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書き方ガイド
「派遣の経験は、職歴としてきちんと見てもらえるのだろうか」「派遣先が何社もあると、転職回数が多い人だと思われないか」「なぜ正社員ではなかったのかと聞かれたら、どう答えよう」。派遣社員や契約社員、アルバイトから正社員を目指すとき、職務経歴書の前で迷うことは少なくありません。
厚生労働省の調査では、直前の勤め先で正社員以外の働き方をしていた転職者のうち、47.9%が正社員として採用されています。非正規から正社員への転職は、決して珍しいことではありません。採用担当が見ているのは雇用形態そのものより、「どこで、どんな仕事を、どこまで任されてきたか」と「なぜ今、正社員なのか」だと考えられます。
この記事では、契約社員を経て、派遣社員として3社で事務を経験した人の記入例をもとに、派遣元と派遣先の書き分け方、派遣先での評価の示し方、OK例・NG例の違いを解説します。働き方のケース別の書き分け方と、面接で「なぜ正社員に?」と聞かれたときの答え方も紹介します。
この記事でわかること
無料テンプレート
派遣・非正規から正社員を目指す人の職務経歴書、記入見本つきのテンプレートがあります
この記事の記入例と同じ形式で、Word・Excel・PDFの3形式。空欄のテンプレートと記入見本がセットになっています。
まずは完成イメージです。専門商社で契約社員として3年働いたあと、派遣社員として保険会社・電子部品メーカー・化学品メーカーの3社で約7年、事務を経験した32歳の人を想定しています。会社名の欄に派遣元を書き、その中に派遣先ごとの業務を並べていること、職務経歴の後ろに「雇用形態と就業の経緯」の欄を設けていることが特徴です。画像をタップすると拡大できます。

この記入例と同じ形式のテンプレートを無料で用意しています。Word・Excel・PDFの3形式で、それぞれ空欄テンプレートと記入見本の2点セットです。
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派遣経験の伝え方が整ったら、次は実績の書き方です。職種別の記入見本をかたわらに、望む企業の「会いたい」を引き寄せましょう。
書き方の前に、非正規の働き方から正社員への転職がどのくらいあるのか、派遣で働く人がどんな経歴をたどっているのかを、公的なデータで確認しておきましょう。
厚生労働省の「令和7(2025)年転職者実態調査の概況」では、転職者を、直前の勤め先での就業形態と、今の勤め先での就業形態で分けて集計しています。直前の勤め先で「正社員以外」だった人は、転職者全体の30.9%。このうち、今の勤め先で正社員として働いている人は47.9%でした。

出典:令和7(2025)年転職者実態調査の概況(厚生労働省) 表8
一方で、正社員以外のまま転職した人も44.6%います。差がつくのは、非正規の期間に積んだ経験を、正社員の仕事に置き換えて伝えられるかどうかだと考えられます。
職務経歴書への落とし込み方
雇用形態を隠したり、小さく書いたりする必要はありません。派遣社員・契約社員などの雇用形態は正確に書いたうえで、業務の量や成果を、正社員の経歴と同じくらい具体的に書きましょう。
厚生労働省の「令和6年就業形態の多様化に関する総合実態調査の概況」では、今後も会社で働きたいと答えた正社員以外の労働者に、これからの働き方の希望を聞いています。「正社員に変わりたい」は全体で18.1%でしたが、派遣労働者では33.1%と、就業形態の中でも高い水準でした。

出典:令和6年就業形態の多様化に関する総合実態調査の概況(厚生労働省) 表13
同じ調査で、正社員になりたい理由(3つまでの複数回答)は、「より多くの収入を得たいから」が80.7%、「正社員の方が雇用が安定しているから」が64.7%でした。どちらも自然な理由です。ただし採用担当が知りたいのは、応募者が入社後に何を担ってくれるかです。
