Guides

書き方ガイド

アピールできる実績がない人の職務経歴書の書き方|経験を成果に変える書き方と記入例・無料テンプレート

アピールできる実績がない人の職務経歴書の書き方|経験を成果に変える書き方と記入例・無料テンプレート

「売上目標のある仕事ではなかった」「表彰されたこともない」「毎日決まった仕事をこなしてきただけ」。職務経歴書の【実績】欄を前にして、書けることが何もないと手が止まる人は少なくありません。

けれども、採用担当が職務経歴書から知りたいのは、売上の大きさだけではありません。厚生労働省の調査では、企業が「企業の発展にとって最も重要」と考える正社員(管理職を除く、50歳未満)の能力・スキルは、「チームワーク、協調性・周囲との協働力」が54.3%で最も多く、「営業力・接客スキル」は23.7%でした。多くの場合、足りないのは実績そのものではなく、自分の仕事を「実績」として読める形に言い換える視点です。

この記事では、コールセンターと受付で約7年半働き、「数字の成果が見えにくい」と感じていた人の記入例をもとに、業務量・正確さ・改善・周囲からの評価・任された範囲の広がり・継続を実績に変える書き方を解説します。ケース別の書き分け方と、面接で実績を聞かれたときの答え方も紹介します。

この記事でわかること

  • 数字の成果が見えにくい人の職務経歴書の完成イメージ(記入例)
  • 公的データから見た、採用担当が数字以外に見ていること
  • 「実績=売上」ではない、経験を実績に変える6つの切り口
  • 職務要約・職務経歴・工夫の欄・自己PRのOK例とNG例
  • ルーティン業務、チームの成果、評価制度がない、目標未達のケース別の書き方
  • AIを使った改善の書き方と、AIに任せきりにしない自己分析
  • 面接で「実績は?」と聞かれたときの答え方

無料テンプレート

アピールできる実績がない人の職務経歴書、記入見本つきのテンプレートがあります

この記事の記入例と同じ形式で、Word・Excel・PDFの3形式。空欄のテンプレートと記入見本がセットになっています。

アピールできる実績がない人の職務経歴書の記入例

まずは完成イメージです。企業の受付を約2年経験したあと、コンタクトセンター(コールセンター)で通信販売の顧客窓口のオペレーターを約2年半、SVサポートを約3年務めている人を想定しています。売上の数字はありませんが、評価・担当の広がり・改善を【評価】【担当の広がり】【実績】に分けて書き、職務経歴の後ろに「業務で工夫してきたこと」の欄を設けています。画像をタップすると拡大できます。

アピールできる実績がない人の職務経歴書の記入例(受付約2年、コールセンター約5年半)
実績が見えにくい人の職務経歴書の記入例(A4・2枚)

この記入例と同じ形式のテンプレートを無料で用意しています。Word・Excel・PDFの3形式で、それぞれ空欄テンプレートと記入見本の2点セットです。

無料テンプレート

あなたの職種の記入見本も、無料でダウンロードしておきませんか?


アピール材料の見つけ方がわかったら、次は職務経歴の書き方です。職種別の記入見本をかたわらに、望む企業の「会いたい」を引き寄せましょう。

そのほかの職種を見る(50種類以上)

データで見る:採用担当は「数字以外」も見ている

書き方の前に、採用する側が転職者のどこを見ているのかを、公的なデータで確認しておきましょう。

企業が最も重要と考える能力、トップは「チームワーク、協調性・周囲との協働力」

厚生労働省の「令和7年度能力開発基本調査」では、企業に、企業の発展にとって最も重要と考える労働者の能力・スキルを3つまでたずねています。管理職を除く50歳未満の正社員について、最も多いのは「チームワーク、協調性・周囲との協働力」の54.3%で、「マネジメント能力・リーダーシップ」34.9%、「コミュニケーション能力・説得力」33.8%が続きます。

企業が最も重要と考える正社員(管理職を除く、50歳未満)の能力・スキル。チームワーク、協調性・周囲との協働力が54.3%
最も重要と考える能力・スキル(正社員・管理職を除く・50歳未満)

