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総務の職務経歴書の書き方|採用担当に伝わる記入例と無料テンプレート

総務の職務経歴書の書き方|採用担当に伝わる記入例と無料テンプレート

総務の職務経歴書で評価されるのは、「どの領域を、どれだけの規模で任され、何を動かしてきたか」が具体的に伝わるかどうかです。「備品管理、契約管理、株主総会、社内イベント」と業務を並べるだけでは、採用担当はあなたに任せられる仕事の範囲を判断できません。

総務は「会社の何でも屋」と言われるほど守備範囲の広い仕事です。そのぶん、職務経歴書が業務の一覧表になりやすく、オフィス移転や規程の整備といった大きな仕事をしてきた人でも、その価値が伝わらないことがよくあります。

この記事では、上場している物流会社で拠点総務から本社総務まで約11年半を経験した人の記入例をもとに、項目ごとの書き方と、なぜそう書くと評価されるのかを解説します。中小企業の総務全般、上場企業の総務、ファシリティ・オフィス移転、一般事務から総務へ移りたい人の書き分け方も紹介します。

この記事でわかること

  • 総務の職務経歴書の完成イメージ(記入例)
  • データで見る、総務の求人状況と仕事の広がり(BCP・テレワーク)
  • 項目別の書き方と、OK例・NG例の違いの理由
  • 会社規模・担当領域別の書き分け方と、数字が書けないときの対処法
  • 2026年の総務とAI:社内FAQやAI利用ルールづくりの経験をどう書くか

無料テンプレート

総務の職務経歴書、記入見本つきのテンプレートがあります

この記事の記入例と同じ形式で、Word・Excel・PDFの3形式。空欄のテンプレートと記入見本がセットになっています。

総務の職務経歴書の記入例

まずは完成イメージです。従業員約1,200名・22拠点の物流会社で、物流センターの総務を3年、本社総務を8年半経験し、現在は主任を務めている人を想定しています。画像をタップすると拡大できます。

総務の職務経歴書の記入例(拠点総務から本社総務まで約11年半)
総務の職務経歴書の記入例(A4・2枚)

この記入例と同じ形式のテンプレートを無料で用意しています。Word・Excel・PDFの3形式で、それぞれ空欄テンプレートと記入見本の2点セットです。

データで見る:総務の転職で、職務経歴書が合否を分ける理由

書き方の前に、総務の求人の状況と、いま総務の仕事がどう広がっているのかを、転職サービスと官公庁のデータで確認しておきましょう。

総務を含む「企画・管理」は、事務・アシスタントの約5倍の求人倍率

転職サービスdodaの「転職求人倍率レポート」では、総務は「企画・管理」という職種区分に入ります。2026年8月の転職求人倍率は、「企画・管理」が3.28倍でした。同じ月の「事務・アシスタント」は0.65倍で、約5倍の開きがあります。

総務を含む企画・管理と事務・アシスタントの転職求人倍率の推移(doda、2026年1〜8月)
「企画・管理」と「事務・アシスタント」の転職求人倍率(2026年1〜8月)

出典:doda転職求人倍率レポート データ(パーソルキャリア)(2026年9月17日発表分まで)

ただし「企画・管理」には、総務のほか人事・経理・法務・経営企画なども含まれます。総務だけの倍率ではない点に注意してください。それでも、同じ管理部門の仕事でも、「事務」として応募するか「総務の専門職」として応募するかで、競争の状況は大きく変わると考えられます。

職務経歴書への落とし込み方

総務の求人では、「株主総会の運営経験」「オフィス移転の経験」のように、特定の領域の経験を求める書き方がよく見られます。業務を「庶務全般」とまとめず、ファシリティ・株主総会・規程管理・BCPのような領域の言葉で書くと、求人票の条件と照らし合わせてもらいやすくなります。

中堅企業でもBCP(事業継続計画)の策定が5割を超えた

内閣府の「企業の事業継続及び防災の取組に関する実態調査」では、BCPを策定済みの企業は、2025年度の調査で大企業75.8%、中堅企業54.8%でした。中堅企業は前回から9.3ポイント上がり、初めて5割を超えています。

