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転職回数が多い人の職務経歴書の書き方|キャリア式の使い方と記入例・無料テンプレート

転職回数が多い人の職務経歴書の書き方|キャリア式の使い方と記入例・無料テンプレート

4社目、5社目の応募になると、職務経歴書に会社名を並べただけで「またすぐ辞めると思われるのでは」と手が止まる人は少なくありません。社数が多いほど書く量も増え、何を詳しく書けばよいのかもわからなくなりがちです。

総務省の調査では、2025年の1年間に転職した人は330万人、そのうち35〜54歳が112万人でした。転職を重ねること自体は、決して珍しいことではありません。採用担当を迷わせるのは回数そのものより、「経歴に一貫した軸があるか」「入社後に腰を据えて力を発揮してくれそうか」が書類から読み取れないことだと考えられます。

この記事では、家電販売から住宅リフォームの営業まで5社を経験した40歳の人の記入例をもとに、編年体・逆編年体・キャリア式の使い分け、関係の薄い経歴のまとめ方、一貫した軸の示し方を、OK例・NG例で解説します。転職の事情に合わせたケース別の書き分け方と、面接での答え方も紹介します。

この記事でわかること

  • 転職回数が多い人の職務経歴書の完成イメージ(記入例)
  • 公的データから見た、転職の実情と採用側が重視していること
  • 編年体・逆編年体・キャリア式の使い分けと、「経験の要約」の書き方
  • キャリアアップ、会社都合、職種がばらばら、非正規を含むケース別の書き分け方
  • 職場ごとに新しいツールに慣れてきた経験と、AIの使い方の書き方
  • 面接で転職回数について聞かれたときの答え方

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転職回数が多い人の職務経歴書、記入見本つきのテンプレートがあります

この記事の記入例と同じ形式で、Word・Excel・PDFの3形式。空欄のテンプレートと記入見本がセットになっています。

転職回数が多い人の職務経歴書の記入例

まずは完成イメージです。家電量販店と携帯電話販売店で約6年、自動車・住宅設備・住宅リフォームの提案営業で約11年半、あわせて5社を経験した40歳の人を想定しています。会社を新しい順に並べ、古い経歴は短くまとめたうえで、職務経歴の後ろに「経験の要約」の欄を設け、職種ごとの通算年数を示しているのが特徴です。画像をタップすると拡大できます。

転職回数が多い人の職務経歴書の記入例(5社、個人向けの提案営業 通算約11年半)
転職回数が多い人の職務経歴書の記入例(A4・2枚)

この記入例と同じ形式のテンプレートを無料で用意しています。Word・Excel・PDFの3形式で、それぞれ空欄テンプレートと記入見本の2点セットです。

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データで見る:転職を重ねる人は珍しくない、採用側は経験の中身を見る

書き方の前に、転職がどのくらい一般的なのか、採用する側が中途採用で何を見ているのかを、公的なデータで確認しておきましょう。

1年間に転職した人は330万人、35〜54歳だけで112万人

総務省統計局の「労働力調査(詳細集計)2025年平均結果」によると、2025年に転職した人は330万人で、就業者に占める割合は4.8%でした。年齢別に見ると、35〜44歳が55万人、45〜54歳が57万人で、35〜54歳だけで112万人にのぼります。

年齢階級別の転職者数。35〜44歳55万人、45〜54歳57万人
年齢階級別の転職者数(2025年平均)

出典:労働力調査(詳細集計)2025年(令和7年)平均結果の概要(総務省統計局) 表Ⅱ-11

転職は若い人だけのものではありません。厚生労働省の「令和7年雇用動向調査結果の概況」では、40〜44歳で転職した人のうち、前の職場より賃金が増えた人は44.9%で、減った人(27.4%)を上回っています。40代で転職を重ねていても、経験を積み上げてきた人は評価されていると考えられます。

