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MRの職務経歴書の書き方|採用担当に伝わる記入例と無料テンプレート

MRの職務経歴書の書き方|採用担当に伝わる記入例と無料テンプレート

MRの職務経歴書で採用担当が知りたいのは、どの領域で、どんな施設を担当し、何をどう届けてきたかです。「医療機関への営業活動」「処方拡大に貢献」と書くだけでは、応募先の領域に近い経験かどうかも、情報提供の質も伝わりません。

MRの実績は、売上の数字だけでは語れません。販売情報提供活動のガイドラインのもとでは、承認された範囲で、社内審査を通った資材を使って情報を届けるのが前提です。売上の書き方にも、MRならではのコツがあります。

この記事では、製薬会社で12年半働くMRの記入例をもとに、項目ごとの書き方とその理由を解説します。他社MR・MSL・マーケティング・CSOなど、応募先別の書き分け方も紹介します。

この記事でわかること

  • MRの職務経歴書の完成イメージ(記入例)
  • MR白書と厚生労働省の調査で見る、MRの数・所属・ルールの今
  • 担当エリア・施設・領域と、売上・情報提供の実績の書き方(OK例・NG例)
  • 他社MR・MSL・マーケティング・CSOなど応募先別の書き分け方
  • 2026年のMRとAI:AIの経験を職務経歴書にどう書くか

無料テンプレート

MRの職務経歴書、記入見本つきのテンプレートがあります

この記事の記入例と同じ形式で、Word・Excel・PDFの3形式。空欄のテンプレートと記入見本がセットになっています。

MRの職務経歴書の記入例

まずは完成イメージです。内資系の製薬会社に新卒で入社し、開業医担当、大学病院・基幹病院担当を経て、肺がん領域を担当する主任MRを想定しています。画像をタップすると拡大できます。

MRの職務経歴書の記入例(製薬会社 12年半・主任)
MRの職務経歴書の記入例(A4・2枚)

この記入例と同じ形式のテンプレートを無料で用意しています。Word・Excel・PDFの3形式で、それぞれ空欄テンプレートと記入見本の2点セットです。

データで見る:MRの職務経歴書で「領域」と「ルール」を書く理由

書き方の前に、MRの数や所属先がどう変わってきたか、どんな情報提供が問題になっているかを、公的な調査で確認しておきましょう。

MRの数は10年で約3分の2に減っている

公益財団法人MR認定センターの「MR白書」は、製薬会社やCSO(MRの業務を受託する会社)などに毎年MR数を尋ねている調査です。2025年版によると、2024年度末のMR数は43,646人で、前の年度から3,073人(6.6%)減りました。2014年度の64,657人と比べると、10年で約3分の2になっています。

年度別のMR数。2014年度64,657人から2024年度43,646人に減少
年度別のMR数(2014〜2024年度)

出典:2025年版 MR白書(公益財団法人MR認定センター) Ⅰ-1)年度別MR数と認定取得状況の推移

白書では、2024年度の大きな減少には大きな会社の早期希望退職が影響したとみています。MRの数が減るなかで、採用する側は「誰でもいいから経験者」ではなく、自社の領域や施設に合う人を選ぶようになると考えられます。

職務経歴書への落とし込み方

「MR経験12年」とまとめず、記入例の「開業医担当(糖尿病・高血圧領域)で4年」のように、領域・施設の種類・年数をセットで書きます。

MRの55%は内資系、35%は外資系、約1割はCSOに所属

同じ白書で所属先を見ると、2024年度は内資系の製薬会社が24,052人(55.1%)、外資系が15,245人(34.9%)、CSOが4,249人(9.7%)でした。CSOのMRは、製薬会社と契約して、その会社の製品の情報提供を担います。

企業の属性別にみたMR数。内資系24,052人、外資系15,245人、CSO4,249人
企業の属性別にみたMR数(2024年度末)

