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不動産営業の職務経歴書の書き方|採用担当に伝わる記入例と無料テンプレート

不動産営業の職務経歴書の書き方|採用担当に伝わる記入例と無料テンプレート

不動産営業の職務経歴書で評価されるのは、売上の大きさだけではありません。「どんな物件を、売主側・買主側のどちらで扱い、取引のどこまでを一人で任されてきたか」が伝わるかどうかです。

もう一つ大事なのが、数字の書き方です。仲介手数料は物件の価格で決まるため、担当エリアの相場が上がるだけでも増えます。手数料・成約件数・媒介契約に至った割合を組み合わせて書くと、本人の力が正しく伝わります。

この記事では、首都圏で中古住宅の売買仲介を10年半続けてきた副店長の記入例をもとに、項目ごとの書き方を解説します。賃貸・投資用・用地仕入れ・法人向けの書き分けも紹介します。

この記事でわかること

  • 不動産営業の職務経歴書の完成イメージ(記入例)
  • データで見る、不動産業界の採用状況と、手数料・宅建士の読まれ方
  • 仲介手数料・成約件数・反響対応の数字の書き方と、OK例・NG例の違い
  • 売買仲介・賃貸仲介・投資用・用地仕入れ・法人向けの書き分け方
  • 宅地建物取引士と、生成AIの経験の正しい書き方

無料テンプレート

不動産営業の職務経歴書、記入見本つきのテンプレートがあります

この記事の記入例と同じ形式で、Word・Excel・PDFの3形式。空欄のテンプレートと記入見本がセットになっています。

不動産営業の職務経歴書の記入例

まずは完成イメージです。中古住宅・土地の売買仲介会社に新卒で入社し、購入のお客様の担当を3年、売却のお客様の担当を7年半経験した人を想定しています。2024年からは副店長も務めています。画像をタップすると拡大できます。

不動産営業の職務経歴書の記入例(中古住宅の売買仲介10年半・副店長)
不動産営業の職務経歴書の記入例(A4・2枚)

この記入例と同じ形式のテンプレートを無料で用意しています。Word・Excel・PDFの3形式で、空欄テンプレートと記入見本の2点セットです。

データで見る:不動産営業の転職市場と、数字・資格の読まれ方

書き方の前に、採用の状況と、仲介手数料・宅建士が書類でどう読まれるかをデータで確認しましょう。

建設・不動産業界の転職求人倍率は5.55倍。全体の約1.9倍

転職サービスdodaの集計では、2026年9月の業種「建設・不動産」の転職求人倍率は5.55倍でした。全体の2.89倍の約1.9倍で、職種「営業」の3.21倍も上回っています。

業種「建設・不動産」・職種「営業」・全体の転職求人倍率(doda 2026年9月)
転職求人倍率の比較(2026年9月)

出典:doda「転職求人倍率レポート」データ(パーソルキャリア)(2026年10月22日発表・2026年9月分)

ただし、この数字は建設会社と不動産会社の求人をまとめたもので、施工管理など営業以外の職種も含みます。それでも、業界全体で人を求めている状況は読み取れます。

職務経歴書への落とし込み方

求人が多い業界ほど、書類は「自社と同じ売り方をしてきた人か」で選ばれます。職務要約の1文目で、売買か賃貸か、扱った物件、売主側か買主側かを書きましょう。

中古マンションの成約価格は10年で約1.8倍。手数料の額だけでは力が伝わらない

東日本不動産流通機構(東日本レインズ)の集計では、首都圏の中古マンションの平均成約価格は、2015年度の2,932万円から2025年度は5,322万円になりました。10年で約1.8倍です。中古戸建も3,004万円から3,958万円に上がっています。

首都圏の中古マンション・中古戸建の平均成約価格の推移(東日本レインズ 2015〜2025年度)
首都圏の中古住宅の平均成約価格(2015〜2025年度)