職務経歴書への落とし込み方

転職回数を隠したり、謝ったりする必要はありません。大切なのは、社数よりも先に「何の仕事を、通算何年続けてきたか」が伝わる構成にすることです。

転職した男性の2割強は、「定年・契約期間の満了」か「会社都合」で前の職場を離れている

同じ雇用動向調査で、転職した人が前の職場を辞めた理由を見ると、男性では「定年・契約期間の満了」が16.1%、「会社都合」が5.3%で、合わせて21.4%でした。女性でも「定年・契約期間の満了」9.8%と「会社都合」6.2%で、合わせて16.0%です。

男性の転職入職者が前職を辞めた理由別の割合。定年・契約期間の満了16.1%、会社都合5.3%
転職入職者(男性)が前職を辞めた理由(2025年)

出典:令和7年雇用動向調査結果の概況(厚生労働省) 表5

転職は、本人の希望だけで起きるものではありません。事業の縮小や契約の満了で職場を離れることは、誰にでも起こりえます。こうした退職は、職務経歴書に事実を1行添えるだけで、在籍期間が短い理由が採用担当に伝わります。

転職者の賃金を決めるとき、約6割の事業所が「これまでの経験・能力・知識」を考慮

厚生労働省の「令和7(2025)年転職者実態調査の概況」では、転職者を採用した事業所に、賃金を決めるときに考慮した要素を聞いています。最も多いのは「これまでの経験・能力・知識」で59.2%、次いで「年齢」35.3%、「賃金の世間相場」34.2%でした。最も重視した要素でも、「これまでの経験・能力・知識」が38.4%で最多です。

転職者の賃金決定の際に考慮した要素別の事業所割合。これまでの経験・能力・知識が59.2%
転職者の賃金決定の際に考慮した要素(事業所割合、複数回答)

出典:令和7(2025)年転職者実態調査の概況(厚生労働省) 表5

これは賃金を決めるときの調査ですが、中途採用では「この人は何ができるのか」が評価の中心にあることがうかがえます。事業所の規模が大きいほど、経験・能力・知識を考慮する割合が高いことも示されています。

職務経歴書への落とし込み方

5社の経歴を会社ごとにばらばらに見せるのではなく、同じ種類の仕事を合計した「通算年数」と、その中での成果にまとめ直しましょう。会社が変わっても積み上がってきた経験が、ひと目で伝わります。

転職回数が多い人の職務経歴書テンプレートを無料でダウンロード

採用担当が転職回数の多い応募者で確認している3つのこと

転職回数の多い応募者の書類を読むとき、採用担当が確かめたいことは、おおむね次の3つに集約されます。どの項目を書くときも、このどれかに答えられているかを意識しましょう。

  1. 経歴に一貫した軸があるか会社や商品が変わっても、仕事の種類や強みに共通点があり、それが応募先の仕事につながっているか。
  2. それぞれの職場で、何を積み上げてきたか在籍した会社ごとに、担当した業務の量や成果が具体的で、限られた在籍期間でも結果を出してきたか。
  3. 入社後、腰を据えて力を発揮してくれそうかこれまでの転職の流れと今回の応募の理由がつながっていて、同じ理由でまた辞めることがなさそうか。

書類の印象を左右するのは、回数よりも、この3つが読み取れるかどうかだと考えられます。退職の事情を長く書くより、この3つに答えるほうが不安を解消できます。

項目別の書き方:OK例とNG例の違い

ここからは項目ごとに、NG例とOK例を並べて解説します。転職回数が多い人の書類で特に差がつくのは、経歴の「並べ方」と「まとめ方」です。

職務要約:社数ではなく「職種と通算年数」と「軸」で語る

職務要約は、採用担当が最初に読む部分です。ここで会社名を入社順に並べると、読み手は最初に社数を数えることになります。冒頭では会社名を出さず、「何の仕事を、通算何年」と、転職を通じて変わらなかった軸を先に書きます。

× NG例

2009年4月に株式会社サンプル家電に入社し、販売を担当しました。2011年10月に株式会社サンプルモバイルへ転職し、その後、株式会社サンプルカーズ、株式会社サンプル住設を経て、2022年4月から株式会社サンプルリフォームに勤務しています。転職回数が多くなりましたが、どの会社でも精一杯努力してまいりました。

