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一般事務の職務経歴書の書き方|採用担当に伝わる記入例と無料テンプレート

一般事務の職務経歴書の書き方|採用担当に伝わる記入例と無料テンプレート

一般事務の職務経歴書で評価されるのは、「どれだけの量を、どれだけ正確に、どう工夫して回してきたか」が具体的に伝わるかどうかです。「電話応対、来客対応、データ入力」と業務名を並べるだけでは、ほかの応募者との違いが伝わりません。

「事務には売上のような数字がないから、書くことがない」と感じる人は多いはずです。実際には、処理した件数、サポートした人数、ミスの件数、短縮した時間など、事務の仕事は数字に置き換えやすい要素であふれています。

この記事では、メーカーで総務と営業事務を約5年半経験した人の記入例をもとに、項目ごとの書き方と、なぜそう書くと評価されるのかを解説します。営業アシスタント寄り・総務寄り・経理補助寄り・派遣で複数社を経験した人の書き分け方も紹介します。

この記事でわかること

  • 一般事務の職務経歴書の完成イメージ(記入例)
  • 公的データから見た、事務職の転職の厳しさと企業が求めるもの
  • 項目別の書き方と、OK例・NG例の違いの理由
  • 担当業務・職場別の書き分け方と、数字が書けないときの対処法
  • 2026年の事務とAI:AIの経験を職務経歴書にどう書くか

無料テンプレート

一般事務の職務経歴書、記入見本つきのテンプレートがあります

この記事の記入例と同じ形式で、Word・Excel・PDFの3形式。空欄のテンプレートと記入見本がセットになっています。

一般事務の職務経歴書の記入例

まずは完成イメージです。精密部品メーカーで総務を2年半、営業事務を3年経験した人を想定しています。画像をタップすると拡大できます。

一般事務の職務経歴書の記入例(総務・営業事務 約5年半)
一般事務の職務経歴書の記入例(A4・2枚)

この記入例と同じ形式のテンプレートを無料で用意しています。Word・Excel・PDFの3形式で、それぞれ空欄テンプレートと記入見本の2点セットです。

データで見る:一般事務の転職で、職務経歴書が合否を分ける理由

書き方の前に、一般事務の転職市場と、企業が事務の転職者に何を求めているのかを公的な統計と転職サービスのデータで確認しておきましょう。

一般事務は、求人より求職者が多い職種

厚生労働省の「一般職業紹介状況」では、ハローワークでの職業別の求人倍率がわかります。2026年8月の有効求人倍率は、職業計の1.06倍に対して、一般事務の職業は0.29倍でした。仕事を探している人3人以上に対して、求人は1件ほどしかない計算です。

職業別の有効求人倍率。一般事務の職業は0.29倍
職業別の有効求人倍率(ハローワーク、2026年8月)

出典:一般職業紹介状況(令和8年8月分)について(厚生労働省) 参考統計表

同じ事務でも、会計事務の職業は0.55倍と、一般事務より高くなっています。この統計はハローワーク経由の求人と求職者だけを集計したもので、転職市場全体をそのまま表すものではありません。それでも、一般事務の希望者が多く、求人に応募が集まりやすい傾向ははっきり読み取れます。

転職サービスの集計でも、事務・アシスタントは0.5倍前後

転職サービスdodaの「転職求人倍率レポート」でも、傾向は同じです。2026年1〜8月の「事務・アシスタント」の転職求人倍率は0.52〜0.65倍で推移し、全体(2.38〜2.86倍)を大きく下回っています。

事務・アシスタントの転職求人倍率の推移。全体を大きく下回る
事務・アシスタントの転職求人倍率の推移(doda、2026年1〜8月)

出典:doda転職求人倍率レポート データ(パーソルキャリア)

求人1件に複数の応募者が集まる職種では、職務経歴書で「ほかの人との違い」を示せるかどうかが書類選考の分かれ目になります。同じ「一般事務5年」でも、何をどれだけ担当し、どんな工夫をしてきたかが具体的な人のほうが、面接に呼ばれやすいと考えられます。

職務経歴書への落とし込み方

採用担当は、同じような経歴の書類を何十通も続けて読むことがあります。業務名だけの書類は、どれも同じに見えてしまいます。件数・人数・時間などの数字を1項目に1つ入れるだけで、印象に残りやすくなります。

