇〇%」のように比率で書き、面接で話せる範囲を事前に決めておきましょう。

活かせる経験・知識・スキル:応募先で使える経験を3つに絞り、規模を添える

ここでは、経験したことを全部並べるのではなく、応募先で使える経験を3つ程度に絞ります。ツール名は「■ツール・スキル」欄に任せ、ここでは何ができるかを書きます。

× NG例

・Webマーケティング全般

・データ分析

・Google 広告、GA4、Excel

ここが惜しい

  1. 「Webマーケティング全般」は範囲が広すぎて、何が得意なのかが伝わりません。
  2. ツール名だけでは、どの程度使いこなせるのかがわかりません。ツールは「■ツール・スキル」欄に経験年数と一緒に書きます。

○ OK例

・新規獲得の広告運用(検索・SNS、年約1億4,000万円)と、代理店から社内運用への切り替え

・CRMの設計・運用(会員の分類にもとづくシナリオ配信、定期便の解約防止)

・仮説・実行・検証を月単位で回す施策の運営と、商品部・CS・データ分析担当との調整

ここが評価される

  1. 広告費の規模を添えることで、同じくらいの予算を任せられるかを採用担当が判断できます。
  2. 新規獲得・CRM・施策の運営と、強みの種類が重ならないように選んでいます。

ツール・スキル:分類ごとに「何を・何年」を書く

マーケティング職は、広告媒体・MAツール(メールやLINEの配信を自動化する仕組み)・アクセス解析など、使うツールが多い仕事です。記入例のように表の見出しを「■ツール・スキル」とし、分類ごとにツール名と経験年数をまとめると、応募先の環境に合うかがすぐに伝わります。

× NG例

Google 広告、Yahoo!広告、Meta 広告、GA4、Looker Studio、MAツール、Excel、PowerPoint

ここが惜しい

  1. ツール名が並んでいるだけで、どれをどの深さで使ってきたのかがわかりません。
  2. ExcelやPowerPointは、マーケティング職ではほぼ全員が使えるため、差がつきません。

○ OK例

広告運用:Google 広告・Yahoo!広告(検索)、Meta 広告(Facebook・Instagram)(各3年)

CRM・分析:MAツールでのメール・LINE配信(3年半)、GA4・Looker Studio(各4年)

ここが評価される

  1. 広告の3年は、デジタル広告グループの在籍期間(2020年4月〜2023年3月)と一致しています。年数と職務経歴の期間が食い違うと、信頼を損ないます。
  2. MAツールは製品名ではなく「メール・LINE配信」と使い方で書いているので、応募先の製品が違っても伝わります。

AI・自動化の経験:使った業務・情報の扱い・確かめ方を1行で

生成AIの経験は、項目を新しく作るより、職務経歴の【取り組み】に1行で入れるのが自然です。記入例では、CRMグループの取り組みの3行目に次のように書いています。

記入例

社内で認められた生成AIでメール件名を案出し(会員情報は入れず、表現は自分で確認)

ポイント

  1. 「社内で認められた」「会員情報は入れず」で、ルールと個人情報の扱いに気を配る人だと伝わります。
  2. 「表現は自分で確認」と書くことで、最後の判断は自分がしていることがわかります。

どこまで厚く書くかは応募先しだいです。使い方と書き方は、あとの「2026年のマーケティングとAI」の章で詳しく紹介します。

自己PR:強みは2つまで。やり方と結果をセットで

自己PRは「強み → それを発揮したやり方 → 結果の数字」の順に書きます。マーケティング職で「分析力」「企画力」と書く人は多いため、どう分析し、何を決めたのかという手順まで書くことで、ほかの応募者との差が生まれます。

× NG例

私の強みは分析力と企画力です。常にお客様目線で考え、トレンドを取り入れた施策を企画してきました。最近は生成AIも積極的に活用しています。

ここが惜しい

  1. 「分析力と企画力」はマーケティング職の応募者の多くが書く言葉で、差がつきません。
  2. どんな施策で、どんな結果が出たのかがなく、強みの根拠になっていません。
  3. 「生成AIも積極的に活用」は、何に使い、どう確かめたのかがなく、情報の扱いに不安を与えます。

