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未経験の職種に応募する人の職務経歴書の書き方|活かせる経験の見つけ方と記入例・無料テンプレート

未経験の職種に応募する人の職務経歴書の書き方|活かせる経験の見つけ方と記入例・無料テンプレート

販売から企画へ、事務からITへ、会社員から介護や保育の仕事へ。新しい職種に挑戦しようと決めても、職務経歴書を開くと「志望する仕事の経験が、ひとつも書けない」と手が止まる人は少なくありません。

ただ、未経験の職種に応募する人の職務経歴書で問われているのは、志望職種での経験そのものではありません。採用担当が知りたいのは、「なぜこの職種なのか」「これまでの経験の何が活かせるのか」「そのために何をしてきたのか」の3つだと考えられます。この3つが1本の線でつながっていれば、経験がないことは書類の弱点になりにくくなります。

この記事では、化粧品の店頭販売を約6年経験し、職業訓練を経てWebマーケティング職を目指す人の記入例をもとに、前職の経験を「活かせる経験」に言い換えるコツと、学習・実践の書き方を解説します。志望する職種別の書き分け方と、面接で「なぜ未経験の職種に?」と聞かれたときの答え方も紹介します。

この記事でわかること

  • 未経験の職種に応募する人の職務経歴書の完成イメージ(記入例)
  • 公的データから見た、転職者の職種の選び方と、職種による求人の違い
  • 「志望職種に向けた学習・実践」欄を含む、項目別の書き方とOK例・NG例
  • 販売から企画・マーケ、事務からIT、異業種、介護・保育などケース別の書き分け方
  • 未経験の職種の学習にAIを使ったとき、職務経歴書にどう書くか
  • 面接で「なぜ未経験の職種に?」と聞かれたときの答え方

無料テンプレート

未経験の職種に挑戦する人の職務経歴書、記入見本つきのテンプレートがあります

この記事の記入例と同じ形式で、Word・Excel・PDFの3形式。空欄のテンプレートと記入見本がセットになっています。

未経験の職種に応募する人の職務経歴書の記入例

まずは完成イメージです。化粧品専門店チェーンと化粧品メーカーで約6年、店頭販売・顧客づくり・店舗SNSの運用・新人教育を経験し、退職後に6か月間の職業訓練でWebマーケティングを学んだ28歳の人を想定しています。職務経歴のすぐ後ろに「志望職種に向けた学習・実践」の欄を設けているのが特徴です。画像をタップすると拡大できます。

未経験の職種に応募する人の職務経歴書の記入例(化粧品の店頭販売約6年からWebマーケティング職へ)
未経験の職種に応募する人の職務経歴書の記入例(A4・2枚)

この記入例と同じ形式のテンプレートを無料で用意しています。Word・Excel・PDFの3形式で、それぞれ空欄テンプレートと記入見本の2点セットです。

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データで見る:転職者は「仕事の内容」で職種を選んでいる

書き方の前に、転職する人が次の仕事をどう選んでいるのか、移る先の職種で何が違うのかを、公的なデータで確認しておきましょう。

転職者が今の勤め先を選んだ理由、最多は「仕事の内容・職種」

厚生労働省の「令和7(2025)年転職者実態調査の概況」では、転職した人に、今の勤め先を選んだ理由を3つまで聞いています。最も多かったのは「仕事の内容・職種に満足がいくから」の40.2%で、次いで「自分の技能・能力が活かせるから」が38.4%でした。

転職者が現在の勤め先を選んだ理由。仕事の内容・職種に満足がいくから40.2%、自分の技能・能力が活かせるから38.4%
転職者が現在の勤め先を選んだ理由(2025年調査)

出典:令和7(2025)年転職者実態調査の概況(厚生労働省) 表13-1

同じ調査では、自己都合で辞めた理由に「満足のいく仕事内容でなかったから」を挙げた人も24.7%いました。仕事の中身を変えたいという気持ちは、ごく一般的な転職の動機です。そして選ぶ側も「自分の力が活かせるか」を重視していることは、未経験の職種に応募する人にとって大きなヒントになります。