企業が事務の転職者に期待するのは「即戦力」と「適応力」

厚生労働省が2026年9月に公表した「転職者実態調査」では、事業所が「事務的な仕事」で転職者を採用した理由を調べています。この区分には、一般事務のほか、人事・会計・営業販売などの事務も含まれます。

事業所が事務的な仕事で転職者を採用した理由
事業所が事務の仕事で転職者を採用した理由

出典:令和7(2025)年転職者実態調査の概況(厚生労働省) 表4

「離職者の補充」(51.8%)を除くと、最も多いのは「経験を活かし即戦力になる」(41.5%)です。従業員1,000人以上の事業所に限ると、この割合は76.4%にのぼります。前任者が辞めた穴を、教育の手間をかけずに埋めてほしいという事情がうかがえます。

もうひとつ目立つのが「職場への適応力がある」(36.5%)です。事務の仕事は、社内のさまざまな人から依頼を受けて進めるものです。新しい職場のやり方や人にすぐなじめるかも、採用で重視されていることがわかります。

職務経歴書への落とし込み方

即戦力は「同じ業務をどれだけの量こなしてきたか」と「使えるソフト・システム」で示します。適応力は、部署異動や派遣先の変更のあと、短期間で業務を覚えた経験があれば、その期間を書くと伝わります。

一般事務の職務経歴書テンプレートを無料でダウンロード

採用担当が一般事務の職務経歴書で見ている3つのこと

ここまでのデータと、採用の現場でよく見られる傾向を踏まえると、一般事務の採用担当は書類を読みながら次の3つを確認しています。どの項目を書くときも、このどれかが伝わるかを意識しましょう。

  1. 任せられる業務の範囲と量どんな業務を、何人分・何件くらい担当してきたか。入社後すぐに任せられる仕事がイメージできるか。
  2. 正確さと仕事の進め方ミスを防ぐ工夫や、依頼が重なったときの段取りなど、安心して仕事を任せられる根拠があるか。
  3. PCスキルの実務レベルソフト名だけでなく、どの機能を使って何を作れるか。応募先の業務でそのまま使えるレベルか。

項目別の書き方:OK例とNG例の違い

ここからは項目ごとに、NG例とOK例を並べて解説します。同じ経験でも、書き方ひとつで採用担当の受け取り方は大きく変わります。

職務要約:「誰の・何の事務を・どれだけ」を3〜5行で

職務要約は、採用担当が最初に読む部分です。経験年数、所属部署、誰をサポートしてきたか、業務量、代表的な成果を3〜5行にまとめます。

× NG例

大学卒業後、株式会社サンプル精工に入社し、一般事務として電話応対、来客対応、データ入力、書類作成などの業務を幅広く担当してまいりました。正確かつ丁寧な仕事を心がけています。

ここが惜しい

  1. 業務名を並べているだけで、どの部署で誰のための事務をしていたのかがわかりません。総務寄りか営業事務寄りかで、任せられる仕事は大きく変わります。
  2. 「幅広く」と書いても、業務の量がわからないため、どのくらいの仕事を任せられるのか判断できません。
  3. 「正確かつ丁寧」は事務の応募者の多くが書く言葉です。裏付ける事実がないと、印象に残りません。

○ OK例

大学卒業後、株式会社サンプル精工に入社し、約5年半、一般事務に従事してまいりました。総務部では本社従業員約180名の総務・庶務業務を、営業部では営業担当15名のサポートとして受発注処理(月平均約600件)や請求書の作成を担当しています。受注入力のチェック手順を見直して入力ミスを年間24件から3件に減らすなど、正確さと効率化に取り組んできました。

ここが評価される

  1. 「総務部」「営業部」と部署を書き分けているので、どちらの事務にも対応できることが伝わります。
  2. 「従業員約180名」「営業担当15名」「月平均約600件」で、支えてきた範囲と業務量が具体的にわかります。
  3. 「24件から3件」という変化があるので、「正確さ」が自己評価ではなく事実として伝わります。

