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会社都合で退職した人の職務経歴書|退職理由の書き方と記入例・無料テンプレート

会社都合で退職した人の職務経歴書|退職理由の書き方と記入例・無料テンプレート

会社の倒産、事業の撤退、希望退職の募集。自分で選んだわけではない退職のあと、職務経歴書を前にして「辞めた理由をどこまで書けばいいのか」「能力が足りずに辞めさせられたと思われないか」と手が止まる人は少なくありません。

会社都合の退職は、隠す必要も、言い訳を重ねる必要もありません。採用担当が知りたいのは、会社で何が起きたのかという事実と、その中であなたが何をしてきたかです。

この記事では、印刷会社で約11年法人営業を担当し、会社の事業撤退に伴う希望退職に応じた人の記入例をもとに、退職の経緯の書き方と、項目別のOK例・NG例を解説します。倒産・事業所の閉鎖・退職勧奨など、退職の形別の書き分け方と、面接で聞かれたときの答え方も紹介します。

この記事でわかること

  • 会社都合で退職した人の職務経歴書の完成イメージ(記入例)
  • データで読む、倒産・希望退職の広がりと、会社都合の退職の実情
  • 「退職の経緯について」欄を含む、項目別の書き方とOK例・NG例
  • 希望退職・倒産・事業所の閉鎖・退職勧奨など、退職の形別の書き分け方
  • 退職後の学び直しとAI:職務経歴書にどう書くか
  • 面接で退職の理由を聞かれたときの答え方

無料テンプレート

会社都合で退職した人の職務経歴書、記入見本つきのテンプレートがあります

この記事の記入例と同じ形式で、Word・Excel・PDFの3形式。空欄のテンプレートと記入見本がセットになっています。

会社都合で退職した人の職務経歴書の記入例

まずは完成イメージです。商業印刷の会社で約11年、食品・日用品メーカーや小売チェーンへの販促物の提案営業を担当し、会社が商業印刷事業からの撤退を決めたことで、営業部門の希望退職に応じた30代前半の人を想定しています。職務経歴のすぐ後ろに「退職の経緯について」の欄を設けているのが特徴です。画像をタップすると拡大できます。

会社都合で退職した人の職務経歴書の記入例(印刷会社の法人営業 約11年、事業撤退に伴う希望退職)
会社都合で退職した人の職務経歴書の記入例(A4・2枚)

この記入例と同じ形式のテンプレートを無料で用意しています。Word・Excel・PDFの3形式で、それぞれ空欄テンプレートと記入見本の2点セットです。

データで読む:会社都合の退職は珍しくない。見られるのは「その中で何をしたか」

書き方に入る前に、会社都合の退職がどのくらい起きているのかを、公的な統計と民間の調査で見ておきます。3つの資料を重ねると、見えてくることは1つです。会社都合の退職は、本人の働きぶりと関係なく、業績の悪い会社でも良い会社でも起きています。だから採用担当が書類で確かめたいのは、退職の事情よりも、その中であなたが何をしてきたかです。

企業の倒産は4年連続で増え、2025年は1万300件

東京商工リサーチの「全国企業倒産状況」によると、2025年の企業倒産(負債額1,000万円以上)は1万300件でした。2021年の6,030件から4年続けて増え、2024年に続いて2年連続で1万件を超えています。倒産した企業の99.9%は中小企業です。

全国の企業倒産件数の推移。2021年6,030件から2025年は1万300件に
言いたいこと:企業の倒産は4年連続で増え、2025年は1万300件(東京商工リサーチ、2021〜2025年)

出典:2025年(令和7年)の全国企業倒産1万300件(東京商工リサーチ) ほか2021〜2024年の各年版

倒産の原因を見ると、2025年は「人手不足」による倒産が397件(前年は292件)、「物価高」による倒産が767件(同702件)と、どちらも増えました。本人がどれほど成果を出していても、勤め先そのものがなくなることはあるのです。

採用担当の側から読み直してみます。倒産で職を離れた人を見て、「本人に原因があったのでは」と疑う理由はほとんどありません。迷いが生まれるのは、「会社都合により退職」としか書かれておらず、何が起きたのかがわからないときです。記入例が会社概要の欄に「退職理由:商業印刷事業からの撤退に伴う希望退職に応募」と1行で書いているのは、この迷いを最初に取り除くためです。

