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管理職として応募する人の職務経歴書|マネジメント実績の書き方と記入例・無料テンプレート

管理職として応募する人の職務経歴書|マネジメント実績の書き方と記入例・無料テンプレート

管理職として応募するとき、「課長として部下を指導してきました」「リーダーシップを発揮しました」と書いても、それだけでは力が伝わりません。同じ「課長」でも、会社によって任される組織の大きさも、権限も大きく違うからです。

採用担当が知りたいのは、役職名ではなく、どの規模の組織を、どこまでの責任で動かし、どんな成果を出してきたかです。

この記事では、建設機械レンタルの会社で営業課長を約6年半務め、部下12名と年間34億円の売上予算を管理してきた人の記入例をもとに、マネジメント実績の書き方と、項目別のOK例・NG例を解説します。プレイングマネジャーや初めて管理職に応募する人など、立場別の書き分け方と、面接で聞かれたときの答え方も紹介します。

この記事でわかること

  • 管理職として応募する人の職務経歴書の完成イメージ(記入例)
  • データで読む、管理職の求人の状況と、採用側が管理職に求めるもの
  • 「マネジメント実績」欄を含む、項目別の書き方とOK例・NG例
  • プレイングマネジャー・初めての管理職・部長など、立場別の書き分け方
  • 管理職とAI:自分の活用と、チームへの広げ方をどう書くか
  • 面接でマネジメントについて聞かれたときの答え方

無料テンプレート

管理職として応募する人の職務経歴書、記入見本つきのテンプレートがあります

この記事の記入例と同じ形式で、Word・Excel・PDFの3形式。空欄のテンプレートと記入見本がセットになっています。

管理職として応募する人の職務経歴書の記入例

まずは完成イメージです。建設機械・仮設機材のレンタル会社に新卒で入社して20年半、2020年4月から首都圏の営業二課の課長として、部下12名と年間34億円の売上予算を管理している40代前半の人を想定しています。職務経歴の後ろに「マネジメント実績」の欄を設け、組織の規模・育成・業務の見直しをまとめているのが特徴です。画像をタップすると拡大できます。

管理職として応募する人の職務経歴書の記入例(建設機械レンタルの営業課長、部下12名)
管理職として応募する人の職務経歴書の記入例(A4・2枚)

この記入例と同じ形式のテンプレートを無料で用意しています。Word・Excel・PDFの3形式で、それぞれ空欄テンプレートと記入見本の2点セットです。

データで読む:管理職の席は限られ、求められるのは「即戦力」。問われるのは役職名より中身

書き方に入る前に、管理職の転職を取り巻く状況を公的なデータで見ておきます。3つの資料を重ねた編集部の読みは、こうです。管理職の求人は求職者より少なく、採用側は高い給与に見合う「来てすぐ組織を動かせる人」を求めています。だから書類で問われるのは、役職名ではなく、どの規模の組織で何をしてきたかという中身です。

ハローワークの管理職の求人倍率は0.93倍。1年で求人は17%減った

厚生労働省の「一般職業紹介状況(令和8年8月分)」によると、常用(パートを除く)の有効求人倍率は職業計の1.17倍に対し、管理的職業は0.93倍でした。有効求人数4,819人に対して、有効求職者数は5,166人です。

有効求人倍率。職業計1.17倍に対し、管理的職業は0.93倍
言いたいこと:管理職の求人は求職者1人あたり0.93件(厚生労働省、2026年8月)

出典:一般職業紹介状況(令和8年8月分)参考統計表(厚生労働省)

管理的職業の有効求人数は前年同月より17.0%減り、倍率も0.12ポイント下がりました。仕事全体では求人のほうが多いのに、管理職に限ると、求職者のほうが多い状態です。

ただし、これはハローワークを通じた求人と求職だけの数字です。管理職の採用では、人材紹介会社やスカウト、社内からの登用も多く使われるため、管理職の転職市場のすべてを表すものではありません。それでも「管理職の席は限られ、ほかの応募者と比べられる」ことは、書類を書くときの前提として押さえておきたい点です。比べられる場面では、「課長」という役職名どうしでは差がつきません。記入例が所属の欄に「課長 部下12名(営業9名・営業事務3名)」と人数と内訳まで書いているのは、比べる材料を採用担当に渡すためです。