出典:首都圏不動産流通市場の動向(2025年度)(東日本不動産流通機構)(2026年4月17日発表)

仲介手数料の上限は、国土交通省の定めにより、物件価格に料率をかけて決まります。400万円を超える部分の料率は税込3.3%です。計算すると、2,932万円の物件の上限は売主・買主の一方から約103万円、5,322万円なら約182万円です。同じ1件の仲介でも、相場が上がるだけで手数料は大きく増えます。

そのため採用担当は、成約件数や、査定から媒介契約に至った割合のように、価格に左右されにくい数字もあわせて見ています。

職務経歴書への落とし込み方

手数料は「目標と実績・達成率」で書き、成約件数を必ず添えます。記入例の人物は成約38件で5,350万円、1件あたり約141万円です。

宅建試験の合格者のうち、不動産業で働く人は3人に1人

不動産適正取引推進機構の発表では、2025年度の宅地建物取引士資格試験の合格者は4万5,821人、合格率は18.7%でした。合格者のうち不動産業で働く人は33.2%で、他業種や学生も多く合格しています。

宅地建物取引士資格試験の合格者の職業別構成比(不動産適正取引推進機構 2025年度)
宅建試験の合格者の職業(2025年度)

出典:令和7年度宅地建物取引士資格試験結果の概要(不動産適正取引推進機構)(2025年11月26日)

不動産会社(宅建業者)は、事務所ごとに専任の宅地建物取引士を置くことが法律で義務づけられています。一方で、宅建士の登録者は2025年度末で124万3,738人にのぼります(国土交通省)。資格を持っていることに加えて、重要事項説明などで実際に使ってきたことが、経験者ならではの強みです。

職務経歴書への落とし込み方

資格欄には「合格」と「登録」の年月を分けて書きます。そのうえで職務経歴に「重要事項説明を年約30件担当」のように、資格を使った実務の量を書きましょう。

不動産営業の職務経歴書テンプレートを無料でダウンロード

採用担当が不動産営業の職務経歴書で見ている3つのこと

データと採用の現場でよく言われる傾向を踏まえると、採用担当は次の3つを確認しています。どの項目でも、このどれかが伝わるかを意識しましょう。

  1. どんな物件を、どちらの立場で扱ってきたか売買か賃貸か、中古か新築か、マンション・戸建・土地のどれか。売主側と買主側のどちらを担当し、エリアはどこか。同じ不動産営業でも仕事の中身が大きく違うため、採用担当は最初にここを確認します。
  2. 数字で示せる仲介の力仲介手数料の目標と実績、成約件数、媒介契約の件数。物件の価格はエリアで大きく変わるので、手数料の額だけでなく、件数や査定から媒介契約に至った割合で本人の力を見ています。
  3. 法令に沿った正確な取引と、お客様の信頼重要事項説明や物件調査、契約・決済までを任せられるか。宅地建物取引士の登録の有無と、トラブルを防ぐ工夫。一生に何度もない取引を預かる仕事なので、売る力と同じくらい重く見られます。

項目別の書き方:OK例とNG例の違い

ここからは項目ごとに、NG例とOK例を並べて解説します。目指すのは「数字に強い営業」と「取引を任せられる人」の両方が伝わる書き方です。

職務要約:物件・立場・エリア・代表的な数字を3〜5行で

職務要約は、採用担当が最初に読む部分です。扱った物件・売主側か買主側か・エリア・立場・代表的な数字を3〜5行にまとめます。

× NG例

大学卒業後、不動産会社に入社し、営業として不動産の売買に携わってまいりました。お客様の立場に立った提案を心がけ、常に上位の成績を収めてきました。

ここが惜しい

  1. 賃貸か売買か、売主側か買主側か、どんな物件を扱ったのかがわからず、経験の中身が伝わりません。
  2. 「常に上位の成績」は、何人中何位なのか、どんな数字なのかがなく、採用担当が確かめられません。

