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生産管理の職務経歴書の書き方|採用担当に伝わる記入例と無料テンプレート

生産管理の職務経歴書の書き方|採用担当に伝わる記入例と無料テンプレート

生産管理の職務経歴書で評価されるのは、「どんな工場で、何を管理し、何がどう良くなったか」が数字で伝わるかどうかです。「生産計画の立案、資材の手配、在庫管理を担当」と業務を並べただけでは、採用担当には仕事の規模も、あなたの判断がどこで効いたのかもわかりません。

生産管理は、会社や工場によって担当範囲が大きく違う仕事です。同じ「生産管理」でも、計画だけを立てる人もいれば、購買や出荷まで受け持つ人もいます。だからこそ、生産形態・工場の規模・担当範囲をはっきり書くことが、書類選考の出発点になります。

この記事では、電機メーカーで組立ラインを経験したあと、見込み生産品の生産計画・在庫管理と、受注生産品の工程管理を担当してきた人の記入例をもとに、項目ごとの書き方と、なぜそう書くと評価されるのかを解説します。業界・生産形態別の書き分け方も紹介します。

この記事でわかること

  • 生産管理の職務経歴書の完成イメージ(記入例)
  • 公的データから見た、生産管理の求人動向と仕事の中身
  • 項目別の書き方と、OK例・NG例の違いの理由
  • 業界・生産形態別の書き分け方と記入例
  • 2026年のAI・データ活用を職務経歴書にどう書くか(書かなくてよい場合も)

無料テンプレート

生産管理の職務経歴書、記入見本つきのテンプレートがあります

この記事の記入例と同じ形式で、Word・Excel・PDFの3形式。空欄のテンプレートと記入見本がセットになっています。

生産管理の職務経歴書の記入例

まずは完成イメージです。産業用制御機器メーカーで約11年半、組立ラインの現場と生産管理を経験してきた人を想定しています。画像をタップすると拡大できます。

生産管理の職務経歴書の記入例(電機メーカー・12年目)
生産管理の職務経歴書の記入例(A4・2枚)

この記入例と同じ形式のテンプレートを無料で用意しています。Word・Excel・PDFの3形式で、それぞれ空欄テンプレートと記入見本の2点セットです。

データで見る:生産管理の転職で、職務経歴書が大切な理由

書き方の前に、生産管理の求人動向と、実際の仕事の中身を公的なデータで確認しておきましょう。職務経歴書で何を強調すべきかが見えてきます。

生産管理を含む「生産関連事務」の求人倍率は1.47倍

厚生労働省がハローワークの求人・求職をまとめた統計(一般職業紹介状況)では、2026年8月の「生産関連事務」の有効求人倍率は1.47倍でした(常用・パートを除く)。事務の職業全体の0.37倍と比べると、約4倍の水準です。職業計の1.17倍も上回っています。

生産関連事務と主な職業の有効求人倍率(厚生労働省 一般職業紹介状況 2026年8月)
職業別の有効求人倍率(2026年8月・常用、パートを除く)

出典:厚生労働省「一般職業紹介状況(令和8年8月分)について」参考統計表(2026年10月2日公表)

「生産関連事務」は、生産・工程管理の事務のほか、資材や製品の出荷・受荷の事務も含む区分です。また、ハローワーク経由の求人だけを集計しています。会社によっては生産管理を技術職として募集することもあるため、この数字がそのまま生産管理の転職市場を表すわけではありません。

それでも、一般事務が0.29倍と求職者に対して求人が少ないのに比べ、生産の現場に近い事務は人手を求められていることが読み取れます。事務職からの転職を考える人にとっても、製造業の業務を理解しているかが分かれ目になると考えられます。

仕事の中心は「生産状況の管理」と「製造部門との調整」

厚生労働省の職業情報提供サイト(job tag)では、職業ごとに実際の就業者へ調査し、仕事の内容とその実施率を公開しています。下のグラフは「生産・工程管理事務」の結果です。

生産・工程管理事務の仕事内容ごとの実施率(厚生労働省 job tag)
生産・工程管理事務の仕事内容と実施率

出典:厚生労働省 職業情報提供サイト(job tag)「生産・工程管理事務」(2026年10月閲覧)