管理職を中途採用する理由は「即戦力」が6割、「専門知識・能力」が5割

同じく厚生労働省の「令和7(2025)年転職者実態調査の概況」で、「管理的な仕事」で転職者を採用した事業所に理由を聞くと、「経験を活かし即戦力になるから」が60.7%、「専門知識・能力があるから」が50.2%でした(3つまでの複数回答)。

管理的な仕事で転職者を採用した理由。即戦力60.7%、専門知識・能力50.2%、離職者の補充30.9%、職場への適応力19.1%、人脈13.1%
言いたいこと:管理職の中途採用の理由は「即戦力」と「専門知識・能力」(厚生労働省、2025年)

出典:令和7(2025)年転職者実態調査の概況(厚生労働省) 表4

「専門知識・能力」は、前回の2020年の調査の40.7%から約10ポイント増えています。事業所の規模別では、1,000人以上の事業所の87.6%が「即戦力」を理由に挙げていました。「幅広い人脈を期待できるから」も13.1%と、事務的な仕事(1.9%)や販売の仕事(6.9%)より高くなっています。

もう1つ目を引くのが、「職場への適応力があるから」が19.1%と、事務的な仕事(36.5%)などほかの職種より低いことです。編集部の読みでは、管理職を外から迎える会社は、職場に合わせる力より、これまでの経験とやり方で、組織を動かせる力を期待しています。だから職務経歴書には、育成や業務の見直しを「何を、どう変え、どうなったか」という、応募先でも再現できる形で書くことが大切です。

課長級の賃金は、非役職者の約1.7倍

厚生労働省の「令和7(2025)年賃金構造基本統計調査」によると、役職別の賃金(月額、所定内給与額)は、部長級が63万5,800円、課長級が52万9,200円、係長級が39万9,200円でした。非役職者の31万500円を100とすると、課長級は170.4、部長級は204.8です。

役職別の賃金。部長級635.8千円、課長級529.2千円、係長級399.2千円、非役職者310.5千円
言いたいこと:課長級の賃金は非役職者の約1.7倍(厚生労働省、2025年)

出典:令和7(2025)年賃金構造基本統計調査の概況(厚生労働省) 第8表

平均年齢は課長級が49.5歳、部長級が53.1歳で、平均の勤続年数は課長級で20.9年でした。多くの管理職は、同じ会社で長く経験を積んでから役職に就いています。

採用する側から読み直すと、管理職を外から迎えるのは、高い給与を払い、社内の事情をまだ知らない人に組織を任せる判断です。採用担当は、その判断の根拠を書類から探します。記入例が課の予算と実績を年度ごとに並べ、2020年度の未達まで書いているのは、成果が一度きりでないことと、うまくいかなかったときの立て直し方を、数字で確かめてもらうためです。

まとめると、管理職の席は限られ、採用側は管理職を中途採用する理由に「即戦力」を最も多く挙げています。職務経歴書では、役職名ではなく、組織の規模・組織の成果・人と仕組みを変えた方法の3つを数字で示せるかで差がつきます。次は、採用担当が書類のどこを見ているかを確認します。

管理職として応募する人の職務経歴書テンプレートを無料でダウンロード

採用担当が管理職の応募者で確認している3つのこと

採用担当が確かめる3つのこと:組織の規模と責任の範囲、組織としての成果、人を育て組織を動かすやり方
この章のまとめ:採用担当が確かめる3つのこと

こうした変化と採用の現場でよく見られる傾向を踏まえると、管理職の応募者の書類で、採用担当が確かめたいことは次の3つです。

  1. どの規模の組織を、どこまでの責任で任されていたか部下の人数と内訳、予算・売上の規模、評価や目標設定の権限。「課長」という役職名だけでは、会社によって任される範囲が大きく違うため、数字で確かめます。
  2. 個人ではなく、組織として成果を出してきたか管理職に求められるのは、自分が売ることではなく、チームに成果を出させることです。部署全体の予算と実績、うまくいかなかった時期の立て直し方から、成果の再現性を見ています。
  3. 人を育て、組織を動かすやり方を持っているか育成の方法、業務や仕組みの見直し、その結果としての昇格・定着・働き方の変化。応募先の組織でも同じように動けるかを、マネジメントの具体的な方法で判断します。

