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ブランクがある人の職務経歴書の書き方|空白期間の伝え方と記入例・無料テンプレート

ブランクがある人の職務経歴書の書き方|空白期間の伝え方と記入例・無料テンプレート

育児や介護、病気の療養、資格の勉強、思うように進まなかった転職活動。理由はさまざまでも、職務経歴書を前にすると「この空白で、書類の段階で落とされるのでは」と手が止まる人は少なくありません。

厚生労働省の調査では、入職前の1年間に仕事をしていなかった人(新卒を除く)の入職は、2025年の1年間で約119万人にのぼります。ブランクのある人の再就職は、決して珍しいことではありません。採用担当を迷わせるのはブランクそのものより、「空白の間に何があり、今は働ける状態なのか」がわからないことだと考えられます。

この記事では、事務職として働いたあと約3年のブランクがある人の記入例をもとに、離職期間の書き方と、OK例・NG例の違いを解説します。ブランクの理由別の書き分け方と、面接で聞かれたときの答え方も紹介します。

この記事でわかること

  • ブランクがある人の職務経歴書の完成イメージ(記入例)
  • 公的データから見た、ブランクのある人の再就職の実情
  • 「離職期間」欄を含む、項目別の書き方とOK例・NG例
  • 育児・介護、療養、学び直し、転職活動の長期化など理由別の書き分け方
  • ブランクの間に広がった生成AIなどのツールに、どう追いつき、どう書くか
  • 面接でブランクについて聞かれたときの答え方

無料テンプレート

ブランクがある人の職務経歴書、記入見本つきのテンプレートがあります

この記事の記入例と同じ形式で、Word・Excel・PDFの3形式。空欄のテンプレートと記入見本がセットになっています。

ブランクがある人の職務経歴書の記入例

まずは完成イメージです。不動産管理会社と食品包装資材メーカーで約12年半、契約事務・営業事務・経理補助を経験したあと、出産・育児と家族の介護のために退職し、約3年のブランクがある人を想定しています。職務経歴のすぐ後ろに「離職期間について」の欄を設けているのが特徴です。画像をタップすると拡大できます。

ブランクがある人の職務経歴書の記入例(事務職約12年半、離職期間約3年)
ブランクがある人の職務経歴書の記入例(A4・2枚)

この記入例と同じ形式のテンプレートを無料で用意しています。Word・Excel・PDFの3形式で、それぞれ空欄テンプレートと記入見本の2点セットです。

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データで見る:ブランクのある人の再就職は珍しくない

書き方の前に、ブランクのある人の再就職がどのくらいあるのかを、公的なデータで確認しておきましょう。

入職前1年間に仕事をしていなかった人の入職は、年間約119万人

厚生労働省の「令和7年雇用動向調査結果の概況」では、会社などに入職した人を、入職前1年間に仕事をしていたかどうかで分けています。2025年に、入職前1年間に仕事をしていなかった「未就業入職者」は246.5万人でした。このうち新卒は127.6万人で、新卒以外の未就業入職者は約119万人です。

入職者の内訳。新卒以外で入職前1年間に仕事をしていなかった入職者は118.9万人
入職者の内訳(2025年、常用労働者)

出典:令和7年雇用動向調査結果の概況(厚生労働省) 表3

入職者全体(約753万人)のうち、約16%にあたります。この中には育児や介護、療養などで仕事から離れていた人のほか、学校を出てしばらく働いていなかった人なども含まれます。パートタイムでの入職も含む数字で、パートタイム以外の「一般労働者」に限ると39.6万人です。働き方はさまざまでも、1年以上のブランクから仕事に戻る人は毎年これだけいます。

職務経歴書への落とし込み方

ブランクは、隠したりごまかしたりするより、期間と事情を短く書いておくほうが読み手の疑問を先に解消できます。年月を見れば空白は必ずわかるので、職務経歴の後ろに「離職期間について」の欄を設けて説明しましょう。

仕事を探している失業者の約3割は、失業期間が1年以上

総務省統計局の「労働力調査(詳細集計)2025年平均結果」から、仕事を探している「失業者」の失業期間を見ます。失業期間が3か月未満の人は43.2%で、1年以上の人は28.6%(55万人)でした。

失業者の失業期間別の割合。1年以上が28.6%
失業者の失業期間別の割合(2025年平均)

