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コンサルタントの職務経歴書の書き方|採用担当に伝わる記入例と無料テンプレート

コンサルタントの職務経歴書の書き方|採用担当に伝わる記入例と無料テンプレート

コンサルタントの職務経歴書で採用担当が知りたいのは、「どんな顧客の、どんなテーマの案件で、どの立場で、何を変えたか」です。「大手企業の戦略立案から実行支援まで幅広く経験」とまとめるだけでは、自社の案件に入れる人かどうかが判断できません。

一方で、コンサルタントには守秘義務があります。顧客名は書けず、顧客の売上や利益も多くは社外秘です。「何も書けない」と感じて、抽象的な言葉に逃げてしまう人は少なくありません。

この記事では、導入SEから業務・ITコンサルタントに転じ、マネージャーになった人の記入例をもとに、案件の書き方と守秘義務の守り方を解説します。ファームの種類別、転職の方向別の書き分けも紹介します。

この記事でわかること

  • コンサルタントの職務経歴書の完成イメージ(記入例)
  • データで見る、コンサル人材の求人と市場の伸び、求められるスキル
  • 案件を「業種・規模/テーマ/期間/体制・役割/成果」で書く方法と、OK例・NG例の違い
  • 顧客名を伏せて規模を伝える「抽象化」のコツと、職位(アナリスト〜マネージャー)の示し方
  • 戦略・IT・業務・人事のファーム別、コンサル⇔事業会社の転職の方向別の書き分け方
  • 2026年のコンサルタントとAI:AIの経験を職務経歴書にどう書くか

無料テンプレート

コンサルタントの職務経歴書、記入見本つきのテンプレートがあります

この記事の記入例と同じ形式で、Word・Excel・PDFの3形式。空欄のテンプレートと記入見本がセットになっています。

コンサルタントの職務経歴書の記入例

まずは完成イメージです。SIerで生産管理システムの導入SEを5年務めたあと、業務・ITコンサルティング会社で約7年半、製造業・小売業の業務改革やベンダー選定、PMOを担当し、現在はマネージャーという人を想定しています。画像をタップすると拡大できます。

コンサルタントの職務経歴書の記入例(導入SEから業務・ITコンサルタントへ 約12年半)
コンサルタントの職務経歴書の記入例(A4・2枚)

この記入例と同じ形式のテンプレートを無料で用意しています。Word・Excel・PDFの3形式で、それぞれ空欄テンプレートと記入見本の2点セットです。

データで見る:コンサルタントの転職で、職務経歴書に問われること

書き方の前に、コンサル人材の求人の状況と、市場の伸び、この仕事で求められるスキルをデータで確認しておきましょう。

コンサルティング業界の求人倍率は9.96倍。全体の約3.4倍

転職サービスdodaの「転職求人倍率レポート」では、2026年9月の業種「コンサルティング」の転職求人倍率は9.96倍でした。全体の2.89倍の約3.4倍です。職種「専門職(コンサル・金融)」も6.57倍で、どちらも1月から9月まで全体を大きく上回っています。

コンサルティング業界と専門職(コンサル・金融)の転職求人倍率の推移。2026年9月は9.96倍と6.57倍
コンサル関連の転職求人倍率の推移(doda、2026年1〜9月)

出典:doda転職求人倍率レポート データ(パーソルキャリア)

ただし業種「コンサルティング」には監査法人などの求人も含まれ、職種の区分も金融系の専門職とまとめた値です。

求人が多い分、ファームは「自社のどの案件に入れるか」で応募書類を細かく見比べます。同じ「コンサルタント経験5年」でも、テーマや業種が合わなければ書類で見送られることもあると考えられます。

職務経歴書への落とし込み方

案件の見出しに「顧客の業種・規模」と「テーマ」を必ず入れます。採用担当が求人の条件と1行で照らし合わせられます。

国内のビジネスコンサルティング市場は、2029年に1兆円超の予測

IT調査会社IDC Japanの発表によると、国内ビジネスコンサルティング市場は2024年に前年比10.8%増の7,987億円でした。2029年には1兆2,832億円に達すると予測されています。2025年も前年比11.2%増と、2桁の成長が見込まれています。

