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インサイドセールス・カスタマーサクセスの職務経歴書の書き方|採用担当に伝わる記入例と無料テンプレート

インサイドセールス・カスタマーサクセスの職務経歴書の書き方|採用担当に伝わる記入例と無料テンプレート

インサイドセールス(IS)とカスタマーサクセス(CS)の職務経歴書で評価されるのは、「お客様に寄り添った」という姿勢ではありません。分業の中でどこを受け持ち、どのKPIを、どんな定義で、どれだけ動かしたかが伝わるかどうかです。

ISもCSも、会社によって担当範囲とKPIの定義が大きく違います。同じ「商談化率20%」でも、資料請求の数を分母にするか、電話がつながった数を分母にするかで意味が変わります。だから採用担当は、数字の大きさと同じくらい数字の定義を見ています。

この記事では、SaaS企業でISを4年、CSを約4年半経験したリーダーの記入例をもとに、項目ごとの書き方を解説します。SaaS以外の業界から応募する人や、フィールドセールス・マーケティングを目指す人の書き分けも紹介します。

この記事でわかること

  • IS・CSの職務経歴書の完成イメージ(記入例)
  • データで見る、IT業界の採用状況と、CSという仕事が広がった背景
  • 商談化率・SQL・解約率・NRRなど、KPIの書き方とOK例・NG例の違い
  • The Model型の分業の中で、自分の担当範囲を伝える方法
  • SaaS以外の業界からの応募や、フィールドセールス・マーケティングへの書き分け
  • SFA・CRMのAI機能や議事録の要約など、AIの経験の書き方

無料テンプレート

インサイドセールス・カスタマーサクセスの職務経歴書、記入見本つきのテンプレートがあります

この記事の記入例と同じ形式で、Word・Excel・PDFの3形式。空欄のテンプレートと記入見本がセットになっています。

インサイドセールス・カスタマーサクセスの職務経歴書の記入例

まずは完成イメージです。店舗向けの予約・顧客管理SaaSの会社に新卒で入社し、ISを4年、CSを約4年半経験した人を想定しています。現在はCSの中堅顧客チームでリーダーを務めています。画像をタップすると拡大できます。

インサイドセールス・カスタマーサクセスの職務経歴書の記入例(IS4年・CS約4年半)
IS・CSの職務経歴書の記入例(A4・2枚)

この記入例と同じ形式のテンプレートを無料で用意しています。Word・Excel・PDFの3形式で、空欄テンプレートと記入見本の2点セットです。

データで見る:IS・CSの転職市場と、CSが求められる理由

IS・CSだけを区切った公的な統計は、まだありません。そこで、SaaS企業を含むIT業界の採用状況と、CSが広がった背景をデータで確認します。

IT・通信業界の転職求人倍率は7.59倍。営業職全体の2倍以上

転職サービスdodaの集計では、2026年9月の業種「IT・通信」の転職求人倍率は7.59倍でした。職種「営業」の3.21倍、全体の2.89倍を大きく上回り、1年前の6.54倍からも上がっています。

業種「IT・通信」・職種「営業」・全体の転職求人倍率(doda 2026年9月と2025年9月)
転職求人倍率の比較(2026年9月・2025年9月)

出典:doda「転職求人倍率レポート」データ(パーソルキャリア)(2026年10月22日発表・2026年9月分)

ただし、この数字はIT・通信業界の求人全体で、エンジニアなども含みます。また、dodaの「転職市場予測2026下半期」は、IT・SaaSの営業について、業務改善や効率化(ツール活用)で成果につなげた経験や、再現性のある課題解決の経験が評価されやすいと解説しています。

職務経歴書への落とし込み方

求人が多くても、書類で見られるのは「ほかの職場でも再現できる工夫」です。初回連絡のルールやヘルススコアのように、成果を生んだ仕組みを必ず1つ書きましょう。

クラウドサービスを全社で使う企業は6割。「売った後」が売上を左右する

総務省の「令和7年通信利用動向調査」によると、クラウドサービスを全社的に利用している企業は、2025年に60.0%でした。2021年の42.7%から、5年で17.3ポイント増えています。一部の部門での利用も合わせると83.5%です。