最も多いのは「生産状況を管理する」(89.8%)で、「社内の製造部門と各種調整をする」(88.1%)が続きます。計画を立てるだけでなく、現場と調整しながら計画どおりに進めることが仕事の中心だとわかります。品質・納期変更などイレギュラーへの対応(86.4%)も、9割近い人が担っています。

一方で、原価管理(72.9%)や仕入れ品の価格交渉(64.4%)は、担当する人とそうでない人に分かれます。ここが会社による担当範囲の違いが出やすい部分です。

職務経歴書への落とし込み方

調整や進捗管理は、どの生産管理経験者も書く業務です。差がつくのは「どの部門と、何を調整し、納期や在庫がどう変わったか」まで書けているかどうかです。原価管理や購買交渉を担当していた人は、それだけで担当範囲の広さを示せるので、忘れずに書きましょう。

人材が足りないものづくり企業の約7割が「中途採用の強化」

製造業の就業者数は、2023年の1,055万人から2025年は1,033万人に減っています(2026年版ものづくり白書)。労働政策研究・研修機構(JILPT)が2026年5月に公表したものづくり企業への調査では、ものづくり人材が「不足」「やや不足」と答えた企業が71.2%にのぼりました。

ものづくり人材が不足する企業の人手不足への対応方法(JILPT 2026年)
人手不足への対応方法(ものづくり人材が不足している企業)

出典:労働政策研究・研修機構(JILPT)「ものづくり産業における人材確保・定着と技能継承に関する調査」(2026年5月27日公表)図表3-10

人材が不足している企業に対応方法を聞くと、最も多いのは「中途採用の強化」で69.0%でした。新卒採用の強化(38.1%)を大きく上回り、経験者を外から迎えたい企業が多いことがわかります。

この調査の「ものづくり人材」は技能者・技術者の総称で、生産管理職だけの数字ではありません。ただ、中途採用では入社後すぐに任せられるかが見られます。生産管理でも、自社の生産形態や規模に近い経験があるかが重視されると考えられます。

職務経歴書への落とし込み方

職務経歴の冒頭に、扱った製品と生産形態(受注生産・見込み生産、多品種少量など)、機種数、月産台数やライン数を書きましょう。採用担当は、自社の工場と比べて「どのくらい近い経験か」を最初に判断します。

生産管理の職務経歴書テンプレートを無料でダウンロード

採用担当が生産管理の職務経歴書で見ている3つのこと

ここまでのデータと、採用の現場でよく見られる傾向を踏まえると、生産管理の採用担当は次の3つを確認しています。どの項目を書くときも、このどれかが伝わるかを意識しましょう。

  1. 自社の工場との近さ扱った製品、生産形態(受注・見込み、多品種少量・少品種大量)、工場の規模とライン数が、応募先とどれだけ近いか。
  2. 担当範囲と成果生産計画・工程管理・資材調達・在庫管理・原価管理のうち、どこを担当し、納期遵守率や在庫、リードタイムをどう変えたか。
  3. 部門をつなぐ力営業・設計・購買・製造などの関係部署と、どう調整して計画を守ってきたか。使ってきた生産管理システムも含めて判断される。

項目別の書き方:OK例とNG例の違い

ここからは項目ごとに、NG例とOK例を並べて解説します。生産管理は、書き方次第で「指示を回していた人」にも「工場を動かせる人」にも見えます。

職務要約:製品・生産形態・担当範囲・一番の成果を3〜5行で

職務要約は、採用担当が最初に読む部分です。製品・生産形態・担当範囲・成果の数字を入れて、どんな工場で何を任されてきたかを短く伝えます。

× NG例

大学卒業後、株式会社サンプル電機に入社し、製造部を経て生産管理部で生産計画、資材手配、在庫管理、工程管理などを担当してまいりました。関係部署と連携し、円滑な生産に貢献してきました。

ここが惜しい

  1. 何を作る工場なのか、受注生産か見込み生産かがわかりません。採用担当は自社の工場と近い経験かを判断できません。
  2. 業務を並べているだけで、それぞれの規模(機種数・月産台数など)が書かれていません。
  3. 「円滑な生産に貢献」では、何がどれだけ良くなったのかが伝わりません。