国内ビジネスコンサルティング市場の規模。2023年7,240億円、2024年7,987億円、2029年予測1兆2,832億円
国内ビジネスコンサルティング市場の規模(IDC Japan)

出典:国内ビジネスコンサルティング市場予測を発表(IDC Japan、2025年12月10日)

同じ発表では、企業のAIへの適応が成長を後押しするとしています。市場が伸びれば案件を進める人が必要になり、事業会社で業務やシステムに深く関わった人の採用の余地も広がると考えられます。

職務経歴書への落とし込み方

事業会社からファームを目指す人は、「顧客側」として関わったプロジェクトを、案件と同じ形で書きましょう(後半の書き分けで紹介します)。

求められるスキルの上位は「傾聴力」と「説明力」

厚生労働省の職業情報提供サイト(job tag)では、職業ごとに必要なスキルの水準を比べられます。「経営コンサルタント」で最も高いのは「傾聴力」(5.1)と「説明力」(5.0)でした。「論理と推論(批判的思考)」は4.6で、上位ではありません。

経営コンサルタントに必要なスキルの水準。傾聴力5.1、説明力5.0が上位
経営コンサルタントに必要なスキルの水準(厚生労働省 job tag)

出典:職業情報提供サイト(job tag)「経営コンサルタント」(厚生労働省)(スキル)

応募書類では「論理的思考力」が強みの定番ですが、聞く力と伝える力はそれ以上に求められています。聞く力と伝える力は、言葉で主張するより、事実で示した方が伝わります。

職務経歴書への落とし込み方

「傾聴力」と書く代わりに、記入例の「8部署・約40名へのヒアリング」のように、誰から何人に話を聞いたかを書きます。「説明力」は「役員への報告」のように、相手の立場と場面で示します。

コンサルタントの職務経歴書テンプレートを無料でダウンロード

採用担当がコンサルタントの職務経歴書で見ている3つのこと

データと採用の現場でよく見られる傾向を踏まえると、コンサルタントの採用担当は次の3つを確認しています。

  1. どんな顧客の、どんなテーマを経験してきたかコンサルタントは、業務改革・IT戦略・システム導入・PMOなど、担当するテーマで中身が大きく変わります。採用担当は、顧客の業種と規模、テーマ、案件の数を見て、自社の案件にすぐ入れる人かを判断します。
  2. 案件の中で、どの立場で何を担ったか同じ案件でも、調査を担当したのか、チームを率いたのか、顧客の経営層と話したのかで評価は変わります。当社の体制の人数と、その中での自分の役割・担当した工程を確認しています。
  3. 顧客の何が変わったかを、数字で示せるか提案書を作ったことではなく、作業時間や費用、業務のやり方が「どれだけ変わったか」。同時に、顧客名や社外秘の数字を伏せて書けているかも、守秘義務を守れる人かを見る材料になります。

項目別の書き方:OK例とNG例の違い

ここからは項目ごとに、NG例とOK例を並べて解説します。OK例は記入例からの引用です。

職務要約:経験年数・テーマ・顧客の業種・立場・代表的な数字を3〜5行で

コンサルタントの職務要約は、「何のテーマなら任せられるか」を最初の3行で伝える場所です。経験年数、得意なテーマ、顧客の業種、いまの職位を言い切ります。

× NG例

コンサルティングファームにて、大手企業を中心に多数のプロジェクトに参画してまいりました。戦略立案から実行支援まで幅広く経験し、クライアントの課題解決に貢献しました。

ここが惜しい

  1. 経験年数と役職がなく、どこまで任せられる人かを判断できません。
  2. 「戦略立案から実行支援まで幅広く」では、得意なテーマがどこなのかが伝わりません。
  3. 「課題解決に貢献」は、どの顧客の何が変わったのかがないため、確かめられません。

○ OK例

SIerで生産管理システムの導入SEを5年務めた後、2019年から株式会社サンプルコンサルティングで約7年半、製造業・小売業の業務改革、基幹システムの構想策定・ベンダー選定、PMOを担当。受注入力作業を月約1,200時間から約700時間に削減しました。現在は6名を率いるマネージャーです。

ここが評価される

  1. SEからコンサルタントへの流れが書かれ、システムの現場を知っていることが強みとして伝わります。
  2. 顧客の業種(製造業・小売業)とテーマ(業務改革・構想策定・PMO)を言い切り、得意な範囲がはっきりしています。
  3. 代表的な成果の数字と、現在の役職・チームの人数で、任せられる範囲を示しています。