○ OK例

数字から打ち手を決め、検証まで回す力

広告運用では毎週、媒体・キーワード別にCPAを確認し、成果の出ない配信を止めて予算を配分し直しました。CPAを6,200円から4,800円に下げながら、新規顧客を年2.1万人から2.9万人に増やしました。

ここが評価される

  1. 「毎週」「媒体・キーワード別に」と確認の手順が具体的で、応募先でも同じやり方ができると伝わります。
  2. 職務経歴に書いた数字と一致しているので、内容に一貫性があります。
記入見本つきのマーケティング職向けテンプレートを見る

経歴・担当領域別:職務経歴書の書き分け方

マーケティングは、会社の種類や担当領域によって評価される数字が大きく変わります。まずは表で全体像を確認しましょう。記入例の人物は1行目にあたります。

経歴・担当領域採用担当が見るポイント強調したい経験・数字
事業会社のデジタル広告・CRM(記入例)自社の顧客を増やし、買い続けてもらう仕組みをつくれるかCPA・新規顧客数、2回目購入率、解約率、会員数・広告費の規模
広告代理店(運用型広告)クライアントの成果を、運用と提案で伸ばせるか担当社数・業種、運用額、改善の幅、継続率
SNS・コンテンツ・SEO情報発信で見込み客を集め、成果につなげられるか自然検索の流入、記事・投稿の本数、そこからの購入・問い合わせ
BtoBマーケティング営業に渡せる見込み客を、質と量の両面でつくれるかリード数、商談化率、展示会・セミナーの規模、営業との連携
販促・ブランド(店頭・マス広告が中心)限られた予算で、売り場や認知を動かせるか販促の規模、店頭の売上の前後比較、認知度の調査結果

広告代理店(運用型広告)の経験を書く

代理店の運用担当は、複数のクライアントの広告を同時に運用し、成果を報告・提案するのが仕事です。事業会社に移る場合は、「運用の腕」に加えて、クライアントの事業の数字まで考えて提案した経験が評価されやすくなります。データの章で見たとおり、運用型広告を社内で運用するか代理店に任せるかは会社によって違います。社内で運用する会社に応募するなら、日々の調整を担ってきた経験を前に出しましょう。

職務経歴書に書きたいこと

  • 担当したクライアントの数・業種と、合計の運用額
  • 代表的な改善の数字(CPA・ROAS(広告費あたりの売上)など)と期間
  • クライアントとの取引が続いた期間や、追加の受注

記入例

※記入例とは別の架空例です
【担当】EC・人材・教育の3業種、クライアント8社の検索広告・SNS広告の運用(運用額 合計 月約3,000万円)
【実績】化粧品ECのクライアントで、CPAを9,500円→7,200円に改善(2024年度上期→下期)。担当8社のうち7社と翌年度も契約を継続

ポイント

  1. 業種・社数・運用額で、どの規模の運用を任せられるかがわかります。
  2. 翌年度の継続という数字は、クライアントに信頼された担当者であることの裏付けになります。

よくある落とし穴

クライアント名や売上の実額をそのまま書くケースです。代理店には守秘義務があります。「化粧品EC」のように、業種と規模に言い換えましょう。

SNS・コンテンツ・SEOの経験を書く

SNSや記事で情報を発信する担当は、フォロワー数や閲覧数を書きがちです。採用担当が知りたいのは、その発信が購入や問い合わせにどうつながったかです。発信の数字と、事業の数字をつなげて書くことを意識しましょう。

職務経歴書に書きたいこと

  • 運用したアカウント・メディアの種類と、発信の本数・体制
  • 自然検索の流入やフォロワーの変化(前後の数字と期間)
  • そこから生まれた購入・会員登録・問い合わせの数

記入例

※記入例とは別の架空例です
【担当】自社メディア(住宅設備の使い方の記事 約240本)の企画・編集。外部ライター6名への依頼と原稿の確認
【実績】自然検索からの月間訪問数 約4万→約11万(2023年度→2025年度)。記事経由のカタログ請求 月約60件→約150件

ポイント

  1. 記事の本数と体制で、どのくらいの量を回していたかがわかります。
  2. 訪問数だけでなく、カタログ請求という事業の数字につなげて書いています。

よくある落とし穴

「バズった投稿」の数字だけを書くケースです。1回の偶然の成果より、続けて伸ばした数字のほうが評価されます。

BtoBマーケティングの経験を書く

企業向けの商材では、マーケティングの役割は、営業が商談できる見込み客(リード)をつくることです。リードの「数」だけでなく、営業にとって価値のある「質」をどう高めたかが見られます。

