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短期離職がある人の職務経歴書の書き方|退職理由の伝え方と記入例・無料テンプレート

短期離職がある人の職務経歴書の書き方|退職理由の伝え方と記入例・無料テンプレート

入社前に聞いていた仕事と違った。職場になじめなかった。会社の業績が急に傾いた。理由はさまざまでも、1年もたたずに辞めた経歴があると、「次の会社にも、すぐ辞める人だと思われるのでは」と不安になるものです。

厚生労働省の調査では、転職した人の約5人に1人は、前の勤め先での勤務期間が1年未満でした。短期離職は、決して特別なことではありません。採用担当が気にしているのは在籍期間の短さそのものより、「同じ理由で、うちでもまた辞めないか」だと考えられます。

この記事では、Web広告代理店で約3年半働いたあと、事業会社を8か月で退職した人の記入例をもとに、短期離職の伝え方と、項目別のOK例・NG例を解説します。退職理由のケース別の書き分け方と、面接で聞かれたときの答え方も紹介します。

この記事でわかること

  • 短期離職がある人の職務経歴書の完成イメージ(記入例)
  • 公的データから見た、短期離職の実情と辞めた理由
  • 「短期間での退職について」欄を含む、項目別の書き方とOK例・NG例
  • 入社前の説明との違い、人間関係、会社都合、体調・家庭の事情など理由別の書き分け方
  • 短い在籍で身につけたAI・ツールのスキルの書き方と、次の職場選びで確認したいこと
  • 面接で短期離職について聞かれたときの答え方

無料テンプレート

短期離職がある人の職務経歴書、記入見本つきのテンプレートがあります

この記事の記入例と同じ形式で、Word・Excel・PDFの3形式。空欄のテンプレートと記入見本がセットになっています。

短期離職がある人の職務経歴書の記入例

まずは完成イメージです。Web広告代理店で約3年半、広告の運用を担当したあと、事業会社のマーケティング職に転職し、会社の方針の変更で業務内容が大きく変わったため8か月で退職した20代後半の人を想定しています。職務経歴のすぐ後ろに「短期間での退職について」の欄を設けているのが特徴です。画像をタップすると拡大できます。

短期離職がある人の職務経歴書の記入例(広告運用約3年半、事業会社を8か月で退職)
短期離職がある人の職務経歴書の記入例(A4・2枚)

この記入例と同じ形式のテンプレートを無料で用意しています。Word・Excel・PDFの3形式で、それぞれ空欄テンプレートと記入見本の2点セットです。

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データで見る:短期離職は珍しくない

書き方の前に、短期離職がどのくらいあるのか、人はどんな理由で職場を離れているのかを、公的なデータで確認しておきましょう。

新卒で就職した人の3人に1人以上が、3年以内に離職

厚生労働省の「新規学卒就職者の離職状況(令和4年3月卒業者)」によると、2022年3月に大学を卒業して就職した人のうち、3年以内に離職した人は33.8%でした。高校卒は37.9%、短大等は44.5%です。

新規学卒就職者の就職後3年以内の離職率。大学33.8%、短大等44.5%、高校37.9%、中学54.1%
新規学卒就職者の就職後3年以内の離職率(2022年3月卒)

出典:新規学卒就職者の離職状況(令和4年3月卒業者)(厚生労働省)

大学卒の33.8%を年ごとに分けると、1年目が12.1%、2年目が11.9%、3年目が9.9%です。大学を出て就職した人の約8人に1人は、1年目のうちに最初の勤め先を離れています。最初の会社を早く辞めることは、多くの人に起こっていることだといえます。

転職した人の約5人に1人は、前の勤め先の勤務期間が1年未満

次に、新卒に限らず転職した人全体を見ます。厚生労働省の「令和7年転職者実態調査の概況」で、転職者の直前の勤め先での勤務期間を見ると、6か月未満が8.2%、6か月以上1年未満が10.8%でした。合わせて19.0%が1年未満で前の勤め先を離れています。

