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薬剤師の職務経歴書の書き方|採用担当に伝わる記入例と無料テンプレート

薬剤師の職務経歴書の書き方|採用担当に伝わる記入例と無料テンプレート

薬剤師の職務経歴書で採用担当が知りたいのは、どんな処方を、どれだけの量、患者や医師とどう関わりながら扱ってきたかです。「調剤業務全般」「服薬指導」と業務名を並べるだけでは、同じ免許を持つほかの応募者との違いが伝わりません。

薬剤師の仕事は、勤務先によって中身が大きく変わります。門前薬局と住宅地の薬局では受ける処方の幅が違い、病院・ドラッグストア・製薬会社では仕事の中心そのものが違います。だからこそ、処方箋枚数・疑義照会・在宅訪問など、薬剤師ならではの数字で経験を見える形にすることが大切です。

この記事では、調剤薬局で9年半働く管理薬剤師の記入例をもとに、項目ごとの書き方とその理由を解説します。病院・ドラッグストア・企業の書き分け方も紹介します。

この記事でわかること

  • 薬剤師の職務経歴書の完成イメージ(記入例)
  • 公的統計で見る、薬剤師の勤務先と薬局の規模の違い
  • 処方箋枚数・疑義照会・在宅訪問・かかりつけの書き方(OK例・NG例)
  • 調剤薬局・病院・ドラッグストア・企業別の書き分け方
  • 2026年の薬剤師とAI:AIの経験を職務経歴書にどう書くか

無料テンプレート

薬剤師の職務経歴書、記入見本つきのテンプレートがあります

この記事の記入例と同じ形式で、Word・Excel・PDFの3形式。空欄のテンプレートと記入見本がセットになっています。

薬剤師の職務経歴書の記入例

まずは完成イメージです。調剤薬局チェーンに新卒で入社し、総合病院の門前薬局で4年、住宅地の薬局で5年半働いてきた管理薬剤師を想定しています。画像をタップすると拡大できます。

薬剤師の職務経歴書の記入例(調剤薬局 9年半・管理薬剤師)
薬剤師の職務経歴書の記入例(A4・2枚)

この記入例と同じ形式のテンプレートを無料で用意しています。Word・Excel・PDFの3形式で、それぞれ空欄テンプレートと記入見本の2点セットです。

データで見る:薬剤師の職務経歴書で「勤務先」と「規模」を書く理由

書き方の前に、薬剤師がどこで働いているのか、薬局の規模にどれだけ差があるのかを、厚生労働省の統計で確認しておきましょう。

薬剤師の6割は薬局、2割近くは病院で働いている

厚生労働省の「医師・歯科医師・薬剤師統計」は、2年ごとに全国の薬剤師の届出をまとめた統計です。2024年12月31日現在の薬剤師は329,045人で、そのうち「薬局の従事者」が197,437人(60.0%)を占めます。病院は57,595人(17.5%)、製薬会社などの医薬品製造販売業・製造業は24,102人(7.3%)でした。

施設・業務の種別ごとの薬剤師数。薬局が197,437人で最も多い
施設・業務の種別にみた薬剤師数(2024年12月31日現在)

出典:令和6(2024)年医師・歯科医師・薬剤師統計の概況(厚生労働省) 表15

2022年と比べると、薬局の従事者は3.5%増え、製薬会社・卸・販売店などを合わせた「医薬品関係企業の従事者」(34,184人)は7.8%減りました。採用担当は「この人はどこで、何をしてきた薬剤師か」を最初に確かめます。

なお「店舗販売業」(5,090人)は、調剤をせず一般用医薬品を販売する店舗の区分です。調剤を行うドラッグストアは薬局の許可を受けているため、そこで働く薬剤師の多くは「薬局の従事者」に数えられていると考えられます。