出典:労働力調査(詳細集計)2025年(令和7年)平均結果の概要(総務省統計局) 表Ⅱ-4

男女別では、1年以上の割合は男性35.5%、女性20.2%です。仕事が決まるまでに1年以上かかる人も、決して少なくないことがわかります。転職活動が長引いていても、それだけで評価が決まるわけではないと考えられます。大切なのは、その間に何をしてきたかを説明できることです。

働きたいが今は探していない人の理由、育児・介護は合わせて42万人

同じ調査では、働くことを希望しながら今は仕事を探していない「就業希望者」が212万人いました。探していない理由は、「出産・育児のため」が28万人、「介護・看護のため」が14万人、「健康上の理由のため」が53万人です。

就業希望者の求職していない理由別の人数。出産・育児28万人、介護・看護14万人
就業希望者の非求職理由(2025年平均)

出典:労働力調査(詳細集計)2025年(令和7年)平均結果の概要(総務省統計局) 表Ⅱ-8

育児・介護・健康の3つを合わせると95万人で、就業希望者の4割を超えます。これは今まさにブランクの中にいる人たちで、事情が落ち着けば仕事に戻ることを考えている人たちです。家庭や体調の事情で仕事から離れることは、誰にでも起こりうることだといえます。

職務経歴書への落とし込み方

採用担当が知りたいのは、事情の詳しい中身よりも、「今は、どのくらい働ける状態か」です。理由は1行で済ませ、勤務できる時間や開始時期など、働ける状況のほうをはっきり書きましょう。

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採用担当がブランクのある応募者で確認している3つのこと

ブランクのある応募者の書類を読むとき、採用担当が確かめたいことは、おおむね次の3つに集約されます。どの項目を書くときも、このどれかに答えられているかを意識しましょう。

  1. 今は、安定して働ける状態かブランクの事情が落ち着いているか。勤務できる時間・曜日・開始時期は、求人の条件と合っているか。
  2. ブランク前に、何ができた人か以前の仕事で担当した業務の量や成果が具体的で、入社後に任せられる仕事をイメージできるか。
  3. 仕事に戻る準備ができているかブランクの間の学びや仕事への関わり、離れている間に変わった制度やツールに追いつこうとしているか。

書類の印象を左右するのは、ブランクの理由よりも、この3つに答えられているかどうかだと考えられます。理由を長々と書いても、この3つに答えていなければ採用担当の不安は残ったままです。

項目別の書き方:OK例とNG例の違い

ここからは項目ごとに、NG例とOK例を並べて解説します。ブランクのある人の書類で特に差がつくのは、職務要約と、離職期間の書き方です。

職務要約:経験を先に、ブランクは最後に1文で

職務要約は、採用担当が最初に読む部分です。冒頭から事情の説明や謝罪を書く人もいますが、最初に書くのは「何ができる人か」です。ブランクは最後に、期間と理由、期間中の取り組みを1文ずつ添えます。

× NG例

出産と家族の介護のため、約3年間仕事から離れておりました。ブランクがあり大変恐縮ですが、これまでの事務経験を活かし、一日も早く戦力になれるよう努力いたします。

ここが惜しい

  1. 冒頭がブランクの説明と謝罪で、どんな経験を持つ人なのかが最後まで伝わりません。
  2. 「恐縮ですが」と書くと、書き手自身がブランクを弱みだと考えている印象を与えてしまいます。
  3. 期間中に何をしていたか、今は働けるのかが書かれていないため、採用担当の不安が残ります。

○ OK例

大学卒業後、不動産管理会社で約4年、賃貸契約の事務を担当しました。2015年4月に食品包装資材メーカーの株式会社サンプル包材に入社し、営業事務を約4年、2019年4月からは経理課で売掛金の入金管理・経費精算などの経理補助を約4年半担当しました。2023年9月に出産・育児と家族の介護のため退職し、離職中に日商簿記2級を取得。2025年10月からは在宅で記帳業務を受託しています。現在はフルタイムで勤務できる環境が整っています。

ここが評価される

  1. 経験の年数と業務の中身が先にあるので、入社後に任せられる仕事がすぐにわかります。
  2. ブランクは「時期・理由・取り組み・現在」が短くそろっていて、謝罪の言葉がなくても誠実さが伝わります。
  3. 最後の「フルタイムで勤務できる」が、採用担当がいちばん知りたい問いへの答えになっています。