出典:令和7年度能力開発基本調査 調査結果の概要(厚生労働省) 図10

売上に直結しやすい「営業力・接客スキル」は23.7%で、上位には入っていません。上位に並ぶのは、周りと協力して仕事を進める力や、後輩をまとめる力など、個人の売上の数字には表れにくい力です。50歳以上の正社員では「マネジメント能力・リーダーシップ」(57.0%)が最も多く、年齢によって期待される役割が変わる点も押さえておきましょう。目立つ数字がないことが、そのまま評価の低さにつながるわけではないといえます。

職務経歴書への落とし込み方

チームワークや協調性は、「協調性があります」と書いても伝わりません。後輩の指導、チームへの共有、ほかの部署との調整など、周りと一緒に成果を出した事実で示すと、採用担当が判断の材料にできます。

転職者を採用した理由、「職場への適応力」も3割前後

同じ厚生労働省の「令和7(2025)年転職者実態調査の概況」では、転職者を採用した理由を職種別にたずねています(3つまでの複数回答)。「職場への適応力があるから」を挙げた事業所は、事務的な仕事で36.5%、販売の仕事で35.3%、サービスの仕事で31.6%でした。

職種別に、転職者の採用理由に職場への適応力を挙げた事業所の割合。事務的な仕事36.5%、販売の仕事35.3%
転職者を採用した理由「職場への適応力があるから」(職種別)

出典:令和7(2025)年転職者実態調査の概況(厚生労働省) 表4

事務的な仕事では、「離職者の補充のため」51.8%、「経験を活かし即戦力になるから」41.5%に次ぐ理由です。新しい職場のやり方を覚え、周りと協力して仕事を回せるか。適応力は、売上の数字には表れにくい力ですが、採用の理由として一定の重みを持っていることがわかります。職務経歴書では、担当替えのあとに早く仕事を覚えた経験や、新しいシステムやルールに対応した経験で示せます。

職業能力評価を「行っていない」事業所は45.1%

「評価制度がない職場だったから、書ける実績がない」と感じている人もいるでしょう。同じ「能力開発基本調査」では、労働者の職業能力評価を行っている事業所は54.5%で、行っていない事業所は45.1%でした。

職業能力評価の実施状況別の事業所割合。行っていない事業所が45.1%
職業能力評価の実施状況(2025年度)

出典:令和7年度能力開発基本調査 調査結果の概要(厚生労働省) 図54

この調査は、常用労働者30人以上の事業所が対象です。より小さな職場も含めれば、仕事ぶりを評価して記録に残す仕組みがない職場は、さらに身近なものだと考えられます。評価の記録がないことは、本人の責任でも、実績がない証拠でもありません。

職務経歴書への落とし込み方

評価の仕組みがない職場にいた人は、自分で事実を数え直し、根拠を用意することが必要です。担当した件数や、任される仕事がどう変わったかなど、具体的な集め方は後半の「ケース別」で紹介します。

アピールできる実績がない人の職務経歴書テンプレートを無料でダウンロード

採用担当が「目立つ実績がない」応募者で確認している3つのこと

売上や表彰のような目立つ実績がない応募者の書類を読むとき、採用担当が確かめたいことは、おおむね次の3つに集約されます。

  1. どのくらいの仕事を任せられるか業務の量や難しさ、担当した範囲から、入社後に任せられる仕事の大きさを判断しています。
  2. 仕事の進め方を、新しい職場でも再現できるか正確さを保つための習慣や、困りごとに気づいて工夫した経験から、職場が変わっても同じように働けるかを見ています。
  3. 周りから信頼されてきたか表彰、指名、後輩の指導、担当の広がり、長く続けてきたことから、職場でどれだけ頼りにされていたかを読み取っています。

売上の数字は、この3つを示す材料のひとつにすぎません。数字の成果がなくても、ほかの材料でこの3つに答えられれば、職務経歴書は十分に判断できるものになります。

「実績=売上」ではない:経験を実績に変える6つの切り口

職務経歴書の「実績」とは、その仕事を「どのくらい」「どんなふうに」やってきたかを、読み手が確かめられる形で示したものです。売上や契約件数は、その代表例にすぎません。次の6つの切り口で、自分の経験を見直してみましょう。

