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インフラエンジニアの職務経歴書の書き方|採用担当に伝わる記入例と無料テンプレート

インフラエンジニアの職務経歴書の書き方|採用担当に伝わる記入例と無料テンプレート

インフラエンジニアの職務経歴書は、扱った技術の名前がずらりと並ぶだけになりがちです。採用担当が知りたいのは技術名の数ではなく、どんな規模のインフラを、どの工程で任され、何を良くしたかです。

インフラの成果は「止まらなかった」ことなので、目に見えにくいのが悩みどころです。だからこそ、台数・拠点数・停止時間・復旧時間・クラウド費用といった数字で示すことが大切です。

この記事では、監視センターからオンプレミスの構築、AWS移行、運用リーダーへと経験を広げてきた人の記入例をもとに、項目ごとの書き方を解説します。経歴別の書き分け方、資格や生成AI・AIOpsの経験の書き方も紹介します。

この記事でわかること

  • インフラエンジニアの職務経歴書の完成イメージ(記入例)
  • 総務省・業界団体・IPAのデータから見た、企業がインフラに求めていること
  • 構築・運用・障害対応の実績の書き方と、OK例・NG例の違い
  • 台数・利用者数・可用性で「規模」を伝える書き方と、資格の書き方
  • 監視・運用、オンプレ構築、クラウド、運用リーダーなど経歴別の書き分け方
  • IaCの補助・ログ要約・AIOps・LLM基盤など、AIの経験を職務経歴書に書くコツ

無料テンプレート

インフラエンジニアの職務経歴書、記入見本つきのテンプレートがあります

この記事の記入例と同じ形式で、Word・Excel・PDFの3形式。空欄のテンプレートと記入見本がセットになっています。

インフラエンジニアの職務経歴書の記入例

まずは完成イメージです。インフラの構築・運用と24時間監視を手がける会社で約10年半、監視センターから拠点ネットワーク・仮想化基盤の構築、AWS移行の設計リーダーへと経験を広げ、現在はAWS運用チームのリーダーを務める人を想定しています。画像をタップすると拡大できます。

インフラエンジニアの職務経歴書の記入例(運用監視・オンプレ構築・AWS移行・運用リーダー、経験10年半)
インフラエンジニアの職務経歴書の記入例(A4・2枚)

この記入例と同じ形式のテンプレートを無料で用意しています。Word・Excel・PDFの3形式で、それぞれ空欄テンプレートと記入見本の2点セットです。

データで見る:企業がインフラエンジニアに求めていること

何を強調して書くかは、企業がインフラに何を期待し、どこに困っているかを知ると決めやすくなります。3つのデータを見ていきましょう。

企業がクラウドを使う理由は「止まりにくさ」と「保守を持たないこと」

総務省の「令和7年通信利用動向調査」で、クラウドサービスを使う理由の最多は「場所、機器を選ばずに利用できる」(50.7%)でした。続くのが「安定運用、可用性が高くなる」(45.1%)と、「資産、保守体制を社内に持つ必要がない」(42.8%)です。

クラウドサービスを利用する理由(総務省 通信利用動向調査 2025年)
クラウドサービスを利用する理由(2025年)

出典:令和7年通信利用動向調査の結果(概要)(総務省)(図表4-4・2026年5月29日公表)

一方で「既存システムよりもコストが安い」は19.4%にとどまりました。企業はクラウドに、安さよりも止まりにくさと、運用の負担を減らすことを期待していると読み取れます。可用性は、システムが止まらずに使える度合いのことです。

職務経歴書への落とし込み方

クラウド移行の実績は「AWSに移行した」で終わらせず、停止時間・復旧時間と、手作業・保守の削減で書きます。費用の削減は、そのうえで添えましょう。

IT部門が流出に悩む担当業務は、1位が運用、2位がインフラ・ネットワーク

日本情報システム・ユーザー協会(JUAS)の「企業IT動向調査2026」は、上場企業などのIT部門を中心とした調査です(2025年度は957社が回答)。担当業務ごとに人材の課題を聞いたところ、「流出」の面で課題感が高い担当業務の1位は運用管理・運用担当(13.5%)、2位はインフラ・ネットワーク担当(12.5%)でした。