○ OK例

大学(工学部)卒業後、2015年4月に株式会社サンプル電機に入社し、約11年半、産業用制御機器の製造と生産管理に従事してまいりました。組立ラインで3年間現場を経験したのち、見込み生産品(汎用インバータ約300機種)の生産計画・在庫管理を4年間担当。現在は係長として受注生産品(制御盤、月約150面)の工程管理と部門間調整を担い、納期遵守率を88%から97%に高めました。

ここが評価される

  1. 「見込み生産品(約300機種)」「受注生産品(月約150面)」で、2つの生産形態の経験と規模が一度に伝わります。
  2. 組立ラインの現場経験を最初に書くことで、現場を知る生産管理担当だとわかります。
  3. 納期遵守率の変化を添えているので、成果の大きさが客観的に伝わります。

職務経歴:生産形態と規模を書き、実績は「前 → 後」で示す

職務経歴は、生産管理の職務経歴書でいちばん重要な項目です。下の画像の3つのポイントを押さえると、同じ経験でも伝わり方が大きく変わります。

生産管理の職務経歴の書き方のポイント(注釈付き)
職務経歴の書き方のポイント

特に差がつくのが、担当と実績の書き方です。

× NG例

【担当】生産計画の立案、部品の発注、在庫管理
【実績】在庫削減に取り組み、欠品の減少に貢献

ここが惜しい

  1. 対象の製品、機種数、月産台数がなく、仕事の規模がわかりません。
  2. 「在庫削減に取り組み」は努力の説明にとどまっています。いくらからいくらに減ったのかがないと、成果として評価できません。
  3. 在庫と欠品は、一方を減らすともう一方が増えやすい関係です。両方の数字がないと、バランスをとれたのかが判断できません。

○ OK例

【生産形態】見込み生産・多品種少量(約300機種、6ラインで月産 約12,000台)

【実績】

完成品在庫:4.8億円(2018年4月)→ 3.6億円(2022年3月)、25%削減

受注に対する出荷遅れ:月平均12件 → 3件(2021年度)

ここが評価される

  1. 機種数・ライン数・月産台数で、工場の規模と管理の難しさが伝わります。
  2. 在庫金額を「前 → 後」で示し、削減率も添えているので、成果の大きさがすぐにわかります。
  3. 在庫を減らしながら出荷遅れも減らしたことで、在庫と欠品のバランスをとれる人だと伝わります。

成果の「理由」を一文添える

「全機種のABC分析で安全在庫と生産ロットを見直し」のように、数字が良くなった理由を書くと再現性が伝わります。会議体の新設や、システムで進捗を見える化した工夫も、立派な取り組みです。

活かせる経験・知識・スキル:生産形態と、調整の相手を具体的に

生産管理では、どの生産形態で、どの範囲を担当したかが応募先との近さを判断する大きな材料になります。見込み生産の需給調整と、受注生産の日程管理では、求められる力が違うためです。

× NG例

・生産管理の経験10年以上
・関係部署との調整力
・Excelが使えます

ここが惜しい

  1. 「調整力」は、どの生産管理経験者も書ける表現です。誰と何を調整してきたのかが伝わりません。
  2. Excelは、PC・システムスキルの欄で用途まで書けば十分です。ここでは応募先の仕事に直結することを書きます。

○ OK例

・見込み生産(多品種少量)と受注生産(個別仕様)の両方での生産計画・工程管理
・安全在庫・生産ロットの見直しによる在庫削減(完成品在庫を4年間で25%削減)
・営業・設計・資材・製造をつなぐ納期調整と、課員4名のマネジメント

ここが評価される

  1. 2つの生産形態を経験していることが一目でわかり、応募先の工場がどちらでも接点を示せます。
  2. 調整の相手(営業・設計・資材・製造)を書くことで、どの範囲をつないできたかが具体的に伝わります。