BCPを策定済みの企業の割合の推移(大企業・中堅企業、内閣府)
BCPを策定済みの企業の割合(2011〜2025年度の調査)

出典:令和7年度 企業の事業継続及び防災の取組に関する実態調査(概要)(内閣府)(2026年3月公表)

BCPは、災害や感染症が起きても事業を止めないための計画です。多くの会社で、防災訓練や備蓄、安否確認の仕組みと一緒に総務が担当しています。同じ調査では、全従業員分の飲料水を備蓄している企業は、大企業で93.2%、中堅企業で76.7%でした。BCP・防災は、いまや大企業だけの仕事ではないことがわかります。

職務経歴書への落とし込み方

BCP・防災の経験は、「対象の拠点数・従業員数」「訓練の回数」「安否確認の回答率」などの数字で書きます。「防災訓練を実施」だけでは、毎年の行事をこなしたのか、仕組みを変えたのかが伝わりません。

テレワークの導入率は、会社の規模で4倍以上の差がある

総務省の「令和7年通信利用動向調査」では、テレワークを導入している企業は50.1%でした。2019年の20.2%から、2020年には47.5%へと一気に増えています。このとき、在宅勤務のルールづくりやパソコンの手配、オフィスの見直しを担ったのが、多くの会社の総務です。

テレワークを導入している企業の割合(資本金規模別、総務省)
テレワークを導入している企業の割合(資本金規模別、2025年)

出典:令和7年通信利用動向調査の結果(概要)(総務省)(2026年5月29日公表)

資本金規模別に見ると、50億円以上の企業では88.3%が導入している一方、1,000万円未満では19.5%にとどまります。会社の規模によって、総務が向き合う課題そのものが違うということです。

職務経歴書への落とし込み方

応募先の規模に近い経験を前に出し、自分が働いてきた会社の従業員数・拠点数を必ず書きましょう。リモートワーク対応の経験があれば、「制度(規程)」「環境(機器・ツール)」「オフィス(席数・面積)」のどれを担当したかを分けて書くと、役割がはっきりします。

総務の職務経歴書テンプレートを無料でダウンロード

採用担当が総務の職務経歴書で見ている3つのこと

ここまでのデータと、採用の現場でよく言われる傾向を踏まえると、総務の採用担当は書類を読みながら次の3つを確認しています。どの項目を書くときも、このどれかが伝わるかを意識しましょう。

  1. 担当範囲と対象規模どの領域(ファシリティ、株主総会、規程、BCP、契約など)を、何名・何拠点の会社で、どこまで任されていたか。
  2. プロジェクトの成果オフィス移転やペーパーレス化などを、どれだけの期間で進め、いくらのコストを減らしたか。
  3. 社内調整の力立場の違う部署・経営層・社外の業者をまとめ、期限どおりに物事を動かせるか。

項目別の書き方:OK例とNG例の違い

ここからは項目ごとに、NG例とOK例を並べて解説します。同じ経験でも、書き方ひとつで採用担当の受け取り方は大きく変わります。

職務要約:会社の規模・担当領域・代表的なプロジェクトを3〜5行で

職務要約は、採用担当が最初に読む部分です。総務の場合は、会社の規模(従業員数・拠点数)、担当してきた領域、代表的なプロジェクトの成果を3〜5行にまとめます。

× NG例

大学卒業後、株式会社サンプル物流に入社し、総務部で備品管理、契約書管理、株主総会、社内行事など、総務業務全般を担当してまいりました。社員が働きやすい環境づくりに努めています。

ここが惜しい

  1. 会社の規模がないため、50名の会社の総務なのか、1,000名を超える会社の総務なのかがわかりません。
  2. 「働きやすい環境づくり」は姿勢の話で、何をしてどう変わったのかという実績になっていません。

○ OK例

大学卒業後、株式会社サンプル物流(東証スタンダード上場・従業員約1,200名・22拠点)に入社し、約11年半、総務業務に従事してまいりました。拠点総務を経て、本社総務部では本社オフィスの移転を担当し、オフィス関連費用を年間約4,800万円削減しました。2022年からは株主総会・取締役会の事務局、社内規程の管理、全22拠点のBCP・防災を担当し、2024年からは主任として3名のメンバーをまとめています。