職務経歴書への落とし込み方
収入や安定を望むことは、隠す必要はありません。そのうえで職務経歴書には、正社員として担いたい仕事と責任を書きましょう。「派遣では関われなかった業務の改善まで担いたい」のように、これまでの経験の延長で書くと説得力が出ます。
厚生労働省の「令和4年派遣労働者実態調査」で、派遣労働者がこれまで働いてきた派遣先の数を見ると、「1か所」は45.2%でした。2か所以上の人は合わせて54.4%、3か所以上の人も30.6%います。

出典:令和4年派遣労働者実態調査の概況(厚生労働省) 表19
派遣は、契約期間の満了や派遣先の組織変更、法律で決められた期間の上限など、本人の働きぶりとは関係なく職場が変わることのある働き方です。派遣先の数が多いことは、それだけで「長続きしない人」の証拠にはなりません。ただし、職務経歴書で派遣先を別々の会社のように並べると、転職回数が多い人に見えてしまいます。
職務経歴書への落とし込み方
雇用関係のある派遣元を1つの会社として書き、派遣先はその中に並べます。そのうえで、派遣先ごとに終了した理由を1行で書いておくと、社数が多くても経歴を正しく読んでもらえます。

派遣社員や契約社員の経歴を読むとき、採用担当が確かめたいことは、おおむね次の3つに集約されます。どの項目を書くときも、このどれかに答えられているかを意識しましょう。
雇用形態で評価が決まるのではなく、この3つに答えられているかで書類の印象が変わると考えられます。
ここからは項目ごとに、NG例とOK例を並べて解説します。派遣や契約社員の経歴で特に差がつくのは、職務経歴での派遣元・派遣先の書き分けと、職場が変わった経緯の書き方です。
職務要約は、採用担当が最初に読む部分です。派遣先が多い人ほど、1社ずつ説明して長くなりがちですが、最初の1文で「雇用形態・年数・業務」を示し、派遣先ごとの話は代表的なものに絞ります。最後に、正社員として担いたいことを1文添えます。
× NG例
派遣社員として、さまざまな会社で事務の仕事を経験してきました。どの職場でも真面目に取り組み、派遣先の方から高い評価をいただきました。正社員として安定して働きたいと考え、応募いたしました。
ここが惜しい
○ OK例
大学卒業後、専門商社で契約社員として3年間、営業アシスタントを担当しました。2019年4月から派遣社員として保険会社・電子部品メーカー・化学品メーカーの3社で、保険事務・貿易事務・営業事務に約7年従事しています。電子部品メーカーでは派遣期間の上限の3年間就業し、輸出書類の作成から輸入の通関手配、新任スタッフの指導へと担当が広がりました。今後は正社員として、受発注から業務の改善まで責任を持って担いたいと考えています。
ここが評価される
派遣で働く人が雇用契約を結んでいるのは、派遣元(派遣会社)です。派遣先は、実際に働いた場所であって雇い主ではありません。派遣先を会社名の欄に書くと、その会社の社員だったように読めてしまい、経歴を偽ったと誤解されるおそれがあります。会社名の欄には派遣元、業務の欄に【派遣先】と書き分けましょう。下の画像の3つのポイントを押さえます。

× NG例
株式会社サンプル電子(2020年11月〜2023年10月)
海外営業部 貿易事務
株式会社サンプル化学(2023年12月〜現在)
営業部 営業事務
ここが惜しい
○ OK例
株式会社サンプルスタッフィング(2019年4月〜現在)
事業内容:労働者派遣事業・有料職業紹介事業 従業員数:約1,500名 雇用形態:派遣社員(下記3社に派遣)
【派遣先】株式会社サンプル電子(電子部品メーカー、従業員約1,200名)海外営業部
【担当】アジア向け輸出の書類作成と出荷管理(取引先 約30社、月約60件の出荷)
ここが評価される