希望退職を募った上場企業の約7割は、黒字だった

同じく東京商工リサーチの調査では、2025年度に早期・希望退職の募集が判明した上場企業は46社、募集人数は2万781人で、前年度の8,326人の約2.5倍でした。直近の決算が黒字だった企業は32社(69.5%)で、募集人数では1万6,908人と全体の81.3%を占めています。なお、2026年1〜9月に募集が判明した上場企業は22社・5,345人で、人数は前年同期から55.1%減っています。

早期・希望退職の募集人数。黒字の企業32社で1万6,908人、赤字の企業14社で3,873人
言いたいこと:希望退職の募集人数の8割は黒字の企業(東京商工リサーチ、2025年度)

出典:2025年度の「早期・希望退職」は2万781人(東京商工リサーチ)

希望退職は「業績が悪い会社がするもの」と思われがちです。しかし実際には、募集した企業の約7割は直近の決算が黒字でした。業種では電気機器が15社と最も多くなっています。

編集部の読みでは、この結果から「希望退職に応じた人=業績不振の会社から逃げてきた人」とは言えません。記入例の会社も、会社全体が傾いたのではなく、商業印刷から撤退して出版印刷に集約するという事業の判断でした。だから職務経歴書では「業績不振のため」とひとくくりにせず、事業の撤退、拠点の閉鎖、組織の再編など、会社で何が決まったのかを書くほうが正確に伝わります。

仕事を探している人の約8人に1人は、勤め先や事業の都合で離職した人

総務省の「労働力調査」で、2025年平均の完全失業者176万人を求職の理由別に見ると、「勤め先や事業の都合による離職」は22万人でした。「自発的な離職(自己都合)」は75万人、「新たに求職」は48万人です。

完全失業者の求職理由別の人数。自己都合75万人、新たに求職48万人、勤め先や事業の都合22万人
言いたいこと:勤め先や事業の都合で離職し、仕事を探している人は22万人(総務省、2025年平均)

出典:労働力調査(基本集計)2025年(令和7年)平均結果の要約(総務省統計局)

22万人は、完全失業者の約8人に1人にあたります。採用担当にとっても、会社都合で退職した応募者は見慣れた存在です。

ただし、退職から時間がたつと「この間、何をしていたのか」という別の疑問が加わります。記入例が【現在の状況】に「2026年7月から転職活動をしながら、販促のデジタル化に対応するため、Web広告とアクセス解析の基礎を学んでいます」と書いているのは、この疑問に先回りして答えるためです。数か月でも、今していることを1行書いておくと、読み手は安心します。

まとめると、会社都合の退職は、倒産でも希望退職でも、本人の働きぶりと関係なく起きています。職務経歴書で差がつくのは、何が起きたのかを正確な言葉で書けるかと、退職が決まった後も含めて自分が何をしてきたかを示せるかです。次は、採用担当が書類のどこを見ているかを確認します。

会社都合で退職した人の職務経歴書テンプレートを無料でダウンロード

採用担当が会社都合で退職した応募者で確認している3つのこと

採用担当が確かめる3つのこと:退職の理由が本人の問題ではないか、前の会社での仕事と成果、気持ちを切り替えて長く働けるか
この章のまとめ:採用担当が確かめる3つのこと

こうした変化と採用の現場でよく見られる傾向を踏まえると、会社都合で退職した人の書類で、採用担当が確かめたいことは次の3つです。

  1. 退職の理由が、本人の能力や勤務態度の問題ではないか倒産・事業撤退・希望退職など、会社都合の退職にはさまざまな形があります。何が起きて辞めたのかが事実で書かれていないと、本人に原因があったのではと誤解されることがあります。
  2. 前の会社で、どんな仕事をし、どんな成果を出してきたか退職の経緯は確認事項の1つにすぎず、評価の中心は担当した業務の規模と成果です。事業が縮小していく中で工夫して出した成果は、むしろ強みとして読まれます。
  3. 気持ちを切り替えて、次の職場で長く働けるか前の会社への不満を引きずっていないか、次の職場で何をしたいのかを見ています。退職を自分なりに受け止め、経験を活かして働く意思が書かれていると、安心して面接に進めます。

3つのうち、退職の事情に関わるのは1つ目だけです。残りの2つは、ほかの応募者と同じ「仕事の中身」と「これから」の話です。退職の説明に紙面を使いすぎず、経歴と成果に厚みを持たせましょう。