3つとも、答えになるのは「心がけ」ではなく「数字と方法」です。「部下に寄り添う」「風通しのよいチーム」といった言葉は、どの管理職にも書けてしまいます。人数・予算・成果と、自分が変えたことを書きましょう。

項目別の書き方:OK例とNG例の違い

ここからは項目ごとに、NG例とOK例を並べて解説します。OK例は記入例からの引用です。管理職の応募書類で特に差がつくのは、職務経歴の管理職の期間と、「マネジメント実績」の欄です。

職務要約:管理職の期間・部下の人数・予算・組織の成果を数字で示す

職務要約は、採用担当が最初に読む部分です。管理職として応募するなら、経験年数に加えて、管理職になった時期、部下の人数、予算の規模、組織の成果の4つを入れます。最後に、応募先で担いたいことを1文添えます。

× NG例

建設機械レンタル会社で20年間営業に従事し、現在は課長として課をまとめています。リーダーシップを発揮して部下を指導し、売上の拡大に大きく貢献してきました。管理職としての経験を活かし、貴社の発展に貢献したいと考えています。

ここが惜しい

  1. 部下の人数も予算の規模もなく、どの程度の組織を任されていたのかがわかりません。
  2. 「リーダーシップを発揮」「大きく貢献」は根拠がなく、どの管理職にも書けてしまいます。
  3. 管理職になった時期がないため、マネジメントの経験年数を判断できません。

○ OK例

建設機械レンタルの株式会社サンプル機材で20年半、建設会社向けの法人営業に携わってきました。2020年4月からは営業二課の課長として、部下12名と年間売上予算 34億円(2025年度)を管理しています。2021〜2025年度は5期連続で課の予算を達成し、2025年度の達成率は107%でした。育成で主任2名を登用し、分担の見直しで残業時間を月平均 約38時間から約22時間に削減しました。今後は営業部門の管理職として、組織づくりと事業の成長の両方に責任を持ちたいと考えています。

ここが評価される

  1. 課長になった時期・部下の人数・予算の規模がそろい、任されていた範囲が一目でわかります。
  2. 「5期連続」「達成率107%」と組織の成果を数字で示し、一時の好成績でないことが伝わります。
  3. 売上の成果に加えて、主任の登用と残業時間の削減という、人と組織に関する成果も入れています。
  4. 最後に管理職として担いたいことを書き、応募の目的がはっきりしています。

職務経歴(管理職の期間):組織の規模・権限・部署全体の実績・取り組みを分けて書く

職務経歴は、管理職の応募書類でいちばん重要な項目です。管理職の期間は、組織の規模、権限、部署全体の実績、取り組みの4つを分けて書きます。下の画像の3つのポイントを押さえましょう。

管理職として応募する人の職務経歴とマネジメント実績の書き方のポイント
職務経歴と「マネジメント実績」の書き方のポイント

× NG例

2020年4月〜現在 営業二課 課長

課の営業活動を統括。部下の指導・育成、予算管理を担当。毎年高い目標を達成し、自身も大口顧客を担当して売上に貢献。

ここが惜しい

  1. 部下の人数や予算の額がなく、課の規模がわかりません。
  2. 「毎年高い目標を達成」では、どの年にどれだけ達成したのかを確かめられません。
  3. 自分の担当顧客の話が中心になると、プレイヤーとしての経験しかないように読まれるおそれがあります。

○ OK例

首都圏営業部 営業二課(東京東・千葉西の2営業所) 課長 部下12名(営業9名・営業事務3名)

【マネジメント】課の売上予算・目標の設定と進捗管理、部下12名の評価(年2回)、週1回の案件会議の運営

【課の実績】

2020年度:予算 29億円/実績 27億円(達成率93%)。工事の中断・延期が相次ぎ未達

(中略)

2025年度:予算 34億円/実績 36.4億円(達成率107%、前年比108%)