転職者の直前の勤め先での勤務期間別の割合。6か月未満8.2%、6か月以上1年未満10.8%
転職者の直前の勤め先での勤務期間(2025年)

出典:令和7年転職者実態調査の概況(厚生労働省) 表9

1年以上2年未満の13.8%も加えると、約3人に1人が2年未満で転職しています。この数字は、短期離職のあとに次の勤め先が決まった人たちのものです。短期離職があっても、転職を実現している人は数多くいます。

職務経歴書への落とし込み方

短期間で辞めた職歴も、隠さずに書くのが基本です。入社と退職の年月を見れば、在籍期間の短さは必ずわかります。職務経歴の後ろに「短期間での退職について」の欄を設け、読み手の疑問に先回りして答えましょう。

前の職場を辞めた理由は、労働条件・人間関係・収入が上位

どんな理由で職場を離れているのかも見ておきます。厚生労働省の「令和7年雇用動向調査結果の概況」から、転職した人が前の職場を辞めた理由を見ると、女性は「労働時間、休日等の労働条件が悪かった」が12.9%、「職場の人間関係が好ましくなかった」が11.5%でした。男性は「給料等収入が少なかった」が9.9%、人間関係が8.9%、労働条件が8.5%です。

転職入職者が前職を辞めた理由別の割合(男女別)。労働条件、人間関係、収入が上位
転職入職者が前職を辞めた理由(2025年、主な項目)

出典:令和7年雇用動向調査結果の概況(厚生労働省) 表5

「会社都合」も男性5.3%、女性6.2%あり、本人の意思と関係なく職場を離れる人も一定数います。辞める理由は人それぞれで、どれか一つが「悪い理由」というわけではありません。大切なのは理由の種類より、それを次の職場選びにどう生かしているかを示せることだと考えられます。

職務経歴書への落とし込み方

労働条件や人間関係が理由でも、そのまま「条件が悪かった」「人間関係が悪かった」と書く必要はありません。何が起きたかという事実と、それを受けて自分がどう判断したかを書けば、前の会社の批判に見えず、事実も曲げずに済みます。

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採用担当が短期離職のある応募者で確認している3つのこと

短期離職のある応募者の書類を読むとき、採用担当が確かめたいことは、おおむね次の3つに集約されます。どの項目を書くときも、このどれかに答えられているかを意識しましょう。

  1. 同じ理由で、また辞めないか辞めた理由と、応募先の仕事内容・働き方が重なっていないか。次の職場を選ぶ基準がはっきりしているか。
  2. 辞めた経緯を、他人のせいにせず説明できるか起きたことを事実で語れるか。自分の判断や反省点にも触れ、前の会社の批判で終わっていないか。
  3. 在籍中に何をして、何ができる人か短い在籍でも取り組んだことがあるか。それ以前の経験と合わせて、入社後に任せられる仕事が見えるか。

書類の印象を左右するのは、在籍の短さよりも、この3つに答えられているかどうかです。特に1つ目への答えがないと、どれほど経験が豊富でも「またすぐ辞めるのでは」という不安が残ってしまいます。

項目別の書き方:OK例とNG例の違い

ここからは項目ごとに、NG例とOK例を並べて解説します。短期離職のある人の書類で特に差がつくのは、職務要約と、短期間での退職の説明の書き方です。

職務要約:長く働いた経験を軸に、短期離職は事実を1文で

職務要約は、採用担当が最初に読む部分です。短期離職のことが気になって、冒頭から事情の説明を書く人もいますが、最初に書くのは、いちばん長く働いた職場の経験です。短期離職は後半に、入社した時期と何が変わったか、退職した年月を1文で添えます。

× NG例

前職は入社前の説明と業務内容がまったく違っていたため、やむを得ず8か月で退職しました。短期間での退職となり大変申し訳ございませんが、次の職場では長く働きたいと考えております。