出典:2025年版 MR白書(公益財団法人MR認定センター) Ⅰ-3)企業属性別MR数

同じ白書では、MRや管理職以外の部署で働くMR認定証の保有者が15,123人いると報告されています。MRの経験は、マーケティングや学術、教育研修など社内のさまざまな部署にもつながっています。

職務経歴書への落とし込み方

会社概要には、主な領域とMRの人数を書きます。CSOで働いた人は、どの製薬会社のどの領域の製品を担当したかを、契約ごとに書き分けます。

違反が疑われた説明は「根拠のない説明」と「承認外の効能・用法」が多い

厚生労働省は、2019年度から「医療用医薬品の販売情報提供活動に関するガイドライン」を適用し、MRなどの情報提供が適切かを毎年調べています。2025年度の調査事業の報告書では、違反が疑われた項目として、医療機関のモニターからの報告では「エビデンスのない説明」(11件中4件)、一般の報告では「未承認の効能・効果や用法・用量を示した」(12件中5件)が最も多くなりました。

違反が疑われた項目。未承認の効能・用法とエビデンスのない説明が多い
販売情報提供活動で違反が疑われた項目(2025年度)

出典:令和7年度 医療用医薬品の販売情報提供活動調査事業 報告書(厚生労働省) 図表10・図表14

件数は多くありませんが、承認外の使い方や根拠のない説明は、今も監視されている「してはいけないこと」です。こうした活動を成果として書くと、応募先は「ルールを守れない人」と受け取ります。

MRの職務経歴書テンプレートを無料でダウンロード

採用担当がMRの職務経歴書で見ている3つのこと

ここまでのデータと採用の現場でよく見られる傾向を踏まえると、MRの採用担当は次の3つを確認しています。

  1. 担当してきた領域と施設糖尿病・がんなどの疾患領域と製品数、開業医・中小病院・大学病院といった施設の種類と数。応募先で担当する領域や施設と、どれだけ近い経験かを採用担当は最初に確かめます。
  2. 成果の中身売上目標の達成率に加えて、新製品の院内採用、勉強会の開催、副作用等の情報の収集・報告。売上の数字だけでなく、医療機関にどんな情報をどう届けて成果につなげたかを見ています。
  3. ルールを守って活動できるかMRの情報提供は、承認された効能・効果の範囲で、社内審査を通った資材を使うのが前提です。承認外の質問への対応や安全性情報の扱いなど、ルールを守って活動してきたことが書かれていると、安心して任せられると判断されます。

項目別の書き方:OK例とNG例の違い

ここからは項目ごとに、NG例とOK例を並べて解説します。同じ経験でも、書き方ひとつで採用担当の受け取り方は大きく変わります。

職務要約:経験年数・領域・施設の種類・代表的な実績を3〜5行で

職務要約は、採用担当が最初に読む部分です。MRの場合は、担当の変化(開業医→病院、領域の変更)を年数とともに書くと、経験の幅がひと目で伝わります。

× NG例

大学卒業後、製薬会社に入社し、MRとして医療機関への営業活動に従事してまいりました。先生方との信頼関係を大切にし、自社製品の処方拡大に貢献してまいりました。

ここが惜しい

  1. 担当した疾患領域と施設の種類が書かれておらず、応募先の領域に近い経験かどうかがわかりません。
  2. 経験年数や達成率がないため、どの程度の実績があるのかが伝わりません。
  3. 「処方拡大に貢献」だけでは売上の話に偏って見えます。MRの本来の役割である情報提供の中身が見えません。

○ OK例

大学卒業後、2014年4月に株式会社サンプル製薬に入社し、約12年半、MRとして医療用医薬品の情報提供に従事してまいりました。開業医担当(糖尿病・高血圧領域)で4年、大学病院・基幹病院担当(糖尿病領域)で4年、2022年からは肺がん領域で6施設を担当し、2025年度の売上目標達成率は107%です。副作用等の情報の収集・報告と勉強会の企画を得意とし、主任として後輩2名を指導しています。