職務経歴:ブランク前の経験を「量と成果」で具体的に

ブランクがあると、以前の仕事を「昔のことだから」と短く済ませてしまいがちです。しかし採用担当にとって、ブランク前の職務経歴は、入社後に何を任せられるかを判断する唯一の材料です。業務の量と成果を、ブランクのない人と同じように具体的に書きましょう。

× NG例

管理部 経理課

経理補助業務全般を担当。入金処理や経費精算などを行いました。

ここが惜しい

  1. 「全般」「など」では、どれだけの量を一人で回していたのかがわかりません。
  2. 成果がないため、言われた作業をこなしていたのか、工夫して改善できる人なのかが伝わりません。

○ OK例

管理部 経理課(経理担当4名)※育児休業から復職し異動

【内容】入金消込(月約500件)、得意先 約250社の売掛金残高の管理と入金遅れの連絡、経費精算の確認(月約300件)

【実績】2021年度:銀行の入金明細をExcelに取り込み、得意先コードで照合する表を作成。消込作業を月約20時間から約12時間に短縮

ここが評価される

  1. 件数と得意先数があるので、ブランク明けでもどの程度の業務量を任せられるかを判断できます。
  2. 「月約20時間から約12時間」と前後の数字で書いているので、仕事のやり方を自分で改善できる人だと伝わります。
  3. 育児休業からの復職を一言添えることで、家庭と仕事を両立してきた経験も読み取れます。

前職での育児休業や短時間勤務の期間も、「※2018年7月〜2019年3月 産前産後休業・育児休業」のように1行添えておくと、年月の食い違いを気にされずに済みます。

離職期間:期間・理由・取り組み・今の状況を4行で

ブランクのある人の職務経歴書で、いちばん大切なのがこの欄です。職務経歴のすぐ後ろに「■離職期間について」という見出しを立て、【期間】【理由】【期間中の取り組み】【現在の状況】の4つを書きます。下の画像の3つのポイントを押さえましょう。

離職期間の書き方のポイント
職務経歴と離職期間の書き方のポイント

× NG例

■離職期間について

家庭の事情により、しばらく仕事から離れておりました。その間は家事や育児に専念しておりましたが、現在は落ち着いております。

ここが惜しい

  1. 「しばらく」では期間がわからず、年月を自分で数えさせることになります。
  2. 「落ち着いております」だけでは、フルタイムで働けるのか、時間に制約があるのかが判断できません。
  3. 期間中の取り組みがないため、仕事に戻る準備ができているかが伝わりません。

○ OK例

【期間】2023年10月〜現在(約3年)

【理由】第2子の出産・育児と、家族の介護のため退職しました。

【期間中の取り組み】2024年11月に日商簿記検定2級に合格しました。2025年10月からは在宅で、個人事業主2名の記帳業務(クラウド会計ソフト、月約150仕訳、週10時間程度)を受託しています。

【現在の状況】保育園・学童保育と介護サービスの利用、家族での分担により、フルタイム勤務が可能です(残業は月10時間程度まで)。

ここが評価される

  1. 期間を年月で書き、職務経歴の退職年月(2023年9月)とつながっているので、経歴に食い違いがないことがわかります。
  2. 理由は1行で、家族の病状などの詳しい事情には触れていません。それでも説明として十分です。
  3. 在宅の仕事を「人数・使ったソフト・量・時間」で書いているので、実務の勘が保たれていることが伝わります。
  4. 働ける状況と残業の目安を正直に書いているので、入社後の行き違いを防げます。

期間中に資格の取得や仕事がなくても、この欄は省かずに書きます。「仕事に戻るために、Excelの関数を復習している」のように、今取り組んでいる準備で構いません。空欄にするより、事実を短く書くほうが信頼されます。

PCスキル・資格:ブランク中の学びは「年月と使った範囲」まで書く

ブランクの間に取った資格や受けた講座は、仕事に戻る準備をしてきた証拠になります。ただし、資格名や講座名を並べるだけでは、どこまで使えるのかが伝わりません。学んだ時期と、実際に使った範囲を書き分けましょう。

× NG例

Excel:一通り使えます

会計ソフト:使用可

ここが惜しい

  1. 「一通り」「使用可」の中身がわからず、どの程度の作業を任せられるのか判断できません。
  2. ブランク前の経験なのか、最近の経験なのかがわからないため、今の仕組みに対応できるかが読み取れません。