職務経歴:業務名に「量」と「前→後の変化」を添える

職務経歴は、一般事務の職務経歴書でいちばん重要な項目です。下の画像の3つのポイントを押さえると、同じ経験でも伝わり方が大きく変わります。

一般事務の職務経歴の書き方のポイント
職務経歴の書き方のポイント

特に差がつくのが、業務内容と実績の書き方です。

× NG例

【内容】受発注業務、請求書作成、売上データの集計

【実績】業務改善に取り組み、ミスを減らした

ここが惜しい

  1. 業務の量が書かれていないため、月に数十件なのか数百件なのか判断できません。処理量は、事務の経験の濃さを示すいちばんわかりやすい指標です。
  2. 「ミスを減らした」だけでは、どのくらい減ったのか、どんな方法で減らしたのかがわかりません。

○ OK例

【内容】受発注処理(月平均約600件)、見積書・納品書・請求書の作成(月約200件)

【実績】品番・数量の読み合わせ手順と入力チェック表を導入し、受注入力ミスを年間24件(2024年度)から3件(2025年度)に削減

ここが評価される

  1. 件数があるので、応募先の業務量と比べて「この人なら任せられる」と判断できます。
  2. 改善の「方法」と「前→後の件数」がセットなので、入社後も同じように工夫できる人だと伝わります。
  3. 年度を入れているので、いつの成果かがはっきりし、数字の信頼性が高まります。

時間の短縮は「元の時間」を必ず書く

「集計作業を効率化した」ではなく、「毎月約8時間かかっていた売上集計を約2時間に短縮」と書きます。元の時間があると改善の大きさがわかり、データで見た「即戦力」の評価に直結します。

活かせる経験・知識・スキル:応募先で使えるものを3つに絞る

事務の経験を全部並べるのではなく、応募先の求人票に書かれた業務と重なるものを3つ程度に絞って箇条書きにします。

× NG例

・一般事務経験5年

・コミュニケーション能力

・Word、Excel、PowerPoint

ここが惜しい

  1. 「一般事務経験5年」は職務経歴を読めばわかるため、ここで書く意味がありません。
  2. PCスキルはこの後の欄で詳しく書くため、ソフト名だけを並べても情報が増えません。

○ OK例

・受発注・請求など件数の多い定型業務を、ミスなく進める手順づくり

・営業担当・工場・物流など、複数部門にまたがる納期や日程の調整

・Excelを使った集計作業の効率化と、手順書による業務の共有

ここが評価される

  1. 「何ができるか」が具体的なので、入社後に任せる仕事を採用担当がイメージできます。
  2. 「調整」の相手を書いているので、社内のさまざまな人と仕事を進められることが伝わります。

PCスキル:関数名と「何件・何人分」まで書く

事務職の書類では、PCスキル欄が想像以上によく読まれます。「Excel:中級」のような自己評価は、人によって基準が違うため判断材料になりません。使える関数・機能と、それで何をどれだけ処理したかまで書きましょう。

× NG例

Excel:中級

Word:基本操作

ここが惜しい

  1. 「中級」の基準が人によって違うため、実際に何ができるのかがわかりません。
  2. 「基本操作」では、文書作成以外に何ができるのかが伝わりません。

○ OK例

Excel:XLOOKUP・SUMIFS・IF関数、ピボットテーブルによる売上集計(月約600件の受注データ)、入力規則を使った管理表の作成

Word:社内文書・案内文の作成、差し込み印刷による宛名作成(年2回・約250社分)

ここが評価される

  1. 関数名があるので、応募先のデータ処理にそのまま使えるかを判断できます。
  2. 扱ったデータの件数や宛名の社数があると、スキルを実務でどの程度使ってきたかが伝わります。
  3. 社内の販売管理システムなど、ソフト名を出せないものも「受発注・請求データの入力」のように内容で書けば十分伝わります。

自己PR:強みは2つまで、必ずエピソードと数字を添える

自己PRは「強み → それを発揮したエピソード → 結果の数字」の順に書くと説得力が出ます。事務職なら、正確さ・段取り・改善のいずれかを軸にすると書きやすくなります。

× NG例

私の強みは、気配りができることです。周りの社員が働きやすいようにサポートすることを大切にしてきました。

ここが惜しい

  1. 「気配り」は事務の応募者の多くが書く強みのため、これだけでは差がつきません。
  2. どんな場面で、何をして、どうなったのかがないため、本人の自己評価にとどまっています。