ここが評価される

  1. 「上場」「約1,200名・22拠点」で、どの規模の総務を経験してきたかが一目でわかります。
  2. 拠点総務→本社総務→事務局・規程・BCPと、担当の広がりが時系列で伝わります。
  3. 「年間約4,800万円」という削減額が、プロジェクトを任せられる人だという根拠になっています。

職務経歴:プロジェクトは「役割・期間・関係者・結果」で書く

職務経歴は、総務の職務経歴書でいちばん重要な項目です。下の画像の3つのポイントを押さえると、同じ経験でも伝わり方が大きく変わります。

総務の職務経歴の書き方のポイント(注釈付き)
職務経歴の書き方のポイント

特に差がつくのが、オフィス移転のようなプロジェクトの書き方です。

× NG例

【実績】本社オフィス移転を担当し、無事に移転を完了しました。

ここが惜しい

  1. 「担当」だけでは、全体を取り仕切ったのか、一部を手伝ったのかがわかりません。期間や業者の数がないため、規模も伝わりません。
  2. 「無事に完了」は最低限の結果です。移転によって何が良くなったのかが書かれていません。

○ OK例

【実績】本社オフィス移転プロジェクト(2020年11月移転)の事務局として、約1年のスケジュールと業者8社を管理。出社率の調査をもとにフリーアドレスを導入し、床面積を約3,300㎡から約2,400㎡に縮小。賃料などオフィス関連費用を年間約4,800万円削減

ここが評価される

  1. 「事務局として」と役割を書いているので、全体の進行を任されていたことがわかります。
  2. 「約1年」「業者8社」で、プロジェクトの規模と期間が具体的に伝わります。
  3. 何を根拠に、何を変え、いくら減ったかがそろっているので、応募先でも同じ進め方ができると判断できます。

コスト削減は「何の費用を・年間いくら」で書く

「コストを削減した」ではなく、「招集通知の印刷・郵送費を約420万円から約270万円に削減」のように、費用の種類と前後の金額を書きます。年間の額か一度きりの額かもはっきりさせましょう。

活かせる経験・知識・スキル:領域と規模をセットで3〜4つ

総務の経験を全部並べるのではなく、応募先の求人票に書かれた仕事と重なるものを3〜4つに絞ります。それぞれに対象規模を入れるのがコツです。

× NG例

・総務業務全般

・調整力

・幅広い業務への対応力

ここが惜しい

  1. どれも抽象的で、入社後にどんな仕事を任せられるかがわかりません。
  2. 「調整力」は、誰と何を調整したのかがないと、ほかの応募者との違いになりません。

○ OK例

・従業員約1,200名・22拠点規模の総務業務(ファシリティ、契約書管理、BCP・防災)

・株主総会・取締役会の事務局運営(招集通知・議事録の作成、電子提供制度への対応)

・オフィス移転・電子契約の導入など、複数の部署と社外の業者を巻き込むプロジェクトの推進

ここが評価される

  1. 領域と規模がセットなので、応募先の会社の大きさと比べて判断できます。
  2. 「調整力」を、「複数の部署と社外の業者を巻き込むプロジェクト」という具体的な経験に置き換えています。

PCスキル・使用システム:「導入したか、運用したか」まで書く

総務は、電子契約、ワークフロー(稟議の電子化)、文書管理、安否確認など、全社で使うシステムを選んで導入する立場になることが多い仕事です。製品名を書くかどうかより、導入・設定・管理者としての運用・利用のどこまで担ったかを書くほうが評価されます。

× NG例

Excel:中級

電子契約サービス:使用経験あり

ここが惜しい

  1. 「中級」「使用経験あり」では、どの程度扱えるのかがわかりません。
  2. 総務の場合、システムを「使う側」だったのか「入れる側」だったのかで、任せられる仕事が大きく変わります。

○ OK例

Excel:IT機器台帳(約900台)の管理、ピボットテーブルでの拠点別コスト集計

電子契約:導入時の運用ルールと承認フローの設計、管理者としての運用

ここが評価される

  1. 台帳の件数や集計の内容があるので、IT資産やコストの管理を実務で回してきたことが伝わります。
  2. 「運用ルールと承認フローの設計」まで書くことで、導入プロジェクトを担える人だとわかります。