切り口実績になること書き方の例(記入例より)
業務量1日・1か月の件数、担当した相手の数受電 1日平均約50件
正確さ・安定ミスの少なさ、期限の遵守、品質の評価応対品質モニタリングで12回中10回が最高評価
改善・工夫やり方を変えたことで起きた変化独り立ちまでの期間 約4週間→約3週間
周囲からの評価表彰、指名、感謝の声、頼られた場面「サンクス賞」を2022年度に2回受賞
任された範囲の広がり後輩指導、担当の追加、登用・昇格OJT担当→正社員登用→SVサポート
継続長く続けてきた業務や取り組みFAQへの追加を2年半続け、約40項目に

6つすべてを書く必要はなく、自分の仕事に当てはまる2〜3個で十分です。特に「周囲からの評価」「任された範囲の広がり」「継続」の3つは、本人が実績だと気づいていないことが多い切り口です。

棚卸しは「3つの質問」から始める

いきなり「実績は何か」と考えると、手が止まりがちです。代わりに、次の3つの質問に答えてみてください。

  • 人から何を頼まれてきたか:後輩の指導、難しいお客さまの対応、資料づくりなど。頼まれごとは「周囲からの評価」と「任された範囲」の材料になります
  • 自分が来る前と後で、何が変わったか:手順、資料、問い合わせの数、新人が覚えるまでの時間など。小さな変化でも「改善」の材料です
  • なぜ、その仕事が自分に任されたのか:上司や同僚に言われた理由を思い出すと、自分の強みが見えてきます

答えの裏付けには、評価面談のシート、表彰の連絡、研修の資料、送ったメールやチャットの履歴、引き継ぎの資料などが役立ちます。思い出したことは、まず箇条書きで書き出しておきましょう。

実績が少ないと感じると、表現を大きくしたくなります。しかし「大幅に改善」より「約4週間から約3週間に」のように、具体的で、確かめられる書き方のほうが信頼されます。面接で根拠を説明できない数字や表現は使わないようにしましょう。

項目別の書き方:OK例とNG例の違い

ここからは項目ごとに、NG例とOK例を並べて解説します。数字の成果が見えにくい人の書類で特に差がつくのは、職務経歴の【実績】欄と、工夫を書く欄です。

職務要約:業務の羅列ではなく「任された範囲の広がり」で書く

職務要約は、採用担当が最初に読む部分です。目立つ実績がない人ほど、職種名と在籍年数だけを並べがちですが、それでは何ができる人なのかが伝わりません。業務の量に加えて、途中から任された仕事を入れると、成長の流れが一目でわかります。

× NG例

コールセンターでオペレーターとして電話応対を担当し、その後SVサポートとして業務に従事してまいりました。特に目立った実績はありませんが、一つひとつの業務に誠実に取り組んでまいりました。

ここが惜しい

  1. 職種名だけで、業務の量や、どんな問い合わせを担当したのかがわかりません。
  2. 「目立った実績はありません」と自分から書くと、読み手もその前提で読み進めてしまいます。
  3. 「誠実に」には根拠がなく、ほかの応募者との違いが伝わりません。

○ OK例

大学卒業後、株式会社サンプルサポートで約2年、企業の受付業務を担当しました。2021年4月に株式会社サンプルコンタクトに入社し、通信販売の顧客窓口でオペレーターとして約2年半、受電(1日平均約50件)と定期購入の変更・解約の手続きを担当。2022年10月からは新人のOJTも任されました。2023年10月からはSVサポートとして、オペレーター約25名のチームで二次対応(月約80件)と新人研修の運営を担当しています。お客さまや後輩のつまずきを記録し、手順や教材に変えることが強みです。

ここが評価される

  1. 「1日平均約50件」「月約80件」と量があるので、任せられる仕事の大きさがわかります。
  2. オペレーター→OJT担当→SVサポートと、任された範囲の広がりが時系列で伝わります。
  3. 最後の1文で強みを示し、職務経歴と自己PRを読む前の「見出し」になっています。