派遣社員は、実績を数字で書きにくいと感じる人が少なくありません。決められた業務を正確にこなすことが役割で、売上のような目に見える成果が少ないためです。しかし派遣の働き方には、契約の更新や、任される業務の広がりという形で、職場からの評価が記録として残ります。これを事実として書きます。
× NG例
派遣先の方々からの信頼も厚く、長く勤めることができました。いろいろな業務を任せていただきました。
ここが惜しい
○ OK例
【範囲の広がり】2021年10月から輸入(月約20件)の通関手配を担当
2022年4月から新任の派遣スタッフ2名の業務指導を担当
【実績】書類の確認項目をチェックリストにまとめ、通関業者からの書類の差し戻しを月約6件から1件以下に削減
【評価】3か月ごとの契約を11回更新し、派遣期間の上限(同じ課で3年)まで就業
ここが評価される
更新の回数や就業の期間は、派遣元の担当者に確認すれば正確にわかります。「派遣先から指名された」と書く人もいますが、「派遣先の希望で契約を延長」「更新〇回」のように、起きたことをそのまま書くほうが採用担当には伝わりやすいでしょう。
非正規の経歴を読む採用担当が気にするのは、「なぜ職場が変わったのか」「なぜ正社員ではなかったのか」です。年月の並びだけでは、自分から辞めたのか、契約で終わったのかがわかりません。職務経歴の後ろに「■雇用形態と就業の経緯」の欄を設け、雇用形態・契約の条件・終了の理由を1行ずつ書きます。
× NG例
■雇用形態と就業の経緯
派遣という働き方のため、派遣先が何度か変わっています。いずれも契約の都合によるもので、自分の都合で辞めたことはありません。
ここが惜しい
○ OK例
【2016年4月〜2019年3月】契約社員(1年契約・更新上限3年)。上限に達し、契約期間満了で退職しました。
・サンプル保険:派遣先の部署統合に伴い、派遣契約が終了
・サンプル電子:同じ課で働ける派遣期間の上限(3年)に達したため終了
・サンプル化学:就業中(2026年11月に派遣期間の上限に達する予定)
【正社員を希望する理由】受発注から業務の改善まで、責任を持って担える正社員として働きたいと考えています。
ここが評価される
自分から更新を希望しなかった派遣先がある場合も、隠さずに書きます。「・株式会社〇〇:通勤に片道90分かかり、更新を希望しなかった」のように、事実を1行で書けば十分です。理由をぼかすと、面接で説明が食い違ってしまいます。
自己PRで「正社員として頑張りたい」と意欲だけを書く人は少なくありません。採用担当が知りたいのは、派遣や契約社員の経験の中で身につけた力が、正社員の仕事でどう生きるかです。派遣で磨いた力と、正社員として担いたい責任をつなげるように書きましょう。
× NG例
派遣社員としてさまざまな職場を経験し、柔軟性と適応力が身につきました。正社員になれたら、これまで以上に責任感を持って頑張りたいと思います。
ここが惜しい
○ OK例
任された範囲の外にも目を向け、改善につなげる姿勢
サンプル化学では、売上報告資料の集計方法の見直しを課長に提案し、作成時間を月約8時間から約3時間に短縮しました。正社員としては、改善を自分から進め、受発注業務の全体に責任を持ちたいと考えています。
ここが評価される

非正規の経歴といっても、働き方によって採用担当が気にすることと、書いておくべきことは少しずつ違います。どのケースでも共通するのは、「雇用形態は正確に、仕事の中身は正社員と同じくらい具体的に」です。まずは全体像を表で確認し、自分に近いケースの解説を読んでください。
| ケース | 採用担当が気にすること | 書くべきこと |
|---|---|---|
| 同じ派遣先で長く働いた | 同じ業務を続けてきただけではないか、ほかの職場でも通用するか | 年ごとに増えた業務や役割、指導・改善の経験、終了の理由 |
