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品質管理・品質保証の職務経歴書の書き方|採用担当に伝わる記入例と無料テンプレート

品質管理・品質保証の職務経歴書の書き方|採用担当に伝わる記入例と無料テンプレート

品質管理・品質保証の職務経歴書で評価されるのは、「どんな製品の品質を、どの規格の下で、どれだけ良くしてきたか」が数字で伝わるかどうかです。「検査業務」「クレーム対応」と業務名を並べるだけでは、品質をどこまで改善できる人なのかが伝わりません。

品質の仕事は、不具合が「起きなかった」ことが成果になるため、実績を書きにくいと感じる人が多い職種です。それでも、不良率、ppm(100万個あたりの不良数)、クレーム件数など、成果を示す数字は日々の仕事の中にそろっています。

この記事では、自動車部品メーカーで品質管理(QC)と品質保証(QA)を約10年半経験した人の記入例をもとに、項目ごとの書き方と、なぜそう書くと評価されるのかを解説します。QCとQAの違い、規格要求の厳しい業界、検査員から品質管理を目指す人の書き分け方も紹介します。

この記事でわかること

  • 品質管理・品質保証の職務経歴書の完成イメージ(記入例)
  • 公的データから見た、検査の仕事の求人動向とQC検定の位置づけ
  • 項目別の書き方と、OK例・NG例の違いの理由
  • QC・QA・業界別の書き分け方と、数字が書けないときの対処法
  • 2026年の品質の仕事とAI:外観検査AIなどの経験の書き方

無料テンプレート

品質管理・品質保証の職務経歴書、記入見本つきのテンプレートがあります

この記事の記入例と同じ形式で、Word・Excel・PDFの3形式。空欄のテンプレートと記入見本がセットになっています。

品質管理・品質保証の職務経歴書の記入例

まずは完成イメージです。自動車用ブレーキ部品メーカーで、工程内の品質管理を約3年半、品質保証を約7年経験した人を想定しています。画像をタップすると拡大できます。

品質管理・品質保証の職務経歴書の記入例(自動車部品メーカー 約10年半)
品質管理・品質保証の職務経歴書の記入例(A4・2枚)

この記入例と同じ形式のテンプレートを無料で用意しています。Word・Excel・PDFの3形式で、それぞれ空欄テンプレートと記入見本の2点セットです。

データで見る:品質管理・品質保証の転職で押さえたいこと

書き方の前に、品質の仕事の求人の動きと、代表的な資格であるQC検定の状況をデータで確認しておきましょう。

検査の職業は、求職者より求人が多い

厚生労働省の「一般職業紹介状況」では、ハローワークでの職業別の求人倍率がわかります。2026年8月の有効求人倍率は、職業計の1.06倍に対して、製品検査の職業(金属製品を除く)は1.72倍、機械検査の職業は1.49倍でした。検査の職業は、どの区分も職業計を上回っています。

検査の職業の有効求人倍率。いずれも職業計の1.06倍を上回る
検査の職業の有効求人倍率(ハローワーク、2026年8月)

出典:一般職業紹介状況(令和8年8月分)について(厚生労働省) 参考統計表

この区分は主に製品を検査する仕事の集計で、品質保証などの技術職は別の区分に入ることがあります。ハローワーク経由の数字で市場全体を表すものではありませんが、製造の現場で品質を担う人が求められている傾向は読み取れます。

検査の職業の求人は、1年前より増えている

同じ統計で、有効求人数を1年前と比べると、職業計は1.5%減っています。これに対して、機械検査の職業は23.0%増、製品検査の職業(金属製品)は16.0%増でした。全体が伸び悩むなかで、検査の求人は増えています。

有効求人数の前年同月比。機械検査の職業は23.0%増
検査の職業の有効求人数の前年同月比(ハローワーク、2026年8月)

出典:一般職業紹介状況(令和8年8月分)について(厚生労働省) 参考統計表(対前年同月比)