○ OK例

大学卒業後、2016年4月に株式会社サンプルリアルティに入社し、約10年半、首都圏で中古住宅・土地の売買仲介に従事してまいりました。購入側の担当を経て2019年から売却の査定・販売を担当し、2024年からは副店長です。2025年度は個人の仲介手数料5,350万円(達成率107%、成約38件)、店舗で3億2,400万円(達成率108%)を達成しました。

ここが評価される

  1. 「中古住宅・土地の売買仲介」「首都圏」と、扱った物件とエリアが一文でわかります。
  2. 購入側から売却側へと担当の移り変わりを書いているので、取引の両側を経験していることが伝わります。
  3. 個人と店舗の実績を分けて書き、売る力とまとめる力の両方を示しています。

職務経歴:店舗ごとに「規模・担当・実績・取り組み」をそろえる

職務経歴は、店舗や担当が変わるごとに行を分け、店舗・実績・取り組みの見出しをそろえて書きます。下の画像の3つのポイントを押さえましょう。

不動産営業の職務経歴の書き方のポイント(注釈付き)
職務経歴の書き方のポイント

売却の担当で差がつくのが、媒介契約の書き方です。専任・専属専任の媒介契約は、売主様がほかの会社に重ねて依頼できない契約です。専任系の件数は、売主様から販売を任された度合いを表します。

× NG例

神奈川県内の店舗で売買仲介を担当。売却査定から契約まで幅広く対応し、毎年目標を達成しました。

ここが惜しい

  1. 店舗のスタッフ数や、売却と購入のどちらの担当だったかがなく、働いていた環境がわかりません。
  2. 「毎年目標を達成」だけでは、目標の大きさも達成の度合いも判断できません。

○ OK例

【店舗】スタッフ10名。売却のご相談・査定、媒介契約、販売活動を担当

【実績】2022年度:仲介手数料 目標4,200万円/実績4,620万円(達成率110%、店舗10名中1位)、成約34件、媒介契約42件(うち専任・専属専任36件)

【取り組み】相続した空き家・土地のご相談に備え、司法書士・税理士と月1回の相談会を開催。2年間で約110件を受け、媒介契約28件につなげました

ここが評価される

  1. 【店舗】【実績】【取り組み】と見出しをそろえているので、どの店舗の経歴も同じ順番で読めます。
  2. 目標と実績を並べて達成率を添え、成約件数と媒介契約の件数も書いているので、数字の中身まで確かめられます。
  3. 相談会は、売却の相談が来る入口を自分でつくった取り組みです。反響を待つだけでなく、売却のご依頼を集める工夫ができる人だと伝わります。

専任媒介では、販売の状況を2週間に1回以上(専属専任は1週間に1回以上)売主様に報告することが、宅地建物取引業法で決められています。記入例では、これに加えて「毎週の電話連絡を店舗のルールに」と書いています。法律の上に何を上乗せしたかを書くと、対応の質が伝わります。

担当が変わったら、店舗ごとに分けて書く

購入と売却の担当では、求められる力が違います。部署名の横に「(売却のお客様の担当)」と添えると、経験の幅が伝わります。

仲介手数料・成約件数:手数料の額に「件数」と「割合」を添える

実績で書き間違いが多いのが「売上」という言葉です。物件価格の合計か仲介手数料かで、桁が大きく変わります。仲介会社の実績は「仲介手数料」と明記しましょう。

× NG例

2025年度:売上5,350万円。高額物件を多数成約させ、会社の業績に大きく貢献しました。

ここが惜しい

  1. 目標が書かれていないため、5,350万円が高いのか低いのか判断できません。
  2. 「売上」が仲介手数料なのか、取引した物件の価格の合計なのかがわかりません。

○ OK例

【実績】2025年度の仲介手数料

個人:目標5,000万円/実績5,350万円(達成率107%、12名中1位)、成約38件

(中略)

個人の査定から媒介契約に至った割合 32%→41%(2023年度→2025年度)