○ OK例

依頼が集中しても滞らせない段取り力

月末は営業担当15名から見積書や納期確認の依頼が集中します。依頼をTeamsの共有リストで受け付け、締め切りと優先順位を誰でも見られるようにしたことで、依頼の抜け漏れがなくなりました。月末の私の残業も、月約15時間から約6時間に減りました。

ここが評価される

  1. 「気配り」を「段取り力」という仕事の力に言い換えているので、評価につながりやすくなります。
  2. 「15名」「月約15時間→約6時間」と数字で結果を示しているので、工夫の効果がはっきりします。
  3. 周りの人が使える仕組みにしている点から、チームで働く姿勢も伝わります。
一般事務の職務経歴書の記入見本つきテンプレート

担当業務・職場別:職務経歴書の書き分け方

一般事務は、配属先によって仕事の中身が大きく変わる職種です。採用担当が見るポイントと、強調すべき数字も変わります。まずは全体像を表で確認し、そのあと自分に近いタイプの解説を読んでください。

タイプ採用担当が見るポイント強調したい数字
営業アシスタント寄り営業を支える処理量と、依頼をさばく段取りサポート人数、受発注・見積の件数、取引先数
総務・庶務寄り社内の幅広い依頼に対応できる守備範囲対象の従業員数、行事・手続きの件数、コスト削減額
経理補助寄り数字を扱う正確さと、締め日を守る力仕訳・伝票の件数、締め日数、差異・ミスの件数
派遣・契約で複数社新しい職場にすぐ慣れて戦力になる力派遣先の数、業務を覚えた期間、契約更新の回数

営業アシスタント寄り(営業事務)

営業事務では、営業担当が売ることに集中できるよう、受発注や見積、納期調整を正確に速く回せるかが見られます。「誰を何人支えていたか」と「処理量」を最初に書くのがポイントです。

職務経歴書に書きたいこと

  • サポートした営業担当の人数と、取引先の数
  • 受発注・見積書・請求書などの月あたりの件数
  • 納期調整など、社内外との調整の相手と頻度
  • 入力ミスや処理時間を減らした工夫

記入例

【担当】営業担当15名のサポート(取引先 約250社)

【内容】受発注処理(月平均約600件)、見積書・納品書・請求書の作成(月約200件)、工場・物流部門との納期調整

ポイント

  1. 人数と取引先数を最初に書いているので、仕事の規模がすぐに伝わります。
  2. 調整の相手(工場・物流)を書くことで、社内を動かす役割も担っていたことがわかります。

よくある落とし穴

「営業のサポート全般」とまとめてしまうケースです。営業事務の求人は、受発注中心か、資料作成中心かで求める人が変わります。自分が担った業務の比重がわかるように書きましょう。

総務・庶務寄り

総務・庶務は、備品管理から行事の運営、社内手続きまで、業務の幅が広いのが特徴です。幅広さをそのまま並べると焦点がぼやけるため、「何人の社員を支えていたか」を軸に、代表的な業務の量と改善を書きます。

職務経歴書に書きたいこと

  • 対象となる従業員数や拠点数
  • 郵便・備品・社用車など、定型業務の量
  • 社内行事・健康診断・入退社手続きなどの件数
  • 経費やムダを減らした実績

記入例

【担当】本社(従業員約180名)の総務・庶務業務

【実績】消耗品の在庫管理表をExcelで作成し、欠品による緊急発注を年間18件から2件に削減(2022年度)

ポイント

  1. 「約180名」で、社内のどれだけの人を支えていたかが伝わります。
  2. 備品管理という地味な業務も、「緊急発注の件数」に置き換えると成果として書けます。

よくある落とし穴

「その他庶務全般」で締めくくってしまうケースです。何でも屋の印象になり、専門性が伝わりません。量の多い業務や、自分が工夫した業務を2〜3つ選んで具体的に書くほうが評価されます。

経理補助寄り

経理補助の経験がある事務は、数字を扱う正確さを示しやすいのが強みです。仕訳や伝票の件数に加えて、「締め日を守った」「差異を出さなかった」という信頼性を数字で書きます。

職務経歴書に書きたいこと

  • 担当した業務の範囲(伝票入力、経費精算、売掛金の管理など)
  • 月あたりの処理件数と、関わった締め作業
  • 使用した会計ソフト
  • 簿記などの資格(学習中も含む)