| 短期の派遣先が多い | 長続きしないのでは、どの業務が身についているのか | 派遣元ごとのまとめ、応募先に近い派遣先の詳しい記載、短期だった理由 |
| アルバイト・パートが中心 | 正社員と同じ量と責任の仕事ができるか | 勤務日数・時間、業務の量、任された役割(シフト作成・新人教育など) |
| 紹介予定派遣・契約社員からの登用を目指す | 直接雇用のあと、どこまで責任を持って担えるか | 派遣期間・契約期間中の評価と、直接雇用・登用のあとに担いたい業務 |
1つの派遣先で長く働いた人は、それだけ派遣先から続けて任されてきたということです。ただ、「同じ業務を続けてきただけでは」と見られることもあります。年数だけでなく、何年目に、何が増えたかを書きましょう。
なお、派遣には法律で決められた期間の上限があります。派遣元に期間を定めて雇われている場合、同じ派遣先の同じ組織単位(いわゆる「課」)で働けるのは3年が上限です(厚生労働省 岐阜労働局の資料)。無期雇用派遣の人や60歳以上の人などは例外です。上限まで働いて終了した場合は、そのことを終了の理由として書いておきましょう。
職務経歴書に書きたいこと
記入例
【派遣先】株式会社〇〇(食品メーカー、従業員約500名)総務部 2020年4月〜2026年3月
【範囲の広がり】1〜2年目:備品・郵便物の管理、来客応対/3年目から:取引先への請求書発行(月約150件)と社内行事の運営を担当
※無期雇用派遣のため、同じ課で約6年就業
ポイント
よくある落とし穴は、長く働いた年数だけを強調し、業務の中身を着任したときのまま書くケースです。派遣先から直接雇用の打診を受けたことがあれば書いて構いませんが、面接で「なぜ受けなかったのか」を説明できるようにしておきましょう。
数か月ごとに派遣先が変わっていると、採用担当は「長続きしないのでは」と気にします。ただ、短期の派遣には、繁忙期の応援や産休の代わりなど、最初から期間の決まった仕事も多くあります。最初から決まっていた期間だったことがわかるように書きましょう。
職務経歴書に書きたいこと
記入例
株式会社〇〇スタッフ(2022年4月〜2026年3月)雇用形態:派遣社員(下記6社に派遣)
【主な派遣先】株式会社〇〇(物流会社)2024年4月〜2026年3月:受発注の入力(1日約40件)、在庫データの照合
【短期の派遣先】2022年4月〜2024年3月に5社(各2〜6か月。決算期の応援、産休の代わりなど期間の決まった業務):データ入力、書類の電子化と整理
ポイント
よくある落とし穴は、すべての派遣先を同じ分量で書き、A4・2枚に収まらなくなるケースです。また、自分から短期で辞めた派遣先を「契約満了」とまとめて書くのは避けましょう。理由は短くて構わないので、事実のとおりに書きます。
アルバイトやパートの経験も、職務経歴書に書いて構いません。採用担当が気にするのは、正社員と同じ量と責任の仕事ができるかです。勤務日数・時間と、任された役割を、正社員の経歴と同じくらい具体的に書きます。
職務経歴書に書きたいこと
記入例
株式会社〇〇(ドラッグストア〇〇店)2019年4月〜2026年3月 雇用形態:アルバイト(週5日・1日7時間)
【内容】レジ・品出し・発注の補助(日用品の3売場)
【役割】2022年4月からアルバイト12名のシフト作成と新人研修を担当(約4年で新人8名を教育)
ポイント
よくある落とし穴は、「アルバイトなので」と業務を1行で済ませてしまうケースです。反対に、学生時代のアルバイトまですべて並べると、伝えたい経験が埋もれてしまいます。卒業後の、応募先に関係のある経験に絞りましょう。
紹介予定派遣は、派遣期間が終わったあと、派遣先に直接雇用されることを予定した派遣です。同じ人を6か月を超えて派遣することはできず、派遣が始まる前に派遣先が面接をしたり、履歴書を受け取ったりすることも認められています(厚生労働省「スタートアップ労働条件」)。書類選考があるため、職務経歴書は正社員の応募と同じように準備します。