職務経歴:案件ごとに「業種・規模/テーマ/期間/体制・役割/成果」をそろえる

コンサルタントの職務経歴は、所属部署ではなく案件を単位に書きます。下の画像の3つのポイントを押さえましょう。

コンサルタントの職務経歴の書き方のポイント
職務経歴の書き方のポイント

記入例では1つの案件を、【案件】(業種・規模、テーマ、期間)・体制と役割・成果の3行で書き、すべての案件で順番をそろえています。

× NG例

2021年4月〜2023年3月 シニアコンサルタント

大手製造業の基幹システム刷新プロジェクトに参画。要件定義、RFP作成、ベンダー選定などを担当し、プロジェクトの成功に貢献。

ここが惜しい

  1. 「大手製造業」だけでは規模がわからず、案件の大きさを想像できません。
  2. 当社の体制と自分の立場がないため、チームの一員だったのか、領域をまとめていたのかがわかりません。
  3. 「プロジェクトの成功」は、何をもって成功なのかが書かれていません。

○ OK例

【案件】自動車部品メーカー(売上高 約1,200億円・国内4工場)基幹システム刷新の構想策定とベンダー選定(2021年4月〜2022年9月)

体制:当社5名(生産・購買領域のリーダー) 役割:要件整理、RFP作成、4社の提案比較

成果:追加開発の要望 約250件→約150件に絞り込み、見積額 約18億円→約14億円

ここが評価される

  1. 顧客を業種・売上高・工場数で書いているので、顧客名を出さなくても規模が伝わります。
  2. 期間を案件ごとに書いているので、短期の調査か、1年半かけた案件かがわかります。
  3. 当社5名の中で領域のリーダーだったと書き、任されていた範囲がわかります。

案件の数が多いときは、代表的なものに絞る

短い案件を全部並べると、2枚に収まらず、強みもぼやけます。応募先のテーマに近い案件を3〜5件選んで詳しく書き、ほかは「ほか、製造業の業務調査など短期案件4件」のようにまとめても構いません。

職位の書き方:社内の呼び名に「中身」を添える

アナリスト、アソシエイト、コンサルタント、シニアコンサルタント、マネージャー。職位の呼び名はファームごとに違い、同じ名前でも任される範囲が一致するとは限りません。呼び名だけに頼らず、体制の人数と自分の立場で「中身」を示しましょう。

職位の目安主に担う範囲職務経歴書で示すこと
アナリスト・アソシエイト調査・分析・資料作成担当した分析の対象と量(ヒアリング件数、データの範囲)、それが何に使われたか
コンサルタント担当タスクを自分で進める担当した工程と、顧客側の誰と進めたか
シニアコンサルタント領域やチームのリード率いた人数・領域と、顧客と合意したこと
マネージャー案件全体の品質・進捗・顧客対応統括した人数、顧客の役員への報告、並行して見た案件の数

記入例では、職位が変わるたびに期間の行を分け、「当社5名(生産・購買領域のリーダー)」「当社6名を統括」と体制を添えています。昇格とともに任される範囲が広がったことが読み取れます。

呼び名が一般的でないときは、カッコで補う

「シニアアソシエイト(マネージャーの1つ下の職位)」のように位置づけを添えると、他社の採用担当にも伝わります。昇格の時期は年月まで書いておきます。

案件の成果と守秘義務:顧客名・社外秘の数字は伏せ、変化の大きさで示す

コンサルタントの成果は、顧客の業務や費用が変わったことです。ただし顧客名と、顧客の経営数値は書かないのが原則です。成果は、業務の変化で示します。

× NG例

株式会社〇〇食品(東証プライム上場)様の受注業務改革を担当。同社の受注データ(年間売上〇〇億円分)を分析し、営業利益率を〇%改善する施策を提案しました。

ここが惜しい

  1. 顧客名を書くと、守秘義務を守れない人だと受け取られるおそれがあります。上場区分など、顧客を特定できる情報も同じです。
  2. 顧客の売上や利益率の実数は社外秘にあたることが多く、書くこと自体が問題になり得ます。
  3. 「提案しました」で終わっており、顧客が何を決め、何が変わったのかがわかりません。