求人が多い職種でも、書類で「何ができる人か」が伝わらなければ、希望する条件の求人には進めません。同じ「品質管理3年」でも、扱った製品や手法によって中身は大きく違います。採用担当は、自社の製品や規格に当てはまる経験かを確かめながら読んでいると考えられます。

職務経歴書への落とし込み方

会社概要の欄に、扱った製品・顧客の業界・品質マネジメントシステムの規格を書き添えましょう。「自動車用ブレーキ部品」「IATF 16949認証取得」とあるだけで、どの水準の品質要求に慣れているかが伝わります。

QC検定は2級から難しくなり、合格率は3割を下回る

品質管理の知識を示す資格として広く知られているのが、日本規格協会が実施する品質管理検定(QC検定)です。第41回QC検定の受検データでは、3級の合格率が50.48%だったのに対し、2級は27.15%、1級は3.10%でした。

第41回QC検定の級別合格率。2級は27.15%
QC検定の級別合格率(第41回)

出典:第41回QC検定 受検データ(品質管理検定センター)

QC検定のレベル表では、2級は「自部門の品質問題解決をリードできるスタッフ」が対象とされています。統計的な手法を使って、職場の品質問題を自ら中心となって解決できるレベルです。品質管理・品質保証の求人でも、「QC検定2級以上」を歓迎条件に挙げる例がよく見られます。

職務経歴書への落とし込み方

資格欄には級と合格年月を正確に書きます。資格だけでは実務の力は伝わらないため、職務経歴の欄で「管理図で工程を監視した」「工程能力調査で改善した」など、検定で学ぶ手法を実際に使った場面を書くと、知識と実務がつながります。

品質管理・品質保証の職務経歴書テンプレートを無料でダウンロード

採用担当が品質管理・品質保証の職務経歴書で見ている3つのこと

データと採用の現場でよく見られる傾向を踏まえると、品質の仕事の採用担当は書類を読みながら次の3つを確認しています。

  1. QCとQA、どちらの経験がどれだけあるか工程内の品質をつくり込む仕事か、顧客に品質を保証する仕事か。求人が求める役割と経験が合っているか。
  2. 製品・業界・規格の近さ扱った製品や顧客の業界、ISO 9001・IATF 16949などの規格が、自社の求める品質水準に近いか。
  3. 改善と再発防止を数字で示せるか不良率・ppm・クレーム件数などを、どんな手法でどれだけ減らしたか。入社後も同じように改善できる根拠があるか。

項目別の書き方:OK例とNG例の違い

ここからは項目ごとに、NG例とOK例を並べて解説します。

職務要約:「製品・QCかQAか・規格・成果」を3〜5行で

職務要約は、採用担当が最初に読む部分です。経験年数に加えて、扱った製品、QCとQAのどちらを担当してきたか、規格、代表的な成果を3〜5行にまとめます。

× NG例

大学卒業後、株式会社サンプルオートパーツに入社し、品質管理部門で検査業務、クレーム対応、監査対応など品質に関わる業務を幅広く経験してまいりました。品質第一の姿勢で業務に取り組んでいます。

ここが惜しい

  1. どんな製品の、どの工程の品質を担当していたのかがわかりません。製品や業界が違えば、求められる知識も大きく変わります。
  2. 検査とクレーム対応が並んでいるだけで、QCとQAのどちらが中心だったのか判断できません。
  3. 「品質第一」は品質の仕事をする人なら誰もが書ける言葉です。裏付ける数字がないと、印象に残りません。

○ OK例

自動車部品メーカーの株式会社サンプルオートパーツで約10年半、品質管理・品質保証に従事してまいりました。入社から約3年半は製造部で、ブレーキ部品の工程内品質管理(QC)と検査員8名のとりまとめを担当しました。2019年10月からは品質保証部で、完成車メーカー2社向けの品質保証(QA)を担当しています。IATF 16949に基づくクレーム対応と再発防止に取り組み、顧客クレームを年間18件から6件に、納入不良率を45ppmから12ppmに減らしました。