職務経歴書への落とし込み方

「調剤薬局」「病院」と書くだけでなく、門前か面対応か、病院なら病床数と担当病棟まで書きます。ドラッグストアなら、調剤併設かどうかも書きます。

保険薬局の処方箋枚数は、月600枚未満から4,000枚以上までさまざま

厚生労働省の「調剤医療費(電算処理分)の動向」では、保険薬局を1か月の処方箋の受付回数で分けた割合がわかります。2025年度(2026年3月分)は、月1,000枚未満の薬局が46.8%と半数近くを占めました。一方で、月4,000枚以上の薬局も2.2%あります。1施設あたりの平均は1,276枚です。

処方箋受付回数の階級別にみた保険薬局の割合。月1,000枚未満が半数近く
1か月の処方箋受付回数の階級別にみた保険薬局の割合(2026年3月分)

出典:令和7年度 調剤医療費(電算処理分)の動向(厚生労働省) 表Ⅰ-2

記入例の門前薬局は「処方箋 1日平均約200枚」です。月に20日以上開いていれば1か月で4,000枚を超え、全国でも規模の大きい薬局です。同じ「薬局で5年」でも、1日30枚の店舗と200枚の店舗では、経験した処方の幅も忙しさも違います。

職務経歴書への落とし込み方

処方箋枚数は「1日平均約〇枚」と書き、薬剤師と事務の人数を添えます。1人あたりの業務量が伝わり、採用担当が自分の店舗と比べやすくなります。

薬局で働く薬剤師の約3割は「管理者」

同じ統計で薬局の従事者197,437人の内訳を見ると、薬局の管理者(いわゆる管理薬剤師)は、勤務者が49,537人、開設者・法人の代表者が12,591人です。合わせて約3割(31.5%)にのぼります。薬局には店舗ごとに管理者を置く決まりがあるため、管理薬剤師は経験を積んだ薬剤師の多くが担う役割だといえます。

薬局の従事者の内訳。管理者は合わせて約3割
薬局の従事者の内訳(2024年12月31日現在)

出典:令和6(2024)年医師・歯科医師・薬剤師統計の概況(厚生労働省) 表15から計算

だからこそ、「管理薬剤師を務めた」と書くだけでは差がつきません。記入例の「2023年4月〜」「スタッフ4名」「居宅介護支援事業所12か所を回り…」のように、開始時期・人数・取り組みまで書くと違いが伝わります。

薬剤師の職務経歴書テンプレートを無料でダウンロード

採用担当が薬剤師の職務経歴書で見ている3つのこと

ここまでのデータと、採用の現場でよく見られる傾向を踏まえると、薬剤師の採用担当は書類を読みながら次の3つを確認しています。どの項目を書くときも、このどれかが伝わるかを意識しましょう。

  1. 経験した処方の幅門前か面対応か、主な応需先の診療科、1日の処方箋枚数と薬剤師の人数。応募先の薬局が受ける処方とどれだけ近いかを、採用担当は最初に確かめます。
  2. 患者と医師への関わり方服薬指導・疑義照会・トレーシングレポート・在宅訪問・かかりつけ薬剤師など、調剤のほかにどれだけ患者と医師に関わってきたか。件数と、処方や患者の変化まで書かれているかを見ています。
  3. 任せられる役割管理薬剤師・在宅担当・実務実習の指導など、経験年数に応じて役割を広げてきたか。入社後に店舗運営や後輩の教育をどこまで任せられるかの判断材料になります。

項目別の書き方:OK例とNG例の違い

ここからは項目ごとに、NG例とOK例を並べて解説します。同じ経験でも、書き方ひとつで採用担当の受け取り方は大きく変わります。

職務要約:勤務先の形態・処方箋枚数・役割を3〜5行で

職務要約は、採用担当が最初に読む部分です。経験年数、勤務先の形態(門前・面対応・病院など)、処方箋枚数、担ってきた役割を3〜5行にまとめます。

× NG例

薬科大学を卒業後、調剤薬局に入社し、薬剤師として調剤業務と服薬指導に従事してまいりました。患者様一人ひとりに寄り添った服薬指導を心がけております。

ここが惜しい

  1. 門前か面対応か、どんな医療機関の処方を受けていたかが書かれておらず、経験した処方の幅がわかりません。
  2. 経験年数や処方箋枚数がないため、どの程度の業務量をこなしてきたのかが伝わりません。
  3. 「寄り添った服薬指導」は多くの薬剤師が書く言葉です。在宅訪問や管理薬剤師など、ほかの応募者との違いが見えません。