クラウドサービスを全社的に利用している企業の割合の推移(総務省 通信利用動向調査 2021〜2025年)
クラウドサービスを全社的に利用している企業の割合(2021〜2025年)

出典:令和7年通信利用動向調査の結果(概要)(総務省)(図表4-1・2026年5月29日公表)

SaaSの多くは、月額や年額で料金を払う契約です。使われなくなれば解約され、使い続けてもらえれば売上が積み上がります。CSが広がった背景には、契約後の定着と継続が、新規の受注と同じくらい売上を左右するようになったことがあります。

職務経歴書への落とし込み方

CSの実績は「解約を減らした」と「利用を広げた」の両面で書きます。記入例では、チームの年間解約率(9.6%→5.2%)と、個人のアップセル(月額+62万円)を分けて書いています。

どの業界でも8割前後がクラウドを利用。顧客の業界を知る人は強い

同じ調査を産業別に見ると、クラウドサービスの利用率は金融・保険業で96.2%、不動産業で90.9%、卸売・小売業で83.6%でした。最も低い運輸・郵便業でも78.3%で、業界を問わず使われています。

産業別のクラウドサービス利用率(総務省 通信利用動向調査 2025年)
産業別のクラウドサービス利用率(2025年)

出典:令和7年通信利用動向調査の結果(概要)(総務省)(図表4-2)

SaaSの顧客は、IT業界の外に広がっています。CSが向き合うのは、店舗の店長や工場の担当者など、それぞれの業界で働く人です。そのため、顧客の業界の仕事を知っていることは、SaaSの経験がなくても強みになると考えられます。

職務経歴書への落とし込み方

SaaS以外の業界から応募する人は、前職の業界と顧客層を職務要約の1文目に書きましょう。応募先の顧客と重なれば、続きを読んでもらう理由になります。

インサイドセールス・カスタマーサクセスの職務経歴書テンプレートを無料でダウンロード

採用担当がIS・CSの職務経歴書で見ている3つのこと

データと、採用の現場でよく言われる傾向を踏まえると、採用担当は次の3つを確認しています。どの項目を書くときも、このどれかが伝わるかを意識しましょう。

  1. どんな商材・顧客で、どこを担当してきたか扱ってきた商材(SaaS・通信・人材サービスなど)と顧客の規模、IS・CSのどの範囲を受け持っていたか。会社によって担当範囲が大きく違うため、採用担当は最初にここを確かめます。
  2. KPIの数字と、その定義ISなら商談化数・商談化率、CSなら解約率・継続率・アップセル。何を分母にしたか、社数か金額か、どの期間かも見ています。定義があいまいな数字は、比べようがないからです。
  3. 数字を動かした工夫と、その再現性初回連絡のルール、ヒアリング項目、ヘルススコア、他部門への共有など、数字が変わった理由。個人の頑張りではなく、チームで回る仕組みにできた人は、応募先でも同じ改善ができると判断されやすくなります。

項目別の書き方:OK例とNG例の違い

ここからは項目ごとに、NG例とOK例を並べて解説します。同じ経験でも、担当範囲と数字の定義を書くだけで、採用担当の受け取り方は大きく変わります。

職務要約:商材・担当範囲・立場・代表的なKPIを3〜5行で

職務要約は、採用担当が最初に読む部分です。商材・担当範囲・年数・立場・代表的なKPIを入れます。ISとCSの両方を経験した人は、年数を分けて書きましょう。

× NG例

SaaS企業でインサイドセールスとカスタマーサクセスを経験してまいりました。お客様の課題に寄り添い、成果に貢献してきました。今後も顧客志向を大切に、事業の成長に貢献したいと考えております。

ここが惜しい

  1. どんなサービスを、どんな規模の顧客に提供してきたかがわからず、応募先の商材との近さを判断できません。
  2. ISとCSをそれぞれ何年、どの範囲で担当したかがなく、経験の深さが伝わりません。
  3. 「寄り添い」「成果に貢献」は多くの応募者が書く言葉で、成果を示す数字がありません。