自己PR:強みは2つまで、調整の相手と数字を添える

自己PRは「強み → それを発揮したエピソード → 結果の数字」の順に書くと説得力が出ます。総務なら、社内調整の力と、仕組みをつくって定着させる力のどちらかを軸にすると書きやすくなります。

× NG例

私の強みは、縁の下の力持ちとして社員を支えられることです。どんな依頼にも笑顔で対応し、社内から頼りにされてきました。

ここが惜しい

  1. 「縁の下の力持ち」「笑顔で対応」は総務の応募者の多くが書く言葉で、差がつきません。
  2. 依頼に応える姿勢は伝わりますが、自分から物事を動かした経験が見えません。

○ OK例

立場の違う人の意見をまとめ、期限どおりに形にする力

12部署の要望と業者8社の作業を調整して本社を移転しました。出社率を2か月間調べてフリーアドレスを導入し、説明会を計15回開いて合意を得て、予定どおり完了しました。

ここが評価される

  1. 「12部署」「業者8社」「説明会を計15回」で、誰と、どれだけ調整したかが具体的に伝わります。
  2. 席数を決める前に出社率を調べているので、根拠をもって計画を進める人だとわかります。
  3. 「業者8社」など職務経歴の実績と数字が一致しているので、内容に信頼性が生まれます。
記入見本つきの総務の職務経歴書テンプレートを見る

会社規模・担当領域別:職務経歴書の書き分け方

総務は、会社の規模によって仕事の中身が大きく変わる職種です。採用担当が見るポイントと、強調すべき数字も変わります。まずは全体像を表で確認し、そのあと自分に近いタイプの解説を読んでください。

タイプ採用担当が見るポイント強調したい数字
中小企業の総務全般1人で幅広い領域を回し、改善まで進められるか担当領域の数、従業員数、コスト削減額
上場企業の総務(株主総会・ガバナンス)法令と期限を守って会議体を運営できるか総会・取締役会の回数、株主数、準備期間
ファシリティ・オフィス移転予算と期限の中で大きなプロジェクトを動かせるか面積・席数、予算、期間、業者数、削減額
一般事務から総務へ総務の領域につながる経験と、守備範囲を広げる意欲担当した総務的業務の量、改善の前後

中小企業の総務全般

従業員数十名から数百名の会社では、総務が人事・経理の一部やITまで兼ねることも珍しくありません。幅の広さは強みですが、並べるだけでは「何でも少しずつ」の印象になります。領域ごとに分けて書き、それぞれに量か成果の数字を1つ添えましょう。

職務経歴書に書きたいこと

  • 会社の従業員数と、担当した領域(総務・人事・経理・ITなど)
  • 各領域の業務量(契約書の件数、社用車の台数、PCの台数など)
  • 自分から提案して変えたこと(コスト見直し、ルールづくり)

記入例

【担当】従業員約80名の総務全般(備品・契約・社用車12台・PC約90台の管理、入退社の手続き補助)

【実績】複合機・電話回線・清掃の契約を相見積もりで見直し、年間約150万円を削減(2025年度)

ポイント

  1. 「約80名」と管理している物の数で、1人で回してきた範囲が具体的に伝わります。
  2. 契約の見直しは、中小企業の総務で成果を数字にしやすい代表的な実績です。

よくある落とし穴

「何でもやってきた」ことを強調しすぎるケースです。大きな会社に応募するなら、求人の担当領域に近い経験を前に出し、それ以外は1行にまとめましょう。

上場企業の総務(株主総会・ガバナンス)

上場企業の総務では、株主総会や取締役会の事務局、規程の管理など、会社法や上場のルールに沿って進める仕事が中心になります。採用担当が知りたいのは、どの準備工程を自分で担えるかです。「株主総会を担当」ではなく、担った工程を具体的に書きます。

職務経歴書に書きたいこと

  • 関わった株主総会・取締役会の回数と、自分の役割(事務局の中心か、補助か)
  • 担当した工程(招集通知、想定問答、リハーサル、議事録など)
  • 法令や制度の変更への対応(電子提供制度など)