○ OK例

薬科大学(6年制)を卒業後、2017年4月に調剤薬局チェーンの株式会社サンプル調剤に入社し、約9年半、保険薬局で調剤と服薬指導に従事してまいりました。総合病院の門前薬局(処方箋 1日平均約200枚)で4年間、多くの診療科の処方を経験したのち、2021年から住宅地の薬局に勤務し、2023年からは管理薬剤師を務めています。在宅訪問の担当患者を5名から32名に広げ、かかりつけ薬剤師として約40名を担当しています。

ここが評価される

  1. 「総合病院の門前」「住宅地の薬局」と勤務先の形態を書き分けているので、経験した処方の幅がひと目でわかります。
  2. 処方箋枚数と年数があるため、業務量と経験の長さを応募先の薬局と比べやすくなります。
  3. 在宅訪問・かかりつけ薬剤師・管理薬剤師の3つで、調剤以外に任せられる役割が伝わります。

職務経歴:店舗ごとに応需先・処方箋枚数・人員を書く

職務経歴は、薬剤師の職務経歴書でいちばん読まれる項目です。下の画像の3つのポイントを押さえると、同じ経験でも伝わり方が大きく変わります。

薬剤師の職務経歴の書き方のポイント
職務経歴の書き方のポイント

特に差がつくのが、店舗の概要と担当業務の書き方です。

× NG例

2017年4月〜2021年3月 〇〇店

総合病院の門前薬局にて調剤業務全般を担当。

ここが惜しい

  1. 「調剤業務全般」では、監査や服薬指導、疑義照会をどの程度担っていたのかがわかりません。
  2. 病院の規模や診療科、処方箋枚数がないため、どんな処方をどれだけ扱ってきたのかが伝わりません。
  3. 店名だけでは、採用担当には店舗の特徴が伝わりません。店名より、立地と応需先を書くほうが役に立ちます。

○ OK例

【店舗】総合病院(約400床・20診療科)の門前薬局。処方箋 1日平均約200枚、薬剤師8名・事務5名

【担当】調剤・監査、服薬指導(1日平均約35名)、疑義照会(月平均約15件)

【主な経験】経口抗がん剤・吸入薬・インスリン製剤など、使い方や副作用の説明に注意が必要な薬の服薬指導。吸入薬は確認シートで患者の手技を確かめ、気になる点はトレーシングレポートで病院に報告(2020年度 年36件)

ここが評価される

  1. 病床数・診療科数・処方箋枚数・人員で、店舗の規模と忙しさが具体的に伝わります。
  2. 服薬指導の人数と疑義照会の件数があるので、調剤だけでなく患者や医師にどれだけ関わってきたかがわかります。
  3. 扱った薬を分野で書いているので、応募先の処方に近い経験かどうかを判断できます。

同じ会社でも、店舗や役割が変わったら行を分ける

門前から面対応の店舗へ、薬剤師から管理薬剤師へと変わったときは、期間を区切って書きます。それぞれの店舗の応需先と処方箋枚数を並べると、経験の広がりと役割の変化が一目で伝わります。

調剤・服薬指導の実績:件数と「その結果」まで書く

薬剤師の実績は、売上のような数字では表しにくいものです。その代わりに、疑義照会・トレーシングレポート・在宅訪問・かかりつけなど、患者や医師に関わった件数と、その結果を書きます。

× NG例

疑義照会を積極的に行い、医療安全に貢献しました。在宅業務やかかりつけ薬剤師業務にも携わりました。

ここが惜しい

  1. 「積極的に」「貢献」は本人の評価で、件数も結果もないため、どの程度の実績なのかがわかりません。
  2. 在宅訪問は担当患者数や訪問件数がないと、立ち上げ程度なのか、主担当として回していたのかが判断できません。
  3. 「携わりました」では、自分が担当したのか手伝っただけなのかが伝わりません。