職務経歴書に書きたいこと

  • リードを集めた手段(展示会・セミナー・資料ダウンロードなど)と規模
  • リード数と、そこから商談になった割合(商談化率)
  • 営業部門との取り決め(渡す基準、振り返りの頻度)

記入例

※記入例とは別の架空例です
【担当】勤怠管理システムのリード獲得(オンラインセミナー 年12回、資料ダウンロード)と、営業へのリードの受け渡し
【取り組み】営業部と「商談に進めるリード」の条件を決め、条件を満たした人だけを渡す運用に変更。商談化率を8%→14%に改善(2024年度→2025年度)

ポイント

  1. 営業と基準を決めた経験は、部署をまたいで成果を出せる人だと伝わります。
  2. リードの数ではなく商談化率を書いているので、質を高めたことがわかります。

よくある落とし穴

リード数の増加だけを強調するケースです。商談につながらなければ、営業の負担が増えるだけです。商談化率は営業部門に確かめて書きましょう。

販促・ブランド(店頭・マス広告が中心)の経験を書く

メーカーや小売で、店頭の販促やテレビCMなどを担当してきた人は、「デジタルの数字がない」と悩みがちです。データの章で見たとおり、食品・飲料・酒類のEC化率は4.66%で、物販全体でも9割はEC以外で売れています。店頭が中心の商材はまだ多く、売り場を動かした経験は十分に評価の対象になります。

職務経歴書に書きたいこと

  • 担当したブランド・商品の分野と、販促の規模(店舗数など)
  • 店頭での売上の変化(実施した店舗と、しなかった店舗の比較など)
  • 認知度や購入意向など、調査で測った数字

記入例

※記入例とは別の架空例です
【担当】冷凍食品ブランドの店頭販促(量販店 約1,200店舗)と、新商品発売時の広告会社との窓口
【実績】店頭の試食販促を実施した約300店舗で、実施しなかった店舗に比べて発売3か月の売上が平均1.3倍

ポイント

  1. 店舗数で規模を示し、「実施した店舗としなかった店舗」で効果を比べています。
  2. デジタルでなくても、比較の仕方を書けば成果を数字で示せます。

よくある落とし穴

少しだけ触ったSNSやネット広告を大きく書くケースです。面接で深く聞かれると答えに詰まります。得意な領域を厚く書き、デジタルは関わった範囲を正直に書きましょう。

あわせて読みたい:データアナリスト(データ分析職)の職務経歴書の書き方

2026年のマーケティングとAI:職務経歴書にどう書くか

最初にお伝えしたいのは、AIの使い方や、AIの経験を求める度合いは、応募先によって大きく違うということです。情報処理推進機構(IPA)の「DX動向2026」では、AIを導入している企業は従業員1,001人以上で8割近くにのぼる一方、101人以下では16.6%でした。個人情報を多く扱う会社では、利用を細かく制限していることもあります。

まずは求人票に「生成AI」「AIツール」などの言葉があるかを確認しましょう。記載があれば、取り組みや自己PRで詳しく書く価値があります。記載がなければ、1行添える程度で十分です。

マーケティングは、AIの影響を受けやすい仕事

同じIPAの調査では、AIの用途は「文書・音声の要約、翻訳、校正」82.5%、「文書・レポート作成」80.5%、「情報検索・収集・分析」77.0%が上位でした。広告文・メール・記事・レポートなど、マーケティングの仕事の多くがこの「つくる・まとめる・調べる」にあたります。

総務省の「令和8年版 情報通信白書」でも、企業が生成AIを使う業務として「営業・販売」が約6割でした。速くなる作業が多い分、採用担当の目は、速くなった時間で何をしたかと、出てきた案を何で選んだかに向きます。

2026年のマーケティングで現実的なAIの使い方

2026年時点で、マーケティングの現場でよく見られる使い方は次のとおりです。

  • 広告運用:検索広告の広告文や見出しの案を多めに出し、人が選んで検証する
  • クリエイティブ制作:バナーや動画の構成案、コピーのたたき台をつくる。仕上げと表現のチェックは人が担う
  • 分析:レビューや問い合わせ内容を分類・要約し、不満や購入理由の傾向をつかむ。集計用の数式やSQLの下書きをつくる
  • SEO・コンテンツ:記事の構成案をつくる。事実確認と、自社にしかない情報の追加は人が担う
  • CRM:メールの件名や本文の案を、会員の分類ごとに複数つくる(記入例はここにあたります)