○ OK例

Excel:VLOOKUP・SUMIF関数、ピボットテーブルでの集計、入金明細の照合表・受注の確認表の作成

会計ソフト:販売管理・会計システムでの入金消込と仕訳入力(前職)、クラウド会計ソフトでの記帳と銀行明細の自動取込の設定(2025年10月〜)

ここが評価される

  1. 関数名と、何の表を作ったかがあるので、入社後すぐに任せられる作業がわかります。
  2. 「前職」「2025年10月〜」と時期を分けているので、ブランク前の経験と最近の経験の両方が伝わります。
  3. ブランク中に新しい仕組み(クラウド会計)を実務で使っていることが、仕事に戻る準備の裏付けになっています。

生成AIなど、ブランク中に学び始めたツールの書き方は、後半の「AI」の章で詳しく解説します。資格欄には、ブランク中に取得した資格も取得年月とあわせて書きます。勉強中の資格は「〇〇検定2級(2027年2月受験予定)」のように、合格済みの資格と区別しましょう。

自己PR:ブランクの「埋め合わせ」ではなく、経験から強みを示す

自己PRで「ブランクを取り戻すために精一杯頑張ります」と意欲だけを書く人は少なくありません。採用担当が知りたいのは意欲の大きさより、入社後に発揮できる強みの根拠です。ブランク前の仕事のエピソードを軸にし、期間中の取り組みは2つ目の強みとして添えます。

× NG例

ブランクがあり、ご迷惑をおかけすることもあるかと思いますが、人一倍努力して早く仕事を覚え、ブランクを取り戻したいと考えております。

ここが惜しい

  1. 自分の強みがひとつも書かれておらず、意欲の表明だけになっています。
  2. 「ご迷惑をおかけする」と先回りして書くと、採用担当にかえって不安を与えます。

○ OK例

数字のずれを見つけ、仕組みで防ぐ力

経理課では入金消込を手作業で照合しており、月末に作業が集中していました。銀行の入金明細をExcelに取り込み、得意先コードで照合する表を作成した結果、消込作業は月約20時間から約12時間に減りました。短時間勤務の期間も、月次決算の締め日に遅れたことはありません。

ここが評価される

  1. 課題・工夫・結果の順に書かれていて、ブランク明けでも同じ力を発揮できる根拠になっています。
  2. 「短時間勤務の期間も」と添えることで、時間に制約があっても成果を出してきた人だと伝わります。
  3. ブランクには触れていませんが、2つ目の強みで期間中の学びを書いているので、全体として仕事に戻る準備も伝わります。
ブランクがある人の職務経歴書の記入見本つきテンプレート

理由・ケース別:ブランクの書き分け方

ブランクの理由によって、採用担当が気にすることと、書いておくべきことは少しずつ違います。どのケースでも共通するのは、「理由は短く、今の状況と取り組みは具体的に」です。まずは全体像を表で確認し、自分に近いケースの解説を読んでください。

ブランクの理由採用担当が気にすること書くべきこと
育児・家族の介護勤務できる時間や日数、急な休みへの備え勤務できる時間と開始時期、支える体制(保育・介護サービスの利用など)
病気・けがの療養今は回復していて、無理なく働けるか療養していた期間と、現在は勤務に支障がないこと(病名は不要)
資格取得・留学・学び直し学んだことが仕事にどうつながるか学んだ内容・期間・結果(合格・修了)と、応募先での活かし方
転職活動の長期化・心身の休養なぜ長引いたのか、仕事への意欲はあるか活動の方針と、その間に続けてきた学びや準備

育児・家族の介護

育児や介護によるブランクで、採用担当が気にするのは「入社後に、勤務の時間や日数を守れるか」です。事情の重さではなく、働ける体制が整っていることを具体的に書きます。

職務経歴書に書きたいこと

  • ブランクの期間と、理由(1行で)
  • 勤務できる時間・曜日と、勤務を始められる時期
  • 保育園・学童保育、介護サービスの利用や家族との分担など、働く体制
  • 期間中の取り組み(資格、在宅の仕事、地域の活動など)

記入例

【理由】第2子の出産・育児と、家族の介護のため退職しました。

【現在の状況】保育園・学童保育と介護サービスの利用、家族での分担により、フルタイム勤務が可能です(残業は月10時間程度まで)。

ポイント

  1. 体制を具体的に書いているので、勤務が安定していることを採用担当が判断できます。
  2. 残業の目安を先に書いておくと、入社後に「思っていた働き方と違う」という行き違いを防げます。