項目別の書き方:OK例とNG例の違い

ここからは項目ごとに、NG例とOK例を並べて解説します。OK例は記入例からの引用です。会社都合で退職した人の書類で特に差がつくのは、退職理由の書き方と、「退職の経緯について」の欄です。

職務要約:経歴と成果を先に書き、退職の事実は最後に1文で

職務要約は、採用担当が最初に読む部分です。退職の事情が気になって、冒頭から説明を始めてしまう人がいますが、最初に書くのは、経験と成果です。退職のことは最後に、会社で何が起きたのかを1文で添えます。

× NG例

株式会社サンプル印刷で営業として勤務していましたが、会社の業績悪化により事業が縮小され、やむを得ず退職することになりました。営業経験を活かして、次こそは安定した会社で働きたいと考えています。

ここが惜しい

  1. 退職の話が中心になり、どんな営業をして、どんな成果を出したのかが伝わりません。
  2. 「やむを得ず」「次こそは」という言葉から、前の会社への不満や不安が強く伝わります。
  3. 「安定した会社で」だけでは応募先で何をしたいのかが見えず、条件で選んでいるように受け取られかねません。

○ OK例

大学卒業後、株式会社サンプル印刷で約11年間、法人営業に従事しました。食品・日用品メーカーや小売チェーンなど約45社を担当し、チラシ・カタログなどの印刷物とEC・SNS用の画像制作を組み合わせた販促の提案で、2024年度は売上目標比107%を達成しました。2022年からは後輩3名の指導も担当しています。2026年1月に会社が商業印刷事業からの撤退を決め、営業部門の希望退職の募集に応じて、同年6月に退職しました。

ここが評価される

  1. 経験年数・担当社数・目標達成率を先に書いているので、どんな営業なのかがすぐにわかります。
  2. 退職の事実は最後の1文だけで、「事業からの撤退」「希望退職の募集」と会社で起きたことを書いています。
  3. 感情を表す言葉を使わず事実だけを書いているので、気持ちを切り替えていることが伝わります。

「会社都合」という言葉より、何が起きたかを書く

「会社都合により退職」だけでは、倒産なのか、事業の撤退なのか、解雇なのかがわかりません。「事業からの撤退に伴う希望退職」「会社の倒産により退職」のように、会社で起きたことを短く書くと、読み手が迷いません。

職務経歴:退職理由は会社概要の欄に1行。撤退が決まった後の仕事も書く

職務経歴では、会社名の下の会社概要の欄に「退職理由」を1行加えます。経歴を読み始める前に事情がわかるので、採用担当は安心して仕事の中身を読み進められます。もう1つ大切なのが、撤退や閉鎖が決まった後に担った仕事です。

× NG例

株式会社サンプル印刷(2015年4月〜2026年6月)

商業印刷の営業を担当。

2026年6月 業績不振のため、リストラにより退職

ここが惜しい

  1. 「リストラにより退職」は、本人が選ばれて辞めさせられたように読めてしまい、誤解のもとになります。
  2. 「業績不振のため」と会社の状態を書くだけでは、事業の撤退なのか、部門の縮小なのかがわかりません。
  3. 担当した顧客の数や実績がなく、11年間の経験の中身が伝わりません。

○ OK例

退職理由:商業印刷事業からの撤退に伴う希望退職に応募

(中略)

【事業撤退に伴う業務(2026年1〜6月)】担当顧客約45社を訪問して経緯を説明し、提携先の印刷会社へ取引を引き継ぎました。45社中42社が提携先との取引を継続しています

ここが評価される

  1. 会社概要の欄に退職理由を1行で書いているので、経歴を読む前に事情がわかります。
  2. 「事業からの撤退」「希望退職」という事実の言葉で、本人の能力の問題ではないことが伝わります。
  3. 撤退が決まった後の仕事を社数と結果の数字で書いているので、責任感と顧客からの信頼が伝わります。

データの章で見たとおり、希望退職は黒字の会社でも行われており、「業績不振のため」では事実と違う印象を与えることもあります。業績が厳しい時期の達成率や、新しく始めた取り組みの成果も評価の材料です。記入例では、印刷以外の売上を年約600万円から約2,800万円に伸ばしたことを【取り組み】に書いています。会社の業績と、自分の成果は分けて書きましょう。

退職の経緯:経緯・判断・退職までの対応・現在の状況を事実で短く

会社都合で退職した人の職務経歴書で、いちばん工夫したいのがこの欄です。職務経歴のすぐ後ろに「■退職の経緯について」という見出しを立て、【経緯】【退職の判断】【退職までの対応】【現在の状況】の4つを、それぞれ1〜2行で書きます。下の画像の3つのポイントを押さえましょう。