ここが評価される

  1. 開業医・病院・がん領域と、担当の変化を年数とともに書いているので、経験の幅がひと目でわかります。
  2. 達成率に加えて、得意なことを「副作用等の情報の収集・報告」「勉強会の企画」と具体的に書いているので、情報提供の質も伝わります。
  3. 主任として後輩を指導していることで、入社後に任せられる役割が見えます。

職務経歴:担当エリア・施設・領域を分けて書く

職務経歴は、MRの職務経歴書でいちばん読まれる項目です。下の画像の3つのポイントを押さえると、同じ経験でも伝わり方が大きく変わります。

MRの職務経歴の書き方のポイント
職務経歴の書き方のポイント

MRの担当は、【担当】【領域】【実績】の3つに分けて書くと読みやすくなります。【担当】には、エリアと施設の種類・数、面談した診療科や部門を書きます。【領域】には、疾患領域と製品数を書きます。

× NG例

2018年4月〜2022年3月 東京支店

病院を担当し、新製品の採用活動を行う。目標達成。

ここが惜しい

  1. 施設の種類と数、面談した診療科がないため、どんな規模の病院を担当してきたのかがわかりません。
  2. どの疾患領域の製品かが書かれておらず、応募先の領域との近さを判断できません。
  3. 「目標達成」だけでは、どの程度上回ったのか、採用がどこまで進んだのかが伝わりません。

○ OK例

【担当】大学病院1施設(約900床)・地域の基幹病院3施設の糖尿病内科・薬剤部

【領域】2型糖尿病の治療薬(2019年発売の新製品を含む5品目)

【実績】

2019年発売の新製品:担当4施設すべてで院内採用(2020年3月まで)

2021年度:売上目標4.8億円/実績5.04億円(達成率105%)

ここが評価される

  1. 施設の種類・病床数・診療科まで書いているので、担当していた病院の規模と面談の相手がわかります。
  2. 新製品の院内採用を施設数と期限で書いているので、発売時の情報提供をやり切ったことが伝わります。
  3. 売上は目標と実績を並べて達成率を添えているので、数字の大きさを正しく判断してもらえます。

担当エリアは「栃木県南部」「東京23区西部」のように、地域がわかる程度で十分です。開業医担当なら診療所の軒数、病院担当なら病床数と診療科、がん領域なら「がん診療連携拠点病院を含む6施設」のように施設の機能を書くと、担当の重さが伝わります。

施設名・医師名・製品名は書かず、種類と規模で示す

施設名や医師名は守秘の面で避けます。製品名も「2019年発売の新製品」のように、領域と発売時期で示せば伝わります。担当や領域が変わったときは、期間を区切って行を分けます。

売上・達成率:ガイドラインのもとでの実績の示し方

MRの評価は、多くの会社で売上目標の達成率を含みます。一方でガイドラインは、会社の経営陣に「適切な販売情報提供活動を行ったかどうか」を確認し、社員の評価に反映するよう求めています。売上は、情報提供の実績と並べて書くことで、正しく評価されます。

× NG例

毎年売上目標を達成。競合品からの切り替えを積極的に進め、担当エリアのシェアを大きく伸ばしました。

ここが惜しい

  1. 「毎年達成」だけでは、どの程度上回ったのか、どの年の話なのかがわかりません。
  2. 「切り替え」「シェア」を成果の中心にすると、他社品との比較の根拠や説明の仕方を、面接で確かめられることになります。

○ OK例

【実績】2017年度:担当エリアの売上目標3.2億円/実績3.39億円(達成率106%、営業所MR 10名中3位)

ここが評価される

  1. 目標と実績を並べて達成率を書いているので、計算が合っていることも含めて信頼できる数字になります。
  2. 「営業所MR 10名中3位」と比べる範囲を添えているので、社内での位置づけが伝わります。

売上の金額は、会社によっては社外に出せない情報です。迷ったときは、達成率と順位だけを書く方法もあります。例えば「達成率106%(営業所MR 10名中3位)」のように書けば、金額がなくても成果の大きさは伝わります。