○ OK例

大学卒業後、2018年4月に株式会社サンプルアプリに入社し、店舗向け予約・顧客管理のSaaSで、インサイドセールス(IS)を4年、カスタマーサクセス(CS)を約4年半担当してまいりました。ISでは資料請求からの商談化率を14%から21%に改善しました。CSでは導入支援を経て、2024年4月から中堅顧客チーム(5名)のリーダーを務め、チームの年間解約率を9.6%から5.2%に下げました。商談の入口から定着・拡大まで、数字で原因を探って改善することが得意です。

ここが評価される

  1. 商材(店舗向け予約・顧客管理のSaaS)と、ISとCSの年数が最初の一文でわかり、経歴の全体像をつかめます。
  2. ISは商談化率、CSは解約率と、それぞれの仕事の代表的なKPIを1つずつ選んでいます。
  3. 最後の一文は自己PRの予告です。「入口から定着・拡大まで」で、分業の複数の工程を知る人だと伝わります。

職務経歴:部署ごとに「業務・実績・取り組み」をそろえる

IS・CSは、同じ会社の中で部署やチームが変わりやすい職種です。異動ごとに行を分け、【業務】【実績】【取り組み】の見出しをそろえて書きます。下の画像の3つのポイントを押さえましょう。

インサイドセールス・カスタマーサクセスの職務経歴の書き方のポイント(注釈付き)
職務経歴の書き方のポイント

× NG例

カスタマーサクセス部にて、既存顧客のフォローを担当。定期的なミーティングで顧客の課題をヒアリングし、解約防止やアップセルに取り組みました。

ここが惜しい

  1. 担当した顧客の数や規模がなく、業務量がわかりません。
  2. 「解約防止に取り組んだ」だけでは、結果として解約がどう変わったのかが伝わりません。
  3. 自分がリーダーなのかメンバーなのか、チームの中での立場が書かれていません。

○ OK例

【業務】チーム5名で多店舗展開の顧客250社を担当(自身は約60社)。KPI管理とメンバー4名の育成
【実績】チームの年間解約率(社数)9.6%→5.2%(250社中24社→13社、2023年度→2025年度)
(中略)
【取り組み】ログイン数と予約登録数からヘルススコアをつくり、スコアが下がった顧客に2週間以内に連絡する運用を開始

ここが評価される

  1. 【業務】【実績】【取り組み】と見出しをそろえているので、ISの時期もCSの時期も同じ順番で読めます。
  2. チーム全体の担当社数と、自分の担当社数を分けて書いているので、業務量と立場の両方がわかります。
  3. 解約率に「24社→13社」と実数を添えているので、採用担当が計算を確かめられます。

ISからCSへの異動は、部署ごとに行を分ける

記入例では、ISの4年とCSの約4年半を、部署・時期ごとに行を分けて書いています。異動の流れが一目でわかり、どちらの経験がどれだけあるかを採用担当が数えやすくなります。異動した理由は、面接で聞かれたときに話せるよう準備しておきましょう。

商談化率・解約率などKPIの書き方:数字に「定義」を添える

IS・CSの数字は、定義しだいで大きく変わります。前後の数字に、分母・期間・社数か金額かを添えるのが基本です。主なKPIと、書くときに添えたい定義をまとめました。

KPI意味添えたい定義
架電数・接続数(IS)電話をかけた数と、担当者と話せた数期間、対象(反響か新規開拓か)
商談化数・商談化率(IS)リードのうち、商談として営業に引き渡した数と割合分母(資料請求の数か、話せた数か)
SQL(IS)営業部門が「商談として受け入れた」案件誰が認めた件数か。受注まで追えれば添える
解約率(CS)契約のうち、解約された割合社数か金額か、月次か年間か
NRR(CS)既存顧客の売上が、1年後に何%になったかアップセル・減額・解約を含めたか
アップセル(CS)上位プランへの変更や、機能の追加月額か年額か、何社か
定着率(CS)サービスを使い続けている顧客の割合「使っている」の基準

NRR(売上継続率)は、期初の既存顧客の売上を100として、アップセルを足し、減額と解約を引いた割合です。100%を超えていれば、新規の受注がなくても既存顧客だけで売上が伸びている状態です。