流出面で課題感の高い担当業務(JUAS 企業IT動向調査2026)
流出面で課題感の高い担当業務(2025年度調査)

出典:企業IT動向調査2026(2025年度調査)概要資料(日本情報システム・ユーザー協会)(2026年4月公表)

運用やインフラの担当者が辞めると、その人しか知らない設定や手順が残り、障害のときに困ります。人が入れ替わっても回る運用は、企業にとって切実なテーマだと考えられます。「誰が当番でも同じように直せる」仕組みづくりは、評価されやすい経験です。

職務経歴書への落とし込み方

手順書の整備、アラートの整理、構築の自動化は、属人化を減らした実績です。記入例の「手順書を約80本整備し、一次解決率を約40%から約65%に向上」のように、整えた量と結果の両方を書きましょう。

インフラに関わる高度試験などの合格率は、どれも2割を切る

インフラエンジニアは、資格が経験の裏付けとして読まれやすい職種です。IPAの令和7年度春期試験の発表によると、ネットワークスペシャリスト試験の合格率は17.8%でした。システムアーキテクト(15.5%)、ITサービスマネージャ(14.7%)、情報処理安全確保支援士(19.0%)も、すべて2割を切っています。

情報処理技術者試験・情報処理安全確保支援士試験の合格率(IPA 令和7年度春期)
高度試験などの合格率(2025年4月実施)

出典:令和7年度春期 情報処理技術者試験及び情報処理安全確保支援士試験の合格発表(情報処理推進機構)(2025年7月3日)

ネットワークスペシャリスト試験の合格者の平均年齢は34.1歳で、実務を積んだ人が多く受ける試験です。ただし資格は実務の裏付けで、資格だけで評価が決まるわけではありません。記入例でも、ネットワークスペシャリスト試験の合格と「Cisco・FortiGateの設計構築(3年)」が対応しています。

インフラエンジニアの職務経歴書テンプレートを無料でダウンロード

採用担当がインフラエンジニアの職務経歴書で見ている3つのこと

ここまでのデータと、インフラ職の採用の現場でよく言われる傾向を踏まえると、採用担当は書類で次の3つを確認しています。

  1. どの領域を、どの規模で扱ってきたかサーバー・ネットワーク・クラウドのどこを、何台・何拠点・何社の規模で担当してきたか。応募先のインフラと重なるかを、採用担当や現場のエンジニアは最初に確認します。
  2. 設計構築と運用のどこを任せられるか要件定義・設計・構築・移行・運用のうち、どの工程を自分で担当したか。オンプレミスかクラウドか、リーダーかメンバーかがわかると、入社後の配置を判断できます。
  3. 止めない・早く直す・ムダを減らす可用性、障害の復旧時間、クラウド費用などを数字で改善してきたか。インフラの成果は目に見えにくいため、前後の数字があるかどうかで評価が大きく変わります。

項目別の書き方:OK例とNG例の違い

ここからは項目ごとに、NG例とOK例を並べて解説します。OK例はすべて記入例からの引用です。

職務要約:「どの領域を、どの工程で」と一番の成果を3〜5行で

職務要約では、経験年数・領域・担当工程・一番の成果をまとめます。最初の数行で「どのインフラの、どの工程の人か」がわかることが大切です。構築・クラウドの求人なら設計構築や移行の経験を、運用の求人なら監視や障害対応の経験を先に書くと、求める人物像と重なる部分がすぐ伝わります。

× NG例

大学卒業後、IT企業に入社し、インフラエンジニアとしてサーバーやネットワークの構築・運用を幅広く担当してまいりました。障害対応にも数多く携わり、安定稼働に貢献してきました。

ここが惜しい

  1. 「サーバーやネットワーク」だけでは、OS・機器・クラウドのどれを扱えるのかがわかりません。
  2. 「幅広く担当」では、設計構築と運用のどちらが中心なのか判断できません。
  3. 「安定稼働に貢献」は数字がなく、どれだけ良くなったのかが伝わりません。