PC・システムスキルと資格:生産管理システムは「どの機能を、どう使ったか」

生産管理システムやERP(販売・購買・在庫・会計などをまとめて管理する基幹システム)は、会社ごとに製品が違います。製品名だけでなく、計画・所要量計算・実績入力など使った機能と使用年数を書くと、応募先のシステムが別の製品でも経験の深さが伝わります。導入や更新のプロジェクトに関わった人は、その役割も書きましょう。

Excelは「ピボットテーブルを使った需給・在庫分析」「マクロでの生産計画表の自動作成」のように用途まで書きます。資格は、ビジネス・キャリア検定試験の生産管理分野や、原価管理に役立つ日商簿記など、業務に関係するものを取得年月とあわせて書きます。工場で必要になるフォークリフトなどの技能講習も、修了していれば書いておきましょう。

自己PR:「数字を動かした話」と「部門をつないだ話」が強い

生産管理の自己PRは、在庫や納期の数字を動かしたエピソードか、立場の違う部門をまとめたエピソードが効果的です。どちらも「強み → エピソード → 結果の数字」の順に書きます。

× NG例

私の強みは責任感です。急な仕様変更や設備トラブルがあっても、最後まであきらめずに対応し、納期に間に合わせてきました。

ここが惜しい

  1. あきらめずに対応したことは伝わりますが、具体的に何をしたのかがわかりません。
  2. 毎回の対応で乗り切る話は、仕組みで防げていないとも読めてしまいます。トラブルを減らした工夫まで書くと評価が上がります。

○ OK例

需要と現場の両方を見て、在庫と納期のバランスをとる力
汎用インバータの担当時は、欠品を恐れて在庫を積み増す運用が続いていました。機種ごとに販売実績を分析し、売れ筋は安全在庫を厚く、動きの少ない機種は在庫を絞って生産ロットを小さくしました。完成品在庫を1.2億円減らしながら、出荷遅れも月平均12件から3件に減らせました。

ここが評価される

  1. 「在庫を積み増す運用」という課題が具体的で、何を変えたのかがよくわかります。
  2. 機種ごとに方針を分けた判断に、生産管理としての考え方が表れています。
  3. 在庫と出荷遅れの両方の結果があるので、面接でも話を広げやすくなります。
記入見本つきの生産管理テンプレートを見る

業界・生産形態別:職務経歴書の書き分け方

同じ生産管理でも、業界や生産形態によって採用担当が見るポイントと、強調すべき数字は大きく変わります。まずは全体像を表で確認し、そのあと自分に近いタイプの解説を読んでください。

業界・タイプ採用担当が見るポイント強調したい数字
電機・機械の組立多くの部品と工程をつなぎ、納期を守る力納期遵守率、リードタイム、部品点数、欠品件数
化学・素材などプロセス型設備の稼働を高め、ロスを減らす計画力設備稼働率、切り替え回数・ロス、在庫日数
食品需要の変動と賞味期限に合わせる需給調整力欠品率、廃棄ロス、在庫日数、計画変更の回数
製造現場から生産管理へ現場を知っていることと、数字で考える力ライン人数・生産量、改善による時間短縮、現場での役割

電機・機械の組立

電機や機械の組立工場では、数千点の部品をそろえ、多くの工程を予定どおりに進める力が見られます。部品点数や工程数で管理の複雑さを示し、納期の数字で成果を書くのがポイントです。

職務経歴書に書きたいこと

  • 製品の種類と生産形態(受注生産・見込み生産、個別仕様の有無)
  • 機種数、部品点数、月産台数、ライン数
  • 納期遵守率、製造リードタイム、欠品件数の変化
  • 設計変更や部品の供給遅れへの対応

記入例

【担当】受注生産の制御盤(個別仕様、月約150面)の工程管理・日程計画、営業・設計・資材・製造との納期調整(課員4名を統括)
【実績】納期遵守率:88%(2022年度)→ 97%(2025年度)。製造リードタイム(設計完了〜出荷):平均25日 → 18日(28%短縮)

ポイント

  1. 「個別仕様」「月約150面」で、受注生産ならではの管理の難しさが伝わります。
  2. リードタイムの区間(設計完了〜出荷)を書いているので、数字の意味を正しく読み取ってもらえます。