× NG例

商談化率を大幅に改善。解約率も低下させ、アップセルでも目標を達成しました。

ここが惜しい

  1. 「大幅に」「低下」だけでは、改善の前後がいくつだったのかがわかりません。
  2. 商談化率は何を分母にしたか、解約率は社数か金額か、月次か年間かで値が大きく変わります。定義がないと比べられません。

○ OK例

2021年度:個人の商談化数 目標120件/実績139件(達成率116%、うち受注37件)、担当約660件からの商談化率21%
(中略)
2025年度:個人のアップセル 目標 月額+50万円/実績 月額+62万円(達成率124%、上位プラン・オプション追加18社)

ここが評価される

  1. 「担当約660件からの商談化率」と分母を書いているので、数字の意味を取り違えられません。
  2. 目標と実績を並べて達成率を添えているので、目標の大きさと結果を採用担当が確かめられます。
  3. 「うち受注37件」と商談のその後まで書くと、件数だけでなく受注につながる質の高い商談をつくれたことが伝わります。

個人の数字とチームの数字を分けて書く

解約率のようにチームで追うKPIは「チームの」と明記します。個人の成果(アップセル・商談化数)と分けると、数字を盛っていないことが伝わります。

活かせる経験・知識・スキル:応募先で使える経験を3つに絞る

担当した工程・改善の実績・マネジメントのように、種類の違う強みを3つ選び、それぞれに数字か範囲を添えましょう。

× NG例

・顧客対応力
・Salesforceが使える
・コミュニケーション能力

ここが惜しい

  1. 「顧客対応力」「コミュニケーション能力」は抽象的で、何ができるのかが伝わりません。
  2. 「Salesforceが使える」は、入力だけかレポートまで作れるのかがわからず、使える範囲が判断できません。

○ OK例

・IS4年・CS約4年半。リード対応から商談化、導入支援、継続・アップセルまで一貫した経験
・数字で原因を探る改善(商談化率14%→21%、チームの年間解約率9.6%→5.2%)
・チームリーダーとしてのKPI管理と育成(メンバー4名)

ここが評価される

  1. ISとCSの両方を経験したことを1行目に置き、顧客との接点の全体を知っていることが伝わります。
  2. 経験・改善・マネジメントと、強みの種類が重ならないように選んでいます。

ツール・PCスキル:SFA・CRMは「どこまで使えるか」まで書く

IS・CSは、SFA(営業支援システム)、CRM(顧客管理システム)、MA(マーケティングを自動化するツール)を毎日使います。同じツールでも、入力するだけか、レポートを作れるか、運用ルールを決められるかで評価が変わります。

× NG例

Salesforce、HubSpot、Excel、Zoom

ここが惜しい

  1. ツール名だけでは、使った年数も、どの機能まで使えるのかもわかりません。

○ OK例

SFA・CRM:Salesforce(8年半。商談・顧客管理、レポート・ダッシュボード作成)
MA・分析:HubSpot(4年、リードの優先度づけ)、Looker Studio(2年半、ヘルススコアの可視化)

ここが評価される

  1. 分類と年数があるので、応募先のツール環境に合うかを採用担当がすぐ確認できます。
  2. 「リードの優先度づけ」など使い道を添え、ツールで何をしてきたかを示しています。
  3. 年数は職務経歴の時期と一致させます(HubSpotはISの4年など)。

自己PR:強みは2つまで。工夫と数字の変化をセットで示す

自己PRは「強み → それを発揮したエピソード → 結果の数字」の順に書きます。IS・CSでは、受け身から先回りへ変えた経験が強みとして伝わりやすいテーマです。

× NG例

私の強みは傾聴力です。お客様の声に耳を傾け、信頼関係を築いてきました。最近はAIも活用して業務を効率化しています。

ここが惜しい

  1. 「傾聴力」「信頼関係」はIS・CSの応募者の多くが書く言葉で、差がつきません。
  2. 「AIも活用」は、何に使い、どう確かめたのかがなく、かえって情報の扱いに不安を与えます。

○ OK例

顧客の状態を数字でつかみ、先回りして動く力
CSに異動した当初、チームは解約の連絡を受けてから動いていました。そこでログイン数と予約登録数からヘルススコアをつくり、下がった顧客に2週間以内に連絡する運用に変え、チームの年間解約率を9.6%から5.2%に下げました。