○ OK例

在宅訪問:担当患者 5名(2021年度)→32名(2025年度末。個人宅18名・施設14名)、訪問 月約55件

かかりつけ薬剤師として同意をいただいた患者 約40名を担当(2026年9月時点)

疑義照会:月平均約20件(うち処方変更 約13件)。減薬の提案が採用され、薬が2種類以上減った患者 8名(2025年度)

ここが評価される

  1. 在宅の担当患者数を「いつ→いつ」で書いているので、自分で広げてきたことが伝わります。個人宅と施設の内訳も、応募先の在宅の形と比べる材料になります。
  2. 疑義照会は件数に加えて「処方変更につながった件数」まで書くと、提案の質が伝わります。
  3. 減薬の結果を人数で書いているので、多くの薬を飲む患者への関わりを具体的に評価してもらえます。

トレーシングレポート(急ぎではない気づきを、医師に文書で伝える報告書)も、件数で書ける実績です。患者の名前や病名など、個人が特定できる情報は書かず、件数と結果だけを書きます。

調剤報酬の名称より「何人に何をしたか」で書く

調剤報酬の項目名は、改定で変わることがあります。厚生労働省の「令和8年度診療報酬改定の概要【調剤】」では、かかりつけ薬剤師指導料が廃止され、服薬管理指導料の中で評価される形になりました。

項目名より、担当した患者数・件数と結果を書くほうが、改定の前後を問わず伝わります。

活かせる経験・知識・スキル:応募先で使える経験を3つに絞る

薬剤師としての経験を全部並べるのではなく、応募先の求人票に書かれた経験と重なるものを3つ程度に絞って箇条書きにします。

× NG例

・薬剤師経験9年

・調剤業務全般

・コミュニケーション能力

ここが惜しい

  1. 「薬剤師経験9年」「調剤業務全般」は職務経歴を読めばわかるため、ここで書く意味がありません。
  2. 「コミュニケーション能力」は抽象的で、誰とどんな場面で力を発揮できるのかが伝わりません。

○ OK例

・保険薬局で9年半の調剤・服薬指導(総合病院の門前で多くの診療科の処方4年、地域の薬局で5年半)

・在宅訪問の立ち上げと運営(担当患者 5名→32名、ケアマネジャー・訪問看護との連携)

・管理薬剤師として3年半の店舗運営と、新人薬剤師・薬学生の指導

ここが評価される

  1. 勤務先の形態と年数をセットで書いているので、経験の幅と深さがひと目でわかります。
  2. 在宅訪問では、連携した職種まで書いているため、地域の多職種と一緒に動けることが伝わります。
  3. 求人票の「求める経験」(在宅経験・管理薬剤師経験など)と言葉をそろえると、採用担当の目に留まりやすくなります。

免許・資格は取得年月と認定団体を添える

薬剤師免許は取得(登録)年月を書きます。研修認定薬剤師や認定実務実習指導薬剤師などの認定資格は、認定した団体名を添えます。有効期限のあるものは、更新して有効な状態か確認してから書きましょう。

PCスキル・薬局システム:「何に使ったか」まで書く

電子薬歴やレセコンは「使用可」では実務のレベルが伝わりません。製品名より、何の業務で、どう使ってきたかを書きます。

× NG例

電子薬歴、レセコン:使用可

Excel:基本操作

ここが惜しい

  1. 電子薬歴やレセコンは多くの薬剤師が使うため、「使用可」「基本操作」では差がつきません。

○ OK例

電子薬歴:SOAP形式での薬歴記載、服薬指導の要点と次回の確認事項の記録(9年半)

レセコン:処方入力、電子処方箋・オンライン資格確認の運用、月次の処方箋枚数の確認

Excel:在宅患者の訪問予定表、後発医薬品の調剤割合の月次集計

ここが評価される

  1. 「SOAP形式」「次回の確認事項」と書いているので、薬歴をどう書いてきたかが伝わります。
  2. Excelを店舗運営の数字の管理に使っていることが、管理薬剤師の経験の裏付けになります。