職務経歴書への落とし込み方

未経験の職種でも、「自分の技能・能力が活かせる」と言える根拠を書くことが出発点です。前職の仕事を職種名のまま並べるのではなく、志望職種の仕事に通じる行動に言い換えて書きましょう。

移る先の職種によって、求人の多さは10倍以上違う

厚生労働省の「一般職業紹介状況(令和8年8月分)」から、ハローワークの職業別の有効求人倍率(求職者1人あたりの求人の数)を見ます。職業計は1.06倍でしたが、介護サービスの職業は3.89倍、一般事務の職業は0.29倍と、職種によって大きな差があります。

職業別の有効求人倍率。介護サービスの職業3.89倍、一般事務の職業0.29倍、職業計1.06倍
職業別の有効求人倍率(2026年8月)

出典:一般職業紹介状況(令和8年8月分)(厚生労働省) 参考統計表

求人倍率が高い職種は人手が足りておらず、未経験者を受け入れて育てる求人も比較的見つけやすいと考えられます。反対に、一般事務のように求職者が多い職種では、未経験でも「なぜ自分を選ぶべきか」を書類ではっきり示す必要があります。同じ「未経験」でも、移る先の職種によって、職務経歴書で示すべきことの重さが変わります。

公的職業訓練を修了した人の就職率は、分野別に約7〜8割

未経験の職種を目指す人の学び方のひとつに、ハロートレーニング(公的職業訓練)があります。厚生労働省の「ハロートレーニング(公的職業訓練)の実施状況」によると、2024年度に離職者向けの公共職業訓練を受けた人は約9万人でした。民間の教育機関に委託して行う「委託訓練」の就職率は全体で72.8%、分野別では介護・医療・福祉が84.1%と最も高くなっています。

公共職業訓練(委託訓練)の分野別の就職率。介護・医療・福祉84.1%、医療事務77.9%、全体72.8%
公共職業訓練(離職者向け・委託訓練)の分野別の就職率(2024年度)

出典:ハロートレーニング(公的職業訓練)の実施状況(全体版)(厚生労働省) 中央職業能力開発促進協議会 参考資料6

IT(70.7%)やデザイン(69.4%)でも7割前後です。ただし、これは修了3か月後に就職していた人の割合で、学んだ分野の仕事に就いたかまでは示していません。訓練を受けたこと自体より、何を学び、何を作れるようになったかを示すことが大切だと考えられます。

職務経歴書への落とし込み方

職業訓練や講座は、名前と期間だけでなく、学んだ内容・作ったもの・その結果まで書きましょう。専用の欄を設けると、採用担当が一目で確認できます。

未経験の職種に応募する人の職務経歴書テンプレートを無料でダウンロード

採用担当が未経験の応募者で確認している3つのこと

未経験の職種に応募してきた人の書類を読むとき、採用担当が確かめたいことは、おおむね次の3つに集約されます。どの項目を書くときも、このどれかに答えているかを意識しましょう。

  1. なぜ、この職種なのか志望のきっかけが具体的で、前職の経験とつながっているか。「今の仕事が嫌だから」だけの転職ではないか。
  2. 前職の経験の何が活かせるのか職種が変わっても通じる力(顧客理解、数字での改善、調整、教育など)を、根拠となる事実とともに示せているか。
  3. そのために、何をしてきたのか資格・講座・職業訓練・個人での実践など、志望職種に向けた行動を、時期と結果まで具体的に書けているか。

3つのうちどれか1つが欠けると、ほかの2つがよく書けていても説得力が落ちます。職務要約・職務経歴・学習・自己PRの全体で、3つが1本の線でつながるように組み立てましょう。

項目別の書き方:OK例とNG例の違い

ここからは項目ごとに、NG例とOK例を並べて解説します。未経験の職種に応募する人の書類で特に差がつくのは、職務要約と、志望職種に向けた学習・実践の書き方です。

職務要約:経験・きっかけ・学び・志望を1本の線で

職務要約は、採用担当が最初に読む部分です。未経験の職種に応募する人は、前職の経歴を並べるだけでも、意欲だけを書いても足りません。「経験→きっかけ→学び→どう活かすか」の順に、1本の線でつながるように書きます。