職務経歴:【実績】欄には「売上以外の成果」を書く

【実績】欄に書くことがないと感じたら、見出しを分けてみましょう。社内の評価や表彰は【評価】、途中から任された仕事は【担当の広がり】、やり方を変えて起きた変化は【実績】として書けます。見出しを変えるだけで、書ける材料は増えます。下の画像の3つのポイントを押さえましょう。

職務経歴と業務で工夫してきたことの書き方のポイント
職務経歴と工夫の欄の書き方のポイント

× NG例

通販事業部 健康食品の顧客窓口

受電業務を担当。お客さまに寄り添った丁寧な対応を心がけました。

ここが惜しい

  1. 件数がないため、どれだけの業務量をこなしていたのかが判断できません。
  2. 「心がけました」は本人の意識の話で、その結果どうだったのかが伝わりません。
  3. OJT担当や表彰など、実際にあった評価が書かれておらず、もったいない書き方です。

○ OK例

通販事業部 健康食品の顧客窓口(オペレーター約40名)

【内容】受電(1日平均約50件):商品・配送の問い合わせ、定期購入の変更・解約の手続き、応対記録の入力

【担当の広がり】2022年10月からOJT担当として、新人オペレーター計12名の独り立ちを支援

【評価】月1回の応対品質モニタリング(20項目)で、2022年度は12回中10回が最高評価のA/お客さまの声で名前が挙がった件数による「サンクス賞」を2022年度に2回受賞(四半期ごとに約40名から1名)

ここが評価される

  1. 「約40名から1名」と選ばれた割合まで書いているので、表彰の重みが読み手に伝わります。
  2. 品質評価を「12回中10回」と回数で書いているので、たまたまではなく安定した評価だとわかります。
  3. OJT担当を任された時期と人数があり、職場で信頼されていたことの裏付けになっています。

チームの数字を書くときは、「チーム平均で」「店舗として」のように、自分ひとりの数字ではないことを明記します。見本では、SVサポート時代の後処理時間の変化を「チーム平均で」と書いています。

業務で工夫してきたこと:「気づき→行動→その後」で書く

数字にならない工夫は、職務経歴の後ろに「■業務で工夫してきたこと」という欄を設けて書くと、埋もれずに伝わります。ポイントは、心がけではなく何に気づき、何を続けてきたかという行動を書くことです。

× NG例

■業務で工夫してきたこと

・常にお客さま目線を意識して応対しました。

・チームワークを大切にし、報告・連絡・相談を徹底しました。

ここが惜しい

  1. どちらも多くの人が書く言葉で、この人ならではの工夫が見えません。
  2. 具体的な行動や場面がないため、入社後にどう働く人なのかを想像できません。

○ OK例

■業務で工夫してきたこと

・回答に迷った問い合わせを毎日メモし、月1回チームのFAQに追加しました(2年半で約40項目。現在は新人研修の教材にも使用)。

・解約のお申し出では、手続きの前に理由を伺い、休止や配送周期の変更など、お客さまに合う選択肢をご案内しています。

・後輩の相談には、答えだけでなく、マニュアルの該当箇所も一緒に確認しています。

ここが評価される

  1. 「毎日メモ」「月1回」と頻度があり、続けてきたことが具体的に伝わります。
  2. 「現在は新人研修の教材にも使用」と、工夫がその後どう使われているかまで書いています。
  3. 結果の数字がない工夫も、行動を具体的に書けば、仕事の進め方そのものが伝わります。

自己PR:「頑張ったこと」より「周りがどう評価したか」を根拠に

自己PRで「責任感」「真面目さ」を強みに挙げる人は多くいます。強みの言葉自体は悪くありませんが、根拠が本人の言葉だけでは説得力が弱くなります。目立つ実績がない人ほど、表彰・指名・任された仕事の変化といった、周りが下した評価を根拠にしましょう。

× NG例

私の強みは責任感です。どんな仕事にも責任を持って取り組み、最後までやり遂げることを大切にしてきました。御社でもこの責任感を活かして貢献したいと考えております。

ここが惜しい

  1. 強みを言い換えて繰り返しているだけで、エピソードがありません。
  2. 「最後までやり遂げた」のが何の仕事で、どうなったのかがわからず、採用担当が判断できません。