ここが評価される

  1. 「連絡を受けてから動いていた」という課題から書き始めているので、何を変えたのかがはっきりします。
  2. 使ったデータと連絡のルール(2週間以内)が具体的で、応募先でも再現できる力だと伝わります。
  3. 記入例の2つ目の強みは、解約理由を他部門に共有した経験です。強みは2つまでに絞ると、根拠が厚くなります。
記入見本つきのIS・CS向けテンプレートを見る

担当範囲・経歴別:IS・CSの職務経歴書の書き分け方

まず、The Model型の分業の中で自分の位置を確かめる

SaaS企業では、顧客の獲得から契約の拡大までを4つの役割に分ける形がよく見られます。書籍『THE MODEL』で広まったことから「The Model型」と呼ばれる分業です。

役割主な仕事次に引き渡すもの主なKPI
マーケティング広告・展示会・セミナーで見込み客を集める見込み客(リード)リード数、有望なリードの数
インサイドセールス電話・メールで課題を聞き、商談の機会をつくる商談商談化数・商談化率、SQL
フィールドセールス商談で提案し、契約を結ぶ契約した顧客受注数・受注金額
カスタマーサクセス導入を支援し、活用・継続・拡大を進める顧客の声(各部門へ)解約率、NRR、アップセル

ただし境界は会社ごとに違い、ISが商談まで行う会社や、CSが問い合わせ対応を兼ねる会社もあります。表のどこからどこまでを受け持ったかを、部署名に頼らず書きましょう。

そのうえで、応募するポジションと自分の経歴によって、強調すべきことは次のように変わります。

タイプ採用担当が見るポイント強調したい経験・数字
ISとして応募する商談の量と質をつくる力。マーケティング・営業との連携商談化数・商談化率、SQL、受注に至った件数
CSとして応募する活用を進め、解約を防ぎ、売上を広げる力担当社数、定着率、解約率、NRR、アップセル
SaaS以外の業界から応募するIS・CSと同じ仕事を、件数や割合で示せるか反響への対応、既存顧客の継続、顧客の業界の知識
IS・CSから営業・マーケティング・企画へ前後の工程を担えるだけの根拠があるか受注まで追った商談、顧客の声の分析、KPIの設計

ISとして応募する

ISは、資料請求や問い合わせに対応する反響型(SDRと呼ばれます)と、狙った企業に自分から連絡する新規開拓型(BDR)に分かれます。反響型は「速さと商談化率」、新規開拓型は「狙いの立て方と、そこから生まれた商談」が評価の軸です。

職務経歴書に書きたいこと

  • 反響型か新規開拓型か、対象にした企業の規模・業種
  • 月の対応件数と、チームの人数
  • 商談化数・商談化率(分母を明記)と、受注に至った件数
  • 速さや質を上げた工夫(初回連絡のルール、ヒアリング項目、メールの改善など)

記入例

【業務】従業員300名以上の製造業を対象に、新規開拓で商談を獲得(チーム4名)
【実績】2025年度:SQL 目標150件/実績171件(達成率114%)、うち受注28件
【取り組み】決算資料から課題の仮説を立てて個別にメールを送る形に変え、返信率を2.1%から4.8%に改善

ポイント

  1. SQLに加えて受注まで書き、受注につながる商談をつくれたことを示しています。
  2. 仮説を立てる工夫と返信率の変化で、新規開拓型の考え方が伝わります。

よくある落とし穴

「1日100件架電」のように、行動量だけを書くケースです。行動量は大切ですが、それだけでは成果が伝わりません。架電数を書くなら、接続数・商談数・受注数までつなげて書きましょう。

CSとして応募する

CSは、導入を支援するオンボーディングと、継続・拡大の担当に分かれることがよくあります。少数の大口顧客を個別に担当するハイタッチ型と、多くの顧客をメールやセミナーで支えるテックタッチ型という違いもあります。担当の形と社数を最初に書くと、数字の意味が正しく伝わります。