記入例

【内容】経費精算のチェック(月約300件)、売掛金の入金消込(取引先 約120社)

【実績】入金予定表を作り直し、月次締めを5営業日から3営業日に短縮

ポイント

  1. 件数と取引先数で、扱ってきた業務の量がわかります。
  2. 「5営業日→3営業日」と締めの日数で書くと、経理の人にも伝わりやすい成果になります。

よくある落とし穴

「経理経験あり」と大きく書いてしまうケースです。補助業務だった場合、決算や税務の経験があると誤解され、面接でずれが生じます。担当した範囲を正確に書くことが、かえって信頼につながります。

派遣・契約社員で複数社を経験

派遣や契約で複数の職場を経験した人は、職歴が多く見えることを気にしがちです。ですが、データで見た「適応力」を示しやすい立場でもあります。派遣元と派遣先を正しく書き分け、各職場で何を任されたかを短くまとめます。

職務経歴書に書きたいこと

  • 派遣元の会社名と、派遣先の業種・規模
  • 各派遣先での業務内容と、その量
  • 業務を覚えるまでにかかった期間
  • 契約の更新回数や、任される業務が増えた経験

記入例

株式会社サンプルスタッフに登録し、以下に派遣就業

【派遣先】電子部品商社(従業員約90名)2024年4月〜2025年9月

【内容】受発注入力(1日約30件)、電話応対。着任2週間で前任者の業務を引き継ぎ、契約を2回更新

ポイント

  1. 派遣元と派遣先を分けて書いているので、雇用の形が正しく伝わります。
  2. 「着任2週間」「契約を2回更新」が、適応力と職場からの評価を示す事実になっています。

よくある落とし穴

短期の派遣先をすべて同じ分量で書くケースです。応募先に近い職場を詳しく書き、関係の薄いものは1〜2行にまとめると、読みやすくなります。経験をまとめて書く「キャリア形式」も有効です。

あわせて読みたい:営業事務の職務経歴書の書き方

2026年の一般事務とAI:職務経歴書にどう書くか

事務の仕事は、生成AIの影響を受けやすい仕事の一つです。パーソルキャリア(doda)が2026年3月に発表した「企業のAI活用実態と人材戦略に関する調査」では、中途採用が今後減る領域として最も多く挙がったのが「定型・ルーティン業務中心の職種」、次いで「バックオフィス職種」でした。

ただし、この調査の対象は、AIツールを導入・活用している従業員501人以上の企業の人事・採用担当者515人です。日本の企業全体の傾向を表すものではありません。また、減ると見込まれているのは「定型作業が中心の仕事」で、事務の仕事そのものがなくなるわけではないと考えられます。

入力や転記のような作業は、AIやシステムに置き換わりやすくなります。一方で、例外への対応、部署をまたぐ調整、業務を手順や仕組みにすることは、引き続き人に任される部分だと考えられます。この記事で紹介してきた「ミスが起きない仕組みづくり」「依頼の段取り」「手順書での共有」は、まさにその力を職務経歴書で見せる書き方です。

AIをどこまで書くかは、応募先によって大きく違う

AIの使い方や、どの程度の活用を求めるかは、応募先の規模・業界・社内ルールによって大きく異なります。IPA(情報処理推進機構)の「DX動向2026」では、AIを導入している企業は従業員1,001人以上で8割近くにのぼる一方、101人以下では16.6%にとどまります。

AIを使った経験がないからといって、書類選考で不利になると考える必要はありません。まずは求人票に「生成AI」「AIツール」などの記載があるかを確認しましょう。記載があれば具体的に書き、なければPCスキル欄に1行添える程度で十分です。

一般事務で現実的なAIの使い方

総務省の「令和8年版 情報通信白書」によると、企業が生成AIを使っている業務では「議事録・メール作成補助」が約7割と最も高くなっています。事務の仕事では、たとえば次のような使い方が現実的です。

  • 会議の議事録や、メール・社内案内文の下書きをつくり、事実関係を自分で確認して仕上げる
  • Excelの関数やマクロの書き方を質問し、集計表や管理表づくりに役立てる
  • 業務の流れを箇条書きで伝え、マニュアル・手順書のたたき台をつくる
  • よくある問い合わせへの回答文のひな形をつくり、担当者による表現のばらつきをなくす
  • 長い社内規程や通知文を要約して、要点を確認する