ここが惜しい

  1. 会社名と年月が続くため、読み手は5社という数を最初に意識してしまいます。
  2. 何ができる人なのか、どんな成果を出してきたのかが最後まで書かれていません。
  3. 「転職回数が多くなりましたが」と自分から弱みとして強調しています。

○ OK例

大学卒業後、家電量販店と携帯電話販売店(うち店長2年)で約6年、店頭での販売を経験しました。2015年からは自動車、住宅設備、住宅リフォームと商品を変えながら、約11年半、個人のお客様への提案営業を続けています。軸は、暮らし方と予算を聞き取り、長く使える提案につなげること。2025年度は達成率112%でした。

ここが評価される

  1. 5社の経歴を「店頭販売 約6年」「提案営業 約11年半」の2つにまとめ、社数より経験の厚みが先に伝わります。
  2. 「軸は〜」の一文で、商品が変わっても続けてきたことが示されています。
  3. 最後に直近の成果があるので、今の実力を判断できます。

職務経歴:新しい会社から順に、関係の薄い経歴は短くまとめる

職務経歴の書き方には、大きく分けて次の3つの形式があります。社数が多い人ほど、どの形式を選ぶかで読みやすさが大きく変わります。

形式並べ方向いている人
編年体古い会社から順に、時系列で書く社数が少ない人、同じ会社で経験を積み上げてきた人
逆編年体新しい会社から順に、時系列をさかのぼって書く直近の経験が応募先の仕事に近い人
キャリア式会社ではなく、職種や業務の種類ごとにまとめて書く職種が複数ある人、同じ仕事を複数の会社で続けてきた人

転職回数が多い人に向いているのは、逆編年体かキャリア式です。ただし、キャリア式だけで書くと「いつ、どの会社にいたか」がわかりにくく、採用担当が年月を確かめにくくなります。そこで記入例では、逆編年体で会社ごとの事実を示し、「経験の要約」で職種ごとにまとめ直す組み合わせにしています。下の画像の3つのポイントを押さえましょう。

転職回数が多い人の職務経歴の書き方のポイント
職務経歴と経験の要約の書き方のポイント

× NG例

株式会社サンプル家電(2009年4月〜2011年9月)

生活家電売場で、冷蔵庫・洗濯機・エアコンの販売を担当しました。接客の基本や商品知識を学び、売場づくりや在庫の管理、配送の手配にも携わりました。(以下、5社すべてを古い順に同じ分量で記載)

株式会社サンプルリフォーム(2022年4月〜現在)

リフォームの提案営業を担当しています。

ここが惜しい

  1. 17年前の経歴から読み始めることになり、応募先に近いリフォームの経験が最後にようやく出てきます。
  2. 古い経歴が詳しく、肝心の直近の経歴が1行と、力の入れどころが逆になっています。
  3. 直近の仕事に数字がなく、今どのくらいの成果を出せる人なのかが判断できません。

○ OK例

株式会社サンプルリフォーム(2022年4月〜現在)

【実績】2025年度:受注額1億1,200万円(目標1億円、達成率112%)、8名中2位

(以下、サンプル住設、サンプルカーズ、サンプルモバイルの順に続く)

株式会社サンプル家電(2009年4月〜2011年9月)

郊外店 生活家電売場/冷蔵庫・洗濯機・エアコンの販売と、配送・設置の手配

ここが評価される

  1. 新しい順に並べているので、応募先に近い経験から読み始められます。
  2. 古い経歴は1〜2行に絞っていますが、会社名・在籍期間・業務は残しているので、経歴に抜けがありません。
  3. 分量に差をつけることで、どの経験を見てほしいのかが自然に伝わります。

なお、短くまとめるのはよくても、在籍した会社を書かずに省くのは避けましょう。履歴書や面接での説明と食い違うと、経歴そのものの信頼を損ねてしまいます。在籍期間が短かった会社も、年月と業務を1行で残しておきます。