自己PR:強みは2つまで、エピソードと結果を添える

自己PRは「強み → エピソード → 結果」の順に書きます。患者の変化に気づく力や医師への提案は、薬剤師ならではの軸になります。

× NG例

私の強みは、正確な調剤と丁寧な服薬指導です。調剤過誤を起こさないよう常に細心の注意を払い、患者様からも「説明がわかりやすい」とお声をいただいております。

ここが惜しい

  1. 正確な調剤は薬剤師として当然求められることで、それだけではほかの応募者と差がつきません。
  2. 患者からの声は本人の受け止めで、採用担当には成果として評価しにくい内容です。
  3. どんな工夫をして、何が変わったのかが書かれていないため、応募先で再現できる力かどうかが伝わりません。

○ OK例

暮らしの様子から薬の問題に気づき、医師に提案する力

在宅訪問では、残っている薬の数とあわせて、食事や睡眠の様子も確認しています。多くの薬を飲んでいる患者には、飲みづらさや副作用の兆しを根拠とともに医師に伝え、2025年度は減薬の提案が採用され、8名の薬が2種類以上減りました。

ここが評価される

  1. 強みの見出しが具体的で、どんな場面で力を発揮する薬剤師なのかが一言でわかります。
  2. 「残っている薬の数」「食事や睡眠の様子」と確認していることが書かれているので、仕事の進め方が見えます。
  3. 減薬が採用された人数という結果まで書いているので、在宅や地域の医療に力を入れる薬局に響きやすくなります。
薬剤師の職務経歴書の記入見本つきテンプレート

勤務先別:薬剤師の職務経歴書の書き分け方

勤務先によって、採用担当が見るポイントは違います。まず表で全体像を確認し、自分の経験に近いタイプを読んでください。

勤務先採用担当が見るポイント強調したい数字
調剤薬局受けてきた処方の幅と、患者・医師への関わり処方箋枚数、応需先と診療科、疑義照会・在宅・かかりつけの件数
病院病棟業務とチーム医療での役割病床数、担当病棟、入院患者への服薬指導の件数、注射薬の調製件数
ドラッグストア調剤と一般用医薬品の相談の両立、店舗運営処方箋枚数、相談・販売の件数、スタッフの人数
企業(製薬・CRO・卸など)医薬品の情報を正確に扱い、文書で伝える力担当品目・問い合わせの件数、作成した文書の数、関わった試験の規模

調剤薬局(門前・面対応・在宅)

門前なら特定の医療機関の処方を深く、面対応なら多くの医療機関の処方を幅広く経験します。優劣ではなく、応募先が受ける処方との近さが見られます。

職務経歴書に書きたいこと

  • 門前か面対応か、主な応需先と診療科
  • 1日の処方箋枚数と、薬剤師・事務の人数
  • 服薬指導の人数、疑義照会の件数(処方変更につながった件数)
  • 在宅訪問・かかりつけ・管理薬剤師などの役割と、始めた時期

記入例

【店舗】近隣の内科・小児科・整形外科クリニックなど約40の医療機関から処方箋を応需。1日平均約90枚、薬剤師3名・事務2名

【担当】調剤・服薬指導、在宅訪問の立ち上げ(2021年度の担当患者 5名)

ポイント

  1. 「約40の医療機関」で、面対応で幅広い処方を受けてきたことが伝わります。
  2. 在宅訪問を「立ち上げ」から書いているので、後の「32名」という実績とつながり、成長の流れが見えます。

よくある落とし穴

調剤・監査など「薬を扱う仕事」だけを書き、服薬指導・疑義照会・在宅など「患者に関わる仕事」を書き漏らすケースです。調剤の正確さは前提なので、患者や医師への関わりのほうが違いになりやすいと考えられます。

病院(薬剤部)

病院の薬剤師は、病棟業務、注射薬の調製、医薬品情報(DI)、チーム医療など仕事の幅が広いのが特徴です。「どの病棟で、何を、どれだけ」を書くのが基本です。

職務経歴書に書きたいこと

  • 病院の病床数・機能(急性期など)と、薬剤部の薬剤師の人数
  • 担当した病棟と、入院患者への服薬指導の件数
  • 注射薬・抗がん剤の調製、TDM(血中濃度に基づく投与量の調整)、DIなど担当した業務
  • 参加したチーム(感染対策・栄養・緩和ケアなど)での役割と、当直の有無