ここが惜しい

  1. 冒頭が短期離職の説明と謝罪で、どんな経験を持つ人なのかが伝わりません。
  2. 「説明とまったく違っていた」「やむを得ず」は、前の会社の批判と受け取られやすい表現です。
  3. 「長く働きたい」の根拠がなく、同じ理由で辞めないかという不安に答えられていません。

○ OK例

大学卒業後、Web広告代理店の株式会社サンプルデジタルで約3年半、Google 広告・Yahoo!広告・Meta広告の運用を担当しました。(中略)2025年11月に事業会社の株式会社サンプルメディアへマーケティング職として入社しましたが、会社の方針で広告出稿が大幅に縮小されて業務内容が大きく変わったため、2026年6月に退職しました(在籍8か月)。今後は広告運用と分析の経験を軸に、長く働きたいと考えています。

ここが評価される

  1. 約3年半の経験が先にあるので、入社後に任せられる仕事がまず伝わります。
  2. 「会社の方針で広告出稿が縮小された」と事実だけを書き、批判の言葉を使っていません。
  3. 「在籍8か月」と自分から書いているので、隠さない誠実さが伝わります。
  4. 最後の「広告運用と分析の経験を軸に」が、次の職場を選ぶ基準の予告になっています。

職務経歴:短い在籍でも「担当・実績」をそろえて書く

在籍が短いと、「8か月では書くことがない」と1〜2行で済ませてしまいがちです。しかし数行しかないと、採用担当には「何もしないまま辞めた人」に見えてしまいます。担当した業務と、短い期間なりの実績を、ほかの職歴と同じ形式で書きましょう。

× NG例

マーケティング部

マーケティング業務を担当。短期間のため、目立った実績はありません。

ここが惜しい

  1. 「マーケティング業務」だけでは、広告なのか、SNSなのか、何を担当したのかがわかりません。
  2. 「実績はありません」と自分で書くと、8か月の取り組みがすべて伝わらなくなります。

○ OK例

マーケティング部(4名)

【担当】2025年11〜12月:アプリの新規会員獲得のための広告運用(月約300万円)

2026年1月〜:公式SNSの運用と、販促キャンペーンの企画・運営(会社の方針で広告出稿が大幅に縮小されたため)

【実績】

広告運用:配信先と広告素材を見直し、インストール1件あたりの単価を約1,050円から約880円に改善(2025年12月)

SNS運用:投稿の反応を分析して企画を整理し、フォロワーを約2.8万人から約3.5万人に増加(2026年1〜6月)

ここが評価される

  1. 担当を時期で分けているので、途中で業務が変わったことが経歴を読むだけでわかります。
  2. 2か月の広告運用でも、単価の改善を前後の数字で書いており、前職からの実力が続いていることが伝わります。
  3. 初めてのSNS運用でも成果を出しているので、環境が変わっても投げ出さない人だと読み取れます。

退職理由は職務経歴の中には長く書かず、( )で一言添える程度にします。詳しい経緯は、次の欄にまとめましょう。

短期間での退職について:経緯・理由・学び・判断軸の4つを書く

短期離職のある人の職務経歴書で、いちばん大切なのがこの欄です。職務経歴のすぐ後ろに「■短期間での退職について」という見出しを立て、【経緯】【退職の理由】【学んだこと】【次の職場選びで大切にしていること】の4つを書きます。下の画像の3つのポイントを押さえましょう。

短期間での退職について欄の書き方のポイント
職務経歴と「短期間での退職について」の書き方のポイント

× NG例

■短期間での退職について

入社前の面接では広告運用を担当すると聞いていましたが、入社後すぐに方針が変わり、希望しない業務ばかりを任されるようになりました。会社の判断に納得できなかったため、退職しました。

ここが惜しい

  1. 「希望しない業務ばかり」「納得できなかった」は不満の表明で、採用担当には他人のせいにしているように映ります。
  2. 辞める前に自分で何をしたのかが書かれておらず、合わないとすぐ辞める人に見えてしまいます。
  3. 次の職場選びの基準がないため、応募先でも同じことが起きないかという不安が残ります。