経験の要約:職種ごとに通算年数と主な実績をまとめ直す

「経験の要約」は、キャリア式のよいところを取り入れるための欄です。職務経歴のすぐ後ろに「■経験の要約」という見出しを立て、会社の数ではなく、同じ種類の仕事を続けた年数を示します。

× NG例

■経験の要約

家電販売、携帯電話販売、自動車販売、住宅設備の営業、リフォーム営業を経験。幅広い商品知識とコミュニケーション能力があります。

ここが惜しい

  1. 仕事を5つ並べただけで、職務経歴の会社名の並びと変わりません。
  2. 「幅広い」「コミュニケーション能力」だけでは、何が強みなのかがわかりません。
  3. 年数がないため、どの経験がどれだけ深いのかが判断できません。

○ OK例

【個人向けの提案営業 通算約11年半】自動車3年3か月/住宅設備3年9か月/リフォーム4年6か月

主な実績:受注額1億1,200万円・達成率112%(2025年度)、営業12名中1位(2020年度)

【店頭での販売・店舗運営 通算約6年】家電2年6か月/携帯電話3年6か月(うち店長2年)

【一貫していること】個人のお客様の暮らしと予算を聞き取り、長く使える商品を提案すること

ここが評価される

  1. 5社を2つの職種にまとめ直したことで、「提案営業 約11年半」の人だと伝わります。
  2. 期間の内訳があるので、職務経歴の在籍期間と照らし合わせて確かめられます。
  3. 最後の「一貫していること」が、職務要約や自己PR、面接での説明と同じ軸になっています。

通算年数は月単位で足し合わせます。記入例では3年3か月+3年9か月+4年6か月で11年6か月です。職務要約に書いた年数とずれていないかも、提出前に確かめましょう。

退職理由:会社都合・契約満了は1行添え、自己都合は書きすぎない

職務経歴書に、退職理由を必ず書かなければならない決まりはありません。ただし、会社都合や契約期間の満了による退職は、1行添えておくと、在籍期間が短い理由が採用担当に伝わります。一方、自己都合の退職理由は、書類では事情を説明しきれないため、職務経歴書には書かず、面接で話すのが基本です。

× NG例

※上司と営業方針が合わず、退職しました。

※給与が見込みより低かったため、転職しました。

※会社の業績が悪化し、将来に不安を感じたため退職しました。

ここが惜しい

  1. 前の会社への不満に読め、「うちでも同じ理由で辞めるのでは」と受け取られます。
  2. 書類では事情を説明しきれず、かえって疑問を残してしまいます。
  3. 会社ごとに理由を書くと、退職の話ばかりが目立ちます。

○ OK例

※2022年3月、個人向け事業の縮小に伴い退職(会社都合)

ここが評価される

  1. 事実だけを1行で書いており、本人の意思による退職ではないことがわかります。
  2. 年月が職務経歴の在籍期間と一致しています。
  3. 事業の状況や会社への評価には触れておらず、読み手に余計な印象を与えません。

自己都合の転職でも、「扱う商品の幅を広げるため」のように経歴の流れとして説明できる場合は、職務要約の書き方で伝わるようにします。履歴書の職歴欄は「一身上の都合により退職」と書くのが一般的です。

自己PR:複数の職場で発揮した強みを、それぞれの成果で裏付ける

転職回数が多い人の自己PRは、「どんな環境にも適応できる」「柔軟性がある」といった言葉だけになりがちです。強みが複数の会社で再現できていることを数字で示せば、入社後も同じ成果を出せる根拠になります。

× NG例

転職を通じてさまざまな業界を経験してきたため、どんな環境にもすぐに適応できる柔軟性があります。御社でもこの柔軟性を活かして貢献したいと考えております。

ここが惜しい

  1. 柔軟性の根拠となるエピソードや数字がありません。
  2. 「さまざまな業界」という表現は、軸がないことの裏返しと受け取られるおそれがあります。

○ OK例

商品が変わっても成果を出せる、聞き取りから始める提案

扱う商品が変わっても、暮らしの困りごとと予算をうかがい、「何を解決するか」を決めてから提案する進め方は同じです。住宅設備では12名中1位、リフォームでは達成率112%でした。