記入例

【実績】株主総会(2023〜2026年の計4回)の運営事務局。2023年の総会で電子提供制度に対応し、招集通知の印刷・郵送費を約420万円から約270万円に削減

ポイント

  1. 回数と役割があるので、毎年の総会を任せられる経験の深さがわかります。
  2. 株主総会資料の電子提供制度は、上場会社では2023年3月以降に開かれる総会から使われています。制度変更への対応を書くと、新しいルールに合わせて動ける人だと伝わります。

よくある落とし穴

社外秘の情報を書いてしまうケースです。総会の想定問答の中身や取締役会の議題など、公表されていない情報は書いてはいけません。回数・工程・費用の変化など、自分の仕事の進め方がわかる範囲にとどめます。

ファシリティ・オフィス移転

オフィスの移転・改装、拠点の開設・統合は、総務の経験の中でも特に評価されやすいプロジェクトです。金額も期間も大きいため、規模を表す数字がそろっているほど説得力が増します。

職務経歴書に書きたいこと

  • 対象の面積・席数・人数と、プロジェクトの期間
  • 自分の役割(事務局、レイアウト担当など)と、関わった部署・業者の数
  • 移転後に変わったこと(費用、面積、出社率、会議室の稼働率など)

記入例

【実績】支店3拠点(計約120名)の統合移転を担当。約8か月で物件選定から入居まで完了し、賃料を年間約1,800万円削減(2024年度)

ポイント

  1. 拠点数・人数・期間がそろっているので、プロジェクトの大きさが一目でわかります。
  2. 物件選定から入居までと範囲を書いているので、どの段階を任せられるかが伝わります。

よくある落とし穴

会社全体の削減額を、自分一人の成果のように書いてしまうケースです。規模は正直に書いたうえで、自分の役割(事務局、業者管理、社内説明など)をはっきりさせましょう。

一般事務から総務へ

一般事務から総務の求人に応募する場合は、これまでの事務の中から総務の領域につながる仕事を選び出して書くのがポイントです。備品の発注、契約書のファイリング、社内行事の準備などは、総務の入り口となる経験です。

職務経歴書に書きたいこと

  • 総務の領域に重なる業務(備品・契約書・社内行事・防災訓練など)と、その量
  • 依頼を待たずに自分から改善したこと
  • 総務の求人で使われる言葉への言い換え(例:契約書のファイリング→契約書管理)

記入例

【内容】営業部の事務として、取引先との契約書(年間約200件)の受付・保管・更新期限の管理を担当

【実績】更新期限の一覧表をつくり、期限切れの自動更新を年間5件から0件に削減

ポイント

  1. 「契約書管理」という総務の領域の言葉で書いているので、応募先の仕事に直結することが伝わります。
  2. 自分から仕組みをつくった実績があり、受け身の事務ではないことを示せています。

よくある落とし穴

「総務の仕事に興味があります」と意欲だけを書くケースです。採用担当が知りたいのは、すでに総務につながる仕事をどれだけしてきたかです。

あわせて読みたい:人事・労務の職務経歴書の書き方

2026年の総務とAI:職務経歴書にどう書くか

最初にお伝えしておくと、AIをどこまで使うか、応募者にどこまで求めるかは、応募先の規模・業界・社内ルールによって大きく違います。IPA(情報処理推進機構)の「DX動向2026」では、AIを導入している企業は従業員1,001人以上で8割近くに上る一方、101人以下では16.6%でした。AIを使った経験がないから不利になる、と考える必要はありません。求人票に「生成AI」「AIツール」などの記載があるかを確認し、書く量を調整しましょう。

そのうえで、総務にはほかの職種と違う点があります。自分の仕事でAIを使うだけでなく、社内でAIを使うためのルールや仕組みを整える側に立つことが多い点です。

総務で現実的なAIの使い方

総務省の「令和8年版 情報通信白書」によると、生成AIを業務で使っている日本企業では、「社内ヘルプデスク」での活用が約5割にのぼります。社員からの「この手続きはどうすればいいか」という問い合わせに答える仕事は、多くの会社で総務が担ってきたものです。2026年時点では、たとえば次のような使い方が現実的です。