○ OK例

【経緯】入社2か月後の2026年1月に、会社の方針で広告出稿が大幅に縮小され、業務の中心がSNS運用とキャンペーン運営に変わりました。

【退職の理由】上長と面談し、広告運用の再開や異動の見通しを確認しましたが、当面は予定がないとのことでした。広告運用と分析の経験を軸に長く働ける環境を選ぶため、2026年6月に退職しました。

【学んだこと】(前略)一方で、入社前に広告予算の方針まで確認しなかったことは反省点です。

【次の職場選びで大切にしていること】広告運用と分析を中心に担当できること、広告予算の考え方を選考の段階で確認できることを軸に、応募先を選んでいます。

ここが評価される

  1. 会社の方針の変化を、時期とともに事実だけで書いています。
  2. 「上長と面談し、見通しを確認した」と書くことで、すぐに投げ出したのではないことが伝わります。
  3. 自分の反省点を1文で認めているので、他人のせいにしない人だと受け取ってもらえます。
  4. 判断軸が具体的なので、応募先がその条件に合っていれば「長く働いてくれそうだ」と判断できます。

反省点は、「入社前に〇〇まで確認しなかった」のように、次に生かせる形で1文書けば十分です。反省点と判断軸がそろうと、短期離職が「学びのある経験」として読まれやすくなります。

退職理由の言葉選び:不満の言葉を「事実+自分の判断」に言い換える

同じ出来事でも、言葉の選び方で印象は大きく変わります。採用担当が身構えるのは、「〜させられた」「〜してくれなかった」という受け身や不満の言葉です。事実を曲げずに、自分の判断として言い換えましょう。

× NG例

給料が安く、残業も多いブラックな職場でした。

上司と合わず、まともに仕事を教えてもらえませんでした。

ここが惜しい

  1. 「ブラック」「まともに」は感情的な評価で、事実が何だったのかが伝わりません。
  2. 採用担当は「うちのことも、辞めたら同じように言うのでは」と受け取るおそれがあります。

○ OK例

月の残業が平均約60時間の状態が続き、業務の進め方を上長と見直しましたが、改善の見通しが立たなかったため退職しました。

少人数の部署で、業務の引き継ぎを受けられる体制がない中、独学で対応してきました。今後は、チームで知識を共有しながら成果を出せる環境で働きたいと考えています。

ここが評価される

  1. 「月の残業が平均約60時間」と数字で書くと、評価の言葉を使わなくても事情が伝わります。
  2. 「見直しましたが」「独学で対応してきました」と、自分が取った行動が書かれています。
  3. 不満で終わらず、「どんな環境で働きたいか」につなげているので、前向きな理由として読めます。

事実を和らげようとして、実際になかった理由を作るのは避けましょう。面接で深く聞かれたときに話がつながらなくなり、かえって信頼を損ねます。言い換えるのは言葉の温度であって、事実そのものではありません。

自己PR:短期離職の言い訳ではなく、強みの根拠を書く

自己PRで「二度と短期で辞めないよう、粘り強く頑張ります」と決意だけを書く人は少なくありません。採用担当が知りたいのは決意の強さより、入社後に発揮できる強みと、その根拠です。いちばん長く働いた職場のエピソードを軸にしましょう。

× NG例

前職を短期間で退職してしまったことを深く反省しております。今後は忍耐力を持って、どんな仕事でも粘り強く取り組みます。

ここが惜しい

  1. 反省と決意だけで、強みがひとつも書かれていません。
  2. 「どんな仕事でも」と書くと、仕事を選ぶ基準がないように見え、短期離職の理由ともかみ合いません。

○ OK例

数字から原因を見つけ、改善につなげる力

教育系クライアントで資料請求の獲得単価が上がり続けていた際、検索語句を1件ずつ確認し、申込につながっていない語句を除外しました。あわせて広告文と申込ページの見出しの改善を提案し、4か月で獲得単価を約8,200円から約5,900円に改善しました。