会社都合で退職した人の職務経歴と「退職の経緯について」欄の書き方のポイント
職務経歴と「退職の経緯について」の書き方のポイント

× NG例

■退職の経緯について

経営陣の判断が遅れたことで業績が悪化し、主力の商業印刷事業から撤退することになりました。営業部門は縮小され、会社に残っても将来性がないと感じたため退職しました。

ここが惜しい

  1. 「経営陣の判断が遅れた」は前の会社への批判で、入社後も不満を口にする人ではと心配されます。
  2. 「将来性がない」という理由だけでは、退職が後ろ向きな判断に見えます。
  3. 退職までに何を担ったのか、今どうしているのかが書かれていません。

○ OK例

【経緯】2026年1月、会社が商業印刷事業から撤退し、出版印刷に事業を集約することを決めました。これに伴い営業部門を縮小することになり、希望退職の募集(約60名)が行われました。

【退職の判断】社内では製造部門への異動の打診もありましたが、11年間続けてきた提案営業の仕事を続けたいと考え、希望退職に応じました。

【退職までの対応】退職日まで、担当顧客への説明と提携先への引き継ぎを担当し、6月末に退職しました。

【現在の状況】2026年7月から転職活動をしながら、販促のデジタル化に対応するため、Web広告とアクセス解析の基礎を学んでいます。

ここが評価される

  1. 経緯を会社の決定として事実だけで書き、評価や批判の言葉を入れていません。
  2. 異動の打診があったことを書き、それでも営業を続けたいという判断の理由を前向きな言葉で示しています。
  3. 退職日まで担ったことと、退職後の過ごし方まで書いているので、採用担当の疑問に先回りして答えられています。

【退職の判断】は、希望退職のように自分で選んだ場面があった人だけが書く行です。「残る道もあったのに、なぜ辞めたのか」という疑問に、仕事の軸で答えます。理由は「会社に残りたくなかった」ではなく、「この仕事を続けたかった」と、次の職場で何をしたいかにつながる言葉で書きます。

倒産・解雇など、選べなかった退職の場合

会社の倒産や事業所の閉鎖などで、自分で選ぶ余地がなかった場合は【退職の判断】の行を削除して構いません。「〇〇〇〇年〇月、会社の倒産により退職しました」と事実を書き、退職までの対応と現在の状況を添えれば十分です。

離職票の離職理由も確かめておく

会社から届く離職票には、会社が記入した離職理由が書かれています。厚生労働省の案内では、内容に異議があれば、離職票-2の離職者が記入する欄に自分の考える理由と具体的な事情を書くよう説明しています。最終的な離職理由の判定は、ハローワークが本人への確認と調査を経て行います。

雇用保険の手続きのための書類ですが、職務経歴書に書く経緯と食い違いがないか、この機会に確かめておくと安心です。

活かせる経験・知識・スキル:縮小した業界の知識より、どこでも通じる力に言い換える

事業が縮小した業界にいた人は、同じ業界の求人が少ないこともあります。印刷の工程や用紙の知識だけを並べると、ほかの業界の採用担当には活かし方が見えません。業界の言葉を、仕事の進め方の言葉に言い換えるのがコツです。

× NG例

・印刷の工程、用紙、加工に関する知識

・印刷業界での11年の営業経験

・粘り強さ

ここが惜しい

  1. 印刷の専門知識だけでは、印刷業界以外の応募先でどう活かせるのかが伝わりません。
  2. 「印刷業界での11年」と年数だけを書いても、何ができる営業なのかがわかりません。
  3. 「粘り強さ」は根拠がなく、どの応募者にも書けてしまいます。

○ OK例

食品・日用品メーカーや小売チェーンなど約45社への、販促課題を聞き取ったうえでの提案営業(11年)

印刷物とEC・SNS用の画像制作など、社内の制作部門と連携したセット提案

後輩3名の指導と、事業撤退時に顧客約45社の引き継ぎをやり遂げた調整力

ここが評価される

  1. 「印刷」ではなく「販促課題の提案営業」と言い換え、業界が変わっても通じる経験として書いています。
  2. 社内の他部門と連携した提案は、応募先でも再現できる働き方として読めます。
  3. 撤退時の引き継ぎという、この状況ならではの経験も、調整力の裏付けとして活かしています。