ここが評価される

  1. 「何を解決するかを決めてから提案する」と、仕事の進め方が具体的です。
  2. 2つの会社の成果を並べ、商品が変わっても同じ力を発揮できることを裏付けています。
  3. 見出しで強みを一言で示しているので、読み手がすぐに要点をつかめます。
転職回数が多い人の職務経歴書の記入見本つきテンプレート

ケース別:転職回数が多い理由に合わせた書き分け方

転職が多くなった事情によって、採用担当が気にすることと、書いておくべきことは少しずつ違います。どのケースでも共通するのは、「事情は短く、積み上げてきた経験は具体的に」です。まずは全体像を表で確認し、自分に近いケースの解説を読んでください。

ケース採用担当が気にすること書くべきこと
キャリアアップのための転職条件次第で、またすぐに移るのではないか転職ごとに広がった役割と成果、応募先で取り組みたいこと
会社都合(倒産・事業縮小)が含まれる在籍期間が短いのは本人の意思によるものか退職の事実を1行で。在籍中の成果はほかの会社と同じように
職種がばらばら仕事の軸はあるか、応募職種の経験は何年か応募職種に関わる経験の通算年数と、職種をまたいで使ってきたスキル
非正規・派遣の期間が混ざる雇用形態と、任されていた業務の範囲雇用形態と派遣元・派遣先、業務と成果は正社員と同じように具体的に

キャリアアップのための転職

より大きな仕事や専門性を求めて転職してきた場合、採用担当が気にするのは「条件のよい話があれば、またすぐに移るのではないか」です。転職のたびに役割や扱う規模がどう広がったかを示し、一つひとつの転職が次の経験につながっていることを伝えます。

職務経歴書に書きたいこと

  • 転職ごとに広がった役割や担当の規模(担当件数、予算、部下の人数など)
  • 各社での成果(数字で)
  • 前の会社で得た経験が、次の会社でどう活きたか
  • 応募先で、腰を据えて取り組みたいこと(志望動機と一致させる)

記入例

【経理の経験 通算 約10年】

会計事務所 3年:中小企業 約30社の記帳と決算の補助

メーカー 3年:月次決算と、親会社への報告資料の作成

IT企業 4年:決算の早期化を担当し、月次決算を8営業日から5営業日に短縮

ポイント

  1. 記帳から月次決算、決算の早期化へと、担当の範囲が広がってきた流れがひと目でわかります。
  2. 直近の成果が数字で示されていて、次の会社で任せたい仕事をイメージできます。

よくある落とし穴は、「年収を上げるため」「よりよい条件を求めて」と書いてしまうケースです。本音として間違いではなくても、書類では「条件次第で動く人」という印象が先に立ちます。経験や役割の広がりで説明しましょう。

会社都合(倒産・事業縮小)が含まれる

倒産や事業の縮小、拠点の閉鎖などで退職した場合、採用担当が知りたいのは「短い在籍は本人の意思によるものか」です。退職の事実は1行で、在籍中の成果はほかの会社と同じ分量で書きます。

職務経歴書に書きたいこと

  • 退職した年月と、「事業縮小に伴い退職」「倒産により退職」などの事実
  • 在籍中の担当業務と成果(在籍が短くても、具体的に)
  • 退職後に離職期間がある場合は、その期間と過ごし方

記入例

株式会社サンプル住設(2018年7月〜2022年3月)

【実績】2020年度:販売件数145件、売上約9,800万円で営業12名中1位

※2022年3月、個人向け事業の縮小に伴い退職(会社都合)

ポイント

  1. 退職の事情より先に実績があるので、「成果を出していた人」という印象が残ります。
  2. 「会社都合」と明記しているので、採用担当は退職の理由を推測せずに済みます。

よくある落とし穴は、会社の経営判断や内部の事情まで書いてしまうケースです。前の会社を批判しているように読めると、事実であっても印象を損ねます。会社都合の退職が2回以上続いている場合も、それぞれ1行の事実にとどめましょう。