ここが評価される

  1. 「仲介手数料」と書くことで、物件価格の合計ではなく会社の売上になる数字だと伝わります。
  2. 成約件数を添えると、高額物件1件に頼った数字ではないことがわかります。
  3. 査定から媒介契約に至った割合は、エリアや物件価格に左右されにくく、売却の相談を任せてもらう力を表します。

購入の担当や賃貸仲介では、ポータルサイトなどからの問い合わせ(反響)を店舗で割り振ることがよくあります。件数が集客に左右されるため、反響から案内、案内から成約に至った割合を書くと本人の力が伝わります。

割合は「何を分母にしたか」をはっきりさせる

成約率などの割合は、問い合わせ数・査定数・案内数のどれを分母にするかで大きく変わります。「査定から媒介契約に至った割合」のように書き、面接で数え方を説明できるようにしましょう。

活かせる経験・知識・スキル:取引のどこまで任せられるかを3つに絞る

採用担当は、入社後すぐに一人で取引を任せられるかを見ています。査定・物件調査・重要事項説明・引渡しのどこまでを担当してきたかを書きましょう。

× NG例

・不動産営業10年
・宅建
・提案力・交渉力

ここが惜しい

  1. 「不動産営業10年」は職務経歴を読めばわかり、何ができるのかは伝わりません。
  2. 「宅建」は略称で、合格だけか登録済みかもわかりません。資格は「■資格」欄に正式名称で書きます。
  3. 「提案力・交渉力」は抽象的で、どんな場面で発揮した力なのかがわかりません。

○ OK例

・中古マンション・戸建・土地の売買仲介10年半。査定から重要事項説明・引渡しまで一人で担当
・根拠を示した査定と報告の仕組みづくり(査定から媒介契約に至った割合 32%→41%)
・副店長としての店舗の数字管理と新人指導(スタッフ12名、新人3名を同行指導)

ここが評価される

  1. 査定から引渡しまで「一人で担当」と書くことで、入社後すぐに任せられる範囲がわかります。
  2. 仲介の実務・売却の依頼を任される工夫・店舗運営と、強みの種類が重ならないように選んでいます。

PC・システムスキルと資格:レインズと宅地建物取引士の書き方

PCスキル欄には、業務で使ったシステムも書きます。記入例では「レインズ(物件登録・成約事例の検索)」と使い道を添えています。レインズは、国が指定した不動産流通機構が運営する、不動産会社どうしの物件情報網です。顧客管理システムやポータルサイトへの掲載も書いておきましょう。

資格欄で特に気をつけたいのが、宅地建物取引士です。宅建士として仕事をするには、試験の合格後に都道府県知事の登録を受け、宅地建物取引士証の交付を受ける必要があります。合格・登録・宅建士証の交付は別の手続きです。資格欄では「合格」と「登録」の年月を分けて書きましょう。

× NG例

2016年 宅建 取得

ここが惜しい

  1. 「宅建」は略称です。資格は正式名称で書くのが基本です。
  2. 「取得」では、試験に合格しただけなのか、登録まで済んでいるのかがわかりません。

○ OK例

2016年11月 宅地建物取引士資格試験 合格

2017年5月 宅地建物取引士 登録

ここが評価される

  1. 合格と登録を分けて書いているので、宅建士として働ける状態であることがはっきり伝わります。
  2. 登録には、実務経験2年以上か、登録実務講習の修了などが必要です。合格から半年で登録しており、早くから宅建士として実務に立ってきたことが伝わります。
  3. 職務経歴の「重要事項説明を年約30件担当」とあわせて読むと、資格を実務で使ってきたことまで伝わります。

自己PR:強みは2つまで。お客様への対応の工夫を数字の変化で示す

自己PRは「強み → それを発揮したエピソード → 結果の数字」の順に書きます。不動産営業では、成約までの工夫だけでなく、トラブルを防ぎ、信頼を得る工夫も強みとして伝わりやすいテーマです。