自己PR:変化への対応と、最後までやり遂げた経験を1つずつ

自己PRを退職の話から書き始めると、強みよりも退職の印象が残ります。書くのは、強みと、それを発揮したエピソードと結果の数字です。会社都合の退職を経験した人は、事業の変化の中で取った行動そのものが強みの裏付けになります。

× NG例

前職では会社都合での退職となりましたが、どんな環境でも前向きに頑張れることが私の強みです。今回の経験を糧に、御社では二度とこのようなことがないよう、全力で貢献したいと考えています。

ここが惜しい

  1. 自己PRの書き出しが退職の話になり、強みよりも退職の印象が残ってしまいます。
  2. 「前向きに頑張れる」を裏付けるエピソードや数字がありません。
  3. 「二度とこのようなことがないよう」は、自分に非があったように読めてしまい、伝えたいことと逆の印象になります。

○ OK例

最後まで責任を持って、仕事をやり遂げる力

事業撤退が決まった後も、担当顧客約45社を1社ずつ訪問して経緯を説明し、提携先の印刷会社との顔合わせと仕様の引き継ぎを行いました。45社中42社が提携先との取引を続けており、引き継ぎ後の初回納品も予定どおり終えています。

ここが評価される

  1. 撤退という状況そのものではなく、その中で自分が何をしたかを強みの裏付けにしています。
  2. 「45社中42社」と結果を数字で示しているので、顧客からの信頼が具体的に伝わります。
  3. 記入例では1つ目の強みに、販促の変化に合わせた提案で売上を伸ばした成果を書いています。成果を出す力と責任感を1つずつ書くと、バランスよく伝わります。

会社都合の退職の説明は、職務要約・会社概要・「退職の経緯について」の3か所で十分です。職種ごとの書き方は、職種別の記事で詳しく解説しています。

会社都合で退職した人の職務経歴書の記入見本つきテンプレート

退職の形別:会社都合で退職した人の書き分け方

退職の形ごとに書き添えること:希望退職、倒産、事業所の閉鎖による解雇、退職勧奨
この章のまとめ:退職の形ごとに書き添えること

ひとくちに会社都合の退職といっても、形はさまざまです。形によって採用担当が気にすることも、書いておくべきことも変わります。どの形でも共通するのは、「会社で起きた事実は短く、自分がしたことは具体的に」です。まずは表で全体像を確認しましょう。

退職の形採用担当が気にすること書くべきこと
希望退職・早期退職の募集に応じた自分で選んだ退職なのに、なぜ辞めたのか。残る道はなかったのか募集の背景(事業の撤退など)と、残る道と比べて退職を選んだ理由
会社の倒産倒産に向かう時期に、どう働いていたか倒産の時期と手続き、最後まで担った業務、倒産後の過ごし方
事業所の閉鎖・事業の撤退による解雇解雇の理由が会社の事情だとわかるか閉鎖・撤退の事実と時期、対象の範囲、担っていた業務と成果
退職勧奨を受けた本人の評価や勤務態度が理由ではないか勧奨の背景と対象の範囲、評価が理由でないことを示す実績

希望退職・早期退職の募集に応じた

記入例と同じケースです。希望退職は会社の都合で募集されるものですが、応じるかどうかは本人が選びます。そのため採用担当は、なぜ残らずに退職を選んだのかを気にします。

職務経歴書に書きたいこと

  • 募集が行われた背景(事業の撤退、拠点の統合など)と時期
  • 異動の打診など社内に残る選択肢と、それでも退職を選んだ理由
  • 退職日まで担った業務

記入例

【経緯】2025年10月、会社が国内3工場を2工場に集約することを決め、管理部門で希望退職の募集(約120名)が行われました。

【退職の判断】集約後は工場の支援業務が中心になる見込みでした。決算業務の経験を続けて活かしたいと考え、募集に応じました。

ポイント

  1. 募集の背景を、会社の決定として時期とともに書いています。
  2. 「決算業務の経験を続けて活かしたい」と、応募先でしたい仕事につながる理由で判断を説明しています。

よくある落とし穴は、「割増退職金が出たので」「残っても先がないと思った」と書くケースです。本音だとしても、条件や不安で動いた人に見えてしまいます。なお、会社が以前から常に設けている早期退職優遇制度を使った退職は、雇用保険では会社都合の「退職勧奨」にあたりません。書類でも「会社都合」とはせず、「早期退職優遇制度を利用して退職」と正確に書きましょう。