× NG例

大学卒業後、約6年間、化粧品の販売職として勤務してまいりました。Webマーケティングは未経験ですが、新しいことに挑戦したいと考え、志望いたしました。一日も早く戦力となれるよう努力いたします。

ここが惜しい

  1. 前職の成果がなく、どんな力を持つ人なのかが伝わりません。
  2. 「新しいことに挑戦したい」だけでは、なぜWebマーケティングなのかがわかりません。
  3. 志望職種に向けて何をしてきたかが書かれていないため、意欲の裏付けがありません。

○ OK例

大学卒業後、化粧品専門店チェーンで3年、化粧品メーカーでビューティーアドバイザーとして3年、化粧品の店頭販売に携わってきました。店舗SNSの運用ではフォロワーを約4倍に増やし、来店予約につなげました。SNSで商品を調べてから来店するお客様が増えたことから、Webでお客様との接点をつくる仕事を志し、2026年4月から6か月間、職業訓練でWebマーケティングを学びました。接客で培った顧客理解と、数字を見て改善する姿勢を活かしたいと考えています。

ここが評価される

  1. 経験・きっかけ・学び・志望の順で書かれていて、なぜこの職種なのかが自然に伝わります。
  2. きっかけが「店頭でお客様の変化を見た」という前職の体験なので、思いつきではない転職だとわかります。
  3. SNS運用という志望職種に近い経験を、数字とともに要約に入れています。

「未経験ですが」と前置きする必要はありません。要約では、ない経験に触れるより、ある経験と準備してきたことを書くほうが効果的です。

職務経歴:志望職種に近い業務と成果を前に出す

職務経歴は、前職の仕事をすべて同じ重さで書くより、志望職種につながる業務を先に、具体的に書くのがコツです。販売職からマーケティング職を目指すなら、売上だけでなく、SNS運用や売場づくりなど、「お客様に伝える工夫」と「数字での改善」にあたる経験を前に出します。

× NG例

営業部 百貨店カウンター

化粧品のカウンセリング販売を担当。SNSの投稿や新人教育も行いました。

ここが惜しい

  1. SNS運用が「も行いました」の一言で、志望職種に最も近い経験が埋もれています。
  2. 量と成果がないため、どの程度の仕事を任されていたのか判断できません。

○ OK例

【担当】百貨店1店舗のカウンターで、スキンケア・メイク商品のカウンセリング販売、顧客管理、店舗SNSの運用、新人教育

【実績】2024年1月〜:店舗SNSの担当になり、投稿を「肌の悩み別の使い方」に変更。フォロワーは約1,200人から約4,800人(2025年12月)に、予約時に「SNSを見た」と答えたお客様は月平均約10件から約35件に増加

ここが評価される

  1. SNS運用の実績を、施策の中身と「前→後」の数字で書いているので、マーケティングの素地があることが伝わります。
  2. フォロワー数だけでなく来店予約という成果まで追っていて、数字を事業の成果に結びつけて考える人だとわかります。
  3. 売上(予算達成率108.0%)など販売職としての実績も別の行に残しているので、前職で信頼されていたことも伝わります。

志望職種に近い業務が見つからない場合も、「分析」「企画」「改善」「教育」にあたる行動を探しましょう。POPの作り直しも、小さな企画と改善の経験です。

志望職種に向けた学習・実践:学んだ内容・作ったもの・結果を書く

未経験の職種に応募する人の職務経歴書で、いちばん大切なのがこの欄です。職務経歴のすぐ後ろに「■志望職種に向けた学習・実践」という見出しを立て、職業訓練や講座、資格、個人での実践を書きます。下の画像の3つのポイントを押さえましょう。