情報提供・安全性情報の実績:件数と、ルールの守り方を添える

売上と並んで書きたいのが、勉強会・講演会、新製品の院内採用、副作用等の情報の収集・報告です。いずれも件数・回数・参加人数で書けます。承認外の質問を社内の担当部門につないだ件数も、ルールを守ってきた証拠になります。

× NG例

積極的な情報提供活動により、多くの先生方に製品の良さを理解していただきました。説明会も多数開催しました。

ここが惜しい

  1. 「積極的」「多数」は本人の評価で、回数や参加人数がないため、実績の大きさがわかりません。
  2. 「製品の良さ」だけでは、どんな情報を誰に届けたのかが伝わりません。安全に使うための情報を届けたことも書くと評価されます。
  3. 副作用等の情報の収集・報告に触れておらず、MRの大切な役割を担ってきたかどうかが判断できません。

○ OK例

副作用等の情報 約30件を、すべて期限内に社内へ報告(2025年度)

【取り組み】

2024年の効能追加の承認後、社内審査を通った資材で、薬剤部・看護部向けに副作用への対応の勉強会を6施設で計18回開催(参加 計約350名)

承認外の使い方の質問は社内の担当部門につなぐ流れを後輩と共有

ここが評価される

  1. 副作用等の情報を件数と「すべて期限内に報告」で書いているので、安全性情報を確実に扱ってきたことが伝わります。
  2. 勉強会は回数・参加人数・対象の職種まで書いているので、医療チーム全体に情報を届けたことがわかります。
  3. 社内審査を通った資材の使用や、承認外の質問を担当部門につないだことから、ルールを守って活動できる人だと判断できます。

承認外の使い方や、根拠のない比較を成果として書かない

厚生労働省の「医療用医薬品の販売情報提供活動に関するガイドライン」により、MRの情報提供は承認された効能・効果の範囲で、社内審査を通った資材を使って行うことが求められています。承認外の使い方を紹介した、他社品より優れていると説明した、といった書き方は、応募先にルールを守れない人と受け取られます。成果は「何を、誰に、どれだけ届けたか」で書きます。

活かせる経験・知識・資格:領域・施設・年数をそろえて3つに絞り、MR認定も正しく書く

応募先の求人票に書かれた経験と重なるものを、3つ程度に絞って箇条書きにします。

× NG例

・MR経験12年

・医薬品の知識

・ドクターとの関係構築力

ここが惜しい

  1. 「MR経験12年」は職務経歴を読めばわかります。どの領域・施設での経験かが大切です。
  2. 「医薬品の知識」「関係構築力」は抽象的で、応募先でどう活かせるのかが伝わりません。

○ OK例

・12年半のMR経験(開業医担当4年、病院担当8年半。糖尿病・高血圧・肺がん領域)

・新製品の発売時・効能追加時の情報提供(新製品は担当4施設すべてで院内採用)

・副作用等の情報の収集・報告と、医療機関向け勉強会の企画・運営

ここが評価される

  1. 領域と施設の種類を年数とセットで書いているので、応募先の担当とどれだけ近いかがひと目でわかります。
  2. 新製品の発売時の経験は、発売を控えた会社や新しい領域に力を入れる会社で評価されやすい経験です。
  3. 求人票の「求める経験」(がん領域、病院担当など)と言葉をそろえると、採用担当の目に留まりやすくなります。

資格欄には、MR認定試験の合格年月と、MR認定証が今も有効かを書きます。

2026年度からのMR認定制度の変更に注意

MR認定センターの制度は2026年度に改められ、受験資格のない「MR基礎試験」が始まりました。医薬品情報、疾病と治療、医薬倫理の3科目で、年2回行われます。

新しい制度では、MR基礎試験の合格と、実務教育の修了認定がそろうと、MR認定証の新規申請ができます。2025年までのMR認定試験の合格も、有効期限内なら要件を満たします。新しい制度で取得した人は、合格した試験の名前どおりに書きます。