広告媒体の、入札や配信先を自動で調整する機能も、広い意味でAIを使った運用です。ただし自動の機能を「使った」だけでは、誰が運用しても同じです。何を目標に設定し、どんな計測を整え、結果をどう判断したかを書きましょう。

書き方:何の業務で・どう使い・何が変わったか

AIの経験は「AIを活用して効率化」と書くだけでは伝わりません。使った業務・情報の扱い・確かめ方・変わったことの4つをセットにします。

× NG例

生成AIを積極的に活用し、広告クリエイティブやメールを大量に制作。業務効率と成果を大きく改善しました。

ここが惜しい

  1. どの業務で、どう使ったのかがわからず、「使ったことがある」以上の情報がありません。
  2. 会員情報や広告表現をどう扱ったかがなく、情報管理に不安を与えます。
  3. 「大きく改善」に数字がなく、AIの効果なのか、ほかの施策の効果なのかも判断できません。

○ OK例

社内で認められた生成AIでメール件名を案出し(会員情報は入れず、表現は自分で確認)

ここが評価される

  1. 記入例の一文です。業務(メール件名)・ルール(社内で認められた)・情報の扱い(会員情報は入れず)・確認(自分で確認)がそろっています。
  2. AIを成果の主役にせず、施策の一部として書いているので、盛っていない印象を与えます。

効果を数字で示せる場合は、AIを使う前と後の比較を添えましょう。次の2つは、記入例とは別の架空例です。

記入例

※記入例とは別の架空例です
【取り組み】社内で認められた生成AIで検索広告の広告文の案を出し、薬機法・景品表示法のチェックリストで確認してから入稿。検証する広告文を月8本→月20本に増やし、クリック率を1.8%→2.3%に改善(2025年度上期→下期)

ポイント

  1. 検証の本数という「AIで増えたもの」と、クリック率という「成果」を分けて書いています。
  2. 表現のチェックの方法を書いているので、広告の審査やリスクにも気を配れる人だと伝わります。

記入例

※記入例とは別の架空例です
【取り組み】商品レビュー約1万2,000件の分類に生成AIを使用(個人を特定できる情報は削除して入力)。300件を抜き出して自分で分類し、結果が合っているかを確認。不満の上位3つを商品部と共有し、商品ページの説明を改訂

ポイント

  1. AIの分類を、人の目で抜き取り確認しています。AIの結果をうのみにしない人だと伝わります。
  2. 分析で終わらず、商品ページの改訂という行動につなげています。

AIの経験を書くときの注意点

  • 会員・顧客の個人情報を入れていないことがわかるように書く。マーケティングは個人情報を多く扱う仕事です。「会員情報は入れず」「個人を特定できる情報は削除して」と一言添えましょう。
  • 広告表現と権利の確認に触れる。AIが出した文章や画像にも、薬機法・景品表示法などの表現の決まりや、他者の権利に関わる問題が起こりえます。確認した方法を書くと安心されます。
  • 会社のルールに従って使ったことを前提に書く。ルールのない時期に、個人のアカウントで社内の資料やデータを扱った経験は書かないほうが無難です。
  • 盛らない。「AIで広告運用を自動化」と書いて実際は案出し程度だった場合、面接で使い方を聞かれて答えに詰まります。

AIを使っていない・禁止の職場だった人は

個人情報の扱いや広告表現の審査の都合で、生成AIを使えない職場も少なくありません。それだけで不利になると考える必要はありません。AIが出す案は、良し悪しを判断できる人がいて初めて成果につながります。案を比べて選ぶための検証の仕組みをつくってきた経験は、そのまま強みになります。

職務経歴書では、ABテストの設計、評価指標と比較群の決め方、レポートの自動化など、検証の回数と質を上げた工夫を書きましょう。個人で学んでいる場合は、業務の経験と分けて「学習中」と書けます。社内のデータを個人のAIで試すのは避けてください。