職務経歴と、志望職種に向けた学習・実践の書き方のポイント
職務経歴と「志望職種に向けた学習・実践」の書き方のポイント

× NG例

■志望職種に向けた学習・実践

職業訓練でWebマーケティングを学びました。現在も独学で勉強を続けており、Webマーケティングの基礎知識は身についています。

ここが惜しい

  1. 期間も学んだ内容もわからず、どこまでできるのかを判断できません。
  2. 「基礎知識は身についています」は自己評価で、それを裏付ける事実がありません。
  3. 独学で何をしているのかが書かれていないため、続けている本気度が伝わりません。

○ OK例

【職業訓練】2026年4月〜9月 公共職業訓練(委託訓練)「Webマーケティング科」修了(6か月)

【学んだ内容】アクセス解析、SEO(検索エンジン対策)、Web広告の基礎、SNS運用の計画、HTML/CSSの基礎

【個人での実践】2026年5月にスキンケアの選び方を解説するブログを開設し、32本の記事を公開しました(2026年9月の閲覧数は月約1,500PV)。タイトルを見直した10本では、検索結果でのクリック率が平均1.5%から2.8%に上がりました。

ここが評価される

  1. 期間・修了の事実と、仕事の言葉で書いた学習内容から、入社後にどこから任せられるかを判断できます。
  2. 個人での実践を「本数・閲覧数・改善前後の数字」で書いているので、学んだことを実際に使える人だと伝わります。

訓練や講座の「修了」と「受講中」、資格の「合格」と「勉強中」は、はっきり区別して書きます。成果がまだない場合の書き方は、記事の最後の「よくある質問」で紹介します。

活かせる経験:職種名ではなく「行動」で言い換える

「活かせる経験・知識・スキル」の欄に、「販売経験」「接客スキル」と職種の名前のまま書く人は少なくありません。しかし、志望職種の採用担当には、それが自社の仕事でどう役立つのかが伝わりません。職種が変わっても持ち運べる力(ポータブルスキル)を、「何をする力か」という行動の言葉に言い換えて書きます。

× NG例

接客・販売スキル

コミュニケーション能力

SNSの知識

ここが惜しい

  1. どれも職種名や抽象的な言葉で、志望職種の仕事でどう役立つのかがわかりません。
  2. 根拠となる経験が書かれておらず、ほかの応募者との違いが見えません。

○ OK例

約6年のカウンセリング販売で培った、お客様の悩みを聞き取り、商品の価値を言葉にする力

SNS投稿の反応や売上の数字を見て、内容を変えて試す改善の経験(フォロワー約4倍)

化粧品の広告表現のルール(医薬品医療機器等法)に沿って、POP・SNSの文章を作成した経験

ここが評価される

  1. 「接客」を「悩みを聞き取り、価値を言葉にする力」と言い換えていて、顧客理解や文章づくりにつながることが伝わります。
  2. 「(フォロワー約4倍)」のように、職務経歴の実績と結びつけているので、根拠のある強みになっています。
  3. 化粧品の表現ルールの知識は、美容関連の企業のマーケティングでそのまま活かせる、この人ならではの強みです。

言い換えに迷ったら、前職で「よくやっていたこと」を「聞き取る」「比べる」「まとめる」「教える」のような動詞で書き出し、応募先の求人票の仕事内容と重なるものを選びましょう。

自己PR:前職のエピソードを志望職種の仕事に置き換えて示す

自己PRで「未経験ですが、やる気は誰にも負けません」と意欲だけを書くと、ほかの未経験の応募者との違いが出ません。採用担当が知りたいのは、前職で発揮した力が、志望職種の仕事でも再現できるかです。前職のエピソードを課題・工夫・結果の順で書き、最後に志望職種でどう活かすかを1文添えます。

× NG例

未経験の分野ですが、持ち前の明るさと向上心で、一日も早く仕事を覚えます。新しいことを学ぶのが好きなので、どんな仕事にも前向きに取り組みます。

ここが惜しい

  1. 「明るさ」「向上心」を裏付けるエピソードがなく、自己評価にとどまっています。
  2. 志望職種の仕事でどう役立つのかが書かれておらず、どの職種にも使える文章になっています。