ここが評価される

  1. 課題・工夫・結果の順で書かれていて、応募先でも同じ力を発揮できる根拠になっています。
  2. 短期離職には触れていませんが、2つ目の強みで8か月間の取り組みを書いているので、全体として「環境が変わっても成果を出す人」だと伝わります。

短期離職の説明に力を入れすぎて、肝心の仕事の中身が薄くならないように気をつけましょう。職種ごとの書き方は、職種別の記事で詳しく解説しています。

短期離職がある人の職務経歴書の記入見本つきテンプレート

理由・ケース別:短期離職の書き分け方

辞めた理由によって、採用担当が気にすることと、書いておくべきことは少しずつ違います。どのケースでも共通するのは、「事実は短く、自分の行動と次の判断軸は具体的に」です。まずは全体像を表で確認し、自分に近いケースの解説を読んでください。

退職の理由採用担当が気にすること書くべきこと
入社前の説明と実態が違った入社前に確認しなかったのか。うちでも同じ不満を持たないか何が違ったのかの事実、辞める前に取った行動、次に確認すること
人間関係・社風が合わなかった協調性に問題はないか。どんな環境でも不満を持つ人ではないか自分が力を発揮しやすい環境と、その根拠になる過去の経験
会社都合(業績悪化・事業撤退・倒産)本人に原因はないか。在籍中に何をしていたか会社都合であることの事実と、退職までの業務・引き継ぎ
体調・家庭の事情今は働ける状態か。同じことが起きたときの備えはあるか事情が解消・安定したことと、勤務できる条件

入社前の説明と実態が違った

仕事内容や勤務条件が、面接や求人票で聞いていた内容と違ったケースです。採用担当は、「入社前に確認できなかったのか」と「うちでも同じ不満を持たないか」を気にします。違いを事実で書き、辞める前に取った行動と、次は何を確認するかを添えます。

職務経歴書に書きたいこと

  • 入社時に担当する予定だった業務と、実際の業務(時期つき)
  • 上長への相談や異動の希望など、辞める前に取った行動
  • 自分の確認不足があれば、その反省点(1文で)
  • 次の職場選びで確認していること

記入例

【経緯】営業事務として入社しましたが、配属後は電話での新規開拓の営業が業務の約7割を占めました。

【退職の理由】上長に相談し、事務の業務を増やせないか3か月かけて調整しましたが、体制上難しいとのことで、入社7か月で退職しました。

【次の職場選びで大切にしていること】面接で1日の業務の流れと、業務の割合を確認したうえで応募しています。

ポイント

  1. 「約7割」と業務の割合で書いているので、批判の言葉を使わなくても違いの大きさが伝わります。
  2. 「3か月かけて調整」と、辞める前に取った行動が具体的です。

よくある落とし穴は、「求人票と全く違った」「だまされた」と強い言葉で書くケースです。事実だとしても、書類では前の会社を責める印象が先に立ちます。求人票の内容と実際の業務を並べて書けば、評価の言葉を使わなくても読み手は事情を理解できます。

人間関係・社風が合わなかった

人間関係や社風が理由の短期離職は、書き方がいちばん難しいケースです。採用担当は「協調性に問題があるのでは」と受け取りやすいため、特定の人の話は書かず、「自分はどんな環境で力を発揮しやすいか」という話に置き換えます。

職務経歴書に書きたいこと

  • 退職した年月と、在籍期間
  • 職場の仕組みや働き方の違い(人の評価ではなく、事実として)
  • 自分が力を発揮しやすい環境と、それを裏付ける過去の経験
  • 応募先のどんな点に合うと考えたか

記入例

【退職の理由】個人ごとに目標と業務が完結する体制で、メンバー間で情報を共有する機会がほとんどありませんでした。前職ではチームで顧客情報を共有し、成約率を高めた経験があるため、チームで連携して成果を出せる環境を選ぶため退職しました。

ポイント

  1. 上司や同僚の評価ではなく、「体制」という事実で書いています。
  2. 過去の成功体験を根拠にしているので、わがままではなく、力を発揮できる条件の話として読めます。