× NG例

私の強みは粘り強さとお客様との信頼関係を築く力です。どんなお客様にも誠実に対応し、多くのご紹介をいただいてきました。最近はAIも使って効率よく営業しています。

ここが惜しい

  1. 「粘り強さ」「信頼関係」は多くの応募者が書く言葉で、差がつきません。
  2. 「AIも使って」は、何に使い、どう確かめたのかがなく、広告の表示ルールや個人情報の扱いが心配になります。

○ OK例

根拠を示した査定で、売却を任せていただく力
複数の会社に査定を頼まれるお客様が多いため、査定額に加えて周辺の成約事例と「3か月で売れないときの価格の見直し方」まで最初にお見せしています。査定から媒介契約に至った割合は、2023年度の32%から2025年度は41%に上がりました。

ここが評価される

  1. 「成約事例と価格の見直し方まで最初に見せる」と手順が具体的で、応募先でも再現できる力だと伝わります。
  2. 媒介契約に至った割合の変化まで書いているので、工夫が結果につながったことがわかります。
  3. 記入例では2つ目の強みとして、売主様への報告の仕組みづくりを書いています。強みは2つまでに絞ると、それぞれの根拠が厚くなります。
記入見本つきの不動産営業向けテンプレートを見る

売買・賃貸・投資用・用地仕入れ・法人:種類別の書き分け方

不動産営業は、扱う取引の種類によって採用担当が見るポイントと、強調すべき数字が大きく変わります。売却側の売買仲介は、ここまでの記入例がそのまま当てはまります。

種類採用担当が見るポイント強調したい数字
売買仲介(売却・購入)査定から引渡しまで任せられるか。売却側は媒介契約を任される力仲介手数料、成約件数、専任系の媒介契約の件数、反響や査定からの割合
賃貸仲介反響に素早く対応し、多くの契約を正確に進める力反響数、来店率、成約件数、仲介手数料、繁忙期の件数
投資用不動産の販売行動量と、リスクまで説明する誠実さ面談数、販売戸数、成約率、契約後の解約の少なさ
用地仕入れ情報を集め、事業になるかを見極める力情報の入手件数、検討件数、仕入れ件数・金額
法人・事業用(オフィスなど)企業の移転やビルの空室対策を、関係者と進める力成約件数、成約面積(坪)、仲介手数料、稼働率

売買仲介(購入のお客様の担当):反響から成約までを割合で

購入の担当は、反響への対応から契約・決済までを進める仕事です。反響から案内、案内から成約までの割合で本人の力を示すのが効果的です。

職務経歴書に書きたいこと

  • 担当した反響の件数と、主な経路(ポータルサイト・チラシ・紹介など)
  • 反響から案内、案内から成約に至った割合
  • 成約件数と仲介手数料(目標・実績・達成率)

記入例

【実績】2025年度:担当した反響 年420件、うち案内148件(35%)から成約31件(案内からの成約率21%)。仲介手数料 目標2,800万円/実績2,950万円(達成率105%)

ポイント

  1. 反響→案内→成約の流れを件数と割合で書いているので、どこが強いのかがわかります。
  2. 割合の分母(反響・案内)が明確で、数字の意味が正確に伝わります。

よくある落とし穴

「反響対応の速さに自信があります」とだけ書くケースです。初回返信までの時間を計っていたなら、「平均〇分以内」と数字で書きましょう。

賃貸仲介:件数と、反響から来店・成約までの割合

賃貸仲介の仲介手数料は、国土交通省の定めで、貸主・借主の双方から受け取る合計が賃料の1か月分(税込1.1か月分)までです。1件の手数料が小さいため、件数と、反響を契約につなげる割合が実力を示します。

職務経歴書に書きたいこと

  • 店舗の規模と、扱った物件(単身向け・ファミリー向け・法人の社宅など)
  • 反響数・来店数・成約件数と、それぞれの割合
  • 1〜3月の繁忙期の件数と、重要事項説明の件数