○ OK例

「お客様の言葉」から、伝える内容を組み立てる力

店舗SNSの担当になった当初、新商品の紹介投稿は保存数が1投稿平均約20件でした。カウンターで多い相談(乾燥・毛穴など)をテーマに、悩み別の使い方を紹介する形に変えたところ、保存数は平均約90件に増え、フォロワーは約1,200人から約4,800人になりました。Webマーケティングでも、お客様の声から伝える内容を考えます。

ここが評価される

  1. 課題・工夫・結果の順に書かれていて、同じ考え方をWebマーケティングでも再現できる根拠になっています。
  2. 「お客様の声から考える」という強みが、店頭での経験からしか得られないもので、経験者にはない視点として伝わります。
  3. 最後の1文で、志望職種での活かし方まで示しています。
未経験の職種に応募する人の職務経歴書の記入見本つきテンプレート

ケース別:志望する職種による書き分け方

前の職種と志望する職種の組み合わせによって、採用担当が気にすることと書くべきことは少しずつ違います。どのケースでも共通するのは、「前職の経験の中から、志望職種に近い行動を探して、事実で書く」ことです。まずは全体像を表で確認し、自分に近いケースの解説を読んでください。

ケース採用担当が気にすること書くべきこと
営業・販売 → 企画・マーケティングお客様の声を、企画や施策に変えられるか顧客理解の深さと、数字を見て改善した経験、企画・分析の学習と実践
事務 → IT(エンジニア・社内SE)ITの基礎知識と、自分で学び続けられるか業務の効率化や仕組みづくりの経験、資格・学習の範囲と作ったもの
異業種への転職(業界が変わる)新しい業界の知識に追いつけるか職種として共通する経験の量と成果、業界について調べ・学んでいること
専門職(介護・保育など資格職)へ仕事の大変さを理解し、続けられるか資格の取得状況、実習や体験で得たこと、前職の対人経験

営業・販売から企画・マーケティングへ

営業や販売からの企画・マーケティング職への挑戦は、記入例の村上さんのケースです。採用担当は、お客様と直接向き合ってきた経験を企画や施策に変えられる人かを見ています。売上の実績だけでなく、お客様の反応をもとに何かを変えた経験を探しましょう。

職務経歴書に書きたいこと

  • お客様の声や反応から気づいたことと、それをもとに変えたこと(POP、提案方法、SNSなど)
  • 数字を見て改善した経験(前→後の数字)
  • 企画・分析・Webマーケティングなどの学習の内容と、個人での実践の結果

記入例

【実績】2022年度:スキンケア棚のPOPを「肌の悩み別」に作り直し、担当棚の売上が前年比112%に。店舗内の個人売上で年間1位(8名中)

ポイント

  1. POPの作り直しという小さな企画を、売上の数字で検証した経験として書いています。
  2. 販売の実績(個人売上1位)も同じ行に入れ、前職で成果を出してきたことも伝えています。

よくある落とし穴は、「営業で培った提案力」のように、職種名に近い言葉だけで強みを書くケースです。提案力は営業職なら誰でも書けるため、差がつきません。誰に、何を、どう変えて提案し、どうなったのかまで書いて、初めてマーケティングにつながる力として伝わります。

事務からIT(エンジニア・社内SE)へ

事務職からエンジニアや社内SEを目指す場合、採用担当が気にするのは、ITの基礎知識と、自分で調べて学び続けられるかです。ITの仕事は技術の変化が速いため、学んだ量より、学ぶ習慣と、作ったものを示すほうが伝わります。

職務経歴書に書きたいこと

  • Excelのマクロや業務システムの入れ替えなど、事務の中で仕組みを作った・改善した経験
  • 資格(ITパスポート、基本情報技術者など)や講座の範囲と、取得・修了の時期
  • 自分で作ったもの(業務の自動化、簡単なアプリなど)と、その目的・結果

記入例

【個人での実践】2026年3月から、Excelのマクロで月次の売上集計を自動化する仕組みを作成。部署内の作業時間を月約8時間から約1時間に短縮しました(前職での業務改善として実施)。

ポイント

  1. 作ったものの目的と結果が数字で書かれていて、「仕組みで仕事を楽にする」というIT職に通じる考え方が伝わります。
  2. 業務で実施したことを明記しているので、学習だけの経験と区別できます。