よくある落とし穴

社内の工程名や部品コードをそのまま書いてしまうケースです。業界外の採用担当にも伝わるよう、「板金」「配線」「最終試験」のような一般的な言葉に言い換えましょう。

化学・素材などプロセス型

化学品・樹脂・金属素材など、原料を設備で連続的に加工するプロセス型の工場では、設備をどれだけ効率よく動かせたかが見られます。品種を切り替えるたびに洗浄や調整のロスが出るため、生産の順番の組み方が腕の見せどころです。

職務経歴書に書きたいこと

  • 製品と設備の種類(反応釜・押出機・炉など)、生産の方式(連続・バッチ)
  • 担当した設備やラインの数、月間の生産量
  • 設備稼働率、品種切り替えの回数とロス、在庫日数の変化
  • 定期修理や原料の調達遅れに合わせた計画の組み替え

記入例

【担当】樹脂コンパウンドの押出ライン4本の生産計画(約120品種、月産 約1,800トン)
【実績】色の薄い順に生産する順番のルールを見直し、品種切り替えを月96回から70回に削減。切り替えロスを年間約40トン減らし、設備稼働率を78%から85%に向上

ポイント

  1. 生産量をトンで書くことで、プロセス型の工場の規模感がそのまま伝わります。
  2. 切り替え回数とロスの量の両方があるので、計画の工夫が成果にどう結びついたかがわかります。

よくある落とし穴

設備の条件設定や配合など、製造技術の話が中心になってしまうケースです。生産管理として応募するなら、計画・在庫・稼働率の話を主役にし、技術の知識は「活かせる経験」で補足しましょう。

食品

食品工場では、季節やキャンペーンで大きく動く需要と、賞味期限という時間の制約の中で計画を立てる力が見られます。欠品と廃棄の両方をどれだけ減らせたかが、評価の中心になります。

職務経歴書に書きたいこと

  • 製品の種類(日配品・冷凍食品・菓子など)と賞味期限の長さ
  • 品目数、ライン数、日産・月産の量
  • 欠品率、廃棄ロス、在庫日数の変化
  • 特売・新商品の発売に合わせた計画の組み方

記入例

【担当】冷凍食品(約80品目)の週次生産計画と原料・包材の手配
【実績】営業と特売情報を週1回共有する仕組みをつくり、欠品率を1.8%から0.6%に低減。賞味期限切れによる廃棄を年間約1,200万円から約500万円に削減

ポイント

  1. 欠品率と廃棄額の両方を書いているので、需要に合わせて「ちょうどよく」つくれる人だと伝わります。
  2. 営業と情報を共有した工夫が書かれていて、成果の理由がわかります。

よくある落とし穴

取引先の小売チェーン名や、特売の条件を具体的に書いてしまうケースです。「首都圏の量販店向け」のように、取引先が特定されない書き方にしましょう。

製造現場から生産管理へ

製造オペレーターや班長などの現場経験から生産管理を目指す場合は、現場の実情を知っていることがそのまま強みになります。そのうえで、数字で考えて段取りを組める人だと伝えることが大切です。

職務経歴書に書きたいこと

  • 担当した製品と工程、ラインの人数と生産量
  • 班長・リーダーとしての役割(人員配置、日々の生産数の管理など)
  • 段取り替えや作業手順の改善と、その結果の数字
  • 生産管理部門とのやりとりの経験(計画の変更への対応、実績の報告など)

記入例

【担当】汎用インバータの組立・検査(2017年度より班長補佐)
【ライン】組立ライン1本(作業者12名)、1日約100台
【取り組み】作業標準書を整備し、機種の切り替えを平均40分から25分に短縮

ポイント

  1. ラインの人数と生産量で、どの規模の現場を見てきたかが伝わります。
  2. 切り替え時間の短縮は、生産計画の組みやすさに直結する改善です。生産管理への関心と適性を示せます。

よくある落とし穴

「現場で頑張ってきた」という作業の話だけで終わってしまうケースです。生産数の管理や人員配置など、計画や段取りに関わった場面を選んで書くと、生産管理の仕事とのつながりが伝わります。