よくある落とし穴は、家族の状況を詳しく書きすぎるケースです。介護している家族の病名や要介護度、子どもの年齢などは、書かなくても説明として十分です。厚生労働省の「公正な採用選考の基本」でも、家族の健康や病歴、家庭環境などは「本人に責任のない事項」とされ、採用選考で把握しないよう企業が配慮すべき事項に挙げられています。

病気・けがの療養

療養によるブランクで、採用担当が知りたいのは「今は回復していて、無理なく働けるか」です。病名や治療の経過を書く必要はありません。「病気療養のため」と事実を書き、現在の状況を添えれば十分だと考えられます。

職務経歴書に書きたいこと

  • 療養していた期間と、「病気療養のため」などの簡潔な理由
  • 現在は勤務に支障がないこと
  • 療養後に体力や生活のリズムを整えるためにしてきたこと
  • 通院などで配慮が必要な場合は、その内容(必要な範囲だけ)

記入例

【期間】2025年1月〜現在(約1年9か月)

【理由】病気療養のため退職しました。

【現在の状況】現在は回復し、フルタイム勤務に支障はありません。2026年4月から9月まで職業訓練(Webデザイン科)に毎日通い、修了しました。

ポイント

  1. 病名には触れず、「現在は回復し、支障はない」と結論を書いています。
  2. 半年間の職業訓練に毎日通って修了したことが、生活のリズムが整い、働く準備ができていることの具体的な裏付けになっています。

よくある落とし穴は、「完治しました」「まったく問題ありません」と言い切りすぎるケースです。月1回の通院などが続く場合は、「月1回程度、平日の通院があります(業務への影響はありません)」のように、必要な範囲で正直に書いておくほうが、入社後も安心して働けます。迷う場合は、主治医とも相談して決めるとよいでしょう。

資格取得・留学・学び直し

資格の勉強や留学、大学・専門学校での学び直しは、ブランクの理由として前向きに受け取られやすいケースです。ただし採用担当が見ているのは、学んだことが応募先の仕事にどうつながるかです。学んだ内容と結果を、応募先との接点が見えるように書きます。

職務経歴書に書きたいこと

  • 学んでいた期間と、学校・講座・資格の名前
  • 結果(合格・修了・取得した単位、留学先での語学のスコアなど)
  • 学んだ内容のうち、応募先の仕事に使えるもの
  • 不合格だった場合は、そこから何を得たか

記入例

【期間】2025年4月〜現在(約1年半)

【理由】社会保険労務士試験の受験に専念するため退職しました。

【期間中の取り組み】2026年8月の試験は合格基準に届きませんでしたが、学習を通じて労働保険・社会保険の手続きと労働基準法を体系的に学びました。今後は人事・労務の実務に就きながら、2027年の試験で合格を目指します。

ポイント

  1. 不合格の事実も隠さず書いたうえで、身についた知識と今後の方針を具体的に示しています。
  2. 人事・労務の求人なら、学んだ範囲がそのまま業務に結びつくことが伝わります。

よくある落とし穴は、「勉強していました」とだけ書き、結果に触れないケースです。合格していなくても、受験した事実や学んだ範囲を書けば、取り組みの本気度は伝わります。結果をぼかすと、かえって「何もしていなかったのでは」と受け取られかねません。

転職活動の長期化・心身の休養

前の会社を辞めてから転職活動が長引いている場合や、働き詰めのあと心身を休めるために時間を取った場合です。採用担当は、仕事への意欲と、この先の方針がはっきりしているかを見ています。長引いた理由を言い訳するより、その間に考えたことと続けてきたことを書きます。

職務経歴書に書きたいこと

  • 退職からの期間と、活動の状況(簡潔に)
  • 活動の中で見直した方針(応募する職種・業界の絞り方など)
  • 期間中に続けてきた学び、短期の仕事、ボランティアなど
  • 休養の場合は、今は体調が整い、働ける状態であること

記入例

【期間】2025年7月〜現在(約1年3か月)

【理由】前職を退職後、転職活動を続けています。

【期間中の取り組み】当初は営業職に絞って応募していましたが、これまでの経験を見直し、受発注や在庫管理の経験を活かせる営業事務・購買事務に方針を変えました。2026年1月からは週3日のアルバイトとして、物流会社の受注入力(月約300件)に就いています。

ポイント

  1. 方針を見直した経緯を書いているので、ただ長引いているのではなく、考えて行動していることが伝わります。
  2. 短期の仕事の件数まで書いているので、実務から離れていないことがわかります。