○ OK例

【案件】食品メーカー(売上高 約500億円)受注業務の改革(2019年7月〜2021年3月)

(中略)

成果:EDI受注率 35%→70%、受注入力 月約1,200時間→約700時間(稼働半年後)

ここが評価される

  1. 顧客は業種と規模だけで書き、会社概要に「顧客名は守秘義務のため、業種・規模で記載」と断っています。
  2. 利益などの経営数値ではなく、業務の変化(EDI受注率・作業時間)で成果を示しているので、社外秘に触れずに効果が伝わります。
  3. 「稼働半年後」と測った時期を書き、面接で聞かれても説明できる形にしています。

提案で終わった案件は「顧客が何を決めたか」を書く

構想策定や調査だけの案件では、効果の数字が出ないこともあります。その場合は「4社の提案から1社を選定」「追加開発を約150件に絞ることで合意」のように、顧客の意思決定まで進めたことを成果として書きます。

活かせる経験・知識・スキル:テーマ・業種・案件数を添えて3つに絞る

ここは応募先の求人票と照らし合わせられる場所です。「力」ではなく、テーマの名前と経験の厚みで書きます。

× NG例

・論理的思考力

・課題解決力

・コミュニケーション能力

・プレゼンテーション能力

ここが惜しい

  1. コンサルタントの応募者の多くが書く言葉で、ほかの人との違いが伝わりません。
  2. どんな案件で使ってきた力なのかがなく、応募先の案件で役立つかを判断できません。

○ OK例

・現状調査から業務設計・定着までを進める業務改革(製造業・小売業の3案件)

・基幹システムの構想策定・RFP作成・ベンダー選定と、導入SEとしての5年の経験

・経営層・現場・ベンダーの間の合意形成と、6名のチームによるPMOの運営

ここが評価される

  1. 「業務改革」「構想策定・ベンダー選定」「PMO」と、求人票によく出るテーマの言葉で書いています。
  2. 業種・案件数・チームの規模を添えているので、経験の厚みがわかります。
  3. SE時代の経験を強みとして書き、IT寄りの案件でも即戦力になると伝えています。

PCスキル欄は「ツール・スキル」に変えてよい

記入例では業務分析・資料作成・プロジェクト管理・生成AIの4行にし、「PowerPoint(提案書・経営層向け報告)」のように何を作ったかと年数を添えています。資料の相手を書くと、説明力の裏づけにもなります。

自己PR:強みは2つまで。案件でのやり方と結果をセットで

自己PRでは、職務経歴に書いた案件の中から、強みが一番よく表れた場面を選びます。どう課題を見極め、どう関係者を動かしたかという進め方を書くのがポイントです。

× NG例

私の強みは、論理的思考力と、クライアントに寄り添う姿勢です。常にクライアントの立場に立ち、本質的な課題を見極めて最適なソリューションを提案してまいりました。

ここが惜しい

  1. 「本質的な課題」「最適なソリューション」は抽象的で、具体的に何をした人なのかが見えません。
  2. 強みを裏づける案件や数字がなく、職務経歴の内容ともつながっていません。
  3. 決まり文句が続くと、かえって考える力が伝わりにくくなります。

○ OK例

現場の事実から課題を見極め、数字で合意をつくる力

食品メーカーの案件では、約40名へのヒアリングと受注データの分析で、手入力の多さが残業の主因だと示しました。EDI導入を進め、受注入力を月約1,200時間から約700時間に減らしました。

ここが評価される

  1. ヒアリングの人数とデータ分析という、課題を見極めた手順が具体的です。
  2. 職務経歴に書いた数字と一致しているので、内容に一貫性があります。
  3. 記入例では2つ目の強みとして、追加開発の要望を各部門と1件ずつ確認して絞った経験を書いています。強みごとに別の案件を使うと、経験の幅も伝わります。
コンサルタントの職務経歴書の記入見本つきテンプレート