会社の倒産

倒産は本人に選ぶ余地がなく、採用担当も事情はすぐに理解します。気にするのは、倒産に向かう時期にどう働いていたかと、倒産した後の期間の過ごし方です。

職務経歴書に書きたいこと

  • 倒産した時期と手続きの種類(破産、民事再生など)
  • 倒産の直前まで担っていた業務と、その成果
  • 取引先への連絡や残務の整理など、最後まで担ったこと
  • 倒産から今までの期間に取り組んでいること

記入例

退職理由:会社の破産手続き開始に伴い退職(2026年3月)

【退職までの対応】破産の申し立て前後の約1か月、取引先約80社への連絡と、売掛金の一覧の作成を担当しました。

ポイント

  1. 手続きの種類と時期を1行で書き、事情を説明しすぎていません。
  2. 会社がなくなる直前の混乱の中で担った業務が、責任感の裏付けになっています。

よくある落とし穴は、倒産の原因を分析したり、経営陣の責任に触れたりするケースです。事実だとしても、書類では前の会社の批判に見えます。会社がすでにない場合も、会社名と在籍期間はそのまま書き、「(2026年3月に破産)」のように添えれば十分です。

事業所の閉鎖・事業の撤退による解雇

工場や支店の閉鎖、事業の撤退によって、会社から解雇されたケースです。「解雇」という言葉に抵抗を感じる人もいますが、事業所の閉鎖に伴う解雇は、本人の勤務態度とは関係ありません。採用担当が気にするのは、解雇の理由が会社の事情だとはっきりわかるかです。

職務経歴書に書きたいこと

  • 閉鎖・撤退の事実と時期
  • 対象になった範囲(支店の全員、部門の全員など)
  • 閉鎖までに担っていた業務と成果

記入例

退職理由:仙台支店の閉鎖に伴う解雇

【経緯】2026年2月、会社が東北地区からの撤退を決め、仙台支店(従業員18名)が閉鎖されました。支店の従業員は全員が対象となり、5月末に退職しました。

ポイント

  1. 「支店の従業員は全員が対象」と範囲を書いているので、個人の評価とは関係がないことが一目でわかります。
  2. 閉鎖の時期と退職の時期がそろっていて、経緯を確かめやすくなっています。

よくある落とし穴は、「解雇」の言葉を避けようとして、経緯をあいまいにするケースです。「諸事情により退職」のように書くと、かえって何かを隠しているように見えます。「支店の閉鎖に伴う解雇」「工場の閉鎖により退職」と、閉鎖という事実を主語にすれば、読み手は誤解しません。

退職勧奨を受けた

会社から退職を勧められ(退職勧奨)、それを受け入れたケースです。人員削減のための勧奨でも、一人ひとりに向けられたものに見えるため、採用担当は「本人の評価が理由ではないか」を気にします。

職務経歴書に書きたいこと

  • 勧奨の背景(部門の外部委託、人員削減の計画など)
  • 対象の範囲(部門の全員、一定の年齢以上など、わかる範囲で)
  • 在籍中の実績(評価が理由ではないことの裏付けになる)

記入例

退職理由:物流部門の外部委託に伴う退職勧奨を受け、退職

【経緯】2026年4月、会社が物流部門を外部に委託することを決め、部門の社員全員(15名)に退職の勧奨が行われました。

ポイント

  1. 勧奨の背景と対象の範囲を書いているので、個人を狙ったものではないことが伝わります。
  2. 職務経歴の【実績】と合わせて読むと、評価の問題ではないことがはっきりします。

よくある落とし穴は、勧奨を受けたときのやり取りや、会社への不満を詳しく書くケースです。書類に書くのは背景と事実だけで十分です。勧奨の進め方に納得できない点があったとしても、それは応募先の採用担当が判断できることではありません。

会社都合の退職とAI:前職での経験と、退職後の学び直しをどう書くか

退職後の学び直しとAIを職務経歴書に書くときの3つのルール
この章のまとめ:AIの経験を書くときの3つのルール

AIをどこまで使うか、応募者にどこまで求めるかは、応募先の規模・業界・社内ルールによって大きく違います。IPA(情報処理推進機構)の「DX動向2026」では、AIを導入している企業は従業員1,001人以上で8割近くにのぼる一方、101人以下では16.6%でした。

AIを使った経験がないからといって、書類選考で不利になると考える必要はありません。まずは求人票に「生成AI」「AIツール」などの記載があるかを確かめ、書く量を決めましょう。