PCスキル・ツール:SFAとWeb面談は「何に使ったか」まで書く

MRが使うツールは、どの会社でも大きくは変わりません。「SFA:使用可」ではなく、何の業務に、いつから使ってきたかを書くと差がつきます。

○ OK例

SFA:訪問・面談の記録、施設ごとの活動計画の管理(12年半)

Web面談ツール:医師・薬剤師とのWeb面談、Web講演会の運営補助(2020年〜)

Excel・PowerPoint:担当施設の実績集計、社内会議の報告資料の作成

ここが評価される

  1. SFAを「活動計画の管理」にまで使っていることで、施設ごとに計画を立てて動くMRだと伝わります。
  2. Web面談の相手と開始時期が書かれているので、対面とオンラインを組み合わせた活動に慣れていることがわかります。

オンライン面談の実績は、件数か対象で書く

Web面談やWeb講演会を担当した人は、「Web面談 月約〇件(主に薬剤部)」「Web講演会 年〇回の運営補助(視聴 計約〇名)」のように、件数や対象を添えます。訪問が難しい施設とWeb面談でやりとりを続けた、といった工夫も、オンラインで成果を出せる根拠になります。

自己PR:強みは2つまで、エピソードと結果を添える

自己PRは「強み → エピソード → 結果」の順に書きます。MRの場合は、情報提供の進め方そのものが強みになります。

× NG例

私の強みは、どんな先生とも信頼関係を築けるコミュニケーション力です。足しげく訪問を重ね、難しい先生からも処方をいただけるようになりました。

ここが惜しい

  1. 「信頼関係」「コミュニケーション力」は多くのMRが書く言葉で、ほかの応募者との違いが見えません。
  2. 訪問の回数で関係をつくった話は、情報提供の中身が見えず、今の医療機関の訪問ルールにも合いにくい印象を与えます。
  3. どんな工夫をして、何が変わったのかが数字で書かれていないため、応募先で再現できる力かどうかが伝わりません。

○ OK例

質問の意図を確かめ、正確な情報で応える力

質問を受けたら、まず何に困っているのかを確かめ、添付文書と社内審査を通った資材の範囲で答えます。承認外の使い方などは社内の担当部門につなぎます。2025年度は約120件に対応し、うち約20件をつなぎました。

ここが評価される

  1. 強みの見出しが具体的で、医療機関に対してどんな動き方をするMRなのかが一言でわかります。
  2. 「添付文書と社内審査を通った資材の範囲で答えます」と書いているので、ルールに沿って情報提供していることが伝わります。
  3. 対応した質問の件数と、担当部門につないだ件数まで書いているので、仕事の量と判断の確かさが伝わります。
MRの職務経歴書の記入見本つきテンプレート

応募先別:MRの職務経歴書の書き分け方

応募先によって、採用担当が見るポイントは違います。まず表で全体像を確認し、自分の希望に近いタイプを読んでください。

応募先採用担当が見るポイント強調したい経験・数字
他社のMR応募先の領域・施設との近さと、すぐに担当を持てるか領域と製品数、施設の種類と数、達成率、新製品の院内採用
MSL(メディカル部門)医学・科学の情報を深く理解し、中立に伝えられるか担当領域の深さ、文献の読み込み、学会・勉強会での発表、質問対応の件数
マーケティング・営業企画現場の声を戦略や資材に変えられるか医療機関の要望の集約、資材・勉強会の企画、データの集計・分析
CSO・医療機器など周辺業界新しい製品や会社にすばやく立ち上がれるか新製品・効能追加の立ち上げ経験、担当替えへの対応、領域の幅

他社のMR(同じ領域・別の領域へ)

同じ領域なら即戦力として、別の領域なら学ぶ力と立ち上げの経験が見られます。

職務経歴書に書きたいこと

  • 担当した疾患領域と製品数、その期間
  • 施設の種類と数(診療所の軒数、病床数、診療科)
  • 売上の目標・実績・達成率と、比べる範囲がわかる順位

記入例

【担当】東京都西部の診療所 約120軒・中小病院4施設

【領域】高血圧症・脂質異常症の治療薬(自社製品3品目)