よくある落とし穴は、学んだ言語やツールの名前だけを並べるケースです。「SQLで、架空の売上データから月別・商品別の集計ができる(講座の課題で作成)」のように、できることと学んだ場面を書きましょう。

異業種への転職(業界が変わる)

職種は同じか近いまま、業界が変わるケースです。たとえば食品メーカーの営業事務から医療機器の営業事務へ、といった転職です。採用担当は、職種としての経験は評価しつつ、新しい業界の知識に追いつけるかを見ています。

職務経歴書に書きたいこと

  • 職種として共通する業務の量と成果(件数・金額・改善の数字)
  • 前の業界の特徴と、それが新しい業界でどう役立つか
  • 応募先の業界について、調べていること・学んでいること(業界の資格、展示会への参加など)

記入例

【活かせる経験】食品業界で身につけた、賞味期限と出荷日の管理を前提とした受発注の調整(月約600件)。医療機器でも、ロット・有効期限の管理を伴う受発注に活かせると考えています。

ポイント

  1. 前の業界の経験を、応募先の業界の業務の言葉に置き換えて書いています。
  2. 「活かせると考えています」と、推測であることを正直に書いているので、言い過ぎになっていません。

よくある落とし穴は、前の業界の専門用語や社内用語をそのまま使うケースです。読み手は別の業界の人だと考え、一般的な言葉に言い換えましょう。

専門職(介護・保育などの資格職)へ

介護や保育など、資格や研修が関わる専門職への転職です。介護の仕事は無資格・未経験から始められる求人もありますが、保育士として働くには国家資格の保育士資格が必要です。採用担当は資格の状況に加えて、仕事の大変さを理解したうえで、続けられる人かを見ています。

職務経歴書に書きたいこと

  • 資格・研修の取得状況(取得年月、受講中・受験予定の別)
  • 実習・ボランティア・職場体験などで、現場に触れた経験と、そこで感じたこと
  • 前職の対人経験(高齢のお客様への対応、子どもと関わる仕事など)

記入例

【志望職種に向けた学習・実践】2026年7月に介護職員初任者研修を修了しました。8月からは週1回、デイサービスのボランティアで、レクリエーションの補助と配膳を担当しています。前職の窓口業務で、高齢のお客様に手続きを説明してきた経験を、利用者さんとのやりとりに活かしたいと考えています。

ポイント

  1. 研修の修了と、ボランティアで現場に関わっていることを分けて書いていて、現場を知ったうえでの志望だと伝わります。
  2. 前職の対人経験を、介護の仕事の場面に置き換えて示しています。

よくある落とし穴は、「人の役に立ちたい」「子どもが好き」という思いだけで志望の理由を終えるケースです。思いは大切ですが、それだけでは仕事の大変さを理解しているかが伝わりません。実習や体験で知った現場の様子と、そのうえで続けたいと考えた理由を書きましょう。

あわせて読みたい:店長・販売職の職務経歴書の書き方

未経験の職種への挑戦とAI:学習の加速をどう書くか

新しい職種の勉強に、生成AIを使う人は増えています。総務省の「令和8年版 情報通信白書」によると、仕事や日常生活で生成AIを使っている(過去に使ったことがある)日本の個人は58.8%でした。用語の解説や練習問題づくりなど、AIは独学の心強い道具になります。

ただし、応募先がAIをどこまで使っているか、応募者にどこまで求めるかは、会社の規模・業界・社内ルールによって大きく違います。IPA(情報処理推進機構)の「DX動向2026」では、AIを導入している企業は従業員1,001人以上で8割近くにのぼる一方、101人以下では16.6%でした。AIを使った経験がないからといって、未経験の職種への応募で不利になると考える必要はありません。求人票に「生成AI」「AIツール」などの記載があるかを確認し、書く量を決めましょう。

「学習で使った」と「業務で使った」を分けて書く

未経験の職種に応募する人が気をつけたいのは、AIを使った場面の書き分けです。講座や独学の中でAIを使ったことと、仕事の中でAIを使って成果を出したことは、採用担当にとって意味が違います。どちらなのかがわかるように書きましょう。