職種がばらばら

販売、事務、コールセンターなど、職種を変えながら転職してきた場合、採用担当は「仕事の軸はあるのか」「応募職種の経験は何年あるのか」を見ています。すべての経験を同じように書くのではなく、応募職種に関わる経験を抜き出して通算するのがポイントです。

職務経歴書に書きたいこと

  • 応募職種に関わる経験の通算年数(複数の会社の分を合計)
  • 職種をまたいで使ってきたスキル(集計、顧客対応、調整など)
  • 応募職種と関係の薄い経験は、短くまとめる
  • これまでの経験が、応募先の仕事にどうつながるか

記入例

【受発注・データ入力の事務 通算 約4年】営業事務 2年6か月/受注入力(契約社員)1年6か月

【電話・窓口でのお客様対応 通算 約5年】コールセンター 3年/ホテルのフロント 2年

【共通して使ってきたスキル】Excelでの集計と、問い合わせ内容の記録・引き継ぎ

ポイント

  1. 4社の経歴を「事務 約4年」「お客様対応 約5年」に整理し、事務職への応募に必要な経験の量が伝わります。
  2. 職種が違っても共通して使ってきたスキルを書くことで、経歴がつながって見えます。

よくある落とし穴は、すべての経験をアピールしようとして、どれも浅く見えてしまうケースです。応募職種と関係の薄い経験は1行にとどめ、そのぶん関係する経験を厚く書きましょう。職種ごとの詳しい書き方は、職種別の記事も参考にしてください。

非正規・派遣の期間が混ざる

契約社員や派遣社員、アルバイトとして働いた期間がある場合、採用担当は雇用形態と、任されていた業務の範囲を確認しています。雇用形態を明記したうえで、業務と成果は正社員の経歴と同じように具体的に書きます。

職務経歴書に書きたいこと

  • 雇用形態(契約社員・派遣社員・アルバイトなど)
  • 派遣の場合は、派遣元の会社名と、派遣先の業種・部署
  • 業務の内容と量、成果(正社員と同じ書き方で)
  • 契約期間の満了で終了した場合は、その事実を1行

記入例

株式会社サンプルスタッフィング(派遣元)より、食品メーカーの物流部門に派遣(2023年4月〜2025年3月、派遣社員)

【内容】出荷データの入力と在庫の照合(1日約200件)

※2025年3月、契約期間の満了により終了

ポイント

  1. 派遣元と派遣先の業種、雇用形態が明記されていて、働き方の事実が正確に伝わります。
  2. 業務の量が数字で書かれているので、正社員の経歴と同じ基準で評価できます。

よくある落とし穴は、同じ派遣元から複数の派遣先で働いた経歴を、別々の会社として並べてしまうケースです。雇用契約を結んでいるのは派遣元なので、派遣元ごとにまとめ、その中に派遣先を期間ごとに書けば、見た目の社数も実態に合います。

あわせて読みたい:個人営業の職務経歴書の書き方

転職回数が多い人とAI:職場ごとに新しい仕組みに慣れてきた経験をどう書くか

総務省の「令和8年版 情報通信白書」によると、生成AIを一つ以上の業務で使っている日本の企業は86.4%(「わからない」を除く)でした。業務別では、「議事録・メール作成補助」が約7割、「営業・販売」が約6割です。

ただし、AIをどこまで使うか、応募者にどこまで求めるかは、応募先の規模・業界・社内ルールによって大きく違います。IPA(情報処理推進機構)の「DX動向2026」では、AIを導入している企業は従業員1,001人以上で8割近くにのぼる一方、101人以下では16.6%でした。AIを使った経験がないからといって、書類選考で不利になると考える必要はありません。まずは求人票に「生成AI」「AIツール」などの記載があるかを確認し、書く量を決めましょう。