いずれも、AIには「下書き」や「たたき台」を任せ、最終的な確認と判断は自分で行う使い方です。作業の時間を減らし、その分を確認や調整に回せることが、事務の仕事でAIを使う価値といえます。

「何の業務で・どう使い・何が変わったか」を書く

「生成AIを活用」とだけ書いても、採用担当には何ができるのかが伝わりません。ほかの業務と同じように、対象の業務・使い方・結果をセットで書きます。

× NG例

生成AIを活用して、業務の効率化に取り組みました。

ここが惜しい

  1. どの業務に、どのように使ったのかがわかりません。「効率化」の大きさも数字がないため判断できません。
  2. 情報の扱いへの配慮が書かれていないため、社員や取引先の情報を扱う事務を安心して任せられるか判断できません。

○ OK例

生成AI(社内承認ツール):社内ルールの範囲で、手順書・社内案内文の下書きと校正に使用(個人情報は入力せず内容は自分で確認)。手順書1本の作成を約4時間→約2時間に短縮

ここが評価される

  1. 「手順書・社内案内文」と対象の業務が具体的なので、入社後に任せられる場面をイメージできます。
  2. 「約4時間→約2時間」と前後の時間があるので、効果の大きさが伝わります。
  3. 「社内ルールの範囲」「個人情報は入力せず」「自分で確認」と書いているので、情報を慎重に扱える人だと伝わります。

使うときの注意点と、書くときの注意点

事務の仕事では、社員の個人情報や取引先との条件など、外に出してはいけない情報を日常的に扱います。AIの経験を書くときは、次の3点を添えると安心感が伝わります。

  • 機密情報・個人情報をAIに入力しなかった
  • 会社が認めたツールを、社内ルールの範囲で使った
  • AIの出力をそのまま使わず、自分で確認・修正した

使った経験を実際より大きく書くのは避けましょう。面接で「どんな指示を出したか」「出力のどこを直したか」と聞かれても、答えられる範囲にとどめます。数回試しただけなら、PCスキル欄に「生成AIでメール文面の下書きを作成した経験あり」と書く程度で十分です。

AIを使っていない・禁止の職場だった人は

情報管理の方針から、生成AIの利用を禁止している職場は珍しくありません。その場合、無理にAIの経験を書く必要はありません。ルールに従って業務を進めてきたこと自体が、情報を扱う事務職として大切な姿勢です。

代わりに、業務を仕組みにした経験を書きましょう。Excelの関数やテンプレートで集計時間を短くした、手順書をつくって業務を共有した、チェック表でミスを減らした、といった経験は、AIを使った効率化と同じ「仕事のやり方を自分で改善できる力」を示します。こうした力のある人は、AIを使う職場に移っても、新しい道具として取り入れやすいと考えられます。

実績の数字が書けないときの対処法

「毎日同じ仕事の繰り返しで、成果と呼べるものがない」と感じる人こそ、ここを読んでください。事務の仕事は、次の5つの切り口で考えると、ほとんどの業務を数字に置き換えられます。

切り口数字にする例書き方の例
業務量件数・人数・頻度郵便物の受発送 1日平均40件
正確さミスの件数・期限の遵守請求書の発行ミス 年間0件
効率化かかる時間の前と後月次集計 約8時間→約2時間
段取り・調整調整の相手・規模営業15名と工場・物流の納期調整
PCスキル使った機能×データ量ピボットテーブルで月600件を集計

数字は、社内の記録から拾い直すのがいちばん確実です。システムの処理件数、メールの送信履歴、カレンダーの予定、手元の管理表などを見返すと、思い出せなかった数字が見つかります。正確な数字がわからない場合は「約」「月平均」をつけて、実態から大きくずれない範囲で書きましょう。

ルーティン業務ばかりで、成果と呼べるものがない

定型業務は「量」と「正確さ」がそのまま実績になります。
例:「請求書の発行(月約200件)を5年間、期限遅れなく担当」
毎月ミスなく続けたこと自体が、事務職では立派な実績です。ミスの件数がわからなければ、「上長のダブルチェックで差し戻しゼロ」のように、確認の仕組みの中での結果を書く方法もあります。