職務経歴書に書きたいこと

  • 担当の形(導入支援か継続・拡大か、ハイタッチかテックタッチか)と担当社数
  • 解約率・NRRなど、継続と拡大の数字(社数か金額か・期間)
  • 定着率や活用率など、解約より前に表れる数字
  • 解約の理由を他部門に共有し、サービスや売り方を変えた経験

記入例

【業務】従業員1,000名以上の顧客12社を担当(ハイタッチ)。四半期ごとに利用状況と導入効果を報告
【実績】2025年度:担当顧客のNRR 112%(期初の年額合計1億円→同じ12社で1億1,200万円)、解約0社

ポイント

  1. NRRに金額の前後を添えているので、採用担当が計算を確かめられます。
  2. 四半期ごとの報告で、大口顧客との関係を計画的に深めてきたことが伝わります。

よくある落とし穴

問い合わせ対応(サポート)が中心だったのに、「カスタマーサクセス」とだけ書くケースです。面接で継続の数字を聞かれて困ります。実態どおりに書き、問い合わせを減らす工夫など先回りした経験を添えましょう。

SaaS以外の業界から応募する

人材サービスや通信回線の内勤営業、不動産や保険の反響営業、会員制サービスの継続支援など、IS・CSに近い仕事はSaaS以外にもあります。職種名は実際のままにし、仕事の中身と数字で共通点を示しましょう。反響から商談に至った割合はISの商談化率に、契約の更新率はCSの継続率に近い数字です。

職務経歴書に書きたいこと

  • 実際の職種名と、IS・CSと共通する仕事(反響への対応、既存顧客の継続支援など)
  • 件数や割合で示せる数字(商談の設定率、契約の更新率など)
  • 顧客の業界の知識(応募先のサービスの顧客と重なる場合)
  • 顧客管理システムやExcelで、顧客の情報を管理・分析した経験

記入例

【業務】求人広告の内勤営業として、Webからの問い合わせ(月約80件)に電話で対応し、課題を聞いて商談を設定
【実績】問い合わせからの商談設定率 28%→35%(2024年度→2025年度)、既存顧客120社の契約更新率81%

ポイント

  1. 「商談設定率」は、ISの商談化率と同じ考え方の数字です。分母も明記しています。
  2. 更新率で、売った後の継続にも関わってきたことが伝わります。

よくある落とし穴

「SQL」「チャーン」などの用語を無理に使うケースです。前職で使っていなかった言葉は、面接で定義を聞かれると困ります。用語より、数字の定義を自分の言葉で書くほうが信頼されます。

IS・CSから、フィールドセールス・マーケティング・企画へ

IS・CSを数年経験した後、商談と受注を担うフィールドセールスや、マーケティング、営業企画などに進む道もあります。応募先の仕事の前後の工程を知っていることは、IS・CS出身者の強みです。

職務経歴書に書きたいこと

  • フィールドセールスへ:受注に至った商談の数と、提案・契約まで自分で担当した経験
  • マーケティングへ:リードの質の分析と、メール・セミナーなどの施策の結果
  • 企画・オペレーションへ:KPIの設計と、SFA・CRMの項目やダッシュボードの整備
  • どの職種でも:顧客の声を集めて、他部門の施策に反映した経験

記入例

ログイン数と予約登録数からヘルススコアをつくり、スコアが下がった顧客に2週間以内に連絡する運用を開始
解約理由を毎月まとめてIS・営業・開発部門に共有し、改善要望3件が機能に反映

ポイント

  1. 記入例の人物が企画やマーケティングに応募するなら、この2行を職務要約や自己PRで前に出します。データから課題を見つけ、他部門を動かした経験だからです。
  2. フィールドセールスに応募するなら、IS時代の「うち受注37件」を前に出すと、受注につながる商談を見極める力が伝わります。

よくある落とし穴

「ISの次はフィールドセールス」と、キャリアの順番だけを志望理由にするケースです。応募先の仕事を一部経験している根拠を、職務経歴の中に書いておきましょう。

あわせて読みたい:営業職の職務経歴書の書き方

2026年のIS・CSとAI:職務経歴書にどう書くか

最初にお伝えしたいのは、AIの使い方や、AIの経験を求める度合いは、応募先によって大きく違うということです。IPAの「DX動向2026」では、AIを導入している企業は従業員1,001人以上で8割近くにのぼる一方、101人以下では16.6%でした。顧客の個人情報を多く扱うIS・CSでは、生成AIへの入力を社内ルールで厳しく制限している会社もあります。