よくある落とし穴は、ハラスメントなど深刻な事情を、書類に詳しく書いてしまうケースです。職務経歴書は、多くの人の目に触れる書類です。深刻な事情があった場合も、書類では「職場環境の事情により」程度にとどめ、面接で聞かれたら事実を落ち着いて短く伝えるほうがよいでしょう。

会社都合(業績悪化・事業撤退・倒産)

業績の悪化による人員削減や事業の撤退、倒産などで、在籍が短くなったケースです。本人の意思によらない退職であることは、はっきり書いて構いません。そのうえで、退職までにしていた業務や、引き継ぎをやり遂げたことを添えます。

職務経歴書に書きたいこと

  • 会社都合であることと、その内容(事業撤退、拠点の閉鎖など)
  • 退職までに担当していた業務と、その実績
  • 引き継ぎや撤退の業務など、最後までやり遂げたこと

記入例

【経緯】2026年3月に、所属していた通販事業からの撤退が決まり、事業部の閉鎖に伴い2026年5月に会社都合で退職しました(在籍10か月)。

【退職までの業務】撤退の決定後は、取引先約40社への連絡と、在庫の引き取り先の調整を担当しました。

ポイント

  1. 事業撤退という事実と時期が具体的なので、本人に原因がないことがすぐにわかります。
  2. 撤退の業務をやり遂げたことが、責任感の裏付けになっています。

よくある落とし穴は、「一身上の都合」とだけ書いてしまうケースです。会社都合なのに自己都合のように書くと、短期離職の理由を本人に求められてしまいます。事実を正確に書くことは、自分を守ることでもあります。

体調・家庭の事情

体調を崩した、家族の介護が必要になったなど、本人や家族の事情で短期離職したケースです。採用担当が知りたいのは事情の詳しい中身ではなく、「今は安定して働ける状態か」です。病名や家族の状況を詳しく書く必要はありません。

職務経歴書に書きたいこと

  • 「体調を崩したため」「家族の介護のため」などの簡潔な理由
  • 今は事情が解消・安定していること
  • 勤務できる時間や条件(制約があれば、必要な範囲で)

記入例

【退職の理由】体調を崩し、治療に専念するため入社6か月で退職しました。

【現在の状況】現在は回復しており、フルタイム勤務に支障はありません。

ポイント

  1. 病名には触れず、「現在は回復し、支障はない」と結論を書いています。
  2. 短い2行でも、採用担当がいちばん知りたいことに答えられています。

よくある落とし穴は、「入社後に体調を崩したのは職場のせい」と読める書き方です。仮に業務の負担が原因でも、書類では理由と現在の状況を淡々と書きましょう。通院が続く場合は、頻度と業務への影響を必要な範囲で正直に伝えておくほうが、入社後も安心して働けます。

あわせて読みたい:Webディレクターの職務経歴書の書き方

短期離職とAI:短い在籍で身につけたスキルの書き方と、次の職場選び

総務省の「令和8年版 情報通信白書」によると、生成AIを一つ以上の業務で使っている日本の企業は86.4%(「わからない」を除く)でした。短い在籍の職場で、初めて生成AIや新しいツールに触れた人もいるでしょう。

ただし、AIをどこまで使うか、応募者にどこまで求めるかは、応募先の規模・業界・社内ルールによって大きく違います。IPA(情報処理推進機構)の「DX動向2026」では、AIを導入している企業は従業員1,001人以上で8割近くにのぼる一方、101人以下では16.6%でした。AIを使った経験がないからといって、書類選考で不利になると考える必要はありません。まずは求人票に「生成AI」「AIツール」などの記載があるかを確認し、書く量を決めましょう。

短い在籍でも、AI・ツールの経験は書いてよい

8か月の在籍でも、業務で使ったツールやAIの経験は、立派なスキルです。在籍期間が短いことを理由に、書くのをためらう必要はありません。短期離職のある人の場合、具体的な使い方を書くことが「短い期間でも、きちんと仕事をしていた」証拠にもなります。たとえば次のような使い方が考えられます。