記入例

【病院】サンプル市民病院(約300床・急性期)薬剤部、薬剤師15名

【担当】消化器内科・外科病棟の病棟業務(入院患者への服薬指導 月約80件)、抗がん剤の無菌調製(月約120件)、感染対策チームでの抗菌薬の使用状況の確認

ポイント

  1. 病床数・病院の機能・薬剤師の人数で、どんな環境で働いてきたかが伝わります。
  2. 病棟業務・調製・チーム医療を件数とともに分けて書いているので、任せられる仕事の範囲がわかります。

よくある落とし穴

病院から薬局へ移るときに、病棟の専門的な話だけを書くケースです。退院患者の薬の情報を地域の薬局に引き継いだ経験や、持参薬の確認など、薬局の仕事につながる経験も書きましょう。

ドラッグストア(調剤併設・一般用医薬品)

ドラッグストアは、調剤併設か、一般用医薬品の販売が中心かで仕事が大きく違います。どちらかをはっきり書き、調剤と店舗運営の両方の数字を書きます。

職務経歴書に書きたいこと

  • 調剤併設かどうか、処方箋枚数と主な応需先
  • 一般用医薬品の相談・販売で担当したこと(第1類医薬品の販売など)
  • 店長・調剤の責任者など、店舗運営での役割とスタッフの人数
  • 登録販売者への指導や、健康相談会などの取り組み

記入例

【店舗】郊外型ドラッグストアの調剤併設店。処方箋 1日平均約60枚、薬剤師2名・登録販売者4名

【担当】調剤・服薬指導、第1類医薬品の販売と相談対応、登録販売者4名への医薬品の勉強会(月1回)

ポイント

  1. 調剤併設であることと処方箋枚数を最初に書いているので、調剤の経験量がわかります。
  2. 登録販売者への勉強会は、薬剤師として店舗全体の知識を支えていたことを示す実績です。

よくある落とし穴

物販の話が中心になり、薬剤師としての判断が見えなくなるケースです。受診をすすめた、飲み合わせを確認して販売を見送った、など「薬剤師だからできたこと」を件数とともに書きましょう。

企業(製薬会社・CRO・医薬品卸など)

企業の薬剤師は、医薬品情報、安全性情報、品質保証、薬事など部署で仕事が違います。データで見たように、医薬品関係企業で働く薬剤師は全体の1割ほどで、2022年より減っています。企業経験者も企業をめざす人も、「医薬品の情報をどう扱ってきたか」を具体的に書きます。

職務経歴書に書きたいこと

  • 担当した業務と、担当した品目・領域
  • 問い合わせ・報告書・申請書類などの件数や、関わった試験・プロジェクトの規模
  • 医療機関や社内の関係部署など、やりとりした相手
  • 英語や統計など、業務で使った専門スキル

記入例

【部署】サンプル製薬株式会社 くすり相談室(医療関係者・患者からの問い合わせ対応)

【担当】循環器領域の製品5品目の問い合わせ対応(月約250件)、問い合わせ回答集の改訂(年2回)

ポイント

  1. 担当品目と件数があるので、どの程度の量と範囲の情報を扱ってきたかが伝わります。
  2. 回答集の改訂は、情報を整理して社内で共有する力を示す実績になります。

よくある落とし穴

薬局・病院から企業をめざすときに、臨床の経験を並べるだけで、企業の仕事とのつながりが書かれていないケースです。添付文書や文献を調べて疑義照会の根拠を示した経験、トレーシングレポートで気づきを文書にまとめた経験は、医薬品の情報を扱う企業の仕事に近い力として書き直せます。