× NG例

生成AIを活用したWebマーケティングが得意です。AIで記事作成や広告運用を効率化できます。

ここが惜しい

  1. 「得意」「効率化できる」は根拠のない自己評価で、実際に何をしたのかがわかりません。
  2. 仕事で使った経験がないのに「広告運用を効率化できる」と書くと、面接で具体的な場面を聞かれたときに答えられません。

○ OK例

生成AI:訓練の課題とブログで、記事構成の見直しと広告文の案出しに使用(学習での利用)。表現が化粧品のルールに沿っているかは自分で確認

ここが評価される

  1. 「学習での利用」と明記しているので、業務経験と誤解されることがありません。
  2. 何に使ったかが具体的で、入社後にどの程度の作業を任せられるかがわかります。
  3. AIの出力を自分の知識で確認していることが書かれていて、仕事の姿勢も伝わります。

AIを使って作ったものは、自分で考えた部分とAIに任せた部分を説明できるようにしておきましょう。記入例の村上さんは、記事の本文は自分で書き、AIは構成の見直しと案出しに使っています。

志望職種でAIがどう使われているかを調べておく

職務経歴書を書く前に、志望する職種の仕事でAIがどう使われているかを調べておくと、書く内容と面接での話に厚みが出ます。同じ「DX動向2026」では、AIの用途として「文書・音声の要約、翻訳、校正」が82.5%、「文書・レポート作成」が80.5%、「情報検索・収集・分析」が77.0%と多く挙がっています。調べ方の例は次のとおりです。

  • 応募先や同業の会社の求人票で、「生成AI」「AIツール」などの記載と、使う業務を確認する
  • 応募先の会社のサイトや採用ページで、AIやデジタルツールの活用についての発信を読む
  • 職業訓練や講座の講師、その職種で働く知人に、現場での使い方を聞く

パーソルキャリアの調査では、AIツールを導入している従業員501人以上の企業の人事・採用担当者の75.1%が「求める人物像が変わった」と答えています。AI導入済みの大企業に限った調査ですが、こうした会社では、AIの使い方を調べていることが志望度の高さとして伝わると考えられます。

使うときの注意点と、使っていない人が書けること

学習でAIを使うときも、前の勤め先の顧客情報や社内の資料、自分や知人の個人情報は入力しないことが大前提です。練習には架空のデータを使いましょう。また、AIの説明は正しいとは限りません。資格の勉強なら公式のテキストや試験の要項で、法律やルールなら公的機関の情報で、必ず確かめる習慣をつけておきます。

AIを使っていない人は、無理に書く必要はありません。採用担当が未経験の応募者に期待しているのは、AIの経験そのものより、新しいことを自分で学び、実際に試してきた経験だと考えられます。職業訓練の課題や個人での実践を具体的に書けていれば、それが学ぶ力の何よりの証拠になります。

面接で「なぜ未経験の職種に?」と聞かれたときの答え方

面接では必ずといってよいほど、未経験の職種を選んだ理由を聞かれます。答えの基本は、職務経歴書の職務要約に書いた「経験→きっかけ→学び→どう活かすか」を、自分の言葉で1分ほどで話すことです。書類と話の内容がずれると、志望の本気度を疑われてしまいます。よくある4つの質問で考えてみましょう。

「なぜ、未経験のWebマーケティングを志望したのですか」

前職での具体的な体験をきっかけとして話し、学んだことと、前職の経験の活かし方につなげます。
例:「SNSで商品を調べてから来店されるお客様が年々増えていました。店舗SNSを担当して予約につながったことで、Webでお客様との接点をつくる仕事を本格的にしたいと考え、職業訓練で6か月学びました。接客で知ったお客様の悩みを、Webで伝える仕事に活かしたいです」

「販売の仕事が合わなかったから、転職するのではありませんか」

前の仕事を否定せず、そこで得たものを伝えたうえで、次に進む理由を話します。
例:「販売の仕事にはやりがいを感じ、予算の達成や新人教育も任されました。ただ、店頭でお会いできるお客様には限りがあります。カウンターで得たお客様の声を、Webでより多くの方に届けたいと考えました」