ここが評価される

  1. 部下の人数と内訳を所属の欄に書き、任されていた組織の規模がすぐにわかります。
  2. 評価・目標設定・会議の運営と、管理職としての権限と責任を具体的に書いています。
  3. 部署全体の予算と実績を年度ごとに並べ、組織として成果を出し続けてきたことが伝わります。
  4. 未達の年も理由とともに書いているので、数字の信頼性が高まり、その後の立て直しも伝わります。

データの章で見たとおり、管理職を中途採用する事業所の6割が「即戦力」を理由に挙げています。即戦力かどうかを判断する材料は、権限の範囲と、組織の実績の数字です。「評価(年2回)」「週1回の案件会議の運営」のように、何を決め、何を回してきたかを書きましょう。

プレイヤー時代の経歴は短くまとめる

管理職として応募する場合、主任や担当者の時代は1〜2行にまとめ、管理職の期間に紙面を使います。記入例では、主任の時代は個人の実績と後輩のOJTを、入社から9年間の担当者の時代は1行だけ書いています。

マネジメント実績:組織の規模・育成・業務の見直しを、結果の数字とセットで書く

売上などの実績は職務経歴に、人と組織に関する実績はこの欄に書き分けます。職務経歴の後ろに「■マネジメント実績」という見出しを立て、【組織の規模】【育成】【業務の見直し】の3つに分けると読みやすくなります。

× NG例

■マネジメント実績

部下一人ひとりと向き合い、信頼関係を築くことを大切にしてきました。風通しのよいチームづくりを心がけ、メンバーのモチベーション向上に努めています。

ここが惜しい

  1. 心がけや考え方だけで、実際に何をしたのかがわかりません。
  2. 育成や組織づくりの結果が書かれておらず、成果があったのかを判断できません。
  3. 部下の人数や組織の規模がなく、どの規模のマネジメントの話なのかが伝わりません。

○ OK例

【育成】若手と月1回の面談を行い、提案に同行して指導。提案書のひな形と見積もり手順書を整え、部下2名を主任に登用(2023年・2025年)。2021年度以降の新人5名は全員が在籍しています。

【業務の見直し】見積書の作成を営業事務に移し、営業は日報をスマートフォンで入力し直行直帰を可能にしました。残業時間は月平均 約38時間から約22時間に減りました(2020→2025年度)。

ここが評価される

  1. 面談・同行指導・手順書と、育成の方法が具体的で、応募先でも同じように動く姿が想像できます。
  2. 主任の登用と新人の定着という結果があり、育成の成果が事実で伝わります。
  3. 業務の分担を変えた内容と残業時間の変化を前後の数字で書き、組織を動かす力を示しています。

育成の結果は、昇格した人数、定着した人数、資格を取った人数など、数えられる形にすると伝わります。業務の見直しは、残業時間や処理件数のように前後を比べられる数字を選び、いつからいつまでの変化かも添えましょう。

活かせる経験・知識・スキル:組織運営・育成・専門分野の経験を、規模とともに書く

「マネジメント力」「リーダーシップ」のような言葉を並べるだけでは、どの管理職とも差がつきません。組織運営、育成、専門分野の3つに分けて、それぞれ規模や結果を添えます。

× NG例

・マネジメント力

・リーダーシップ

・部下育成の経験

・営業の経験

ここが惜しい

  1. 言葉を並べただけで、どの規模・どの期間の経験なのかがわかりません。
  2. 管理職の応募者なら誰でも書ける内容で、ほかの応募者との違いが伝わりません。

○ OK例

営業課の運営(部下12名、売上予算 年34億円)と、5期連続の予算達成

若手の同行指導と手順書の整備による育成、主任の登用

ゼネコン・建設会社 約450社との取引と、大型工事案件の提案・受注の管理

ここが評価される

  1. 組織の規模と成果を添えているので、マネジメントの経験の水準が伝わります。
  2. 育成の方法と結果を短く書き、言葉だけの「部下育成」になっていません。
  3. 業界の取引先と案件の経験も入れ、応募先の事業で活かせる専門性を示しています。

自己PR:組織の成果を上げた方法と、人を育てる力を1つずつ

管理職の自己PRで避けたいのは、自分の売上の話を中心にすることです。採用担当が知りたいのは、組織に成果を出させた方法です。課題、変えた仕組み、結果の順に書きます。