○ OK例

株式会社サンプルネットワークスで約10年半、法人向けITインフラの運用監視・設計構築・クラウド移行に携わってきました。Linux・Windowsのサーバーとネットワークのオンプレミス構築、AWSへの移行設計、24時間監視の運用まで経験しています。SaaS事業者のAWS移行では冗長構成を設計し、計画外のサービス停止を年間約20時間から約1時間に減らしました。現在は運用チームのリーダーを務めています。

ここが評価される

  1. 「運用監視→設計構築→クラウド移行」と、経験の広がりが一文でわかります。
  2. OS・オンプレミス・AWSと領域を具体的に書いているので、応募先の環境と合うかを判断できます。
  3. 停止時間の削減は、利用者への影響がそのまま伝わる成果です。

職務経歴:プロジェクトは「規模・役割・工程・環境・成果」、運用は「台数・体制」

構築はプロジェクト単位、運用は担当範囲と取り組み単位で書きます。プロジェクトは規模・役割・工程・環境・成果の5点セットにします。下の画像の3つのポイントを押さえましょう。

インフラエンジニアの職務経歴の書き方のポイント(注釈付き)
職務経歴の書き方のポイント

× NG例

SaaS事業者のAWS移行を担当。EC2、RDS、Terraformなどを使用し、冗長化を実施。移行後は安定して稼働しています。

ここが惜しい

  1. チームの人数も役割もなく、設計を主導したのか作業を担当したのかがわかりません。
  2. 「冗長化を実施」では、どこをどう冗長化したのかが伝わりません。
  3. 「安定して稼働」は感想にとどまり、改善の大きさを確かめられません。

○ OK例

規模:10名(インフラチーム4名) 役割:インフラ設計リーダー
工程:要件定義〜構築、移行、運用設計
環境:AWS(VPC、EC2、RDS、ALB、CloudWatch)、Terraform、Ansible、Zabbix
成果:Webサーバーとデータベースを2つのアベイラビリティゾーンに分ける冗長構成を設計し、計画外のサービス停止を年間約20時間から約1時間に削減

ここが評価される

  1. 全体10名・インフラチーム4名と書くことで、規模と自分の立ち位置がわかります。
  2. 「何を・どこに分けたか」まで書いているので、設計の考え方が伝わります。アベイラビリティゾーンは、AWS内で電源や建物が分かれた区画です。
  3. 停止時間を前後の数字で示しているので、成果の大きさを客観的に判断できます。

インフラの「規模」は、フェーズによって物差しが違います。

フェーズ規模の物差し記入例での書き方
オンプレミスの構築拠点数、機器・サーバーの台数、利用者数、切替作業の回数国内35拠点のルーター・スイッチ・ファイアウォールを更改/物理サーバー約40台をホスト6台に集約
運用・監視顧客数、台数、メンバー数、シフト・オンコールの有無顧客12社のAWS環境(約300台)の運用保守リーダー(メンバー5名)
可用性計画外の停止時間、稼働率、業務影響なしで終えた作業休日の切替作業35回を業務影響なしで完了

停止時間は稼働率に直すこともできる

1年は約8,760時間なので、年間の停止が約8.8時間なら稼働率は99.9%、約53分なら99.99%です。記入例の「年間約20時間から約1時間」は、約99.8%から約99.99%にあたります。どちらで書く場合も、計画停止を含むかどうかを添えましょう。

障害対応・運用改善の実績:「対応した」ではなく「仕組みでどう変えたか」

評価されるのは対応した回数や頑張りより、障害を減らし、早く直せるようにした仕組みです。

× NG例

24時間365日の運用保守を担当し、夜間・休日の障害にも迅速に対応してきました。運用の効率化やコスト削減にも取り組みました。

ここが惜しい

  1. 「迅速に対応」はどの応募者も書ける言葉で、どれだけ早いのかがわかりません。
  2. 効率化・コスト削減に何をしたのか、結果がどうなったのかが書かれていません。
  3. 個人の頑張りに見え、チームの運用を良くできる人かどうかが判断できません。

○ OK例

【取り組み】監視設定を見直して対応不要なアラートを整理し、月平均約1,500件から約400件に削減。あわせて対応手順を整え、障害の平均復旧時間を約90分から約40分に短縮
【取り組み】未使用リソースの削除、サーバーサイズの見直し、Savings Plansの導入で、12社合計のAWS費用を月額約820万円から約610万円に削減(約26%減)