○ OK例

相手の事情をくみ取り、任される範囲を広げてきたこと

お客さまの声で名前が挙がった件数による「サンクス賞」を2022年度に2回受賞しました。その応対を評価され、OJT担当、正社員登用、SVサポートと、任される仕事の範囲が広がってきました。

ここが評価される

  1. 表彰という第三者の評価が根拠になっていて、自己評価だけのPRより信頼できます。
  2. 任された仕事の変化を順に書くことで、職場で信頼を積み重ねてきたことが伝わります。
  3. 見出しで強みを先に示しているので、短い文章でも要点がすぐにわかります。
アピールできる実績がない人の職務経歴書の記入見本つきテンプレート

ケース別:実績が書けない理由ごとの書き分け方

「実績がない」と感じる理由は人によって違い、採用担当が気にすることも少しずつ変わります。どのケースでも共通するのは、「自分が何をしたか」を具体的に書き、確かめられない表現を使わないことです。まずは全体像を表で確認し、自分に近いケースを読んでください。

ケース採用担当が気にすること書くべきこと
ルーティン業務が中心だった決まった仕事の質を保てるか、それ以外も任せられるか量・正確さ・継続と、手順を良くした小さな工夫
チームの成果で、個人の数字がないその成果の中で、本人は何をしたのか自分の役割と行動、チームの結果(チームの数字だと明記)
評価制度がなく、数字を記録していない書かれた内容が確かか、どの程度の水準か数え直した業務量、任された仕事の変化、指名や依頼された事実
成果が出なかった・目標に届かなかったうまくいかないとき、どう考えて動く人か目標と結果を正直に。そのうえで、変えた行動とその後の変化

ルーティン業務が中心だった

毎日同じ手順を繰り返す仕事では、「誰がやっても同じ」と思いがちです。しかし、同じ質で続けること自体が簡単ではありません。採用担当は、決まった仕事の質を保ちながら、少しずつ良くしてきたかを見ています。

職務経歴書に書きたいこと

  • 扱った量(1日・1か月の件数、担当した製品や窓口の数)
  • 正確さ・安定(ミスの件数、期限の遵守、品質の評価)と、その期間
  • 手順やチェックの方法を見直した、小さな工夫
  • 新人への説明や手順書づくりなど、周りに広げたこと

記入例

【内容】自動車部品の外観検査(1日約1,500個)、検査記録の入力

【実績】担当した4年間、見落としによる客先への不良品の流出はゼロ。見落としやすい傷の写真を集めた見本帳を作成し、新人3名の教育に使用

ポイント

  1. 「1日約1,500個」「4年間」と、量と期間がそろっているので、安定して質を保ってきたことが伝わります。
  2. 見本帳という具体的な工夫が、ルーティンの中でも仕事を良くしてきた証拠になっています。

よくある落とし穴は、「単純作業でしたが」と前置きして、自分で仕事の価値を下げてしまうケースです。業務の名前と量を淡々と書けば十分です。量だけを並べて終わるのも惜しいので、工夫を1つ添えましょう。

チームの成果で、個人の数字がない

店舗やチームで目標を追う仕事では、成果がチーム単位で集計され、個人の数字がないことがよくあります。採用担当が知りたいのは、チームの成果の中で、本人が何をしたかです。役割と行動を先に書き、チームの結果はその後に添えます。

職務経歴書に書きたいこと

  • チームの人数と、その中での自分の役割
  • 自分が担当・提案した仕事と、その頻度や量
  • チームの結果(「店舗として」「チーム平均で」と明記する)
  • 自分の取り組みが、ほかのメンバーや店舗に広がった事実

記入例

【担当】売場づくり(週1回の陳列替え)と、SNSでの新商品の紹介(週2回)

【結果】店舗(スタッフ6名)として2025年度の売上は前年比105%。自分が提案した季節商品の売場づくりは、店長の判断で系列の他店舗にも共有

ポイント

  1. 自分の担当を先に書いているので、チームの成果に対してどう関わったのかがわかります。
  2. 「店舗として」と明記しているので、数字を自分の手柄のように見せていないことが伝わります。