× NG例

私の強みは、自ら先頭に立って成果を出すことです。課長になってからも大口顧客を自分で担当し、課で一番の売上を上げてきました。部下には背中を見せて指導しています。

ここが惜しい

  1. 自分の売上の話が中心で、組織に成果を出させる力が伝わりません。
  2. 「背中を見せて指導」では、育成の方法と結果がわかりません。
  3. 管理職として採用する側からは、部下に任せられない人ではないかと心配されるおそれがあります。

○ OK例

仕組みを変えて、組織の成果を上げる力

課長に就いた2020年度は、工事の中断・延期で予算が未達でした。大型案件の情報が担当者ごとに埋もれていたため、着工予定をSFAで共有し、案件会議で提案の時期を決める運用に変えました。大型案件の受注は年14件から23件に増え、2021年度から5期連続で予算を達成しています。

ここが評価される

  1. 課題(情報が担当者ごとに埋もれていた)と、変えた仕組みが具体的に書かれています。
  2. 未達の年からの立て直しを書くことで、困難な状況での判断と行動が伝わります。
  3. 受注件数と予算達成の数字で、取り組みの結果を示しています。

2つ目は人と組織の強みを

記入例では、2つ目の強みに「メンバーが育ち、長く働ける環境をつくる力」を書き、残業時間の削減と主任の登用・新人の定着を示しています。成果を上げる力と人を育てる力を1つずつ書くと、管理職としてバランスよく伝わります。

管理職として応募する人の職務経歴書の記入見本つきテンプレート

立場別:管理職として応募する人の書き分け方

管理職の立場ごとに前に出すこと:同じ職種の管理職へ、プレイングマネジャー、初めて管理職へ、部長・複数部門の統括
この章のまとめ:管理職の立場ごとに前に出すこと

管理職といっても、今の立場と応募する立場の組み合わせによって、採用担当が気にすることは変わります。どの立場でも共通するのは、役職名ではなく「人数・予算・成果」の3つの数字をそろえることです。まずは表で全体像を確認しましょう。

立場採用担当が気にすること前に出すこと
同じ職種の管理職へ(課長から課長へ)応募先でも同じ規模の組織を任せられるか組織の規模と権限、年度ごとの組織の実績、仕組みの見直し
プレイングマネジャー自分で成果を出す人なのか、チームを動かせる人なのか自分の成果とチームの成果を分けた数字、指導した人数
リーダー・主任から初めて管理職へ管理職の仕事をこなせる準備があるか後輩の指導、チームのまとめ役、上司の代行など管理職に近い経験
部長・複数部門の統括事業全体を見て、管理職を束ねられるか部門の業績、配下の管理職の人数、方針づくりと人の配置

同じ職種の管理職へ(課長から課長へ)

記入例と同じケースです。採用担当は、「応募先の組織と規模が近いか」を確かめます。部下の人数や予算が応募先より大きくても小さくても、そのまま書きましょう。規模の違いは、面接で「どう活かすか」を話せば十分です。

職務経歴書に書きたいこと

  • 部下の人数と内訳(正社員・契約社員・派遣社員など、分けて)
  • 評価・目標設定・採用など、管理職として持っていた権限
  • 年度ごとの組織の予算と実績、未達の年の理由

記入例

【マネジメント】課の売上予算・目標の設定と進捗管理、部下12名の評価(年2回)、週1回の案件会議の運営

ポイント

  1. 「評価(年2回)」と書くことで、人事評価の権限を持っていたことが伝わります。
  2. 会議の頻度まで書くと、組織をどう回していたかが具体的に想像できます。

よくある落とし穴は、所属の欄に役職名だけを書き、組織の規模を職務要約にしか書かないケースです。採用担当は職務経歴を年度ごとに読み比べます。所属の欄に部下の人数と内訳を書けば、どの時期にどの規模を任されていたかが一目でわかります。

プレイングマネジャー

部下をまとめながら、自分も顧客を担当してきたケースです。採用担当は、「チームを動かせる人なのか」を見極めようとします。自分の成果とチームの成果を分けて書き、チームの成果を先に置きます。