ここが評価される

  1. アラート件数と復旧時間の両方を書いているので、原因と結果のつながりがわかります。
  2. 費用削減の打ち手を3つ具体的に書いているので、ほかの環境でも再現できる力だと伝わります。Savings Plansは、一定の利用を約束して料金の割引を受けるAWSの仕組みです。
  3. 「12社合計」「月額」と範囲と単位をそろえているので、数字を正しく読めます。

大きな障害の対応は、苦労話ではなく、自分の役割(一次対応・切り分け・指揮)・影響の範囲・復旧時間・再発防止の順に短くまとめます。以下は記入例とは別の、架空の例です。

記入例

【障害対応】共有ストレージの故障で顧客3社の業務システムが停止。切り分けと復旧の指揮を担当し、約2時間で全面復旧。原因の報告と、予兆を検知する監視項目の追加まで対応し、以降の同種障害は0件

ポイント

  1. 役割を「切り分けと復旧の指揮」と絞っているので、任せられる範囲が伝わります。
  2. 復旧で終わらず、再発防止まで書いているのがポイントです。手順書や復旧訓練など、平時の備えも同じように書けます。

テクニカルスキル・資格:分類ごとに「何を・何年」、設計構築か運用かも添える

テクニカルスキル欄は、サーバー・OS/ネットワーク/クラウド・IaC/監視・運用のように分類します。同じ技術でも、設計構築したのか運用で触ったのかで、評価は大きく変わります。

× NG例

Linux、Windows Server、Cisco、FortiGate、VMware、AWS、Terraform、Ansible、Zabbix

ここが惜しい

  1. 経験年数がなく、3年使った技術も10年使った技術も同じ重みに見えます。
  2. 設計構築まで担当したのか、運用で触っただけなのかが区別できません。

○ OK例

ネットワーク:Cisco・FortiGateの設計構築(3年)、VLAN・ルーティング・VPNの運用(10年半)
クラウド・IaC:AWS(EC2・VPC・RDS等、5年)、Terraform(5年)、Ansible(8年)
資格:ネットワークスペシャリスト試験 合格、AWS認定 ソリューションアーキテクト – プロフェッショナル 取得

ここが評価される

  1. 「設計構築(3年)」「運用(10年半)」と書き分けているので、経験の深さが正確に伝わります。
  2. 経験年数は職務経歴の期間と一致させます。食い違いがあると信頼を損ないます。
  3. 資格は、実務の経験を裏付ける材料として添えると効果的です。

資格の書き方には、インフラならではの注意点があります。

  • 正式名称で書く:略称ではなく、「AWS認定 ソリューションアーキテクト – プロフェッショナル」のように書きます。
  • 「取得」と「合格」を書き分ける:ベンダー資格は「取得」、国家試験は「合格」が一般的です。
  • 有効期限を確かめる:AWS認定は3年間有効で、シスコの認定の多くも3年間有効です。LPICなども更新の条件があります。失効している場合はその旨を添えます。

自己PR:強みは2つまで。エピソードと数字で示す

自己PRは「強み → エピソード → 結果の数字」の順に書きます。夜間の障害対応の苦労より、その経験から何を変えたかを書くと、強みとして伝わります。

× NG例

私の強みは責任感と粘り強さです。夜間の障害対応でも最後まで諦めずに対応し、お客様のシステムを守ってきました。新しい技術の習得にも意欲的です。

ここが惜しい

  1. 「責任感」「粘り強さ」は差がつきにくく、仕事の進め方が伝わりません。
  2. 夜間対応の頑張りだけでは、障害を減らす・早く直すための工夫が見えません。

○ OK例

障害を「起きにくく、早く直せる」仕組みにする力
手順書の整備で一次解決率を約40%から約65%に、アラートの整理で平均復旧時間を約90分から約40分に改善しました。誰が当番でも同じように直せる状態をつくることを大切にしています。

ここが評価される

  1. 手順書の整備とアラートの整理という2つのエピソードで、同じ強みが一貫しています。
  2. 「誰が当番でも同じように直せる」と書くことで、チームの運用を任せられる人だと伝わります。
  3. 記入例では2つ目の強みに可用性とコストを書いています。2つに絞ると根拠が厚くなります。
記入見本つきのインフラエンジニア向けテンプレートを見る