  • SNSの投稿文やメールの文面の案出し(最終的な文章は自分で確認して仕上げる)
  • スプレッドシートの関数やマクロの作成の補助
  • 会議の議事録や、長い資料の要約
  • アンケートや問い合わせ内容の分類・集計の補助

書くときは「AIを使った」で終わらせず、何の業務で、どう使い、自分はどこを確認したかまで書きます。

× NG例

生成AIを活用して、SNS運用を効率化しました。

ここが惜しい

  1. どの作業に使い、何が変わったのかがわからず、面接で具体的に聞かれると答えに詰まります。
  2. 情報の取り扱いや、AIの出力をどう確認したかが書かれていません。

○ OK例

生成AI:社内ルールに沿い、SNS投稿文の案出しと、応募データ集計用の関数の作成に使用(2026年1〜6月)。投稿は事実確認と修正をしたうえで、上長の承認を得て公開

ここが評価される

  1. 使った業務が2つに絞られていて、どの程度使えるのかが具体的にわかります。
  2. 「社内ルールに沿い」「事実確認と修正」で、情報の扱いと出力の確認に気を配っていることが伝わります。
  3. 期間を書いているので、短い在籍の中での経験だとわかり、誇張がありません。

個人情報や社外秘の情報を入力しなかったこと、社内ルールに従ったことも、書いておくと安心材料になります。少し試しただけで「AIで業務を効率化」と書くのは避けましょう。短期離職のある人は、面接でほかの人より深く質問されやすいため、書いた内容は、すべて具体例で説明できる範囲にとどめます。

次の職場選びで、AI活用の方針と業務内容を事前に確認する

入社後に「聞いていた業務と違った」というずれは、AIの使い方でも起こりえます。会社の規模でAIの導入状況がこれほど違う以上、入社前の確認が欠かせません。AIを使いたい人も、AIに業務を任せるよりも自分の手で経験を積みたい人も、選考の段階で次の点を確認しておくと安心です。

  • 担当する業務のうち、AIやツールで自動化されている部分と、人が担う部分
  • 生成AIなどの利用に関する社内ルールの有無と、使える範囲
  • 入社後1年ほどで任される業務と、その割合
  • ツールや業務の進め方が変わるときの、社内での教え方

パーソルキャリア(doda)の「企業のAI活用実態と人材戦略に関する調査」では、求める人物像が「変わった」とした人事・採用担当者が75.1%でした。ただし、これはAIを導入済みの従業員501人以上の企業に限った調査です。会社によってAIの位置づけは大きく違うからこそ、面接の逆質問などで確かめておくことが、次の短期離職を防ぐことにつながります。

AIを使った経験がない人は

前の職場でAIを使っていなかった、または使うことが禁止されていた人も、無理に書く必要はありません。採用担当が短期離職のある人に期待しているのは、AIの経験そのものより、新しい環境や業務に、自分から適応してきた経験だと考えられます。

担当が急に変わった中で成果を出したことや、新しいシステムを覚えて業務に取り入れたことは、職務経歴や自己PRで具体的に書きましょう。禁止されていた場合は、「社内規程によりAIツールは使用していません」と一言添えれば十分です。

面接で短期離職を聞かれたときの答え方

書類選考を通過すると、面接では短期離職について必ずといってよいほど聞かれます。答えの基本は、職務経歴書の「短期間での退職について」に書いた内容を、自分の言葉で1分ほどで話すことです。書類と話がずれると、それだけで信頼を損ねます。よくある4つの質問で考えてみましょう。

「なぜ8か月で辞めたのですか」

経緯を短く伝えたあと、辞める前に取った行動と、次の判断軸の順で話します。
例:「入社2か月後に会社の方針で広告出稿が大幅に縮小され、業務の中心がSNS運用に変わりました。上長と面談して広告運用に戻れる見通しを確認しましたが、当面は難しいとのことでした。広告運用と分析を軸に長く働きたいと考え、退職を決めました」