【実績】2024年度:達成率103%(支店MR 25名中6位)。2023年発売の新製品を約40軒で採用

ポイント

  1. 開業医担当の規模を軒数で書いているので、応募先のエリアの広さと比べやすくなります。
  2. 金額を書かず、達成率と順位で成果を示す書き方の例です。

よくある落とし穴

別の領域へ移るときに、今の領域の専門用語ばかりを並べるケースです。生活習慣病からがん領域へ移るなら、病院の薬剤部や看護部と連携した経験など、応募先の領域につながる経験を探して書きましょう。

MSL(メディカル・サイエンス・リエゾン)

MSLは、営業から独立したメディカル部門で、医学・科学の専門的な情報をもとに医師と意見を交わす職種です。MSLをめざすなら、売上より「領域の専門性」と「情報を正確に扱う力」を前に出します。

職務経歴書に書きたいこと

  • 担当した領域の深さ(年数、扱った製品の作用や試験への理解)
  • 医療関係者からの質問への対応件数と、担当部門と連携した経験
  • 論文を読み込んで社内勉強会で発表した、などの学びの実績

記入例

【取り組み】循環器領域の主な臨床試験の論文を読み込み、営業所の勉強会で年4回発表(参加 各約15名)

【質問対応】2024年度 約90件(承認外の内容など約15件を社内の担当部門へつなぐ)

ポイント

  1. 論文を読んで社内で発表した経験は、MSLの仕事に近い力として評価されやすくなります。
  2. 承認外の質問をつないだ件数は、営業とメディカルの役割の違いを理解している証拠になります。

よくある落とし穴

売上実績を前面に出すと、営業の色が強い人と見えてしまいます。売上は職務経歴に1行で残し、職務要約や自己PRは専門性と情報の扱い方を中心に組み直しましょう。

マーケティング・営業企画

マーケティングや営業企画は、製品の戦略づくりや資材の企画、MR向けの支援を担います。現場を知っていることは強みですが、それを仕組みや資料に落とし込んだ経験として書くことが大切です。

職務経歴書に書きたいこと

  • 医療機関の要望や質問を集め、社内に伝えた経験
  • 勉強会や講演会の企画(テーマ設定、参加人数、アンケート結果)
  • 担当施設の実績をExcelなどで集計・分析した経験

記入例

【取り組み】担当エリアで多かった質問 約150件を分類し、営業所のMR向けに回答の手引きを作成(MR 12名が使用)

【勉強会】薬局薬剤師向けの勉強会を企画し、年6回開催(参加 計約180名。毎回アンケートで内容を見直し)

ポイント

  1. 質問を集めて分類し、手引きにまとめた流れは、現場の声を形にするマーケティングの仕事に近い経験です。
  2. アンケートで内容を見直したことを書くと、企画を改善し続ける力が伝わります。

よくある落とし穴

「資材を作った」と書くのに、社内審査に触れないケースです。資材は使う前に社内の審査を通すのが前提なので、関わったなら審査を通すまでの調整も経験として書きましょう。

CSO(コントラクトMR)・医療機器など周辺業界

CSOのMRは、契約ごとに担当する製薬会社や製品が変わります。CSOや医療機器の営業、CROなど周辺業界では、新しい製品にすばやく立ち上がる力が評価されやすいと考えられます。

職務経歴書に書きたいこと

  • 契約先の会社の種類(内資・外資)と、担当した領域・期間
  • 新製品の発売や担当替えのときに、どれくらいで活動を立ち上げたか
  • 経験した領域の幅と、それぞれの成果

記入例

【契約先】外資系製薬会社(2022年4月〜2025年3月)