ファーム別・転職の方向別:コンサルタントの職務経歴書の書き分け方

ファームの種類で案件の中身と評価のされ方は違います。事業会社との間の転職かどうかでも、強調すべき点が変わります。

タイプ採用担当が見るポイント強調したい数字・事実
戦略コンサル論点の立て方と、経営層が何を決めたか顧客の規模、検討期間、経営層の意思決定
ITコンサル構想から導入までのどこを担ったかシステムの規模、ベンダー数、費用・期間の変化
業務コンサル現場を動かして定着させたか作業時間・処理件数の前→後、展開した拠点数
人事・組織コンサル制度を作って運用に乗せたか対象の社員数、制度の数、運用開始後の変化
コンサル→事業会社提案で終わらず、自分で実行できるか実行まで関わった案件、社内での担当の想定
事業会社→コンサル顧客側の経験を、案件に変換できるか関わったプロジェクトの規模・役割・成果

戦略コンサル出身・志望の人

戦略案件は期間が短く、成果が「提言」になりがちです。経営層が何を決めたかまで書きましょう。以下は架空の例です。

職務経歴書に書きたいこと

  • 顧客の業種・規模と、検討したテーマ(新規参入、事業の見直しなど)
  • 期間とチームの人数、自分が担った分析
  • 提言を受けて、経営層が何を決めたか

記入例

【案件】化学メーカー(売上高 約3,000億円)事業ポートフォリオの見直し(2024年1月〜4月)

体制:当社4名 役割:12事業の市場性と収益性の分析、事業部長8名へのインタビュー

成果:2事業の売却検討と1事業への重点投資を経営会議で決定

ポイント

  1. 4か月という期間と、12事業という範囲で、案件の大きさが伝わります。
  2. 「決定」と顧客の意思決定まで書き、提言で終わっていないことを示しています。

よくある落とし穴

フレームワークの名前や分析手法を並べるケースです。採用担当が知りたいのは手法ではなく、その分析で何がわかり、顧客が何を決めたかです。

ITコンサル出身・志望の人

IT案件は、構想策定・RFP作成・ベンダー選定・導入支援・PMOと工程が分かれます。どの工程を担ったかをはっきり書きます。記入例の人はこのタイプで、構想策定の例は職務経歴のOK例で紹介したため、ここでは導入期のPMOの架空の例を紹介します。

職務経歴書に書きたいこと

  • 対象システムと顧客の規模(拠点数・利用者数など)
  • 担った工程(構想・RFP・選定・導入・PMO)
  • 費用・期間・課題の数などの「前→後」

記入例

【案件】医療機器メーカー(売上高 約600億円)会計システム導入のPMO(2022年10月〜2024年3月)

体制:当社4名(PMO担当) 役割:ベンダー2社と顧客5部門の進捗・課題の管理、週次定例会の運営

成果:課題管理の様式を統一し、未解決の課題を最大約180件→稼働前に約20件まで減らして予定どおり稼働

ポイント

  1. 「ベンダー2社と顧客5部門」で、調整の範囲の広さがわかります。
  2. 課題の件数の推移で、PMOとしての働きを数字で示しています。

よくある落とし穴

「顧客側でベンダーを選んだ」のか「ベンダー側で開発した」のかが、あいまいなケースです。記入例のように、SE時代とコンサル時代で会社を分けて書きましょう。

業務コンサル(BPR・オペレーション改革)出身・志望の人

業務改革では、現場の作業がどれだけ変わり、それが定着したかが見られます。試行の範囲と、全体への展開を分けて書くと、数字の信頼性が上がります。

職務経歴書に書きたいこと

  • 対象の業務と、現場の規模(拠点数・人数)
  • 調査の方法(ヒアリング人数、作業時間の測定など)
  • 試行の結果と、展開した範囲

記入例

【案件】食品スーパー(約120店舗)店舗業務の効率化(2023年4月〜2024年12月)

体制:当社3名(現場調査チームのリーダー) 役割:10店舗での作業時間の調査、手順の見直し

成果:発注・品出し・値引きの作業時間 1店舗あたり月約520→約400時間(試行10店舗、約23%減)。全店へ展開

ポイント

  1. 「試行10店舗」と測った範囲を書き、数字を大きく見せていません。
  2. 「全店へ展開」で、試行で終わらず定着まで進んだことが伝わります。

よくある落とし穴

削減時間を年間・全店に換算して大きく書くケースです。換算するなら前提を書き、測った値と分けておきましょう。

人事・組織コンサル出身・志望の人

人事・組織の案件は、制度が運用に乗ったかが見られます。以下は架空の例です。

職務経歴書に書きたいこと

  • 対象の社員数と、作った制度(評価・等級・報酬など)
  • 説明会や管理職研修など、定着のために行ったこと
  • 運用開始後の変化(評価の偏り、離職率など)