職務経歴書に書きたいこと

  • チームの人数と、チーム全体の予算・実績
  • その中の自分の担当分(顧客数・売上)
  • 部下の指導やチームの仕組みとして取り組んだこと

記入例

【担当】リーダーとして営業5名のチームをまとめながら、主要顧客15社を自ら担当

【実績】2025年度:チーム予算 6億円/実績 6.3億円(達成率105%)。うち自身の担当分 2.1億円

ポイント

  1. チームの実績を先に書き、自分の担当分を「うち」で添えているので、チームを率いた人だと伝わります。
  2. 自分の担当分も数字で示しているので、プレイヤーとしての力も同時に伝わります。

よくある落とし穴は、自分の売上だけを大きく書くケースです。応募先がプレイングマネジャーを求めていても、管理職として採る以上、チームの成果が先に問われます。データの章で見たとおり、管理職の採用で重視されるのは「組織を動かす即戦力」です。

リーダー・主任から初めて管理職へ

管理職の経験はないものの、主任やリーダーとして、管理職に近い役割を担ってきたケースです。採用担当が気にするのは、「管理職の仕事をこなせる準備があるか」です。肩書きがなくても、実際に担ってきた役割を具体的に書きます。

職務経歴書に書きたいこと

  • 指導した後輩・メンバーの人数と期間
  • 会議の進行、仕事の割り振り、上司の代行など、管理職に近い業務
  • 指導したメンバーの成長など、結果の数字

記入例

【チーム運営】主任として後輩4名のOJTを担当。課長の不在時は、週1回の案件会議の進行と案件の割り振りを代行(2023年〜)

【結果】指導した4名のうち2名が、2年目に個人目標を達成

ポイント

  1. 「代行」と書くことで、肩書きはなくても管理職の業務を経験していることが伝わります。
  2. 指導の結果を人数で示しているので、育成の力に根拠があります。

よくある落とし穴は、「管理職の経験はありませんが」と書き出すケースです。ない経験から書き始めると、ある経験まで小さく見えます。記入例でも、主任の時代に「後輩3名のOJT担当」と書いています。担ってきた役割をそのまま書きましょう。

部長・複数部門の統括

部長として複数の課を統括してきたケースです。採用担当は、事業全体を見て、管理職を束ねられるかを確かめます。課長の書き方に加えて、配下の管理職の人数と、部門の方針づくりを書きます。

職務経歴書に書きたいこと

  • 統括した課の数、配下の管理職の人数、部門全体の人数
  • 部門の売上・利益などの業績と、その推移
  • 部門の方針づくり、組織の再編、管理職の育成

記入例

【組織】営業部長として3課を統括(課長3名、部員計38名)。部門の売上予算 年120億円

【実績】2025年度:予算 120億円/実績 126億円(達成率105%)。課長候補の育成計画をつくり、2名を課長に登用

ポイント

  1. 配下の管理職の人数を書くことで、「管理職を束ねる立場」だったことが伝わります。
  2. 課長の登用という、次の管理職を育てた結果を書いています。

よくある落とし穴は、部門の数字だけを並べ、自分が何を決めたのかが見えないケースです。部長の書類では、方針や組織の変更など、自分の判断で変えたことを1つ以上書きましょう。

管理職とAI:自分の活用と、チームへの広げ方をどう書くか

管理職がAIの経験を職務経歴書に書くときの3つのこと:自分が使った業務、チームへの広げ方、情報の守り方
この章のまとめ:管理職がAIの経験を書くときの3つのこと

AIをどこまで使うか、応募者にどこまで求めるかは、応募先の規模・業界・社内ルールによって大きく違います。IPA(情報処理推進機構)の「DX動向2026」では、AIを導入している企業は従業員1,001人以上で8割近くにのぼる一方、101人以下では16.6%でした。

AIを使った経験がないからといって、書類選考で不利になると考える必要はありません。まずは求人票に「生成AI」「AIツール」「DX推進」などの記載があるかを確かめ、書く量を決めましょう。

管理職に問われるのは「自分が使えるか」より「チームでどう使うか」

総務省の「令和8年版 情報通信白書」によると、生成AIを一つ以上の業務で使っている日本の企業は86.4%(「わからない」を除く)でした。会社でAIの利用が進むと、使い方のルールを決め、部下に広げる役割は管理職に回ってきます。