退職後の期間は、新しい道具を学び始めやすい時期

総務省の「令和8年版 情報通信白書」によると、生成AIを一つ以上の業務で使っている日本の企業は86.4%(「わからない」を除く)でした。業界が縮小して仕事の進め方を変えたい人や、職種の幅を広げたい人にとって、退職後の期間は新しい道具を学び始めやすい時期です。

パーソルキャリア(doda)の「企業のAI活用実態と人材戦略に関する調査」では、中途採用の人数が増えた・増える領域として「データ・デジタル/IT企画系」が最も多く挙がりました。ただし、AIを導入している従業員501人以上の企業に限った調査です。応募先の求人票と合わせて読みましょう。

学び直しの中で、AIはたとえば次のように使えます。

  • 学んでいる分野の用語を調べたり、理解を確かめる練習問題をつくったりする
  • 応募先の業界の公開資料を要約して、調べる当たりをつける(数字は元の資料で確かめる)
  • 職務経歴書の下書きの、読みにくい言い回しを確かめる(経歴の事実と数字は自分で書く)

書き方:「業務で使った」と「学習で使った」を分ける

前の会社の業務でAIを使っていた人は、PCスキル欄に書きます。退職後に学んでいることは、「退職の経緯について」の【現在の状況】や資格欄に書きます。業務での経験と、学習での経験を混ぜないことが大切です。

× NG例

生成AIを使いこなせます。退職後はAIの勉強にも力を入れています。

ここが惜しい

  1. 「使いこなせる」の中身がなく、どの業務でどう使ったのかがわかりません。
  2. 業務で使った経験と、退職後の学習が混ざっていて、実務の水準を判断できません。
  3. 情報の扱いや、出力の確認について書かれていません。

○ OK例

生成AI:社内ルールに沿い、提案資料の構成案づくりに使用(2025年〜)。顧客名・数値は入力せず、内容は自分で確認

ここが評価される

  1. 「提案資料の構成案づくり」と使った業務を絞り、期間も書いているので、実際の水準がわかります。
  2. 「顧客名・数値は入力せず」と書き、取引先の情報を守って使っていたことが伝わります。
  3. 「内容は自分で確認」と、出力をそのまま使っていないことを示しています。

学習の経験を書くときも、「何を、いつから、どこまで」を書きます。たとえば「2026年7月からWeb広告の基礎を学習中。生成AIは用語の確認と練習問題づくりに使用」のように、実務で使ったように見せないことが大切です。

前の会社の情報は、退職した後も持ち出さない

会社都合で退職した人が特に気をつけたいのは、前の会社の情報の扱いです。会社がなくなった場合や、事業から撤退した場合でも、顧客の情報や社内の資料は自分のものではありません。退職後に、前の会社の資料や顧客名をAIに入力しないことは、職務経歴書を書くときにも当てはまります。

職務経歴書の下書きをAIで整える場合も、取引先の社名や売上の内訳など、記入例でも伏せている情報は入力しないようにしましょう。

AIを使っていない・禁止の職場だった人は

前の会社でAIを使っていなかった、または使うことが禁止されていた人も、無理に書く必要はありません。禁止されていた場合は、ルールに従ってきたこと自体が大切な姿勢です。

代わりに、仕事のやり方を自分で変えた経験を書きましょう。記入例のように、チラシの部数が減る中でEC・SNS用画像とのセット提案を始めた経験は、AIと同じく「変化に合わせて道具ややり方を取り入れる力」を示します。

面接で会社都合の退職を聞かれたときの答え方

退職の理由を聞かれたときに話す順番:会社で起きた事実、自分の判断、退職までにしたこと、これからしたいこと
この章のまとめ:退職の理由を聞かれたときに話す順番

書類選考を通過すると、面接では退職の理由を必ずといってよいほど聞かれます。答えの基本は、職務経歴書の「退職の経緯について」に書いた内容を、自分の言葉で1分ほどで話すことです。書類と話がずれると、それだけで信頼を損ねます。よくある4つの質問で考えてみましょう。

「前の会社を辞めた理由を教えてください」

会社で起きた事実、自分の判断、退職までにしたことの順で話します。
例:「2026年1月に、会社が商業印刷事業から撤退することを決め、営業部門で希望退職の募集がありました。提案営業を続けたいと考えて応募し、退職日までは担当していた約45社の引き継ぎを担当しました。45社中42社が、提携先との取引を続けています」