まずは求人票に「生成AI」「AIツール」などの言葉があるかを確認しましょう。記載があれば、取り組みとして詳しく書く価値があります。記載がなければ、ツール・PCスキル欄に1行添える程度で十分です。

IS・CSの現場で現実的なAIの使い方

総務省の「令和8年版 情報通信白書」では、企業が生成AIを使っている業務として「議事録・メール作成補助」が約7割、「営業・販売」が約6割でした。IS・CSは、この両方に当てはまる仕事です。2026年時点では、次のような使い方が現実的です。

  • SFA・CRMのAI機能:商談や問い合わせの記録を要約し、次の対応の候補を出す
  • 議事録の要約:Web会議の文字起こしから、決まったこと・宿題をまとめてSFAに登録する
  • リードの優先度づけ:問い合わせの内容や閲覧履歴から、先に連絡すべき見込み客を示す
  • ヘルススコアと解約の予兆:利用が落ちた顧客を知らせる(AIで予測するツールもある)
  • メールやヘルプ記事の下書き:案内メールや、よくある質問の記事のたたき台をつくる

どれも下書きや候補を出す使い方です。要約は発言を取り違えることがあり、スコアは過去のデータの偏りに引っぱられます。最後に判断するのは自分という前提で書きましょう。

書き方:何の業務で、どう使い、どう確かめたか

AIの経験は「AIを活用して効率化」と書くだけでは伝わりません。使った業務・確かめ方・変わったことをセットで書きます。

× NG例

AIを活用して商談メモの作成を効率化し、生産性を大幅に向上させました。

ここが惜しい

  1. どんなルールの下で使い、要約をどう確かめたのかがわからず、顧客情報の扱いが心配になります。
  2. 「大幅に向上」に数字がなく、効果の大きさが判断できません。

○ OK例

生成AI:社内で認められたツールで議事メモの要約を下書き(2025年4月〜)。個人情報は入力せず、内容は自分で確認

ここが評価される

  1. 「社内で認められたツールで」「個人情報は入力せず」と書くことで、情報の扱いに気を配れる人だと伝わります。
  2. 「下書き」「自分で確認」と書き、AIの出力をそのまま使っていないことを示しています。
  3. 記入例の人物はAIが主な仕事ではないため、ツール・PCスキル欄の1行にとどめています。盛らずに書く良い例です。

チームでの導入を進めた人は、取り組みとして詳しく書けます(記入例とは別の人物の例です)。

記入例

【取り組み】SFAのAI要約機能の導入時に、要約を確認してから登録する手順と、入力してはいけない情報の一覧を作成。商談メモの登録にかかる時間を1件約15分から約5分に短縮し、チーム8名の登録率を62%から95%に

ポイント

  1. 確認の手順と入力のルールを先に決めており、正確さと情報管理の両方に気を配ったことが伝わります。
  2. 時間の短縮に加えて登録率まで書き、SFAのデータを活かせる人だとわかります。

AIの経験を書くときの注意点

  • 顧客の個人情報や商談の中身を、認められていないAIに入れていないことがわかるように書く。「社内で認められたツールで」と一言添えるだけで伝わります。
  • AIの出力を自分で確かめたことを書く。要約の誤りを直した、スコアを実際の利用状況と見比べた、などです。
  • 会社のルールに従って使ったことを前提に書く。ルールのない時期に、個人のアカウントで顧客の情報を扱った経験は書かないほうが無難です。
  • 盛らない。「AIで解約を予測」と書いて、実際は標準機能の画面を見ていただけなら、面接で困ります。

AIを使っていない・禁止の職場だった人は

顧客の情報を守るため、AIの利用を禁止している職場で働いてきた人もいるでしょう。それだけで評価が下がると考える必要はありません。記入例のヘルススコアも、AIではなく、ログイン数と予約登録数を組み合わせてつくった指標です。