記入例

【案件】物流会社(従業員 約2,500名)人事評価制度の改定(2023年10月〜2025年3月)

体制:当社3名(制度設計の担当) 役割:等級と評価項目の設計、管理職向け説明会(計14回)

成果:新制度で初回の評価を実施。評価の最高ランクに集中していた割合が約45%→約20%に

ポイント

  1. 説明会の回数で、定着のために動いたことがわかります。
  2. 評価の分布の変化という、社員の個人情報に触れない数字で成果を示しています。

よくある落とし穴

顧客の社員の声や、個人が特定できる事例を書くケースです。人事の案件は個人情報に触れやすいため、書くのは人数や割合までにとどめます。

コンサルから事業会社へ転職する人

事業会社の採用担当がよく気にするのは、「提案はできても、自分で実行できるか」「社内の調整を地道にやれるか」です。案件の書き方は同じでかまいませんが、実行と定着まで関わった案件を前に出しましょう。以下は、記入例の人が事業会社に応募する場合の架空の例です。

職務経歴書に書きたいこと

  • 実行・定着まで関わった案件と、自分が動かした範囲
  • 応募先の業界に近い顧客の案件
  • 入社後に担う仕事を想定した職務要約

記入例

(職務要約の最後に追加)

製造業の受注・経理・購買の業務改革を、構想から現場への定着まで担当してきました。今後は事業会社の一員として、改革を一過性で終わらせず、数年単位で業務の改善を続けたいと考えています。

ポイント

  1. 「定着まで」と書き、実行の経験を伝えています。
  2. 入社後の働き方を一言添えると、「なぜ事業会社か」への答えにもなります。

よくある落とし穴

コンサル用語をそのまま使うケースです。「PMO」「As-Is/To-Be」などは、事業会社の人事担当には伝わらないことがあります。「進捗・課題の管理」「現状と改善後の業務フロー」のように言い換えましょう。

事業会社からコンサルへ転職する人

事業会社出身者は、顧客側として関わったプロジェクトを、案件と同じ形で書くのが効果的です。job tagでも、金融・技術・人事など他分野から経営コンサルタントに転じる道があると紹介されています。以下は架空の例です。

職務経歴書に書きたいこと

  • 関わった改革・導入プロジェクトの規模と期間
  • プロジェクトの中での自分の役割(推進担当、現場の取りまとめなど)
  • 変わったことの「前→後」

記入例

【プロジェクト】経理業務の標準化(2024年4月〜2025年3月)

体制:社内6名・外部コンサル3名(経理部の推進担当) 役割:12拠点の業務の洗い出し、新しい手順書の作成と説明

成果:拠点ごとに違っていた支払処理の手順を1つに統一し、月次決算を8営業日→6営業日に短縮

ポイント

  1. 外部コンサルと組んだ体制を書くと、ファームの仕事の進め方を知っていることが伝わります。
  2. 案件と同じ形でまとめ、ファームの採用担当に読みやすくしています。

よくある落とし穴

「業界の知識」だけを強みにするケースです。ファームが求めるのは、その知識で顧客の課題を整理し、人を動かした経験です。日常業務より、改善や改革に関わった場面を選んで書きましょう。

あわせて読みたい:経営企画の職務経歴書の書き方

2026年のコンサルタントとAI:職務経歴書にどう書くか

AIの使い方や、どの程度の活用を求めるかは、応募先の規模・業界・社内ルールによって大きく違います。IPA(情報処理推進機構)の「DX動向2026」では、AIを導入している企業は、従業員1,001人以上で8割近くにのぼる一方、101人以下では16.6%にとどまります。

AIを使った経験がないからといって、書類選考で不利になると考える必要はありません。まずは求人票に「生成AI」「AI活用」「AI導入支援」などの記載があるかを確認しましょう。記載があれば具体的に書き、なければツール・スキル欄に1行添える程度で十分です。