ただし、こうした制度があるのは一部の職場です。「令和4年派遣労働者実態調査」では、派遣労働者が働いている事業所のうち、紹介予定派遣を利用したことがある事業所は15.3%、派遣労働者を正社員に採用する制度がある事業所は23.9%でした。応募先の制度と、直接雇用されたあとの雇用形態(正社員か契約社員か)を確かめたうえで、直接雇用のあとに担いたい業務を意識して書きましょう。
職務経歴書に書きたいこと
記入例
(自己PRの結び)派遣期間中は、受注入力の正確さとスピードで信頼を得ることを最優先にします。直接雇用のあとは、在庫データの管理と取引先との納期調整まで担当し、営業担当が商談に集中できる体制づくりに貢献したいと考えています。
ポイント
よくある落とし穴は、紹介予定派遣なら直接雇用が約束されていると思い込むケースです。派遣期間が終わる時点で、派遣先と本人の双方が合意して初めて直接雇用になります。契約社員からの登用も、条件や時期は会社によって違います。
あわせて読みたい:営業事務の職務経歴書の書き方
派遣で働く人は、職場ごとにAIやツールの扱いが違うことを経験しています。IPA(情報処理推進機構)の「DX動向2026」では、AIを導入している企業は従業員1,001人以上で8割近くにのぼる一方、101人以下では16.6%でした。ある派遣先では社内で認められた生成AIを使えたのに、次の派遣先では禁止されていた、ということも珍しくありません。
応募先も同じで、AIの使い方や応募者に求める度合いは、規模・業界・社内ルールによって大きく違います。AIを使った経験がないからといって、書類選考で不利になると考える必要はありません。まずは求人票に「生成AI」「AIツール」などの記載があるかを確認し、書く量を決めましょう。
同じ調査では、AIの用途として「文書・音声の要約、翻訳、校正」が82.5%、「文書・レポート作成」が80.5%と多く挙がっています(IPAのプレス発表資料)。事務では、メールの下書き、文書の要約、Excel関数の調べものなどが現実的な使い方です。
入力や転記のような定型作業はAIやシステムに置き換わりやすく、正社員の事務には、例外への対応や確認、業務の仕組みづくりが期待されると考えられます。職場ごとに手順書を作ってきた派遣の経験は、その力を示す材料になります。職種ごとの使い方は、職種別の記事も参考にしてください。
派遣で働いてきた人ならではの書き方があります。職場ごとのルールに従って使い分けたこと自体が、情報の取り扱いへの意識と、新しい環境への適応力を示す材料になります。使った職場だけでなく、使わなかった職場も書いておきましょう。
× NG例
生成AI:各派遣先で業務効率化に活用
ここが惜しい
○ OK例
生成AI:サンプル化学の社内承認ツールで納期回答メールの下書きに使用(取引先名・価格は入力せず、内容は自分で確認)。サンプル電子では社内ルールにより使用せず
ここが評価される
効果を数字で書けるなら書いて構いませんが、測っていない数字を作って書くのはやめましょう。
派遣で扱った資料や取引先の情報は、派遣先のものです。個人で契約しているAIに入力しないのはもちろん、職務経歴書にも、AIで扱った資料名や取引先名は書かないようにします。
派遣先でAIが禁止されていた人や、そもそも導入されていない職場で働いてきた人も多いはずです。その場合は、無理に書く必要はありません。代わりに、職場ごとに違うシステムを覚えて独り立ちした期間を書いておきましょう。記入例の「いずれも着任から約2週間で独り立ち」のような一文は、新しいツールにも慣れていける根拠になります。個人で学んだ場合は「学習した」と書き、「業務で活用した」とは書かないことが大切です。