よくある落とし穴は、チームの数字を自分ひとりの成果のように書くケースです。面接で「あなたの貢献は」と聞かれたときに説明がずれると、ほかの記載まで疑われかねません。反対に「チームのおかげです」と自分の役割を消してしまうのも、もったいない書き方です。

評価制度がなく、数字を記録していない

小さな職場や、人事評価の仕組みがない職場では、自分の仕事を数字で確かめる機会がありません。この場合、採用担当が気にするのは「書かれた内容が確かか」です。数え直した量と、任された仕事の変化を、根拠とあわせて書きます。

職務経歴書に書きたいこと

  • 受注の一覧、作成したファイル、送ったメールなどから数え直した業務量(「約」「月平均」をつける)
  • 取引先や社内から、名指しで依頼された仕事
  • 入社時と今とで、任されている仕事の違い
  • 数え方がわかる補足(「2025年度の受注一覧より」など)

記入例

【内容】チラシ・パンフレットのデザインと入稿データの作成(月約30件、2025年度の受注一覧より集計)

【評価】取引先から担当者として指名される案件が月約10件。2024年からは、新規の取引先との最初の打ち合わせへの同席も任される

ポイント

  1. 数字の出どころを添えているので、評価制度がなくても内容の確かさが伝わります。
  2. 「指名」と「任された仕事の変化」が、周りから信頼されている証拠になっています。

よくある落とし穴は、記録がないのに、細かすぎる数字を書いてしまうケースです。「月32.4件」のような数字は、根拠を聞かれたときに説明できません。記録がなければ「約」をつけた概数で書き、今の職場にいるうちに、件数や依頼された仕事を自分で記録しておくと、次に書類を作るときにも役立ちます。

成果が出なかった・目標に届かなかった

営業や販売など、目標がある仕事で達成できなかった場合です。未達の事実を書くのは勇気がいりますが、目標のある仕事なら、面接で結果を聞かれることがほとんどです。採用担当が見ているのは、うまくいかなかったときに、どう考えて行動を変えたかです。

職務経歴書に書きたいこと

  • 目標と結果(達成率)を正直に
  • うまくいかなかった原因を、自分の側から1つ
  • 原因を受けて変えた行動
  • 行動を変えたあとの変化(期の後半の伸び、翌年の結果など)

記入例

【実績】2025年度:新規契約 目標24件/実績18件(達成率75%)

上期の未達を受け、訪問前に取引先の求人情報を調べて提案内容を変える方法に切り替え。下期の契約は上期の6件から12件に

ポイント

  1. 未達を隠さずに書いたうえで、行動を変えた結果、下期に契約が倍になったことを示しています。
  2. 「上期6件+下期12件=18件」と数字が合っていて、書類全体の信頼につながります。

よくある落とし穴は、「市場環境が厳しく」など、外の原因だけで説明するケースです。外の要因があったとしても、自分が変えられたことに目を向けて書くほうが、入社後の伸びしろが伝わります。目標が人によって違う職場なら、目標の水準(例:「新人の標準目標」)を一言添えるのもよいでしょう。

あわせて読みたい:一般事務の職務経歴書の書き方

実績が見えにくい人とAI:改善の書き方と、AIに頼りすぎない自己分析

総務省の「令和8年版 情報通信白書」によると、生成AIを一つ以上の業務で使っている日本の企業は86.4%(「わからない」を除く)で、業務別では「議事録・メール作成補助」が約7割、「社内ヘルプデスク」が約5割でした。定型的な業務や問い合わせ対応は、AIが使われやすい分野です。

ただし、AIをどこまで使うか、応募者にどこまで求めるかは、応募先の規模・業界・社内ルールによって大きく違います。IPA(情報処理推進機構)の「DX動向2026」では、AIを導入している企業は従業員1,001人以上で8割近くにのぼる一方、101人以下では16.6%でした。AIを使った経験がないからといって、書類選考で不利になると考える必要はありません。求人票に「生成AI」「AIツール」などの記載があるかを確認し、書く量を決めましょう。