転職を重ねた人は「新しい仕組みに慣れる経験」を持っている

転職するたびに、顧客管理や見積のシステム、社内の手続き、使うツールは変わります。転職回数が多い人は、そのたびに新しい仕組みを覚えて、成果を出せるところまで追いついてきた人でもあります。

パーソルキャリア(doda)の「企業のAI活用実態と人材戦略に関する調査」では、AIの活用で求める人物像が「変わった」と答えた人事・採用担当者が75.1%でした。例として挙がっているのは、AIを使いこなせる人材や、変化に適応して自ら考え行動できる人材です。ただし、この調査はAIを導入している従業員501人以上の企業の人事・採用担当者515人に聞いたもので、すべての企業に当てはまるわけではありません。

それでも、「新しい仕組みに慣れて、仕事に活かしてきた」経験は、AIに限らず多くの職場で評価されやすいものです。転職回数が多いことを、この経験の裏付けとして書くことができます。

書き方:ツールの名前を並べず「何に使い、どう変わったか」まで

職務経歴書では、ツールの名前を並べるより、どの業務で、どう使い、何が変わったかを書きます。生成AIを業務で使っている場合も同じです。

× NG例

顧客管理システム、見積ソフト、生成AIなど、さまざまなツールを使いこなせます。

ここが惜しい

  1. 名前を並べただけで、どの業務で、どの程度使ったのかがわかりません。
  2. 「使いこなせます」と書くと、面接で具体的な場面を聞かれたときに答えに詰まりやすくなります。

○ OK例

業務システム:顧客管理・見積・工程管理のシステム(各社で異なるものを使用、切替も経験)

生成AI:提案書・お礼状の下書き(2025年〜。社内承認済み、個人情報は入れない)

ここが評価される

  1. 会社ごとに違うシステムを使ってきた事実が、新しい仕組みに慣れる力の裏付けになっています。
  2. 生成AIは、使った業務・時期と、社内ルールや個人情報への配慮まで書かれています。
  3. 「下書き」と書くことで、最終的な文面は自分で判断していることが伝わります。

注意点:盛らない、情報を持ち込まない

転職回数が多い人は、前の職場の情報の扱い方も見られていると考えておきましょう。生成AIには、お客様の個人情報や前の職場・取引先の情報を入力しないこと、社内で認められたツールだけを使ったことを書いておくと安心です。前の会社で作った資料やデータを、応募書類の材料として持ち出すのも避けます。

また、少し試しただけのツールを「業務で活用」と書くのはやめましょう。面接では「どんな場面で、どう使いましたか」と聞かれることが少なくありません。試した程度なら、PCスキルの欄に1行書くだけで十分です。

AIを使っていない職場が続いた人は

これまでの職場でAIを使っていなかったり、使用が禁止されていたりしても、無理に書く必要はありません。代わりに、システムの切り替えや、紙の手続きをタブレットや電子に移した経験など、新しい仕組みを仕事に取り入れてきた経験を具体的に書きましょう。それが、入社後に新しいツールにも慣れていける根拠になります。

面接で転職回数を聞かれたときの答え方

書類選考を通過すると、面接で転職回数について聞かれることはよくあります。答えの基本は、職務経歴書の「経験の要約」と同じ軸で、転職の流れを1分ほどで話すことです。5社分の事情を一つずつ詳しく話すより、流れ全体を短く伝え、深く聞かれたところだけ補います。よくある4つの質問で考えてみましょう。

「転職の回数が多いですが、それぞれの理由を教えてください」

一社ずつの退職理由を並べるより、転職の流れと、その中で変わらなかったことを話します。会社都合の退職は、事実を短く添えます。
例:「最初の2社では店頭で販売を経験し、店長も務めました。その後、お客様と長くお付き合いできる提案営業をしたいと考え、自動車販売に移りました。住宅設備の会社は個人向け事業の縮小で退職し、今はリフォーム営業をしています。商品は変わりましたが、暮らしと予算をうかがって提案する仕事は一貫しています」