「入社前に、確認しなかったのですか」

言い訳をせず、確認不足を認めたうえで、今はどう変えているかを話します。
例:「業務内容は確認していましたが、広告予算の方針までは確認していませんでした。そこは反省点です。今回の転職活動では、予算の考え方や担当業務の割合を、面接で必ず確認するようにしています」

「うちでも同じことが起きたら、また辞めますか」

「絶対に辞めません」と言い切るより、まず社内で解決を試みる姿勢を具体的に伝えるほうが信頼されます。
例:「まずは上長に相談し、社内でできることを探します。前職でも、異動の可能性を確認してから判断しました。御社では広告運用と分析を中心に担当できると伺っており、その点で長く働ける環境だと考えて応募しました」

「前の会社について、どう思っていますか」

前の会社への不満を引き出す質問に聞こえても、批判はしないのが基本です。学んだことと、感謝できる点を伝えます。
例:「事業会社として予算を判断する側の視点や、SNS運用という新しい集客の方法を学べたことは、自分にとって大きな経験でした。会社の判断も、事業の状況を考えれば理解できるものだと思っています」

あわせて読みたい:転職回数が多い人の職務経歴書の書き方

提出前のチェックリスト

書き終えたら、提出前に次の項目を確認しましょう。

  • 短期間で辞めた職歴も省かずに書き、入社・退職の年月が履歴書と一致している
  • 職務要約は、長く働いた職場の経験を先に書き、短期離職は事実を1文で添えている
  • 短い在籍の職歴にも、担当業務と実績(または取り組み)を書いている
  • 退職理由は事実と自分の判断で書き、前の会社や人を批判する言葉を使っていない
  • 反省点と、次の職場選びの判断軸を書き、応募先がその軸に合っている
  • AIやツールの経験は、使った業務と範囲を具体的に書き、盛っていない
  • 面接で話す経緯・理由・判断軸が、職務経歴書の記載と一致している

よくある質問

短期間で辞めた会社は、職務経歴書に書かなくてもよいですか?

書くのが基本です。省くと、経歴を偽ったと受け取られるおそれがあります。入社手続きで提出する源泉徴収票や雇用保険の書類などから、直前の勤め先がわかることもあります。短い職歴も正直に書き、「短期間での退職について」の欄で事情を説明するほうが、結果として信頼につながります。

試用期間中に辞めた場合も、職歴になりますか?

試用期間中でも、雇用契約を結んで入社していれば職歴です。在籍が数週間〜数か月でも、入社と退職の年月を書きます。担当した業務が少ない場合は、研修や担当予定だった業務を簡潔に書けば十分です。

履歴書の退職理由は「一身上の都合」でよいですか?

自己都合で退職した場合、履歴書の職歴欄は「一身上の都合により退職」と書くのが一般的です。会社都合の場合は「会社都合により退職」と書きます。詳しい経緯は職務経歴書の「短期間での退職について」の欄にまとめ、両方の内容が食い違わないようにしましょう。

短期離職が2回以上あります。どう書けばよいですか?

それぞれの退職に共通する原因がないかを、まず自分で振り返りましょう。共通点があれば、それに気づいて次の職場選びの基準を変えたことを書くと、説得力が増します。職歴の数が多い場合の書き方は、転職回数が多い人向けの記事でも解説しています。

在籍が短い職場で使ったAIツールの経験も、書いてよいですか?

書いて構いません。在籍が短くても、業務で実際に使った経験はスキルです。ただし「何の業務で、どう使い、どこを自分で確認したか」まで書き、試しただけのものを「活用した」と書かないようにしましょう。AIの活用をどの程度求めるかは応募先によって違うため、求人票の記載に合わせて書く量を調整します。

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Author

佐藤 大貴

レジュメラボ編集責任者/アースダイバー代表

佐藤 大貴

人材紹介の会社で、キャリア系メディアの編集長をしていました。転職やキャリアをテーマにした記事づくりに長く関わり、2019年にアースダイバー株式会社を立ち上げました。編集長時代、たくさんの求職者の方やキャ…

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