パーソルキャリア(doda)の「企業のAI活用実態と人材戦略に関する調査」では、AIスキルのレベルを定義している企業が67.2%、そのうちスキルの水準を評価に組み込んでいる企業が58.4%でした。AIを使いこなす社員とそうでない社員の差が見られる、という回答も72.4%あります。ただし、これはAIを導入している従業員501人以上の企業の人事・採用担当者に聞いた、社員の評価についての調査で、中途採用の選考の基準ではありません。

こうした会社では、部下のAIの使い方を育て、評価する場面が管理職に増えていきます。管理職の仕事で現実的な使い方は、たとえば次のようなものです。

  • 会議の議事録の要約(記入例の使い方)
  • 部下の提案書や報告書の、構成や言い回しの確認の補助
  • チームで使ってよい情報の範囲など、AIの利用ルールのたたき台づくり
  • 数字の集計や分析の手順を確かめる(数字そのものは元のデータで確認)

書き方:自分の使い方と、チームへの広げ方を分けて書く

自分で使った経験はPCスキル欄に、チームに広げた経験は「マネジメント実績」の【業務の見直し】に書くと整理できます。どちらも、何の業務で、どう使い、何を確かめたかまで書きます。

× NG例

生成AIを積極的に活用し、課のDXを推進しました。

ここが惜しい

  1. どの業務に、どう使い、何が変わったのかがわかりません。
  2. 「DXを推進」は範囲が広すぎて、管理職として何を決めたのかが見えません。
  3. 顧客の情報の扱いや、出力の確認について書かれていません。

○ OK例

生成AI:社内承認の生成AIで案件会議の議事録を要約(2025年4月〜)。顧客名・金額は入力せず、内容は自分で確認

ここが評価される

  1. 「案件会議の議事録」と使った業務が具体的で、実際の水準がわかります。
  2. 「社内承認の」と書き、会社のルールの範囲で使っていることが伝わります。
  3. 「顧客名・金額は入力せず」「自分で確認」と、情報の守り方と確認の方法を示しています。

チームに広げた経験がある場合は、たとえば「課内で入力してよい情報の範囲を決めたうえで、議事録の要約を全員で使う運用にした」のように、ルールと広げ方を書きます。実際に行ったことだけを書き、結果の数字は測ったものだけを使いましょう。

部下の情報は、とくに慎重に扱う

管理職は、顧客の情報に加えて、部下の評価や面談の内容など、人に関する情報も扱います。評価や面談の記録をAIに入力しないことは、管理職ならではの注意点です。AIの経験を書くときは、入力しない情報を決めて守ってきたことを添えると、安心して組織を任せられる人だと伝わります。

AIを使っていない・禁止の職場だった人は

AIを使っていなかった、または禁止されていた職場の管理職も、無理に書く必要はありません。禁止されていたなら、そのルールを部下に守らせてきたこと自体が、管理職としての大切な仕事です。

代わりに、道具や仕組みを組織に定着させた経験を書きましょう。記入例のPCスキル欄にある「案件管理の項目と入力ルールの設計、課への定着」は、新しい道具をチームに広げる力を示す点で、AIの導入と同じ種類の経験です。

面接でマネジメントについて聞かれたときの答え方

マネジメントについて聞かれたときに話す順番:組織の規模と役割、課題と変えたこと、結果の数字、応募先での再現
この章のまとめ:マネジメントについて聞かれたときに話す順番

管理職の面接では、職務経歴書に書いたマネジメントの中身を、さらに深く聞かれます。答えの基本は、書類と同じ数字を使い、「規模→課題と変えたこと→結果→応募先での再現」の順で話すことです。よくある4つの質問で考えてみましょう。

「部下は何人で、どのように育ててきましたか」

人数と内訳を答えたうえで、育成の方法と結果を具体的に話します。
例:「営業9名と営業事務3名の12名です。若手とは月1回面談し、提案に同行して指導しています。提案書のひな形と見積もりの手順書を整えたことで、2名を主任に登用でき、2021年度以降に入った新人5名は全員が在籍しています」