「業界や商品がばらばらに見えますが、共通していることはありますか」

職務経歴書の「一貫していること」を、具体的な場面で補います。
例:「どの商品でも、最初にお客様の困りごとと予算をうかがい、何を解決するかを決めてから提案してきました。住宅設備では12名中1位、リフォームでも達成率112%と、商品が変わっても同じ進め方で成果を出せています」

「当社に入社しても、また転職するのではありませんか」

「もう辞めません」と言い切るより、腰を据えたい理由を応募先の特徴と結びつけて話します。
例:「これまで商品を変えてきたのは、お客様と長く関われる仕事を探してきたからです。御社は施工から点検まで自社で行い、引き渡し後も同じお客様と関わり続けられると伺いました。ここで経験を積み上げたいと考えています」

「今の会社を辞めようと思った理由は何ですか」

現職への不満ではなく、これからやりたいことを中心に話します。
例:「今の会社では水回り・内装のリフォームが中心です。福祉住環境コーディネーターの資格を活かし、ご高齢のご家族がいる住まいの改修まで含めて提案できる環境で働きたいと考えました」
職務経歴書の資格欄や自己PRと話の内容がつながっていると、説得力が増します。

あわせて読みたい:短期離職がある人の職務経歴書の書き方

提出前のチェックリスト

書き終えたら、提出前に次の項目を確認しましょう。

  • 職務要約は会社名の羅列ではなく、職種ごとの通算年数と一貫した軸、直近の成果で書いている
  • 会社を新しい順に並べ、応募先に近い経験ほど詳しく書いている
  • 古い経歴や関係の薄い経歴は短くまとめたが、在籍したすべての会社を年月つきで書いている
  • 「経験の要約」の通算年数が、職務経歴の在籍期間の合計や職務要約の年数と合っている
  • 会社都合・契約満了の退職は1行の事実だけを書き、前の会社への不満は書いていない
  • AIや業務システムは、使った業務と範囲を書き、個人情報や前の職場の情報を入力していないことがわかる
  • 面接で話す転職の流れと理由が、職務経歴書の記載と一致している

よくある質問

転職回数は、何回から「多い」と見られますか?

決まった基準はありません。年齢や業界、それぞれの在籍期間によって受け止め方は変わります。総務省の調査では、2025年の1年間に転職した人は330万人いました。回数そのものより、短い在籍が続いていないか、経歴に一貫した軸があるかが見られていると考えられます。

在籍期間がとても短い会社も、職務経歴書に書くべきですか?

書きましょう。省くと、履歴書や面接での説明と食い違ったときに、経歴全体の信頼を損ねてしまいます。業務と期間を1行で残し、会社都合や契約満了なら事実を添えます。短期間で辞めた経歴の書き方は、短期離職がある人向けの記事も参考にしてください。

キャリア式だけで書いてもよいですか?

書くことはできますが、キャリア式だけでは「いつ、どの会社にいたか」が読み取りにくくなります。キャリア式で書く場合も、会社名と在籍期間の一覧を添えましょう。この記事のテンプレートは、逆編年体の職務経歴と「経験の要約」を組み合わせた形にしています。

履歴書の職歴欄も、新しい順に書くべきですか?

履歴書の職歴欄は、古い順に書くのが一般的です。職務経歴書だけを新しい順にしても問題ありません。ただし、会社名・入社と退職の年月・雇用形態は、履歴書と職務経歴書で必ず一致させましょう。

前の職場では生成AIを使っていましたが、応募先の求人票にAIの記載がありません。書くべきですか?

書いても構いませんが、PCスキルの欄に、使った業務と範囲を1行で書く程度で十分です。AIの活用をどの程度求めるかは応募先によって大きく違います。求人票に記載がない場合は、AIの話よりも、応募先の仕事に直結する経験を厚く書きましょう。

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Author

佐藤 大貴

レジュメラボ編集責任者/アースダイバー代表

佐藤 大貴

人材紹介の会社で、キャリア系メディアの編集長をしていました。転職やキャリアをテーマにした記事づくりに長く関わり、2019年にアースダイバー株式会社を立ち上げました。編集長時代、たくさんの求職者の方やキャ…

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