AIを使った改善は「業務・使い方・変化・確認」で書く

定型的な業務が多い人ほど、AIで手間を減らした経験を持っているかもしれません。それは十分に「改善の実績」です。ただし「AIを使った」だけでは、何ができる人なのかは伝わりません。どの業務で、どう使い、何が変わり、どう確認したかの4つをそろえて書きます。

× NG例

生成AIを活用し、業務効率化に大きく貢献しました。

ここが惜しい

  1. どの業務に使ったのかがわからず、入社後に同じことができるのか判断できません。
  2. 「大きく貢献」の中身がなく、面接で具体的に聞かれたときに答えに詰まりやすい書き方です。
  3. 情報の扱い方に触れていないため、ルールを守って使っていたのかがわかりません。

○ OK例

2025年度:社内で許可された生成AIツールで応対記録の要約を下書きする手順書を作成・展開。後処理時間がチーム平均で1件約4分から約3分に

生成AI:社内で許可されたツールで応対記録の要約を下書き(個人情報は入力せず、出力は通話内容と照合)

ここが評価される

  1. 「応対記録の要約」と業務が具体的で、自分が作ったのは「手順書」だと役割がはっきりしています。
  2. 変化を「チーム平均で」と書き、自分ひとりの成果のように見せていません。
  3. 「社内で許可された」「通話内容と照合」と、ルールと確認の仕方まで書いているので、安心して任せられる印象を与えます。

AIの効果は、実際より大きく書かないようにしましょう。時間が短くなったのは、AIだけでなく、手順書や慣れの効果もあるかもしれません。「AIで◯%削減」と言い切らず、測った範囲と期間を添え、面接で「どうやって確かめたか」に答えられる範囲で書きます。試しに使った程度なら、PCスキル欄に1行書くだけで十分です。

自己分析は、AIに任せきりにしない

職務経歴書の下書きに生成AIを使う人も増えています。文章を短く整えたり、言い回しの候補を出したりする使い方は便利です。ただし、「自分の実績は何か」を決める部分は、AIに任せきりにしないほうがよいと考えられます。

  • AIは、あなたの職場で実際に起きたことを知りません。もっともらしい数字や成果を補ってしまうことがあります
  • 「コミュニケーション能力」「主体性」など、誰にでも当てはまる言葉にまとまりやすくなります
  • 面接で実績を話すのは自分自身です。自分で掘り起こしていない実績は、深く聞かれると答えられません

使うなら、AIを「聞き役」にする方法があります。「私の仕事について、実績を思い出すための質問をしてください」と頼み、答えは自分で書くやり方です。その際も、会社名や顧客の情報、社内の数字は入力しないこと。AIが整えた文章は、すべて事実と合っているかを自分で確かめてから使いましょう。

AIを使っていない・禁止の職場だった人は

情報管理の方針から、生成AIの利用を禁止している職場は珍しくありません。その場合、無理にAIの経験を書く必要はありません。採用担当がAIの経験から読み取りたいのは、ツールの名前より、業務のどこに手間やムダがあるかに気づき、手を打てる力だと考えられます。

FAQを作った、チェックの手順を見直した、引き継ぎの資料をまとめたといった経験は、その力を示す材料です。記入例の「業務で工夫してきたこと」のように、具体的な行動で書いておけば、AIを使う職場に移っても新しい道具として取り入れられる人だと伝わります。

面接で「実績は?」と聞かれたときの答え方

書類選考を通過すると、面接でも実績について聞かれます。答えの基本は、職務経歴書に書いた事実を、「状況→行動→結果」の順に1分ほどで話すことです。書類と話の内容や数字がずれると、それだけで信頼を損ねてしまいます。よくある4つの質問で考えてみましょう。

「これまでの実績を教えてください」

「実績と言えるほどのものはないのですが」と前置きする必要はありません。6つの切り口から1つを選び、状況・行動・結果の順で話します。
例:「新人がオペレーターとして独り立ちするまでに、約4週間かかっていました。新人の質問を記録して、多かった12場面をロールプレイの台本にまとめたところ、約3週間で独り立ちできるようになりました」