ここが評価される

  1. 「ブレーキ部品」「完成車メーカー2社」「IATF 16949」で、製品・顧客・品質水準がすぐにわかります。
  2. QCとQAの期間を書き分けているので、どちらの役割にも対応できることが伝わります。
  3. クレーム件数とppmの変化で、成果が自己評価ではなく事実として伝わります。

職務経歴:工程の数字と、顧客側の数字を書き分ける

職務経歴は、品質の職務経歴書でいちばん重要な項目です。下の画像の3つのポイントを押さえると、同じ経験でも伝わり方が大きく変わります。

品質管理・品質保証の職務経歴の書き方のポイント
職務経歴の書き方のポイント

特に差がつくのが、実績の書き方です。QCとQAでは、示すべき数字が違います。下のOK例のCpk(工程能力指数)は、工程のばらつきが規格の幅に対してどれだけ余裕があるかを示す指標で、1.33以上がよく目安とされます。

× NG例

【内容】出荷検査、不良品の原因調査、工程改善

【実績】不良率の低減に貢献。クレーム対応を担当し、顧客の信頼回復に努めた

ここが惜しい

  1. 「不良率の低減に貢献」では、どの工程で、どれだけ下がったのかがわかりません。
  2. 「信頼回復に努めた」は姿勢を書いているだけで、結果が伝わりません。クレーム対応は、件数や再発の有無で書けます。
  3. 使った手法がないため、偶然の改善なのか、再現できる改善なのか判断できません。

○ OK例

【実績】切削工程の寸法不良に対し、なぜなぜ分析と工程能力調査を行い、刃具の交換基準を見直して工程能力指数Cpkを0.9から1.4に改善。工程内不良率を1.2%から0.4%に低減(2018年度)

【実績】顧客クレームを年間18件(2021年度)から6件(2025年度)に削減。主要顧客への納入不良率を45ppmから12ppmに低減(同期間)

ここが評価される

  1. QCの実績は「Cpk」「工程内不良率」という工程の数字、QAの実績は「クレーム件数」「ppm」という顧客側の数字で書き分けています。
  2. 「なぜなぜ分析」「工程能力調査」と手法を書いているので、入社後も同じやり方で改善できる人だと伝わります。
  3. 年度と期間をそろえているので、数字の信頼性が高まります。

不良率は「分母」と「期間」をそろえる

不良率やppmは、何に対する割合かで意味が変わります。工程内不良率なのか、顧客への納入不良率なのかを明記し、比べる期間をそろえましょう。面接で計算の根拠を聞かれても答えられるよう、元の数字を手元に控えておくと安心です。

活かせる経験・知識・スキル:規格・手法・調整力を3つに絞る

品質の仕事は扱う範囲が広いため、全部を並べると焦点がぼやけます。応募先の求人票に書かれた業務と重なるものを3つ程度に絞って書きます。

× NG例

・品質管理全般

・ISO

・コミュニケーション能力

ここが惜しい

  1. 「品質管理全般」では、検査なのか、工程管理なのか、品質保証なのかがわかりません。
  2. 「ISO」だけでは、どの規格で、内部監査をしたのか認証の取得に関わったのかが伝わりません。
  3. コミュニケーション能力は、相手と場面を書かないと評価につながりません。

○ OK例

・IATF 16949に基づく品質保証(8Dによるクレーム対応、PPAP、顧客監査・仕入先監査)

・なぜなぜ分析・FMEA・管理図・工程能力調査による原因究明と再発防止

・製造部門・検査員・仕入先など、立場の違う相手への是正の依頼と指導

ここが評価される

  1. 規格名と、その中で担当した業務がセットなので、経験の深さが伝わります。
  2. 手法名が具体的なので、応募先の品質の仕組みにそのまま入れるかを判断できます。
  3. 「調整」の相手を書いているので、品質の仕事に欠かせない社内外を動かす力が伝わります。

品質手法・PCスキル:手法名と「何に使ったか」まで書く

品質の仕事では、PCスキル欄を品質手法・PCスキルとして、統計的手法やコアツール(APQP・PPAP・FMEAなど)、測定機器もあわせて書くと、実務の力が伝わりやすくなります。