よくある落とし穴は、「なかなか決まらず」「ご縁がなく」と、うまくいかなかったことを中心に書くケースです。休養の場合も「リフレッシュしていました」で終わらせず、今は働ける状態であることと、仕事に戻る準備を添えましょう。

あわせて読みたい:経理・財務の職務経歴書の書き方

ブランク明けとAI:離れている間に広がったツールにどう追いつき、どう書くか

総務省の「令和8年版 情報通信白書」によると、仕事や日常生活で生成AIを使っている(過去に使ったことがある)日本の個人は58.8%でした。同じ白書の企業調査では、生成AIを一つ以上の業務で使っている企業が86.4%(「わからない」を除く)にのぼり、業務別では「議事録・メール作成補助」が約7割でした。

ただし、AIをどこまで使うか、応募者にどこまで求めるかは、応募先の規模・業界・社内ルールによって大きく違います。IPA(情報処理推進機構)の「DX動向2026」では、AIを導入している企業は従業員1,001人以上で8割近くにのぼる一方、101人以下では16.6%でした。ブランクの間にAIを使っていなかったからといって、書類選考で不利になると考える必要はありません。まずは求人票に「生成AI」「AIツール」などの記載があるかを確認し、書く量を決めましょう。

離れている間に変わったことを、まず知る

ブランク明けの人が戸惑いやすいのは、生成AIだけではありません。チャットツールでのやりとり、Web会議、クラウドでのファイル共有、電子の請求書や契約書など、ここ数年で仕事の道具は大きく変わりました。追いつくには、次の順番が現実的です。

  • 応募先の求人票や会社のサイトで、どんなツールや仕組みを使っているかを確認する
  • 仕事の内容に関わる制度の変更(経理ならインボイス制度など)を、公的機関の案内で確認する
  • 無料版や体験版で、生成AIや表計算ソフト、Web会議のツールを実際に触ってみる
  • 体系的に学びたいときは、オンライン講座や公的な職業訓練を利用する

生成AIを試すときは、自分や家族、知人の個人情報や、前の勤め先・取引先の情報を入力しないことが大前提です。練習には架空のデータを使いましょう。

書くのは「学んだ事実」と「使った範囲」

ブランク中に学んだことは、職務経歴書に書いて構いません。ただし、講座を受けたことと、仕事で使いこなしてきたことは別のものです。学んだ時期・内容と、実際にどこまで使ったかを分けて書きます。

× NG例

生成AIを使いこなせます。業務効率化に活かせます。

ここが惜しい

  1. どこで、どの程度学んだのかがわからず、根拠のない自己評価に見えてしまいます。
  2. 実務で使っていないのに「効率化に活かせる」と書くと、面接で具体的な経験を聞かれたときに答えられません。

○ OK例

生成AI:オンライン講座(2026年6月修了、全6回)で基本操作と情報の取り扱いを学習。受託業務では顧客の情報を扱うため使用していません

ここが評価される

  1. 修了した時期と回数があるので、どの程度学んだのかがわかります。
  2. 「使用していません」と正直に書くことで、ほかの記述にも信頼が生まれます。
  3. 使わなかった理由が情報の取り扱いへの配慮なので、かえって仕事の姿勢が伝わります。

ブランクを埋めたい気持ちから、経験を大きく書きたくなることもあります。しかし面接では「どんな場面で、どう使いましたか」と聞かれることが少なくありません。講座や独学は「学習した」と書き、「業務で活用した」とは書かないこと。試した程度なら、PCスキル欄に1行書くだけで十分です。

AIを使った経験がない人は

ブランクの間にAIに触れていなくても、無理に書く必要はありません。採用担当がブランク明けの人に期待しているのは、AIの経験そのものより、新しい仕組みを覚えて、仕事に取り入れてきた経験だと考えられます。

前の職場でのシステムの入れ替えや、紙の手続きを電子に切り替えた経験などは、新しいツールにも慣れていける根拠になります。職務経歴の中で具体的に書いておきましょう。

面接でブランクを聞かれたときの答え方

書類選考を通過すると、面接でもブランクについて聞かれることがほとんどです。答えの基本は、職務経歴書の「離職期間について」に書いた内容を、自分の言葉で1分ほどで話すことです。書類と話の内容がずれると、それだけで信頼を損ねてしまいます。よくある4つの質問で考えてみましょう。