どの数字が解約の前ぶれになるかを考えて連絡のルールにした経験は、AIの予測を読み解く土台にもなります。SFAの入力ルールを整えた経験なども書きましょう。

実績の数字が書けないときの対処法

「商談化数はマーケティングの集客しだい」「解約率は会社全体でしか出ていない」という人も、担当範囲の中で自分が動かした数字は必ず見つかります。

商談の数が、マーケティングの集客で決まってしまう(IS)

件数ではなく、割合と速さで書きます。商談化率、初回連絡までの時間、引き渡した商談が受注に至った割合などです。自分の工夫が効いた数字を選びましょう。

解約率が、会社全体でしか集計されていない(CS)

担当社数と、そのうち継続した社数を数えれば、担当分の数字が出せます。数え方を書き添えたうえで、「担当60社のうち解約2社」のように実数で書くと、定義のずれも起きません。

導入支援やサポートの担当で、売上に関わる数字がない

導入完了までの日数、定着率、問い合わせ件数の変化、満足度アンケートの結果などを書きます。記入例の「導入3か月後の定着率74%→86%」のように、「使っている」の基準を添えた定着率は、売上の前に表れる成果として伝わります。

社外秘で、金額や解約率を出せない

金額は達成率や前年比で、解約率は改善の幅(「〇ポイント低下」)で書けます。顧客名は書かず、「多店舗展開の飲食チェーン」のように業種と規模で表します。

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提出前のチェックリスト

書き終えたら、提出前に次の項目を確認しましょう。

  • 職務要約に、商材・顧客層・ISとCSの経験年数・立場・代表的なKPIが入っている
  • 部署・時期ごとに、担当したリードの件数や顧客の社数、自分の立場を書いている
  • 商談化率は分母を、解約率は社数か金額か・期間を添えて、前後の数字で書いている
  • 目標と実績を並べ、達成率の計算が合っている。個人とチームの数字を分けている
  • 使ったツール(SFA・CRM、MAなど)を、年数と使える範囲で書いている
  • 顧客名や社外秘の数字を書いていない。AIを使った場合は、個人情報を入れず自分で確認したことを書いている
  • A4で2枚程度(多くても3枚以内)に収まり、誤字脱字がない

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ブランク、転職回数、未経験…気になる事情があるなら、状況別の記入見本も


職種の書き方はこの記事で、事情の伝え方は状況別の記入見本で。2つを組み合わせれば、書きにくいところも迷わず書けます。

よくある質問

ISの経験しかありませんが、CSに応募できますか?

応募できます。顧客の課題を聞き取った経験は、導入支援や継続でも使えます。受注後の顧客と接した経験(導入の引き継ぎなど)があれば、件数とあわせて書きましょう。

テレアポやコールセンターの経験は、ISの経験として書けますか?

仕事の中身が近ければ、ISに近い経験として書けます。職種名は実際のまま書き、件数・接続率・アポにつながった割合などで共通点を示します。自分で工夫したことがあれば添えましょう。

KPIの定義が会社独自で、うまく説明できません。

定義を短く書き添えれば大丈夫です。記入例でも「導入3か月後の定着率(予約管理を週1回以上使う顧客の割合)」と書いています。社内の呼び名より、何を数えたかが伝わることが大切です。

テックタッチで数百社を担当していて、1社ごとの成果が書けません。

担当全体の数字で書きます。メールやセミナーの参加率、活用が進んだ社数、解約率の変化などを施策の前後で比べると、仕組みで成果を出したことが伝わります。

AIを使った経験がないと不利になりますか?

不利になるとは限りません。AIの導入状況は会社の規模や業界で大きく違い、求人票に記載がなければ無理に書く必要はありません。データで顧客の状態をつかみ、行動のルールにした経験こそ、IS・CSの評価の土台です。

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Author

佐藤 大貴

レジュメラボ編集責任者/アースダイバー代表

佐藤 大貴

人材紹介の会社で、キャリア系メディアの編集長をしていました。転職やキャリアをテーマにした記事づくりに長く関わり、2019年にアースダイバー株式会社を立ち上げました。編集長時代、たくさんの求職者の方やキャ…

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