【領域】希少疾患の治療薬(1品目)。発売3か月前から担当し、全国の専門施設12施設に情報提供

ポイント

  1. 契約先と期間を分けて書いているので、どの会社で何をしたかが混ざらずに伝わります。
  2. 発売前から担当した経験は、立ち上げの力を示す実績になります。

よくある落とし穴

契約先ごとの経験を1つにまとめてしまうケースです。会社名を出せない場合も「外資系製薬会社」のように種類で書き、領域と期間は契約ごとに分けましょう。

あわせて読みたい:薬剤師の職務経歴書の書き方

2026年のMRとAI:職務経歴書にどう書くか

AIの使い方や、どの程度の活用を求めるかは、応募先の規模・業種・社内ルールによって大きく違います。IPA(情報処理推進機構)の「DX動向2026」では、AIを導入している企業は従業員1,001人以上で8割近くにのぼる一方、101人以下では16.6%にとどまります。

AIを使った経験がないからといって、書類選考で不利になると考える必要はありません。まずは求人票に「生成AI」「AIツール」などの記載があるかを確認しましょう。記載があれば具体的に書き、なければPCスキル欄に1行添える程度で十分です。

MRの仕事で現実的なAIの使い方

同じ調査では、AIの用途として「文書・音声の要約、翻訳、校正」(82.5%)、「文書・レポート作成」(80.5%)が多く挙がっています。MRなら、次のような社内向けの使い方が現実的です。

  • 社内の報告書や会議資料の下書きをつくり、自分で確認して仕上げる
  • 公表された論文やガイドラインを読む前に、要点をつかむ入口として使う
  • SFAに入力した活動記録の整理や、社内向けの集計の補助

MRならではの注意点は、AIで作った文章を医療関係者向けの資材として使わないことです。医療機関に渡す資料は社内審査を通ったものだけです。AIは社内の作業の補助にとどめます。

「何の業務で・どう使い・何に気をつけたか」を書く

「生成AIを活用」とだけ書いても、何ができるのかは伝わりません。対象の業務と使い方を具体的に書きます。

× NG例

生成AIを活用し、情報提供活動の効率化に取り組みました。

ここが惜しい

  1. どの業務に、どのように使ったのかがわかりません。
  2. 「情報提供活動」に使ったと読めるため、資材の扱いや医療機関の情報の扱いに問題がないか、かえって心配されます。

○ OK例

生成AI:社内で認められたツールで報告書の下書きを作成。医療機関・患者の情報は入れず、内容は自分で確認(2025年〜)

ここが評価される

  1. 「報告書の下書き」と対象の業務が社内向けに限られているので、ルールを理解して使っていることがわかります。
  2. 「医療機関・患者の情報は入れず」「自分で確認」で、情報の扱いに慎重なことが伝わります。

使うときの注意点と、書くときの注意点

AIの経験を書くときは、次の3点を添えます。

  • 医療機関名・医師名・患者の情報や副作用の報告内容を、AIに入力しなかった
  • 会社が認めたツールを、社内ルールの範囲で使った
  • AIの出力をそのまま使わず、添付文書などで確認・修正した

使った経験を実際より大きく書くのは避けましょう。面接で使い方を聞かれても答えられる範囲にとどめます。

AIを使っていない・禁止の職場だった人は

情報の扱いに厳しい製薬会社では、生成AIの利用を限っている職場も少なくないと考えられます。その場合、無理に書く必要はありません。ルールに従ってきたこと自体が、MRとして大切な姿勢です。

代わりに、仕事の進め方を自分で改善した経験を書きましょう。記入例の「承認外の使い方の質問は社内の担当部門につなぐ流れを後輩と共有」のような工夫は、道具が何であれ、チームの仕事を良くできる力を示します。

実績の数字が書けないときの対処法

「売上の金額は社外に出せない」「担当がよく変わる」など、MRならではの書きにくさがあります。それでも、書き方を工夫すれば実績は伝えられます。

数字は、SFAの記録や評価面談の内容から拾い直すのが確実です。正確な数字がわからない場合は「約」をつけ、実態から大きくずれない範囲で書きましょう。

売上の金額を社外に出せない

金額の代わりに、達成率と順位で示します。
例:「2025年度:売上目標達成率104%(支店MR 30名中5位)」
達成率も出せない場合は、新製品の院内採用の施設数など、金額以外の成果を中心にします。