  • 社内規程や手続きの資料をもとに、社内FAQの回答案をつくり、総務で規程と照らして確認する
  • 規程の改定案や新旧対照表、社内通知文の下書きをつくり、表現や抜け漏れを確認する
  • 社内会議の議事録の下書きをつくる(未公表の重要な情報は入力しない)
  • 業者から届いた見積書や契約条件を比べる観点を整理する(判断は自分で行う)
  • 情報システム部や法務と一緒に、社内の生成AI利用ガイドラインをつくる

どれも、AIがつくるのは「たたき台」で、最後の確認と判断は人が行う使い方です。最後の項目のようにルールづくりに関わった経験は、総務ならではの実績として書けます。

書き方:「AIを使った」ではなく「何の業務が、どう変わったか」

AIの活用を書くときも、ほかの実績と同じです。どの業務で・どう使い・何が変わったかを書きます。総務の場合は、社内ルールに沿っていたことと、内容を自分たちで確認したことまで書くと、採用担当が安心して読めます。

× NG例

生成AIを活用して社内の問い合わせ対応を効率化し、AI活用の推進にも取り組みました。

ここが惜しい

  1. どんな仕組みで効率化したのかがわからず、試しに使ってみた程度なのか、業務に定着させたのかを判断できません。
  2. 「推進」の中身がなく、ルールづくりなのか、研修なのか、自分の仕事での利用なのかが伝わりません。
  3. 社内ルールや確認の手順が書かれていないため、情報の扱いに慎重な人かどうかが読み取れません。

○ OK例

社内問い合わせ(月約250件)を減らすため社内FAQ(約150問)を整備。原案は社内承認の生成AIで作成し、総務部が規程と照らして確認。問い合わせは月約160件に減少

ここが評価される

  1. 「問い合わせを減らすため」と目的が先にあるので、AIを目的ではなく手段として使っていることがわかります。
  2. 「月約250件→約160件」と変化を数字で示しているので、効果の大きさが伝わります。
  3. 「社内で承認された」「規程と照らして確認」と書いているので、情報管理と正確さへの意識もあわせて伝わります。

注意点:機密情報を入力しない、盛らない

総務は、取締役会の議事録、未公表の人事や組織変更、取引先との契約条件、社員の個人情報など、外に出してはいけない情報を日常的に扱う仕事です。こうした情報を、会社が認めていないAIツールに入力しないことが大前提です。職務経歴書でも、社内ルールに従ったこと、AIの出力を自分で確認したことが伝わるように書きましょう。

また、少し試しただけの経験を「AI活用を全社に推進」のように大きく書くのは避けます。ガイドラインづくりも、自分が担当した範囲(原案の作成、社内説明など)を正直に書くのが基本です。面接で詳しく聞かれても説明できる範囲で書きましょう。

AIを使っていない・禁止の職場だった人は

情報管理の方針から、生成AIの利用を禁止したり、慎重に検討を続けたりしている会社は少なくありません。使っていなかったこと自体は、マイナスに受け取る必要はありません。

代わりに書けるのは、電子契約やワークフロー、安否確認システムなど、新しい仕組みを社内に入れて定着させた経験です。ツールを選び、社内のルールを整え、使われるまで説明する力は、AIを社内に広めるときにもそのまま求められます。応募先がAIの活用を求めている場合は、個人で学んでいる範囲を正直に書き、「機密情報をどう守りながら使うか」を自分の言葉で話せるようにしておきましょう。

実績の数字が書けないときの対処法

「総務は売上を生まないので、書ける成果がない」と感じる人もいるでしょう。総務の成果は、量・期限・費用・変化の4つで考えると、ほとんどの仕事を数字に置き換えられます。台帳や契約書の一覧、訓練の記録を見返すと、数字が見つかります。

日々の庶務や問い合わせ対応が中心で、プロジェクト経験がない

定型業務は「量」と「期限」で書きます。
例:「拠点約260名分の備品・制服の管理と、来客・協力会社の受付(1日平均約30件)を担当」
社用車の台数、郵便物の件数、問い合わせの件数など、毎日の仕事の量そのものが、どれだけの範囲を支えてきたかを示します。