経歴・応募先別:職務経歴書の書き分け方

同じインフラエンジニアでも、経歴によって強調すべき経験が違います。自分の経歴と応募先の求人に合わせて、前に出す経験を選びましょう。まずは全体像を表で確認してください。

経歴・応募先採用担当が見るポイント強調したい経験・数字
運用・監視から構築へ手順どおりの対応だけでなく、仕組みを良くしてきたか担当した台数・顧客数、一次解決率、手順書・改善提案の数
オンプレミスの設計構築(SIer・ネットワーク)どの規模の環境を、どの工程から任されたか拠点数・台数、担当工程、切替作業の回数と業務影響
クラウド・SRE(自社サービス・SaaS)止まらない設計と、自動化・費用の管理ができるか停止時間・稼働率、IaCの範囲、クラウド費用の変化
運用チームのリーダーチームの運用を、人に頼らず回る形にできるかメンバー数・担当範囲、復旧時間、アラート件数、費用

運用・監視の経験から、構築に広げたい

監視センターや運用オペレーターから始めた人は、「手順書どおりに対応していただけ」と感じがちです。評価されるのは、担当した範囲の広さと、手順そのものを良くした経験です。

職務経歴書に書きたいこと

  • 監視していた顧客数・台数と、シフト・夜勤の体制
  • 手順書の整備や監視設定の改善提案など、自分から変えたこと
  • 構築に関わる学習や資格(検証環境で試したことを含む)

記入例

【業務】顧客約60社のサーバー・ネットワーク機器(約1,200台)の24時間監視と一次対応(シフト制)
成果:よく起きる障害の対応手順書を約80本整備し、監視センター内での一次解決率を約40%から約65%に向上

ポイント

  1. 記入例の新人時代の欄です。顧客数と台数で、見てきた環境の大きさが伝わります。
  2. 手順書の本数と一次解決率の変化で、「対応する人」から「仕組みを変える人」になったことがわかります。

よくある落とし穴

夜勤のつらさや、対応した障害の多さだけを書くケースです。採用担当が知りたいのは、その経験から何を変えたかです。

オンプレミスの設計構築(SIer・ネットワークエンジニア)の経験を書く

オンプレミスの案件が多い人は、全部を書ききれないことがあります。応募先の環境に近い案件を「規模・役割・工程・環境・成果」で詳しく書き、ほかは1〜2行にまとめましょう。

職務経歴書に書きたいこと

  • 顧客の業種と規模(従業員数・拠点数)
  • 機器・サーバーの台数と、担当した工程(基本設計・詳細設計・構築・テスト・切替)
  • 切替作業の回数と、業務への影響の有無

記入例

【プロジェクト】製造業(従業員約3,000名)の拠点ネットワーク刷新
規模:8名 役割:設計・構築担当 工程:基本設計〜構築・テスト、切替
環境:Cisco(Catalyst・ISR)、FortiGate、IPsec-VPN
成果:国内35拠点のルーター・スイッチ・ファイアウォールを更改。本社とデータセンター間の回線を二重化し、休日の切替作業35回を業務影響なしで完了

ポイント

  1. 記入例のオンプレミス時代の欄です。拠点数と切替回数で、規模と確実さが伝わります。
  2. 「業務影響なし」は、構築の品質を示す数字です。

よくある落とし穴

IPアドレスの設計や構成図の中身まで細かく書くケースです。守秘義務に触れるおそれがあり、要点も伝わりません。「Cisco(Catalyst・ISR)」のように製品の種類までにとどめ、設計の考え方は面接で話しましょう。

クラウド・SRE(自社サービス・SaaS)に応募する

自社サービスやSaaSの会社のクラウドエンジニアやSRE(ソフトウェアの手法でサービスの信頼性を高める役割)の求人では、止まらない設計と、自動化・費用の管理が見られます。使ったサービス名を並べるより、停止時間や費用をどう変えたかが評価の中心です。