記入例

【店舗】スタッフ6名。単身・ファミリー向けの賃貸仲介
【実績】2025年度:担当した反響1,150件から来店310組(来店率27%)、成約176件(来店からの成約率57%)。仲介手数料1,480万円(店舗6名中1位)。うち1〜3月の繁忙期に成約78件

ポイント

  1. 反響・来店・成約の3段階の数字があり、集客を契約につなげる力が伝わります。
  2. 繁忙期の件数から、短期間に多くの契約を進められる人だとわかります。

よくある落とし穴

仲介手数料と、鍵の交換などの付帯サービスの売上を合わせて「売上」と書くケースです。数え方は会社で違うため、分けて書きましょう。

投資用不動産:行動量と、リスクまで説明する誠実さ

投資用マンションなどを会社員や経営者に販売する仕事では、面談数や販売戸数が見られます。一方で、強引な勧誘が問題になりやすい分野でもあります。採用担当は、リスクまで正直に説明できる人かを気にしていると考えられます。

職務経歴書に書きたいこと

  • 扱った物件(新築・中古、区分マンション・一棟など)と価格帯
  • 面談数・販売戸数と、目標に対する達成率
  • リスクの説明の工夫と、契約後の解約の少なさ

記入例

【実績】2025年度:販売 目標18戸/実績21戸(達成率117%)。面談86件から成約21件(成約率24%)。収支計画では金利上昇や空室時の試算も必ず示し、契約後の解約0件。購入者からの紹介で4戸

ポイント

  1. 面談数と成約率があり、数で押すだけの営業ではないことが伝わります。
  2. 金利上昇や空室の試算を示したことと解約0件が、誠実な説明の裏付けになっています。

よくある落とし穴

架電件数やアポイント数だけを強調するケースです。それだけでは強引な営業と受け取られかねません。成約率や解約の少なさを添えましょう。

用地仕入れ:情報の量と、事業になるかを見極めた件数

用地仕入れは、仲介会社や地主から土地の情報を集め、事業として成り立つかを検討して買い取る仕事です。仕入れは年に数件のことも多いため、「何件の情報から、何件を検討し、何件を仕入れたか」の流れで書くと伝わります。情報の入手件数は、仲介会社との関係の深さを表す数字でもあります。

職務経歴書に書きたいこと

  • 担当エリアと、仕入れた土地の用途(戸建分譲・マンションなど)
  • 情報の入手件数と、情報をくれる仲介会社の数
  • 事業収支を作った件数、仕入れた件数と金額

記入例

【実績】2025年度:仲介会社約60社から土地情報 約540件を入手。事業収支を作成した42件のうち7件・計約38億円を仕入れ(戸建分譲用地5件、マンション用地2件)

ポイント

  1. 情報の数から仕入れまでを順に書いているので、見極めの厳しさと行動量の両方が伝わります。
  2. 事業収支を作った件数から、見極めの実務を担ってきたことがわかります。

よくある落とし穴

仕入れた土地の所在地や売主の名前を書くケースです。「都内の駅徒歩圏、約300坪のマンション用地」のように、特定できない書き方にしましょう。

法人・事業用(オフィスなど):面積・件数と、関係者を動かした経験

オフィスや店舗の仲介には、移転先を探す企業(テナント)の担当と、ビルのオーナーから空室を任される担当があります。相手が企業なので、複数の関係者と話を進める力が見られます。成約件数に加えて成約面積(坪)を書くと、取引の規模が伝わります。

職務経歴書に書きたいこと

  • 物件の種類(オフィス・店舗など)と、テナント側かオーナー側か
  • 成約件数と成約面積(坪)、仲介手数料
  • オーナー側なら、担当ビルの稼働率の変化

記入例

【実績】2025年度:オフィス移転の仲介 成約24件・計約3,100坪、仲介手数料 目標5,000万円/実績5,600万円(達成率112%)。オーナー側で担当するビル8棟の稼働率を82%から95%に改善