あわせて読みたい:MRの職務経歴書の書き方

2026年の薬剤師とAI:職務経歴書にどう書くか

AIの使い方や、どの程度の活用を求めるかは、応募先の規模・業種・社内ルールによって大きく違います。IPA(情報処理推進機構)の「DX動向2026」では、AIを導入している企業は従業員1,001人以上で8割近くにのぼる一方、101人以下では16.6%にとどまります。

AIを使った経験がないからといって、書類選考で不利になると考える必要はありません。まずは求人票に「生成AI」「AIツール」などの記載があるかを確認しましょう。記載があれば具体的に書き、なければPCスキル欄に1行添える程度で十分です。

薬剤師の仕事で現実的なAIの使い方

同じ調査では、AIの用途として「文書・音声の要約、翻訳、校正」(82.5%)、「文書・レポート作成」(80.5%)が多く挙がっています。薬剤師なら、次のような使い方が現実的です。

  • 患者向けの説明資料や薬局だよりの文案をつくり、内容を添付文書などで確かめて仕上げる
  • 英語の論文や海外の情報を要約・翻訳し、元の文献にあたって確認する
  • 会社が導入している電子薬歴の音声入力や記載補助の機能で、薬歴の下書きをつくる

薬の用量や飲み合わせなど、患者の安全に関わる内容は、AIの回答をそのまま使わず、添付文書やガイドラインなどの一次情報で必ず確かめることが前提です。AIは下書きや調べ物の入口にとどめ、判断は薬剤師が行います。

「何の業務で・どう使い・何に気をつけたか」を書く

「生成AIを活用」とだけ書いても、採用担当には何ができるのかが伝わりません。ほかの業務と同じように、対象の業務と使い方を具体的に書きます。

× NG例

生成AIを活用し、業務の効率化と患者サービスの向上に努めました。

ここが惜しい

  1. どの業務に、どのように使ったのかがわかりません。
  2. 患者の情報をどう扱ったかが書かれていないため、安心して任せられるか判断できません。

○ OK例

生成AI:社内で認められたツールで患者向け説明資料の文案を作成。個人情報は入力せず、内容は自分で確認(2025年10月〜)

ここが評価される

  1. 「患者向け説明資料の文案」と対象の業務が具体的なので、どんな場面で使えるのかがわかります。
  2. 「社内で認められたツール」「個人情報は入力せず」「自分で確認」で、情報の扱いに慎重なことが伝わります。
  3. 使い始めた時期があるので、経験の長さが正確に伝わります。作成時間が短くなったなどの効果がわかれば、数字で添えてもよいでしょう。

使うときの注意点と、書くときの注意点

薬剤師は、慎重な扱いが必要な患者の情報を毎日扱います。AIの経験を書くときは、次の3点を添えます。

  • 患者の氏名や処方内容など、個人が特定できる情報をAIに入力しなかった
  • 会社が認めたツールを、社内ルールの範囲で使った
  • AIの出力をそのまま使わず、添付文書などで確認・修正した

使った経験を実際より大きく書くのは避けましょう。面接で使い方を聞かれても答えられる範囲にとどめます。

AIを使っていない・禁止の職場だった人は

患者の情報を扱う薬局や病院では、生成AIの利用を認めていない職場も少なくないと考えられます。その場合、無理に書く必要はありません。ルールに従ってきたこと自体が、医療の仕事で大切な姿勢です。

代わりに、仕事の仕組みを自分で改善した経験を書きましょう。記入例の「訪問の報告書を1枚の様式に改めた」「吸入薬の確認シートで手技を確かめた」のような工夫は、道具が何であれ、仕事のやり方を自分で良くできる力を示します。

実績の数字が書けないときの対処法

「調剤と投薬の繰り返しで、成果と呼べるものがない」と感じる人も、記録を見返せば多くを数字にできます。

数字は、薬歴・レセコン・報告書などの記録から拾い直すのがいちばん確実です。正確な数字がわからない場合は「約」「月平均」をつけて、実態から大きくずれない範囲で書きましょう。

店舗全体の処方箋枚数を知らない

まずは「1日に何人くらいに投薬していたか」を思い出し、レセコンの月次集計や店舗の日報で枚数を確かめます。
例:「処方箋 1日平均約70枚の店舗で、服薬指導 1日平均約25名を担当」