× NG例

QC七つ道具:使用可

Excel:中級

ここが惜しい

  1. 「使用可」では、どの手法を何に使ってきたのかがわかりません。
  2. 「中級」の基準は人によって違うため、判断材料になりません。

○ OK例

統計的手法:管理図(Xbar-R)、工程能力指数(Cp・Cpk)、パレート図による不良の層別

Excel:COUNTIFS・XLOOKUP関数、ピボットテーブルで不良データを集計(月約2,000件)

ここが評価される

  1. 手法名と使った目的があるので、品質のデータを自分で扱えることが伝わります。
  2. 扱ったデータの件数があると、日常業務でどの程度使ってきたかがわかります。

自己PR:強みは2つまで、必ずエピソードと数字を添える

自己PRは「強み → それを発揮したエピソード → 結果の数字」の順に書くと説得力が出ます。品質の仕事なら、原因究明・再発防止・社内外の調整のいずれかを軸にすると書きやすくなります。

× NG例

私の強みは、責任感の強さです。品質を守る最後の砦として、妥協しない姿勢で仕事に取り組んできました。

ここが惜しい

  1. 「責任感」「妥協しない」は、どの品質担当者も書ける言葉で、差がつきません。
  2. 「最後の砦」は検査で止める発想にも読めます。いまの品質の仕事では、不良をつくらない工程づくりが重視されます。
  3. どんな場面で何をして、どうなったのかがないため、本人の自己評価にとどまっています。

○ OK例

不具合の原因を数字で突き止め、再発させない力

2021年度に顧客窓口の主担当になった時点で、顧客クレームは年間18件でした。過去3年分を層別すると約6割が外観不良で、原因は出荷検査では防ぎきれない搬送工程にありました。FMEAを見直して搬送治具の変更を製造部と進め、2025年度は年間6件まで減っています。

ここが評価される

  1. 「層別」で原因を絞り込んだ過程があるので、思いつきではなく、データで考える人だと伝わります。
  2. 検査を厳しくするのではなく、工程側で対策しているので、品質保証の本来の役割を理解していることが伝わります。
  3. 「18件→6件」と結果を数字で示しているので、効果がはっきりします。
品質管理・品質保証の職務経歴書の記入見本つきテンプレート

QC/QA・業界別:職務経歴書の書き分け方

品質の仕事は、同じ「品質管理」という名前でも、役割や業界によって中身が大きく変わり、採用担当が見るポイントも変わります。まずは全体像を表で確認し、そのあと自分に近いタイプの解説を読んでください。

タイプ採用担当が見るポイント強調したい数字
工程内の品質管理(QC)工程で品質をつくり込み、不良を減らせるか工程内不良率、Cpk、検査の件数・人数
品質保証(QA)・顧客対応顧客に品質を説明し、再発を防げるかクレーム件数、納入不良率(ppm)、監査の回数
自動車・電子部品など規格要求の厳しい業界規格の要求を理解し、仕組みで運用できるか対応した規格、PPAPなどの件数、監査の結果
検査員から品質管理へ検査の経験を、品質の改善につなげられるか検査の件数・品目、判定精度、改善提案の件数

工程内の品質管理(QC)

QCは、製造の工程の中で品質をつくり込む仕事です。採用担当は、検査で不良を見つけるだけでなく、工程を改善して不良を出さないところまでできるかを見ています。担当した製品と生産量、工程の数字の変化を中心に書きます。

職務経歴書に書きたいこと

  • 担当した製品と生産量(月産〇万個など)
  • 検査・工程管理の中身と、使った手法(管理図など)
  • 工程内不良率やCpkの「前→後」
  • 検査員の教育や、検査基準の整備

記入例

【担当】ブレーキキャリパー部品(月産約12万個)の工程内品質管理・出荷検査

【実績】外観検査の限度見本を12品番分つくり直し、検査員8名の判定一致率を82%から96%に向上

ポイント

  1. 生産量を書いているので、どの規模の工程を担当していたかが伝わります。
  2. 限度見本の整備のような地道な仕事も、「判定一致率」という数字にすると成果として書けます。