コンサルタントで現実的なAIの使い方

2026年時点では、たとえば次のような使い方が現実的です。

  • 業界レポートや公開資料など、公開情報の調査メモの下書きをつくる
  • 報告書や提案書の構成案(章立て)の下書きをつくり、論点の抜けを確かめる
  • Excelの数式や集計の手順を質問し、分析の準備を速くする
  • 社内で認められたツールで、社内会議の議事録の下書きをつくる

どれもAIには下書きを任せ、判断と顧客への説明は自分で行う使い方です。顧客に出す資料なので、AIの出力を原資料で確かめることが欠かせません。

「何の業務で・どう使い・何が変わったか」を書く

ほかの実績と同じように、対象の業務・使い方・確認の方法をセットで書きます。コンサルタントでは、何を入力しなかったかを添えることが特に大切です。

× NG例

生成AIを積極的に活用し、リサーチや資料作成の生産性を大幅に向上させました。

ここが惜しい

  1. どの業務のどの作業に使ったのかがなく、使い方が見えません。
  2. 入力した情報が書かれていないため、顧客の情報を入れていないか、採用担当が不安に感じます。
  3. 「大幅に向上」は根拠がなく、盛っている印象を与えかねません。

○ OK例

生成AI|社内で認められたツールで公開情報の調査メモ・資料構成の下書きを作成(顧客情報は入力せず、内容は自分で確認)(1年)

ここが評価される

  1. 「公開情報の調査メモ」「資料構成の下書き」と、使った作業が具体的です。
  2. 「社内で認められたツール」「顧客情報は入力せず」と書き、守秘義務への意識が伝わります。
  3. 「内容は自分で確認」と、出力をそのまま使っていないことを示しています。

時間の短縮を測っていた場合は「前→後」を添えます。測っていなければ、数字を作らずに使い方だけを書きましょう。

使うときの注意点と、AI関連の案件の書き方

コンサルタントは、顧客から預かった情報を扱う仕事です。AIの経験を書くときは、次の3点を添えると安心感が伝わります。

  • 顧客名・顧客のデータ・インタビューの内容をAIに入力しなかった
  • ファームと顧客のルールの範囲で、認められたツールを使った
  • AIの出力をそのまま使わず、数字や事実を原資料で確認した

顧客企業への生成AIの導入支援など、AIそのものがテーマの案件を担当した人は、AIの「利用」ではなく案件として書きます。ほかの案件と同じく、顧客の業種・規模、体制と役割、顧客の業務がどう変わったかを書きましょう。

AIを使っていない・禁止の職場だった人は

顧客との契約やファームの方針で、生成AIの利用を禁止・制限している例もあると考えられます。その場合、無理に書く必要はありません。ルールに従って顧客の情報を守ってきたこと自体が、コンサルタントとして大切な姿勢です。

代わりに、仕事の進め方を自分で速くした経験を書きましょう。記入例のSE時代の「よくある要望を標準設定のひな形にまとめ、導入期間を平均約9か月→約7か月に短縮」のような経験は、AIを使った効率化と同じく、仕事のやり方を改善できる力を示します。

実績の数字が書けないときの対処法:守秘義務と「抽象化」のコツ

コンサルタントの悩みは、「数字がない」より「数字はあるが書けない」ことにあります。顧客を特定させずに規模を伝える「抽象化」のやり方がわかれば、ほとんどの案件は書類にできます。

情報ごとに「書く・置き換える・書かない」を決める

迷ったら、次の表のように情報を分けて考えます。入社時の誓約書や顧客との秘密保持契約で、書けない範囲が決まっている場合はそれに従います。

情報の種類扱い書き方の例
顧客名・案件のコードネーム書かない―
顧客の業種・規模・拠点数概数で書く食品メーカー(売上高 約500億円)、約120店舗
顧客の利益・利益率など経営数値書かない―
業務の変化(作業時間・処理件数・日数)前→後で書く月次決算を7営業日→5営業日に短縮
当社の体制・自分の役割そのまま書く当社5名(生産・購買領域のリーダー)
当社の受注額・単価原則書かない―

気をつけたいのは、1つずつは問題なくても、組み合わせると顧客が特定できる情報です。「国内シェア首位の」「〇〇県に本社のある」などを業種と規模に足すと、1社に絞れることがあります。売上高は丸め、地域やシェアの順位は書かないのが安全です。