「異動して、会社に残る道はなかったのですか」

残る道があったことは隠さず、それでも退職を選んだ理由を仕事の軸で話します。
例:「製造部門への異動の打診はありました。ただ、お客様の販促の課題を聞いて提案する仕事を11年続けてきて、これからもこの仕事で力を伸ばしたいと考えました。そのため、営業として働ける場を選びました」

「前の会社の事業撤退について、どう思っていますか」

不満を引き出す質問に聞こえても、批判はしないのが基本です。会社の判断を受け止めたうえで、学んだことを伝えます。
例:「印刷の需要が変わる中で、会社として必要な判断だったと受け止めています。私自身も、チラシの部数が減るお客様に画像制作とのセット提案を始めるなど、変化に合わせて提案を変えてきました。その経験は、次の職場でも活かせると考えています」

「退職してから、どのように過ごしていますか」

転職活動と並行して取り組んでいることを、具体的に話します。
例:「7月から転職活動をしながら、Web広告とアクセス解析の基礎を学んでいます。販促の提案でデジタルの施策も組み合わせられるようにするためです」
期間が長くなっている場合も、取り組んできたことを事実で話せば十分です。

提出前のチェックリスト

提出前に確かめる7つのこと
この章のまとめ:提出前に確かめる7つのこと

書き終えたら、提出前に次の項目を確認しましょう。

  • 職務要約の中心は経歴と成果で、退職の事実は最後に1文にとどめている
  • 退職理由を「事業撤退に伴う希望退職」「倒産により退職」など、会社で起きた事実の言葉で書いている
  • 前の会社や経営陣を批判する言葉、「やむを得ず」など不満が伝わる言葉を使っていない
  • 「リストラされた」など、本人の評価が理由だと誤解される表現を使っていない
  • 撤退や閉鎖が決まった後も担った引き継ぎなどの仕事を、事実と数字で書いている
  • 前の業界の専門知識だけでなく、応募先でも通じる力に言い換えている
  • 退職から期間が空いている場合は、現在取り組んでいることを事実で書いている

最後に、職務要約・会社概要・「退職の経緯について」の3か所と履歴書で、退職の時期や言葉が食い違っていないかを読み合わせましょう。

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よくある質問

履歴書の職歴欄には、退職理由をどう書けばよいですか?

履歴書の職歴欄は1行しかないため、「〇〇事業からの撤退に伴い退職」「会社都合により退職」など、短く書きます。詳しい経緯は職務経歴書の「退職の経緯について」にまとめ、両方の時期と内容が食い違わないようにしましょう。

希望退職に応じた場合も、「会社都合」と書いてよいですか?

雇用保険では、会社から退職を勧められたことによる離職は特定受給資格者に、人員整理などで希望退職の募集に応じた離職は特定理由離職者にあたる場合があり、最終的な判断はハローワークが行います。以前から常に設けられている早期退職優遇制度への応募は、これにあたりません。職務経歴書では区分の言葉にこだわるより、「事業撤退に伴う希望退職に応募」と事実で書くほうが伝わります。

倒産して、前の会社がもうありません。会社名は書くべきですか?

書きます。会社がなくなっても、そこで働いた経歴は変わりません。会社名と在籍期間、事業内容・従業員数をいつもどおり書き、「(2026年3月に破産)」のように添えれば、採用担当は事情をすぐに理解できます。

退職から半年以上たっています。空いた期間はどう書けばよいですか?

「退職の経緯について」の【現在の状況】に、転職活動と並行して取り組んでいることを書きます。学び直し、資格の勉強、職業訓練などを、始めた時期とともに書きましょう。期間が長くなっている場合の書き方は、ブランクがある人向けの記事でも詳しく解説しています。

割増退職金を受け取ったことは、書いたほうがよいですか?

職務経歴書に書く必要はありません。職務経歴書は、仕事の経験と成果を伝える書類です。退職金の額や条件を書くと、お金を理由に辞めた印象を与えることもあります。面接で聞かれた場合も、事実を短く答えれば十分です。

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参考資料

Author

佐藤 大貴

レジュメラボ編集責任者/アースダイバー代表

佐藤 大貴

人材紹介の会社で、キャリア系メディアの編集長をしていました。転職やキャリアをテーマにした記事づくりに長く関わり、2019年にアースダイバー株式会社を立ち上げました。編集長時代、たくさんの求職者の方やキャ…

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