サポート役で、自分の成果が見えにくい

自分の数字ではなく、支えた相手の数字を書きます。
例:「営業担当8名の見積書作成を引き受け、営業の外出時間を確保。担当チームは2025年度に予算を達成」
このとき、チームの成果を自分の手柄のように書かないことが大切です。「自分は何を引き受けたか」を明確にしたうえで、チームの結果を添えましょう。

改善提案をしたことがない

大きな改善でなくても、自分の仕事のやり方で工夫したことは書けます。
例:「よく使う文面をテンプレート化し、問い合わせメールの返信時間を1件あたり約10分から約5分に短縮」
「前任者から引き継いだ手順をマニュアルにまとめた」「新人に業務を教えた」なども、業務を仕組みにした経験として評価されます。

派遣や契約で、1か所の期間が短い

短期間の経験は、立ち上がりの速さとして書けます。
例:「3か月の契約期間中に、受発注入力(1日約30件)を着任1週間で独り立ちして担当」
業務を覚えるまでの日数、引き継いだ業務の数、契約の更新回数などは、どれも適応力を示す数字です。

あわせて読みたい:アピールできる実績がない人の職務経歴書の書き方

提出前のチェックリスト

書き終えたら、提出前に次の項目を確認しましょう。

  • 職務要約に、経験年数・部署・誰をサポートしたか・業務量が入っている
  • 主な業務に、件数・人数・頻度などの「量」を添えている
  • 正確さや効率化の成果を「前→後」の数字で1つ以上書いている
  • PCスキルを、関数名・機能と扱ったデータ量まで書いている
  • AIの経験を書く場合は、業務・使い方・変化と、情報の扱いで気をつけたことを書いている
  • 自己PRの強みにエピソードと数字が添えてある
  • A4で1〜2枚に収まり、誤字脱字や表記ゆれがない

事務職の書類は、それ自体が「書類をつくる力」の見本として読まれます。誤字脱字や、「Excel」と「エクセル」が混ざるような表記ゆれは、ほかの職種以上に厳しく見られると考えておきましょう。

状況別の無料テンプレート

ブランク、転職回数、未経験…気になる事情があるなら、状況別の記入見本も


職種の書き方はこの記事で、事情の伝え方は状況別の記入見本で。2つを組み合わせれば、書きにくいところも迷わず書けます。

よくある質問

一般事務の職務経歴書は何枚が適切ですか?

A4で1〜2枚が目安です。業務の量や工夫を具体的に書くと2枚になることが多いですが、経験が長い人でも3枚以内に収めましょう。

業務内容が多すぎて、全部書ききれません。

応募先の求人票に書かれた業務と重なるものを優先して書きます。量の多い業務、工夫した業務を中心にし、そのほかは「その他、電話・来客対応」のように1行にまとめて構いません。

MOSなどの資格がないと不利ですか?

資格がなくても、PCスキル欄に関数名や作成した資料、扱ったデータの量を具体的に書けば、実務レベルは十分伝わります。資格は、スキルを客観的に示す補足と考えましょう。

派遣社員の経験は、職務経歴書にどう書けばいいですか?

派遣元の会社名と、派遣先の業種・規模を書き分けます。そのうえで、各派遣先で担当した業務と量、業務を覚えるまでの期間などを書くと、適応力が伝わります。

AIを使った経験がないと、事務職の転職で不利になりますか?

AIの活用をどの程度求めるかは応募先によって大きく違い、経験がないことだけで不利になるとは限りません。求人票に生成AIやAIツールの記載がある場合は、関数やテンプレートで業務を効率化した経験を具体的に書き、新しいツールを覚えることに前向きな姿勢を伝えましょう。

この記事の記入例テンプレートを無料でダウンロード

Word・Excel・PDFの3形式に対応。空欄テンプレートと記入見本のセットです。

Author

佐藤 大貴

レジュメラボ編集責任者/アースダイバー代表

佐藤 大貴

人材紹介の会社で、キャリア系メディアの編集長をしていました。転職やキャリアをテーマにした記事づくりに長く関わり、2019年にアースダイバー株式会社を立ち上げました。編集長時代、たくさんの求職者の方やキャ…

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