「ブランクの間は、何をされていましたか」

理由を短く伝えたあと、期間中の取り組みと、今は働けることの順で話します。
例:「第2子の出産と家族の介護のため退職し、約3年間家庭を優先していました。その間に日商簿記2級を取り、2025年10月からは在宅で記帳の仕事を受けています。今は保育園や介護サービスの体制が整い、フルタイムで働けます」

「療養されていたとのことですが、体調は大丈夫ですか」

病名や治療の詳しい経過まで話す必要はありません。今の状態と、働くうえでの見通しを伝えます。
例:「体調を崩して療養していましたが、今は回復しています。この半年は職業訓練に毎日通い、決まった時間に通うことにも問題ありませんでした」
通院が続く場合は、頻度と業務への影響も正直に伝えます。

「お子さんやご家族のことで、急に休むことはありませんか」

家族について細かく答える必要はありません。勤務に支障が出ないための備えを具体的に伝えれば十分です。
例:「子どもの急な体調不良のときは、病児保育や家族の協力で対応できるようにしています。介護もサービスの利用と家族の分担で体制が整っています」

「転職活動が長くなっている理由を教えてください」

決まらなかった理由を並べるより、活動の中で見直したことと、これからの方針を話します。
例:「最初は営業職に絞って応募していましたが、自分の経験を見直し、受発注の経験を活かせる営業事務に方針を変えました。今年1月からは週3日のアルバイトで受注入力に就き、実務の勘も取り戻しています」

あわせて読みたい:年齢に不安がある人(40代・50代)の職務経歴書の書き方

提出前のチェックリスト

書き終えたら、提出前に次の項目を確認しましょう。

  • 職務要約は、経験を先に書き、ブランクは最後に期間・理由・現在の状況を短く添えている
  • 離職期間を年月で書き、職務経歴の退職年月とつながっている(説明のない空白の月がない)
  • 理由は1〜2行の事実で、家族の病状や病名など、書かなくてよい事情まで書いていない
  • 期間中の取り組みを、年月・量・結果(合格・修了など)とあわせて書いている
  • 「現在は勤務に支障がない」ことと、勤務できる時間・開始時期を正直に書いている
  • AIやデジタルツールは、学んだ事実と実際に使った範囲を分けて書いている
  • 面接で話す内容(期間・理由・取り組み)が、職務経歴書の記載と一致している

よくある質問

ブランクは、何か月以上あると説明が必要ですか?

決まった基準はありません。ただし数か月の空白でも、年月を見れば採用担当にはわかります。半年を超えるようなら、「離職期間について」の欄で一言説明しておくと、読み手の疑問を先に解消できます。

履歴書にもブランクの理由を書くべきですか?

履歴書の職歴欄は、入社・退職の事実を年月で書くのが基本です。退職の行に「出産・育児のため退職」のように一言添える書き方もあります。詳しい説明は職務経歴書の「離職期間について」の欄にまとめ、両方の年月と理由が食い違わないようにしましょう。

在宅の仕事やアルバイト、ボランティアは書いてもよいですか?

書いて構いません。応募する仕事に関係があるものや、継続して取り組んできたものは、仕事に戻る準備をしてきた証拠になります。期間が長く、量も多い場合は職務経歴の欄に1社として書き、短期や少量の場合は「離職期間について」の欄で、年月と量を添えて触れるとよいでしょう。

ブランクが10年以上と長い場合は、どう書けばよいですか?

ブランク前の経験は、古くても具体的に書きます。業務の中身や量は、時間がたっても変わらない強みだからです。そのうえで、仕事に戻るために最近取り組んでいること(講座、職業訓練、短時間の仕事など)を必ず添え、今の仕組みに追いつこうとしている姿勢を示しましょう。

ブランクの間にAIを使っていないと、不利になりますか?

AIの活用をどの程度求めるかは応募先によって大きく違い、使った経験がないことだけで不利になるとは限りません。求人票に生成AIやAIツールの記載がある場合は、無料版で基本的な使い方を試す、講座で学ぶなどしたうえで、学んだ事実をそのまま書きましょう。

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佐藤 大貴

レジュメラボ編集責任者/アースダイバー代表

佐藤 大貴

人材紹介の会社で、キャリア系メディアの編集長をしていました。転職やキャリアをテーマにした記事づくりに長く関わり、2019年にアースダイバー株式会社を立ち上げました。編集長時代、たくさんの求職者の方やキャ…

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