職務経歴書に書きたいこと

  • 可用性の設計(冗長構成・バックアップ・障害時の切替)と、停止時間や稼働率の変化
  • IaC(コードでインフラを作る方法)で管理した範囲と、手作業から変わったこと
  • クラウド費用の管理(金額の変化と、打ち手)

記入例

環境:AWS(VPC、EC2、RDS、ALB、CloudWatch)、Terraform、Ansible、Zabbix
成果:Webサーバーとデータベースを2つのアベイラビリティゾーンに分ける冗長構成を設計し、計画外のサービス停止を年間約20時間から約1時間に削減

ポイント

  1. 記入例の人物は、AWS移行の前にオンプレミスを経験しています。ネットワークがわかる人は、障害の切り分けに強いと見られやすくなります。
  2. SREの求人では、目標とする稼働率(SLO)や障害の振り返りの経験も見られます。経験があれば書き足しましょう。

よくある落とし穴

触ったことのあるクラウドのサービスをすべて並べるケースです。数が多いだけでは深さが伝わりません。設計構築したサービスと、運用で触ったサービスを分けて書きましょう。

運用チームのリーダーとして応募する

運用チームのリーダーやマネージャーの求人では、チームの運用を人に頼らず回る形にできるかが見られます。メンバーの人数と担当範囲、そしてチームとして変えた数字を書きます。

職務経歴書に書きたいこと

  • メンバー数、担当している顧客数・台数、オンコールの体制
  • チームとして変えた数字(アラート件数・復旧時間・費用など)
  • 変更管理・障害管理など、運用のルールづくりや手順の標準化

記入例

【業務】顧客12社のAWS環境(約300台)の運用保守リーダー(メンバー5名)
【取り組み】監視設定を見直して対応不要なアラートを整理し、月平均約1,500件から約400件に削減。あわせて対応手順を整え、障害の平均復旧時間を約90分から約40分に短縮

ポイント

  1. 記入例の現在の欄です。メンバー数・顧客数・台数で、任されている範囲がわかります。
  2. アラートを減らすことは、夜間に呼び出されるメンバーを守ることでもあります。

よくある落とし穴

「チームの士気を高めた」のように、マネジメントの姿勢だけを書くケースです。インフラのリーダーは、自分でも設計や障害の切り分けができることを求められがちです。手を動かした経験も書きましょう。

あわせて読みたい:社内SEの職務経歴書の書き方

2026年のインフラエンジニアとAI:職務経歴書にどう書くか

最初にお伝えしたいのは、AIの使い方や、AIの経験を求める度合いは応募先によって大きく違うということです。IPAの「DX動向2026」では、AIを導入している企業は従業員1,001人以上で8割近くにのぼる一方、101人以下では16.6%でした。顧客の環境を預かる仕事では、契約や情報管理の方針で生成AIを使えない現場も少なくありません。

まずは求人票に「生成AI」「LLM」「AIOps」などの言葉があるかを確認しましょう。記載があれば、取り組みやプロジェクトとして詳しく書く価値があります。記載がなければ、テクニカルスキル欄に1行添える程度で十分です。

インフラエンジニアとAIの関わりは3つ

インフラエンジニアとAIの関わりは、自分の仕事にAIを使う、監視や障害対応の仕組みにAIを組み込む、社内でAIを使うための基盤をつくる、の3つに分けられます。

3つ目は、インフラエンジニアならではの仕事です。JUASの「企業IT動向調査2026」では、「社内に専用の生成AI活用のための基盤整備」にIT部門が主体的に取り組んでいる企業が34.9%(成果が出ている9.6%と、成果は検証中25.3%の合計)でした。多くの企業がまだ試している段階で、基盤を作り、運用した経験はまだ持つ人が少ないと考えられます。

2026年のインフラの現場で現実的なAIの使い方

  • IaC・スクリプト作成の補助:Terraformのコードや、AnsibleのPlaybook、シェルスクリプトの下書き
  • 障害時のログ要約:大量のログやアラートの流れを要約し、切り分けの手がかりにする
  • 報告書・手順書の下書き:障害報告書や作業手順書のたたき台づくり
  • AIOps(AIを使った運用):アラートのまとめ・ノイズの削減、いつもと違う動きの検知、原因の候補の提示
  • LLM基盤の構築・運用:社内でLLM(大規模言語モデル)のAPIを使うための基盤づくり。アクセス管理、利用ログ、費用の上限と監視