ポイント

  1. 件数と面積を並べると、小さな区画を多く扱ったのか、大型の移転を担ったのかがわかります。
  2. 稼働率の変化は、オーナー側の担当としての成果を示す代表的な数字です。

よくある落とし穴

移転した企業の社名を書くケースです。「従業員約500名のIT企業の本社移転」のように、業種と規模で表しましょう。

あわせて読みたい:個人営業の職務経歴書の書き方

2026年の不動産営業とAI:職務経歴書にどう書くか

最初にお伝えしたいのは、AIの使い方や、AIの経験を求める度合いは応募先によって大きく違うということです。IPAの「DX動向2026」では、AIを導入している企業は従業員1,001人以上で8割近くにのぼる一方、101人以下では16.6%でした。

まずは求人票に「生成AI」「AIツール」などの言葉があるかを確認しましょう。記載がなければ、PC・システムスキル欄に1行添える程度で十分です。

不動産営業で現実的なAIの使い方

総務省の「令和8年版 情報通信白書」では、生成AIを使っている業務として「営業・販売」を挙げた企業が約6割ありました。2026年時点の不動産営業では、次のような使い方が現実的です。

  • 物件紹介文・広告文の下書き:間取りや設備の情報から、ポータルサイトに載せる紹介文の案を作る(記入例の人物はこの使い方)
  • 反響メールの返信文の下書き:問い合わせへの初回返信や、内見後のお礼メールの文案を作る
  • 査定報告書の説明文の下書き:周辺環境や販売計画の説明を、わかりやすい文章に整える

特に気をつけたいのは広告の表示です。不動産の広告は、宅地建物取引業法で誇大な広告が禁じられ、業界の表示ルールもあります。AIが書いた「駅近」「日当たり良好」などの表現が事実と違えば、そのまま問題になります。

書き方:「何に使い、何を自分で確かめたか」

AIの経験は「AIを活用して効率化」と書くだけでは伝わりません。使った業務・入れなかった情報・自分で確認したことの3つをセットで書きます。

× NG例

ChatGPTなどの生成AIを活用して業務を効率化し、広告の作成時間を大幅に削減しました。

ここが惜しい

  1. どの業務で使ったのかがあいまいで、「使ったことがある」以上の情報がありません。
  2. お客様の情報を入れていないか、表現を誰が確かめたかがなく、採用担当は情報管理と広告のルールが心配になります。

○ OK例

生成AI:社内で認められたツールで物件紹介文の下書きを作成(2025年4月〜)。お客様の情報は入れず、広告の表示ルールに合うかは自分で確認

ここが評価される

  1. 「社内で認められたツールで」と書くことで、会社のルールの中で使ったことが伝わります。
  2. 「お客様の情報は入れず」の一言で、個人情報の扱いに気を配れる人だとわかります。
  3. 表示ルールを自分で確認したと書いているので、AIの文章をそのまま載せていないことが伝わります。

AIの経験を書くときの注意点

  • お客様の氏名・連絡先・資金の事情などを入力していないことがわかるように書く。
  • 会社のルールに従って使ったことを前提に書く。個人のアカウントで業務の情報を扱った経験は書かないほうが無難です。
  • 盛らない。文案づくり程度なのに「反響対応を自動化」と書くと、面接で答えに詰まります。

AIを使っていない・禁止の職場だった人は

個人情報を多く扱う不動産会社では、生成AIの利用を認めていない職場もあります。それだけで評価が下がると考える必要はありません。査定の根拠を自分で集め、物件調査で事実を一つずつ確かめてきた経験は、AIの出力を確かめる力の土台そのものだからです。