よくある落とし穴

「検査を担当」とだけ書いてしまうケースです。抜き取り検査か全数検査か、寸法か外観かで、経験の中身は大きく違います。検査の種類と、検査の結果を工程にどう返したかまで書きましょう。

品質保証(QA)・顧客対応

QAは、顧客に対して品質を保証する仕事です。クレーム対応、顧客監査の受審、仕入先の管理、品質マネジメントシステムの運用など、会社の外と向き合う場面が多くなります。採用担当は、原因を説明し、再発を防ぐ仕組みをつくれるかを見ています。

クレーム対応の報告には、8D(8つの手順で原因究明から再発防止までをまとめる形式)がよく使われます。

職務経歴書に書きたいこと

  • 顧客の業界と社数、担当した品番数
  • クレーム対応の進め方(8Dなど)と、件数の変化
  • 顧客監査・仕入先監査・内部監査の回数と結果
  • 品質マネジメントシステムの運用で担った役割

記入例

【内容】8Dによるクレーム対応、新製品のPPAP提出(年間約15品番)、IATF 16949の内部監査(主任監査員)、仕入先約30社の監査(年間10社)、顧客監査の受審(年2回)

【実績】顧客監査(2024・2025年度の計4回)で重大な指摘ゼロ

ポイント

  1. 監査の種類ごとに回数や社数があるので、経験の量が具体的に伝わります。
  2. 「重大な指摘ゼロ」は、品質の仕組みを日頃から運用できていた証拠になります。

よくある落とし穴

クレームの内容を詳しく書きすぎるケースです。顧客名や不具合の詳細は機密情報にあたることがあります。「完成車メーカー2社」「外観不良」のように、特定されない書き方にとどめましょう。

自動車・電子部品など規格要求の厳しい業界

自動車ならIATF 16949、医療機器ならISO 13485、航空宇宙ならJIS Q 9100のように、業界ごとにISO 9001に上乗せした品質マネジメントシステムの規格があります。同じ業界への転職では、規格の経験がそのまま即戦力の証明になります。異なる業界へ移る場合は、規格に沿って仕組みを運用した経験として書くと、業界をまたいでも伝わります。

職務経歴書に書きたいこと

  • 対応した規格と、認証の取得・維持で担った役割
  • PPAP(量産部品の承認手続き)・FMEA(不具合を事前に洗い出す手法)などの経験
  • 顧客や認証機関の監査の結果
  • トレーサビリティ(製品の履歴をたどれる仕組み)の管理経験

記入例

【担当】車載向け電子部品(約60品番)の品質保証

【内容】IATF 16949の認証維持(定期審査の対応)、新製品のFMEAとPPAP作成(年間約10品番)、ロット単位のトレーサビリティ管理

【実績】PPAPの差し戻しを年間7件から1件に削減

ポイント

  1. 規格と、その中で担った業務がセットなので、経験の深さが伝わります。
  2. 「差し戻し件数」は、規格の要求を正しく理解して書類をつくれることを示す数字です。

よくある落とし穴

規格名を並べるだけのケースです。「ISO 9001、IATF 16949」と書いても、内部監査員なのか、事務局として認証を取ったのか、現場で運用しただけなのかで評価は大きく変わります。自分の役割まで書きましょう。

検査員から品質管理へ

検査員として働いてきた人が、品質管理や品質保証を目指すケースも多くあります。採用担当は、検査の経験そのものより、検査で見つけた不良を、改善につなげた経験があるかを見ています。小さな提案でも、検査の結果を工程に返した経験を書きましょう。

職務経歴書に書きたいこと

  • 検査した品目・検査の種類と、1日あたりの件数
  • 判定の正確さ(見逃しの件数、判定の一致率など)
  • 不良の傾向に気づいて、工程や上司に伝えた経験
  • QC検定など、品質管理の学習の状況