「経験者と比べて、あなたを採用するメリットは何ですか」

経験者と同じ土俵で競うのではなく、前職の経験から得た、自分ならではの視点を話します。
例:「約6年、お客様の肌の悩みを直接聞いてきました。どんな言葉で悩みを話し、何を決め手に買うのかを知っていることは、美容関連の商品を扱う御社で、伝える内容を考えるときに活かせると考えています」

「一から覚えることも多いですが、大丈夫ですか」

意気込みだけでなく、これまで実際に学んできた事実を根拠として示します。
例:「退職後の6か月間、職業訓練に毎日通って修了し、訓練中にITパスポート試験にも合格しました。学んだSEOはブログで試し、タイトルを見直した記事でクリック率を上げられました。入社後も、わからないことは自分で調べ、試して確かめながら覚えていきます」

あわせて読みたい:第二新卒・経験が浅い人の職務経歴書の書き方

提出前のチェックリスト

書き終えたら、提出前に次の項目を確認しましょう。

  • 職務要約で、前職の経験・志望のきっかけ・学び・活かし方が1本の線でつながっている
  • 職務経歴で、志望職種に近い業務と成果を「前→後」の数字で前に出している
  • 「志望職種に向けた学習・実践」の欄に、期間・学んだ内容・作ったものと結果を書いている
  • 訓練・講座の「修了」と「受講中」、資格の「合格」と「勉強中」を区別している
  • 活かせる経験を、職種名ではなく行動の言葉で書き、職務経歴の実績と結びつけている
  • AIは「学習で使った」のか「業務で使った」のかを分けて書き、できることを盛っていない
  • 面接で話す志望の理由が、職務要約・自己PRの内容と一致している

よくある質問

「未経験歓迎」と書かれていない求人にも応募してよいですか?

応募して構いません。「経験者優遇」とあっても、必須の条件が書かれていなければ、未経験者が選考の対象外とは限りません。ただし「実務経験3年以上」などが必須条件として書かれている場合は、条件を満たしてから応募するほうが現実的です。求人票の「必須」と「歓迎」の違いを確認しましょう。

学び始めたばかりで、成果と呼べるものがありません。どう書けばよいですか?

学んでいる内容・期間・進み具合を、事実のまま書けば十分です。「2026年11月から〇〇講座を受講中(全12回のうち4回まで終了)」のように書き、学習のために続けていること(毎日の学習時間、作っている課題など)を添えましょう。小さくても、作ったものがあれば1つ書いておくと説得力が増します。

仕事を辞めてから学ぶのと、在職中に学ぶのは、どちらがよいですか?

どちらにも利点があります。在職中なら収入が途切れず、離職期間もできません。辞めてから学ぶ場合は学習に集中でき、離職者向けの公的職業訓練を使えることもあります。生活の見通しを考えて選び、離職期間ができたら、その間に学んだことを職務経歴書に具体的に書きましょう。

志望動機は、職務経歴書にも書くべきですか?

未経験の職種に応募する場合は、職務要約の中で志望のきっかけに1〜2文触れておくのがおすすめです。採用担当が「なぜこの職種なのか」を先に理解でき、学習や自己PRが読みやすくなります。履歴書の志望動機欄と内容が食い違わないようにしましょう。

AIで学習したことは、職務経歴書に書いても大丈夫ですか?

書いて構いません。「訓練の課題で、記事構成の見直しに使用(学習での利用)」のように、学習で使ったのか仕事で使ったのかを分けて、使った場面と範囲を書きましょう。どこまで書くかは、求人票の記載に合わせて調整します。

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Author

佐藤 大貴

レジュメラボ編集責任者/アースダイバー代表

佐藤 大貴

人材紹介の会社で、キャリア系メディアの編集長をしていました。転職やキャリアをテーマにした記事づくりに長く関わり、2019年にアースダイバー株式会社を立ち上げました。編集長時代、たくさんの求職者の方やキャ…

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