疑義照会や服薬指導の件数を数えたことがない

処方箋や薬歴の記録を1か月分見返せば、件数と処方変更につながった件数のおおよそがわかります。
例:「疑義照会 月平均約10件(うち処方変更 約6件)。重複投与や腎機能に応じた用量の確認が中心」
件数が少なくても、何を確認していたかを添えると、仕事の進め方が伝わります。

在宅訪問やかかりつけ薬剤師の経験がない

在宅やかかりつけの経験がなくても、患者に継続して関わった経験は書けます。
例:「吸入薬を使う患者に、2回目以降の来局時も手技を確認(月約20名)」
トレーシングレポートの件数や、飲み残しを確認した経験も、在宅に通じる経験です。

パート・派遣や、複数店舗の応援で働いてきた

勤務先や店舗が多いことは、違う処方にすぐ対応できる力として書けます。
例:「エリア内7店舗の応援を担当(内科・小児科・皮膚科など)。初日から調剤・投薬に対応」
パートの場合は、週の勤務日数も添えます。

あわせて読みたい:アピールできる実績がない人の職務経歴書の書き方

提出前のチェックリスト

書き終えたら、提出前に次の項目を確認しましょう。

  • 職務要約に、経験年数・勤務先の形態(門前・面対応など)・担ってきた役割が入っている
  • 店舗ごとに、主な応需先・1日の処方箋枚数・薬剤師の人数を書いている
  • 服薬指導・疑義照会・在宅訪問などの実績を、件数と時期で書いている
  • 管理薬剤師・在宅担当・実習指導などの役割を、開始時期とともに書いている
  • 患者が特定できる情報や、勤務先の内部情報を書いていない(AIの経験を書く場合も、情報の扱いを添えている)
  • 薬剤師免許の取得年月と、認定薬剤師などの資格を認定団体名とともに書いている
  • A4で2枚程度に収まり、薬の名前・略語・数字に誤りがない

状況別の無料テンプレート

ブランク、転職回数、未経験…気になる事情があるなら、状況別の記入見本も


職種の書き方はこの記事で、事情の伝え方は状況別の記入見本で。2つを組み合わせれば、書きにくいところも迷わず書けます。

よくある質問

薬剤師の転職でも、職務経歴書は必要ですか?

履歴書だけで応募できる求人もありますが、職務経歴書があると勤務先の形態や処方箋枚数、在宅の経験を具体的に伝えられます。A4で2枚程度にまとめておくと安心です。

処方箋枚数は、店舗全体と自分の担当分のどちらを書けばいいですか?

店舗全体の枚数で店舗の規模を、服薬指導の人数などで自分の担当分を書き分けるのがわかりやすい方法です。記入例の「処方箋 1日平均約200枚、薬剤師8名」「服薬指導(1日平均約35名)」がその形です。

かかりつけ薬剤師指導料がなくなりました。かかりつけの経験はどう書けばいいですか?

2026年度の改定で項目名は変わりましたが、患者の同意を得て継続して担当した経験の価値は変わりません。項目名ではなく、「かかりつけ薬剤師として同意をいただいた患者 約40名を担当(2026年9月時点)」のように、人数と時期で書きましょう。

認定薬剤師の資格を更新していません。書いてもいいですか?

今も有効であるように書くのは避けます。書くなら「〇年取得(〇年に失効)」と状態がわかるようにしましょう。

AIを使った経験がないと、薬剤師の転職で不利になりますか?

AIの活用をどの程度求めるかは応募先によって大きく違い、経験がないことだけで不利になるとは限りません。報告書の様式や確認シートなど、仕事の仕組みを自分で改善した経験を具体的に書きましょう。

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Author

佐藤 大貴

レジュメラボ編集責任者/アースダイバー代表

佐藤 大貴

人材紹介の会社で、キャリア系メディアの編集長をしていました。転職やキャリアをテーマにした記事づくりに長く関わり、2019年にアースダイバー株式会社を立ち上げました。編集長時代、たくさんの求職者の方やキャ…

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