コスト削減の金額が社外秘、または正確にわからない

金額を出せない場合は、割合や期間で書きます。
例:「複合機の契約を見直し、保守費用を約2割削減」「契約更新の手続きを2週間から5営業日に短縮」
正確な数字がわからないときは「約」をつけ、実態から大きくずれない範囲で書きましょう。

株主総会や移転プロジェクトで、補助的な立場だった

担った工程と量を具体的に書けば、補助でも十分な経験になります。
例:「株主総会の受付・会場設営の手配(来場株主 約150名)と、議事録の下書きを担当」
自分の役割を正直に書いたうえで、どの工程なら一人で回せるかを示すと、入社後の任せ方をイメージしてもらえます。

トラブルや災害の対応など、成果が「何も起きないこと」だった

「何も起きなかった」こと自体を期間と範囲で示します。
例:「全拠点の消防設備点検と防災訓練(年2回)を5年間、指摘事項ゼロで実施」
台風や停電などで実際に対応した経験があれば、「安否確認を当日中に全員完了」のように、そのときの動きを書くのも有効です。

あわせて読みたい:アピールできる実績がない人の職務経歴書の書き方

提出前のチェックリスト

書き終えたら、提出前に次の項目を確認しましょう。

  • 職務要約に、会社の規模(従業員数・拠点数)・担当領域・代表的な成果が入っている
  • 業務を「総務全般」でまとめず、ファシリティ・株主総会・規程・BCPなど領域の言葉で書いている
  • プロジェクトに、自分の役割・期間・関係者の数・結果(削減額など)を書いている
  • コスト削減は、何の費用を年間いくらからいくらに減らしたかがわかる
  • 取締役会の議題や未公表の情報など、社外秘の内容を書いていない
  • AIの活用を書く場合は、使った業務と変化、社内ルールに沿って確認したことが伝わる
  • A4で1〜2枚に収まり、誤字脱字や表記ゆれがない

総務は、社内文書や規程を整える立場の仕事です。職務経歴書そのものが、文書を正確に整える力の見本として読まれると考えておきましょう。

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職種の書き方はこの記事で、事情の伝え方は状況別の記入見本で。2つを組み合わせれば、書きにくいところも迷わず書けます。

よくある質問

総務の職務経歴書は何枚が適切ですか?

A4で1〜2枚が目安です。総務は担当領域が多く長くなりがちですが、応募先に関係の薄い業務は1行にまとめ、経験が長い人でも3枚以内に収めましょう。

担当業務が多すぎて、何を優先して書けばいいかわかりません。

応募先の求人票の「業務内容」と「必須経験」に書かれた領域を優先します。たとえばファシリティ担当の求人なら、オフィスや設備に関わる経験を詳しく書き、株主総会や社内イベントは短くまとめます。

総務に役立つ資格がないと不利ですか?

総務は、資格がなくても応募できる求人が多い仕事です。資格よりも、担当した領域と規模、プロジェクトの成果が重視されると考えられます。ビジネス・キャリア検定試験の「総務」や防災士などは、知識を客観的に示す補足として書きましょう。

社内イベントの運営経験は、評価されますか?

書き方次第で評価につながります。「社員旅行の幹事」ではなく、「全社イベント(参加者約400名)の企画・運営。予算内で実施し、参加率を前年の約6割から約8割に向上」のように、規模・予算・結果を書くと、社内を巻き込んで物事を進める力として伝わります。

AIを使った経験がないと、総務の転職で不利になりますか?

不利になるとは限りません。AIの導入状況は、会社の規模や業界によって大きく違います。求人票に「生成AI」「AIツール」などの記載がなければ、無理に書く必要はありません。記載がある場合は、電子契約やワークフローなど新しい仕組みを社内に定着させた経験を具体的に書きましょう。

この記事の記入例テンプレートを無料でダウンロード

Word・Excel・PDFの3形式に対応。空欄テンプレートと記入見本のセットです。

Author

佐藤 大貴

レジュメラボ編集責任者/アースダイバー代表

佐藤 大貴

人材紹介の会社で、キャリア系メディアの編集長をしていました。転職やキャリアをテーマにした記事づくりに長く関わり、2019年にアースダイバー株式会社を立ち上げました。編集長時代、たくさんの求職者の方やキャ…

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