「うまくいかなかった時期に、どう立て直しましたか」

失敗を隠さず、原因の見立てと、変えた仕組みを話します。
例:「課長になった2020年度は、工事の中断や延期が相次ぎ、予算は93%で未達でした。大型案件の情報が担当者ごとに埋もれていたのが課題だと考え、着工予定をSFAで共有して、週1回の会議で提案の時期を決める形に変えました。大型案件の受注は年14件から23件に増え、翌年度から5期連続で予算を達成しています」

「当社では、プレイヤーとして売ることも求めますが、大丈夫ですか」

求められる役割を受け止めたうえで、チームの成果を優先する考えを伝えます。
例:「はい。主任の時代には個人で年約4億円を担当していました。自分で担当する顧客を持ちながらも、まずは課全体の案件の状況を見える化し、メンバーが成果を出せる形を優先したいと考えています」

「なぜ今の会社で上を目指さず、転職するのですか」

今の会社を批判せず、応募先で担いたい役割を中心に話します。
例:「今の会社では課の運営で成果を出せるようになりました。今後は営業部門の管理職として、組織づくりと事業の成長の両方に責任を持てる環境で働きたいと考えています。御社の首都圏の事業拡大の計画を拝見し、これまでの経験を活かせると考えて応募しました」
応募先の事業の話は、求人票や公表資料で確かめた内容だけを使います。

提出前のチェックリスト

提出前に確かめる7つのこと
この章のまとめ:提出前に確かめる7つのこと

書き終えたら、提出前に次の項目を確認しましょう。

  • 職務要約に、管理職になった時期・部下の人数・予算の規模・組織の成果が数字で入っている
  • 所属の欄に、役職と部下の人数・内訳を書いている
  • 個人の成績ではなく、部署全体の予算と実績・達成率を年度ごとに書いている
  • 未達の年がある場合も、理由と立て直しを事実で書いている
  • 育成の方法と、昇格・定着などの結果を書いている
  • 主任・担当者の時代の経歴は短くまとめ、管理職の期間に紙面を使っている
  • 生成AIなどの活用は、社内のルールと確認の方法を添え、実際に使った範囲だけを書いている

最後に、職務要約・職務経歴・マネジメント実績・自己PRで同じ数字(部下の人数、予算、達成率、残業時間など)を使っている箇所を読み合わせ、食い違いがないかを確かめましょう。

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よくある質問

役職は課長ですが、部下がいません。管理職として書いてよいですか?

役職名はそのまま書き、任されていた範囲を正確に書きます。部下がいない場合は「部下なし」と明記し、担当した顧客や予算の規模、取りまとめたプロジェクトの人数などを書きましょう。部下がいるように読める書き方は、面接で必ず確かめられます。

部下の人数に、派遣社員や業務委託の人も含めてよいですか?

含めて構いませんが、内訳を分けて書きます。たとえば「部下12名(正社員9名・派遣社員3名)」のように書けば、採用担当は組織の形を正しく読み取れます。評価の権限がどの範囲にあったかも、分けて書くとより伝わります。

管理職の期間が1〜2年と短いのですが、不利になりますか?

期間が短くても、任された規模と、その間に変えたことを具体的に書けば評価の材料になります。管理職になる前の主任・リーダーの時代に、後輩の指導やチームのまとめ役を担っていれば、あわせて書きましょう。

今の会社の役職名と、応募先の役職名が違います。どう書けばよいですか?

職務経歴書には今の会社の正式な役職名を書き、部下の人数・予算・権限を添えます。「マネジャー」「グループリーダー」など、会社によって同じ名前でも中身が違うため、数字があれば応募先の役職との比較ができます。

AIを使った経験がないと、管理職の転職で不利になりますか?

AIの活用をどの程度求めるかは応募先によって大きく違い、経験がないことだけで不利になるとは限りません。求人票にAIやDXの記載がある場合は、SFAなどの新しい道具や仕組みを課に定着させた経験を、具体的な方法と結果で書きましょう。

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Author

佐藤 大貴

レジュメラボ編集責任者/アースダイバー代表

佐藤 大貴

人材紹介の会社で、キャリア系メディアの編集長をしていました。転職やキャリアをテーマにした記事づくりに長く関わり、2019年にアースダイバー株式会社を立ち上げました。編集長時代、たくさんの求職者の方やキャ…

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