あわせて読みたい:品質管理・品質保証の職務経歴書の書き方

2026年の生産管理とAI:職務経歴書にどう書くか

ChatGPTやMicrosoft Copilotなどの生成AIや、需要予測・生産スケジューリングのツールは、製造業にも広がり始めています。ただし、AIをどこまで使うか、どこまで求めるかは、応募先の規模・業界・社内ルールによって大きく違います。

IPAの「DX動向2026」では、AIを導入している企業は従業員1,001人以上で8割近くでしたが、101人以下では16.6%にとどまりました。AIを使った経験がないからといって、それだけで不利になるわけではありません。目安は求人票です。「生成AI」「AI」「DX」「IoT」などの記載があれば具体的に書き、記載がなければ1〜2行で触れる程度で十分です。

生産管理で現実的なAI・デジタルの使い方

生産管理でAIやデジタル技術が役立つのは、計画の「たたき台」づくりや、データの整理の部分です。2026年時点では、次のような使い方が現実的です。

  • 需要予測・生産計画の補助:販売実績から需要予測ツールが出した数字をもとに、計画担当者が補正して計画を決める
  • 生産データの分析:稼働率・リードタイム・在庫の推移を集計し、悪化している工程や品目を洗い出す
  • 手順書・報告書の下書き:作業手順書、生産会議の資料、改善報告の構成や文章のたたき台をつくる
  • IoT・見える化への関与:設備の稼働データや工程の進捗を自動で集め、画面で共有する仕組みの導入・運用に参加する
  • 問い合わせ対応の準備:納期回答のメール文面や、計画変更の連絡文を整える

ものづくり企業を対象にしたJILPTの調査では、技能継承のためにデジタル技術を使っている企業のうち、AIを活用しているのは35.1%でした。一方で、課題として「デジタル技術を活用できる人材の不足」を挙げた企業が64.2%ありました。ツールを現場で使える形にする人は、多くの工場で求められていると考えられます。

書き方:「何の業務で・どう使い・何が変わったか」

「AIを使った」とだけ書いても、どの程度使えるのかは伝わりません。業務・使い方・変化の3つをセットで書きます。

× NG例

生産管理業務の効率化のため、AIやIoTを積極的に活用しました。

ここが惜しい

  1. 何の業務に、どのツールを使ったのかがわからず、使いこなせているのか判断できません。
  2. 「積極的に」は本人の感想です。時間や納期がどれだけ変わったのかが書かれていません。

○ OK例

【取り組み】2025年より、社内で認められた生成AIで会議資料・手順書の下書きを作成(内容は自分で確認)。資料作成を週約3時間から約1時間に短縮。

ここが評価される

  1. 「会議資料・手順書の下書き」と、使った業務が具体的です。
  2. 「社内で認められた」「自分で確認」の一言で、ルールを守り、出力をうのみにしない人だと伝わります。
  3. 時間の変化を数字で書いているので、効果の大きさが客観的にわかります。

記入例では、同じ欄に生産管理システムの更新でバーコードによる実績入力を導入した経験も書いています。AIでなくても、データを集めて見える化した経験は、DXを進めたい企業で評価されやすい内容です。

書くときの注意点

  • 生産計画、原価、取引先との価格、図面などの機密情報は、社外の生成AIに入力しない。職務経歴書には「社内ルールに沿って」「社内で認められたツールで」と添える
  • AIや予測ツールが出した数字は、自分で確認・補正したことを書く。最終的に計画を決めたのは自分だと伝わるようにする
  • 盛らない。ツールの導入を見ていただけなら「推進」とは書かず、自分の役割(要件の整理、現場への説明など)に絞って書く

AIを使っていない・禁止の職場だった人は

情報漏えいを防ぐために、生成AIの利用を禁止・制限している会社もあります。前述のとおり、規模の小さい企業ではAI自体を導入していないことも多く、使っていないことを気にする必要はありません。

代わりに書けるのは、AIを使うときにも土台になる力です。たとえば「Excelで販売実績を集計し、機種ごとの安全在庫を見直した」「生産管理システムのマスタ(品目や工程の基本データ)を整備した」といった、データを正しく扱い、仕組みを改善した経験です。新しいシステムの導入に対応した経験も、変化に適応できる根拠になります。