実績の数字が書けないときの対処法

「売上の数字は社外秘」「チームの成果で、自分の分が切り分けられない」という人も、見る角度を変えれば書ける数字は必ずあります。

売上や広告費の実額が社外秘で書けない

実額の代わりに、比率や前後の変化で書きます。「CPAを15%改善」「会員数は数十万人規模」のように表せます。面接でどこまで話せるかも決めておきましょう。

施策の効果が、セールや季節の影響と混ざっている

比べ方を工夫した数字を書きます。前年の同じ時期との比較、配信した会員としなかった会員の比較などです。記入例の「評価指標と比較群を事前に決め」のように、比べ方そのものを書くと、数字の信頼度が上がります。

代理店に運用を任せていて、自分で運用していない

自分が決めたことを書きます。予算の配分、代理店への改善の指示、レポートの確認の頻度、代理店の切り替えや見直しなどです。「代理店〇社の窓口として、月次で予算配分を決定」のように、管理の仕方も立派な経験です。

認知やブランドの施策で、すぐに売上に表れない

実施の規模と、途中の指標を書きます。出稿した媒体や期間、イベントの来場者数、指名検索(社名や商品名での検索)の数、調査での認知度の変化などです。売上と直接つながらなくても、何を目指して何を測ったかが伝われば評価されます。

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提出前のチェックリスト

書き終えたら、提出前に次の項目を確認しましょう。テンプレートの書き方ガイドと同じ7項目です。

  • 職務要約に、経験年数・担当領域・規模・立場・代表的な成果の数字が入っている
  • 会社概要に、商材と販売チャネル(D2C・小売・BtoBなど)を書いている
  • 部署ごとに、担当領域と広告費・会員数などの規模を書いている
  • 成果は、指標の名前・前後の数字・期間をセットで書き、数え方を説明できる
  • 代理店や他部署との分担がわかり、自分が担った範囲を書いている
  • 社外秘の数字や会員の個人情報を書いていない。AIを使った場合は、情報を入れず自分で確認したことを書いている
  • A4で2枚程度(多くても3枚以内)に収まり、誤字脱字がない

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ブランク、転職回数、未経験…気になる事情があるなら、状況別の記入見本も


職種の書き方はこの記事で、事情の伝え方は状況別の記入見本で。2つを組み合わせれば、書きにくいところも迷わず書けます。

よくある質問

営業や販売の経験しかありませんが、マーケティング職に応募できますか?

応募できます。お客様の声を聞いて売り方を変えた経験、店舗のPOPや売り場を変えて売上を比べた経験などは、マーケティングの仕事に通じます。職務経歴書では、「誰に・何を・どう伝え、何が変わったか」の形で書きましょう。仮説を立てて試し、結果を比べた経験があれば、それを中心にします。

チームで出した成果は、自分の実績として書いてもいいですか?

書いてかまいませんが、自分の役割と分けて書きましょう。「チーム〇名で2回目購入率を〇%→〇%に改善。自分は〇〇を担当」のように書くと、事実と貢献の両方が伝わります。チームの成果を自分一人の成果のように書くのは避けてください。

施策の企画書やレポートを、ポートフォリオとして添付してもいいですか?

社内の資料をそのまま添付するのは避けましょう。売上や会員のデータなど、社外秘の情報が含まれていることが多いためです。見せたい場合は、数字を伏せて自分で作り直した要約を用意します。求められなければ、職務経歴書だけで十分です。

資格は書いたほうがいいですか?

ウェブ解析士や、広告媒体の認定資格などは、知識の裏付けとして書いておきましょう。ただし、マーケティング職の選考では、資格より実務の成果が重視されます。記入例のように、資格の欄は短くまとめ、職務経歴の成果を充実させるのが先です。

生成AIを業務で使ったことがありません。不利になりますか?

不利になるとは限りません。AIの導入状況は会社の規模や業界で大きく違い、使えない職場も多いからです。求人票にAIの記載がなければ、無理に書く必要はありません。代わりに、ABテストや効果検証の進め方、手作業を減らした工夫を書きましょう。どれもAIを使う仕事の土台になる力です。

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Author

佐藤 大貴

レジュメラボ編集責任者/アースダイバー代表

佐藤 大貴

人材紹介の会社で、キャリア系メディアの編集長をしていました。転職やキャリアをテーマにした記事づくりに長く関わり、2019年にアースダイバー株式会社を立ち上げました。編集長時代、たくさんの求職者の方やキャ…

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