担当替えやエリアの再編で、前年と比べられない

MRは数年ごとに担当が変わるのが普通です。担当ごとに期間を区切り、それぞれの代表的な年度を1つずつ書きます。
例:「2023年10月に担当を引き継ぎ、2024年度は達成率101%」
引き継ぎの時期を書くと、短い期間で立ち上げたことも伝わります。

チームで施設を担当していて、個人の売上がわからない

病院担当では、複数のMRで施設を担当することもあります。チームの成果に、自分が受け持った部分を添えて書きます。
例:「大学病院をMR 3名で担当(自分は薬剤部・看護部を担当)。院内勉強会を年8回企画」

長く使われている製品が中心で、新製品の採用がない

発売から年数がたった製品でも、安全に使ってもらうための情報提供は続きます。
例:「後発医薬品への切り替えが進むなか、使用上の注意の改訂を担当施設 約80軒に期限内に周知」
副作用等の情報の報告件数や、質問対応の件数も書ける実績です。

あわせて読みたい:アピールできる実績がない人の職務経歴書の書き方

提出前のチェックリスト

書き終えたら、提出前に次の項目を確認しましょう。

  • 職務要約に、経験年数・担当した疾患領域・施設の種類・代表的な実績が入っている
  • 担当や領域が変わるごとに行を分け、施設の種類と数・主に面談した診療科を書いている
  • 売上は目標と実績を並べて達成率を添え、計算が合っている(金額を書けない場合は達成率と順位)
  • 新製品の院内採用・勉強会・副作用等の情報の報告などを、件数と時期で書いている
  • 承認外の使い方の紹介や、根拠のない他社品との比較を成果として書いていない
  • 施設名・医師名・患者の情報や、勤務先の内部情報を書いていない(AIの経験を書く場合も、情報の扱いを添えている)
  • MR認定試験の合格年月と認定証が有効かを確認し、A4で2枚程度に収まっている

状況別の無料テンプレート

ブランク、転職回数、未経験…気になる事情があるなら、状況別の記入見本も


職種の書き方はこの記事で、事情の伝え方は状況別の記入見本で。2つを組み合わせれば、書きにくいところも迷わず書けます。

よくある質問

売上の金額を職務経歴書に書いても大丈夫ですか?

担当エリアの目標と実績の金額を書くMRは多くいますが、社外に出さない決まりの会社もあります。迷うときは達成率と順位だけで書きましょう。医療機関ごとの数字は書かないのが基本です。

担当した製品名は書いたほうがいいですか?

「2型糖尿病の治療薬(自社製品4品目)」のように、領域と製品数で十分に伝わります。製品名は面接で聞かれたときに、話してよい範囲で答えれば問題ありません。

MR認定証が失効しています。資格欄にどう書けばいいですか?

今も有効であるように書くのは避けます。「〇年〇月 MR認定試験 合格(MR認定証は〇年に失効)」のように、状態がわかるように書きましょう。2026年度からは新しい制度に変わったため、再取得の方法はMR認定センターの案内で確認します。

早期退職の募集に応じて転職します。理由はどう書けばいいですか?

職務経歴書には退職理由を詳しく書く必要はありません。「会社の早期退職の募集に応じ退職」のように事実だけを書き、面接では次の仕事でやりたいことを中心に話すとよいでしょう。

AIを使った経験がないと、MRの転職で不利になりますか?

AIの活用をどの程度求めるかは応募先によって大きく違い、経験がないことだけで不利になるとは限りません。勉強会の進め方や質問対応の流れなど、仕事の進め方を自分で改善した経験を具体的に書きましょう。

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Author

佐藤 大貴

レジュメラボ編集責任者/アースダイバー代表

佐藤 大貴

人材紹介の会社で、キャリア系メディアの編集長をしていました。転職やキャリアをテーマにした記事づくりに長く関わり、2019年にアースダイバー株式会社を立ち上げました。編集長時代、たくさんの求職者の方やキャ…

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