面接で顧客名を聞かれても、「守秘義務のため、業種と規模までのお答えになります」と答えれば十分です。その答え方自体が、情報を預けられる人という評価につながります。

よくある4つのケース

引き継ぎ後の効果を、顧客から聞けていない

自分が関わった時点までに確かめた数字を、時点を添えて書きます。
例:「新手順での試行時点で、1件あたりの処理時間 約15分→約9分(2拠点で測定)」
その後の効果を推測で書くのは避けます。数字がなければ、「手順書12本を作成し、3拠点で説明会を実施」のように、自分が残したものを数えましょう。

アナリストで、案件全体の成果を自分のものと言いにくい

担当した作業の量と、それが何に使われたかを書きます。
例:「店舗の作業データ(10店舗・約3か月分)を集計し、見直す作業の優先順位づけを担当。分析結果が改善計画の基礎資料に」
自分の作業と案件の成果をつなぐ一文があれば、貢献が伝わります。

案件が進行中で、まだ最終的な成果が出ていない

ここまでに出た成果を、「進行中」と添えて書きます。
例:記入例の「請求書処理の見直しで、月次決算を7営業日→5営業日に短縮(進行中)」のように書けば、途中の成果でも正直に伝わります。

短い案件や、案件に入っていない期間が多い

短期案件はまとめて1行にし、案件以外の取り組みを【取り組み】として書きます。
例:「ほか、小売業の現状調査など1〜2か月の短期案件3件」「【取り組み】製造業向け提案(年6件)の資料作成、新人2名の育成」
提案活動や育成も評価される経験です。

あわせて読みたい:アピールできる実績がない人の職務経歴書の書き方

提出前のチェックリスト

書き終えたら、提出前に次の項目を確認しましょう。

  • 職務要約に、経験年数・得意なテーマ・顧客の業種・現在の立場・代表的な数字が入っている
  • 案件ごとに、顧客の業種と規模・テーマ・期間・体制と自分の役割・成果をそろえて書いている
  • 職位の呼び名だけでなく、体制の人数と自分の立場で任された範囲を示している
  • 顧客名や、顧客を特定できる情報の組み合わせ・社外秘の数字を書いていない
  • 成果は「提案した」で止めず、顧客の業務・費用がどう変わったか、または顧客が何を決めたかを書いている
  • AIを使った場合は、顧客情報を入力せず、内容を自分で確認したことを書いている
  • A4で2枚程度(多くても3枚以内)に収まり、誤字脱字がない

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職種の書き方はこの記事で、事情の伝え方は状況別の記入見本で。2つを組み合わせれば、書きにくいところも迷わず書けます。

よくある質問

案件が多すぎて2枚に収まりません。何件書けばよいですか?

応募先のテーマに近い案件を3〜5件選んで詳しく書き、ほかは「ほか、短期案件4件」のようにまとめます。件数より、1件ごとの中身が読み取れることが大切です。

前のファームが顧客事例として公開している案件なら、顧客名を書いてもよいですか?

公開されていても、自分の書類に書いてよいかは別の問題です。基本は業種と規模で書き、面接で聞かれたら「公開事例の範囲で」と前置きして話す方が安全です。

稼働率や売上目標など、ファーム内の数字は書くべきですか?

稼働率は書かなくて構いません。提案活動を担ったマネージャー以上なら、「提案6件、うち受注4件」のように件数で書く方法があります。受注額は社外秘のことが多いため避けましょう。

中小企業診断士やPMPなどの資格は必要ですか?

必須ではありません。持っていれば「■資格」欄に正式名称で書きますが、評価の中心は案件の経験です。

AIを使った経験がないと、コンサルタントの転職で不利になりますか?

AIの活用をどの程度求めるかは応募先によって大きく違い、経験がないだけで不利になるとは限りません。求人票にAI関連の記載があれば、仕事の進め方を自分で改善した経験を書きましょう。

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Author

佐藤 大貴

レジュメラボ編集責任者/アースダイバー代表

佐藤 大貴

人材紹介の会社で、キャリア系メディアの編集長をしていました。転職やキャリアをテーマにした記事づくりに長く関わり、2019年にアースダイバー株式会社を立ち上げました。編集長時代、たくさんの求職者の方やキャ…

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