「チームの成果のうち、あなたの貢献は何ですか」

チームの数字と、自分の役割を分けて話します。自分がしたことを先に、結果は「チームとして」と区別するのがポイントです。
例:「私が担当したのは、生成AIで応対記録の要約を下書きする手順書を作り、チームに説明することです。その後、チーム平均の後処理時間が1件約4分から約3分になりました。慣れの影響もあると考えていますが、手順をそろえたことは役に立ったと思います」

「目標を達成できなかったのは、なぜですか」

外の要因を並べるより、自分の側の原因と、変えた行動を話します。
例:「上期は、どの取引先にも同じ説明をしていたことが原因だと考えました。下期は訪問前に取引先の求人情報を調べ、提案を変えるようにしたところ、契約は上期の6件から12件に増えました。年間では目標に届きませんでしたが、この方法は今も続けています」

「その数字は、どうやって出したのですか」

数字の根拠を聞かれるのは、疑われているからではなく、確かめたいからです。数え方と、概数かどうかを正直に答えます。
例:「評価の仕組みがない職場だったので、2025年度の受注一覧から自分の担当分を数え直しました。月によって差があるので、月平均の概数として約30件と書いています」

あわせて読みたい:第二新卒・経験が浅い人の職務経歴書の書き方

提出前のチェックリスト

書き終えたら、提出前に次の項目を確認しましょう。

  • 職務要約に、業務の量と、途中から任された仕事(担当の広がり)が入っている
  • 【実績】欄が空欄や「特になし」になっておらず、評価・担当の広がり・改善のどれかを書いている
  • 表彰や評価は、時期・回数・選ばれた割合など、重みがわかる形で書いている
  • チームの数字には「チーム平均で」「店舗として」などと明記し、自分の役割を先に書いている
  • 記録のない数字は「約」「月平均」の概数にし、面接で数え方を説明できる
  • AIを使った改善は、業務・使い方・変化・確認の方法を書き、効果を大きく見せていない
  • 「目立った実績はありませんが」など、自分の評価を下げる前置きを書いていない

よくある質問

「業務内容」と「実績」は、どう書き分ければよいですか?

業務内容は「何を、どのくらい担当したか」、実績は「その結果、何がどう変わったか、どう評価されたか」です。業務内容に量を書き、実績には評価や変化を書くと、重なりが減って読みやすくなります。変化や評価がない業務は、業務内容の欄だけで構いません。

表彰も資格もなく、本当に書けることがありません。

表彰や資格がなくても、「後輩に仕事を教えた」「難しい対応を任された」「同じ業務を何年も続けてきた」といった事実は、周りからの信頼を示す実績です。記事の「3つの質問」で、人から頼まれてきたことを書き出してみてください。

社内の件数や評価の結果を、職務経歴書に書いても大丈夫ですか?

自分が担当した件数や、自分が受けた評価・表彰は、一般的には書いて差し支えありません。ただし、取引先の名前や会社の売上など、社外に出せない情報は書かないようにします。迷う場合は、「大手通販会社の窓口」のように規模や種類で表しましょう。

数字をはっきり覚えていません。「約」で書いても大丈夫ですか?

大丈夫です。実態から大きくずれない範囲で「約」「月平均」をつけて書きます。記録が手元にある場合は、数字の出どころ(「2025年度の受注一覧より」など)を添えると、確かさが増します。面接で数え方を説明できる数字だけを使いましょう。

AIに職務経歴書を書いてもらってもよいですか?

文章を整えたり、言い回しの候補を出したりする使い方は便利です。ただし、実績の中身はAIに考えてもらうものではありません。AIが補った数字や表現が事実と違わないか、必ず自分で確認してから使いましょう。会社名や顧客の情報は入力しないことも大切です。

この記事の記入例テンプレートを無料でダウンロード

Word・Excel・PDFの3形式に対応。空欄テンプレートと記入見本のセットです。

Author

佐藤 大貴

レジュメラボ編集責任者/アースダイバー代表

佐藤 大貴

人材紹介の会社で、キャリア系メディアの編集長をしていました。転職やキャリアをテーマにした記事づくりに長く関わり、2019年にアースダイバー株式会社を立ち上げました。編集長時代、たくさんの求職者の方やキャ…

Share

前の記事
一覧へ戻る
次の記事