「令和4年派遣労働者実態調査」では、派遣で働いている理由(複数回答)として、「自分の都合のよい時間に働きたいから」が30.8%、「正規の職員・従業員の仕事がないから」が30.4%挙がっています。派遣を選んだ理由は人それぞれで、どれが正解ということはありません。答えの基本は、職務経歴書の「雇用形態と就業の経緯」に書いた内容と、ずれのない話をすることです。よくある4つの質問で考えてみましょう。
「なぜ、正社員を希望されるのですか」
収入や安定だけでなく、正社員として担いたい仕事と責任を話します。
例:「派遣では、担当できる業務が契約の範囲に限られていました。サンプル化学で売上資料の作り方を見直したとき、業務の流れ全体に関わる面白さを感じました。受発注から改善まで責任を持って担い、長く経験を積みたいと考えています」
収入や安定も本音であれば否定する必要はありませんが、それだけを理由にしないようにしましょう。
「これまで、なぜ派遣で働いていたのですか」
当時の事情を短く正直に話し、派遣で得たものにつなげます。
例:「契約社員の期間が満了したとき、事務の経験の幅を広げたいと考え、いくつかの業界を経験できる派遣を選びました。保険・電子部品・化学の3社で、業界ごとに違う書類やシステムに対応してきたことが、今の強みになっています」
正社員の仕事が見つからなかった場合も、「まず実務経験を積むことを優先しました」と、そのまま話して構いません。
「派遣先が何度か変わっているのは、なぜですか」
職務経歴書に書いた終了の理由を、派遣先ごとに短く話します。
例:「サンプル保険は派遣先の部署統合で、サンプル電子は同じ課で働ける3年の上限に達したため終了しました。サンプル電子では、上限まで11回契約を更新していただきました」
自分から更新しなかった派遣先がある場合も、理由を1文で正直に伝えます。
「正社員になると、責任や異動、残業も増えますが大丈夫ですか」
派遣との違いを理解したうえで、それを引き受けた経験を具体的に話します。
例:「はい。責任が増えることは、正社員を希望する理由の一つです。サンプル電子では新任スタッフ2名の指導を担当し、自分の作業以外にも責任を持つ経験をしてきました」
勤務時間や転勤に制約がある場合は、その範囲を正直に伝えておきましょう。
あわせて読みたい:ブランクがある人の職務経歴書の書き方
書き終えたら、提出前に次の項目を確認しましょう。
一般的には書いて構いません。ただし、派遣元との契約などで守秘義務が定められていることがあります。迷う場合は派遣元に確認し、書けないときは「電子部品メーカー(従業員約1,200名)」のように業種と規模で書きましょう。
履歴書でも、雇用関係のある派遣元を基本に書きます。たとえば「株式会社〇〇に派遣社員として登録」「株式会社〇〇(派遣先)に派遣 営業事務に従事」「派遣期間満了により終了」のように、派遣元と派遣先がわかるように書くのが一般的です。職務経歴書と年月・理由が食い違わないようにしましょう。
派遣元ごとに1つの会社としてまとめ、その中に派遣先を並べます。派遣元が切り替わった時期と理由(「紹介される業務が希望の職種に近かったため」など)も、「雇用形態と就業の経緯」の欄に1行添えておくと、経歴の流れがわかりやすくなります。
基本は同じですが、雇用形態は「派遣社員(無期雇用)」と書きます。無期雇用派遣は派遣元と期間の定めのない雇用契約を結んでいるため、同じ課で3年を超えて働くこともできます。派遣先が変わっても派遣元の社員であることに変わりはないので、派遣元を1つの会社として書きましょう。
次の派遣先が決まるまでの1〜2か月ほどの空白は、派遣の働き方では珍しくなく、説明がなくても理解されやすいでしょう。数か月以上あく場合は、「雇用形態と就業の経緯」の欄に、その間の事情や取り組み(資格の勉強など)を1行添えておくと、読み手の疑問を先に解消できます。
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