上の3つで大切なのは、AIが出したコードやコマンドをそのまま本番で動かさないことです。インフラでは、1つの誤った設定が多くのシステムを止めかねません。差分の確認や検証環境での適用など、確かめ方まで書くと信頼されます。

書き方:「使った」ではなく、入力しなかった情報と確かめ方まで

AIの経験は、「AIを活用して効率化」と書くだけでは伝わりません。使った業務・入力しなかった情報・確かめ方・変わったことをセットで書きます。

× NG例

生成AIを活用して業務を効率化しました。障害対応や構築作業でもAIを積極的に使っています。

ここが惜しい

  1. どの業務に使ったのかがわからず、「使ったことがある」以上の情報がありません。
  2. 顧客の情報を入力していないか、出力をどう確かめたかが読み取れません。
  3. 「効率化」に数字がなく、効果の大きさが判断できません。

○ OK例

【取り組み】2025年4月から社内で認められた生成AIで障害報告書の下書きを作成(顧客名・IPアドレスは入力せず、内容は担当者が確認)。作成時間を1件約3時間から約1.5時間に短縮
生成AI:障害報告書の下書き作成(1年半。社内ルールの範囲で利用)

ここが評価される

  1. 「社内で認められた生成AI」「顧客名・IPアドレスは入力せず」と書いているので、情報管理に気を配れる人だと伝わります。
  2. 「内容は担当者が確認」と書くことで、AIの出力をうのみにしていないことがわかります。
  3. 作成時間を前後の数字で示し、スキル欄の期間(1年半)とも一致しています。

IaC・AIOps・LLM基盤の経験がある人は

IaCの作成補助や、AIを組み込んだ仕組みづくりの経験がある人は、確かめ方や管理の工夫まで書きましょう。以下は記入例とは別の、架空の例です。

記入例

【取り組み】Terraformのモジュール作成にコード生成支援ツールを利用(社内ルールの範囲で、認証情報や実在の設定値は入力せず)。差分の確認と検証環境での適用を経てから本番に反映し、新規環境の構築を1件約5日から約3日に短縮

ポイント

  1. 「差分の確認と検証環境での適用」と書くことで、AIの出力を本番に出す前に確かめていることが伝わります。
  2. 短縮した日数だけでなく、確かめる手順を残したことが、インフラでは評価のポイントです。

記入例

【プロジェクト】社内向けLLM利用基盤の構築(インフラ担当2名)
成果:シングルサインオンでのアクセス管理、利用ログの保存、部署ごとの月額上限とアラートを設定。約800名が利用する基盤を、月額費用を予算内に保ちながら運用

ポイント

  1. これも架空の例です。アクセス管理・ログ・費用という、基盤を安全に使い続けるための3点と利用者数を書き、運用まで見てきたことを示しています。

AIOpsの経験は、ツールがしたことと自分がしたことを分けて書きます。たとえば「アラートをまとめる機能を導入し、条件を自分で調整して通知を月約〇件に絞った」のようにです。なお、記入例のアラートの削減は、AIではなく監視設定の見直しによる成果です。AIを使っていない改善を、AIの成果のように書かないことも大切です。

AIの経験を書くときの注意点

  • 顧客名・IPアドレス・ホスト名・設定ファイル・認証情報を入力していないことがわかるように書く。ログの要約に使った場合も、社外秘の情報を除いたか、認められた環境だったかを添えます。
  • 構成の細かな内容は書かない。LLM基盤の構成や、監視・ログの設定の中身は社外秘です。「利用ログを保存」程度にとどめましょう。
  • 盛らない。「AIOpsで障害対応を自動化」と書いて、実際は通知のまとめ機能を使っていただけだと、面接で答えに詰まります。

AIを使っていない・禁止の職場だった人は

生成AIを使えない職場だったとしても、それだけで評価が下がると考える必要はありません。

記入例の手順書の整備、アラートの整理、費用の見直しも、AIを使っていません。AnsibleやTerraformでの自動化、スクリプトでの定型作業の削減、監視設定の見直しは、AIを導入するうえでも土台になる経験です。個人で試している場合は「学習中」として業務と分けて書き、会社や顧客のデータは使わないでください。