代わりに、物件調査のチェックリストを整えた経験や、オンラインでの重要事項説明・電子契約に対応した経験を書きましょう。

実績の数字が書けないときの対処法

「チーム制で個人の数字がない」「仕入れは年に数件しかない」という人も、見る角度を変えれば書ける数字は必ずあります。

チーム制で、個人の手数料が集計されていない

チーム全体の手数料と人数を書いたうえで、自分が担当した範囲を件数で示します。「4名のチームで年間成約120件。うち案内・申込みまでを担当した42件」のように、自分が動いた件数を分けて書きましょう。

会社の方針で、手数料の額を外に出せない

額の代わりに、達成率・社内順位・前年比・成約件数で書きます。「仲介手数料 達成率107%(12名中1位)、成約38件」だけでも、成果の大きさは十分に伝わります。

入社1〜2年目で、成約件数が少ない

成約の前の段階の数字を書きます。案内の件数、査定書の作成件数、物件調査の補助件数などです。「先輩の担当物件の物件調査を年40件補助」と書けば、取引の流れを理解していることが伝わります。

用地仕入れ・法人向けで、成約が年に数件しかない

そこに至るまでの量と、1件の規模を書きます。情報の入手件数、検討件数、取引の金額や面積です。絞り込みの厳しさそのものが、実力の証明になります。

あわせて読みたい:アピールできる実績がない人の職務経歴書の書き方

提出前のチェックリスト

書き終えたら、提出前に次の項目を確認しましょう。

  • 職務要約に、経験年数・扱ってきた物件・担当(売主側か買主側か)・立場・代表的な実績の数字が入っている
  • 店舗ごとに、スタッフ数と担当した業務の範囲を書いている
  • 仲介手数料は目標と実績を並べ、達成率の計算が合っている。物件価格の合計と混同していない
  • 成約件数や媒介契約の件数、割合の変化を、分母と年度を添えて書いている
  • 宅地建物取引士は、合格と登録の年月を正しく書いている
  • お客様の個人情報や物件が特定できる情報を書いていない。AIを使った場合は、個人情報を入れず自分で確認したことを書いている
  • A4で2枚程度(多くても3枚以内)に収まり、誤字脱字がない

状況別の無料テンプレート

ブランク、転職回数、未経験…気になる事情があるなら、状況別の記入見本も


職種の書き方はこの記事で、事情の伝え方は状況別の記入見本で。2つを組み合わせれば、書きにくいところも迷わず書けます。

よくある質問

宅地建物取引士の資格をまだ持っていません。不利になりますか?

勉強中なら、資格欄に「宅地建物取引士資格試験 〇年〇月受験予定」と書きましょう。受験済みで発表待ちの場合はその旨を書きます。合格していても登録前なら、「登録」とは書かないでください。

売主様・買主様の両方から手数料を受け取った取引は、どう書けばいいですか?

会社の集計どおり、仲介手数料の合計で書けば問題ありません。双方を担当した件数が多い場合は「(うち売主様・買主様の双方を担当〇件)」と添えると、1件あたりの手数料が高い理由が伝わります。

歩合給や年収の額は、職務経歴書に書くべきですか?

職務経歴書には書かないのが一般的です。成果は仲介手数料や件数で示せば十分に伝わります。

不動産業界以外の営業職に転職する場合、何を変えればいいですか?

業界の言葉を言い換えるのがポイントです。「媒介契約」は「販売を任せていただく契約」のように書き、割合の意味も一言添えます。高額な取引を説明して納得してもらう力は、どの業界の営業にも通じる強みです。

業務でAIを使ったことがありません。書いたほうがいいですか?

求人票にAIに関する記載がなければ、無理に書く必要はありません。使ったことがある場合は、「何に使い、何を自分で確認したか」を1行で書けば十分です。

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Author

佐藤 大貴

レジュメラボ編集責任者/アースダイバー代表

佐藤 大貴

人材紹介の会社で、キャリア系メディアの編集長をしていました。転職やキャリアをテーマにした記事づくりに長く関わり、2019年にアースダイバー株式会社を立ち上げました。編集長時代、たくさんの求職者の方やキャ…

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