実績の数字が書けないときの対処法

生産管理は、成果がチームや工場全体の数字として表れることが多く、個人の実績を書きにくい仕事です。それでも、見る角度を変えれば書ける数字は必ずあります。

納期遵守率などの指標を集計していなかった

指標がなくても、仕事の量は書けます。「月約150件の手配」「週次で約300品目の計画を作成」のように、扱った件数や品目数で規模を示しましょう。そのうえで、改善の前後で変わったこと(残業時間、確認にかかる時間など)を添えます。

在庫金額や原価を社外に出せない

金額を伏せて、削減率・在庫日数・回転率など、割合や日数で書きます。「完成品在庫を25%削減」「在庫日数を30日から22日に」のように書けば、機密に触れずに成果を伝えられます。

成果がチーム全体のもので、自分の担当がわかりにくい

チーム全体の成果を書いたうえで、自分の担当範囲と役割を明記します。「課の納期遵守率が92%から96%に向上。うち自分は外注品の納期管理を担当し、遅れの事前連絡の仕組みをつくった」のように書くと伝わります。

需要が落ちて、生産量も在庫も減っただけ

需要の変化で数字が動いた場合は、その中で自分が工夫したことを書きます。「受注が前年比85%に減る中、ライン編成を見直して残業を月20時間削減」のように、比べる基準を添えると、成果が正しく伝わります。

あわせて読みたい:アピールできる実績がない人の職務経歴書の書き方

提出前のチェックリスト

書き終えたら、提出前に次の項目を確認しましょう。

  • 職務要約に、製品・生産形態・担当範囲・一番の成果が入っている
  • 会社の規模に加えて、工場の人数・ライン数・月産量などが書かれている
  • 担当した業務(計画・工程・資材・在庫・原価など)の範囲がわかる
  • 実績が「前 → 後」の数字で書かれ、計算が合っている
  • 調整した相手(営業・設計・購買・製造など)と、使ったシステムの機能が書かれている
  • AIやツールの経験は、業務・使い方・変化をセットにし、機密を入力していないことがわかる
  • A4で1〜2枚に収まり、取引先名や原価など機密情報を書いていない

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ブランク、転職回数、未経験…気になる事情があるなら、状況別の記入見本も


職種の書き方はこの記事で、事情の伝え方は状況別の記入見本で。2つを組み合わせれば、書きにくいところも迷わず書けます。

よくある質問

生産管理の経験が2〜3年と短いのですが、評価されますか?

評価されます。年数より、どの生産形態で何を担当したかが見られます。担当した品目数や手配の件数、改善した数字を具体的に書き、短い期間でも任されていた範囲が伝わるようにしましょう。

受注生産の経験しかありません。見込み生産の工場に応募できますか?

応募はできます。日程計画や部門間の調整は、どちらの生産形態でも共通する仕事です。部品の在庫管理や手配の経験があれば、需給調整に近い経験として書き、見込み生産への関心も自己PRで伝えましょう。

使っていた生産管理システムが社内独自のものでした。どう書けばいいですか?

製品名がなくても問題ありません。「自社開発の生産管理システム」と書いたうえで、生産計画・所要量計算・実績入力など、使った機能と年数を書きます。機能で書けば、応募先のシステムとの共通点が伝わります。

品質管理の仕事も兼務していました。書いてもいいですか?

書いてかまいません。ただし生産管理として応募するなら、計画・工程・在庫の話を中心にし、品質の業務は担当範囲として簡潔にまとめると、応募先が求める経験とずれにくくなります。

AIや需要予測ツールを使った経験がないと不利ですか?

不利とは限りません。AIを導入していない企業も多く、求人票に記載がなければ書かなくても問題ありません。Excelでのデータ分析や、システムの導入・マスタ整備に関わった経験があれば、データを扱える人だと伝わります。

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Author

佐藤 大貴

レジュメラボ編集責任者/アースダイバー代表

佐藤 大貴

人材紹介の会社で、キャリア系メディアの編集長をしていました。転職やキャリアをテーマにした記事づくりに長く関わり、2019年にアースダイバー株式会社を立ち上げました。編集長時代、たくさんの求職者の方やキャ…

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