実績の数字が書けないときの対処法

「顧客の環境なので数字を出せない」という人も多いはずです。見る角度を変えれば、書ける数字は見つかります。

監視オペレーターで、手順書どおりに対応していただけ

監視していた顧客数・台数、1か月あたりの対応件数、一次対応で解決した割合を書きます。手順書の修正や監視項目の追加の提案も、件数にすれば実績です。

構築は納品して終わりで、その後の効果がわからない

構築の成果は、規模と品質で書けます。拠点数・台数・切替回数と、「業務影響なし」「予定どおり稼働」のように計画どおりに終えたこと自体が成果です。記入例の「休日の切替作業35回を業務影響なしで完了」がその例です。

顧客の構成や費用を、社外に出してはいけない

顧客名は業種と規模に、金額は割合に置き換えます。「製造業(従業員約3,000名)」「AWS費用を約26%削減」のように書けば、守秘義務を守りながら成果の大きさを伝えられます。

大きな障害の対応をしたが、自分の役割がはっきりしない

障害の全体ではなく、自分が担当した部分を書きます。「ネットワーク側の切り分けを担当し、原因の機器を特定」のように役割を絞って書きます。自分の担当と全体の成果を分けて書くと、面接でも説明しやすくなります。

あわせて読みたい:アピールできる実績がない人の職務経歴書の書き方

提出前のチェックリスト

書き終えたら、提出前に次の項目を確認しましょう。

  • 職務要約に、経験年数・扱ってきた領域・担当工程・一番の成果が入っている
  • プロジェクトごとに「規模・役割・工程・環境・成果」があり、成果を前後の数字で書いている
  • 台数・拠点数・顧客数など、扱ってきた環境の規模がわかる
  • テクニカルスキルの経験年数が職務経歴の期間と一致し、資格は正式名称と有効期限を確かめている
  • 生成AIやAIOpsの経験は、使った業務・入力しなかった情報・確かめ方・効果をセットで書いている
  • 顧客名・IPアドレス・構成の詳細など、守秘義務に触れる情報を書いていない
  • A4で2枚程度(多くても3枚以内)に収まり、誤字脱字がない

状況別の無料テンプレート

ブランク、転職回数、未経験…気になる事情があるなら、状況別の記入見本も


職種の書き方はこの記事で、事情の伝え方は状況別の記入見本で。2つを組み合わせれば、書きにくいところも迷わず書けます。

よくある質問

監視オペレーターの経験しかありません。構築の求人に応募できますか?

応募はできます。運用・監視の経験者を歓迎する構築の求人もあります。監視の規模や一次対応の実績に加えて、手順書の改善や構築の学習、資格を書きましょう。

期限が切れたAWS認定やCCNAは、書いてもいいですか?

書いてもかまいませんが、「2021年取得(2024年失効)」のように失効していることがわかるように書きます。有効なものとして書くと、確認されたときに信頼を損ないます。

機器のメーカー名やクラウドのサービス名は書いてもいいですか?

製品名やサービス名は、技術の経験として書いてかまいません。顧客名、IPアドレス、構成図の中身、セキュリティの設定などは書かないでください。

自分の作業ミスで障害を起こした経験は、書かないほうがいいですか?

失敗そのものを書く必要はありません。ただし、その経験から再発防止の仕組み(作業前のレビューや手順の自動化など)をつくったなら、取り組みとして書けます。

個人でクラウドやLLMのAPIを試しています。職務経歴書に書けますか?

書けます。業務の経験と分け、「個人の検証環境で、LLMのAPIを使った仕組みを構築(費用の上限を設定)」のように、学習中の取り組みとして書きます。

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Author

佐藤 大貴

レジュメラボ編集責任者/アースダイバー代表

佐藤 大貴

人材紹介の会社で、キャリア系メディアの編集長をしていました。転職やキャリアをテーマにした記事づくりに長く関わり、2019年にアースダイバー株式会社を立ち上げました。編集長時代、たくさんの求職者の方やキャ…

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