記入例

【内容】樹脂成形品の外観検査(1日約1,500個)、検査記録の入力

【取り組み】ばり不良が特定の金型に集中していることを検査記録から見つけ、班長に報告。金型の点検周期が見直され、ばり不良が月約120個から約40個に減少

ポイント

  1. 検査の量が書かれているので、現場での経験の濃さが伝わります。
  2. 「検査記録から見つけた」ことが、データで品質を見る力の証明になります。

よくある落とし穴

「検査のスピードと正確さ」だけを強みにしてしまうケースです。品質管理の求人では、検査を通して工程を良くする視点が求められます。改善につながった気づきを1つでも書くと、評価が変わります。

あわせて読みたい:生産管理の職務経歴書の書き方

2026年の品質管理・品質保証とAI:職務経歴書にどう書くか

製造業では、外観検査の自動化や品質データの分析に、AIを取り入れる動きが広がっています。ただし、AIの使い方や、どの程度の活用を求めるかは、応募先の規模・業界・社内ルールによって大きく異なります。

IPA(情報処理推進機構)の「DX動向2026」では、AIを導入している企業は、従業員1,001人以上で8割近くにのぼる一方、101人以下では16.6%にとどまります。AIを使った経験がないからといって、書類選考で不利になると考える必要はありません。まずは求人票に「生成AI」「AIツール」「画像検査」などの記載があるかを確認し、記載があれば具体的に書き、なければ1〜2行添える程度で十分です。

品質の仕事で現実的なAIの使い方

2026年時点で、品質管理・品質保証の現場で現実的なAIの使い方には、次のようなものがあります。

  • 外観検査AI(画像検査システム)の導入評価や運用。良品・不良品の画像を集め、判定の精度を確かめる
  • 検査記録や工程のデータを分析し、不良が増える条件の手がかりを探す
  • 8Dレポートや是正処置報告書の構成・文章の下書きをつくり、事実関係は自分で確認して仕上げる
  • 規格の要求事項や社内の品質文書を要約し、監査前の確認に使う
  • 海外の仕入先や顧客とのやり取りで、技術文書の翻訳の下書きに使う

外観検査AIは「精度をどう確かめたか」を書く

外観検査AIの導入に関わった経験は、品質の仕事ならではのAI経験です。書くときは、見逃し(不良を良品と判定する)と過検出(良品を不良と判定する)をどう評価したかを入れましょう。品質保証の立場では、見逃しは顧客への流出につながるため、過検出より重く見るのが一般的です。

評価に使った画像の枚数、判定の基準、目視検査と併用したかを書くと、AIを過信せずに品質を守れる人だと伝わります。

「何の業務で・どう使い・何が変わったか」を書く

「AIを活用」とだけ書いても、採用担当には何ができるのかが伝わりません。ほかの実績と同じように、対象の業務・使い方・結果をセットで書きます。

× NG例

外観検査へのAI導入プロジェクトに参加し、検査の自動化に貢献しました。

ここが惜しい

  1. どんな立場で、何を担当したのかがわかりません。
  2. 精度をどう確かめたのかがないため、品質の判断を任せられるか判断できません。
  3. 導入した範囲や、目視検査との関係がわからず、成果の大きさが伝わりません。

○ OK例

外観検査AI(画像検査システム)の導入評価を品質保証の立場で担当(2025年度)。画像約3,000枚で判定精度を検証し、不良の見逃しゼロ・過検出率5%以下を確認して、目視検査と併用で1ラインに導入しました。

ここが評価される

  1. 「品質保証の立場で」と役割が明確なので、何を任せられる人かが伝わります。
  2. 「約3,000枚」「見逃しゼロ」「過検出率5%以下」と評価の条件が具体的なので、精度を数字で確かめられる人だと伝わります。
  3. 「目視検査と併用」「1ライン」と導入の範囲を正直に書いているので、成果を盛っていない印象を与えます。

使うときの注意点と、書くときの注意点

品質の仕事では、図面、顧客の不具合情報、工程の条件など、外に出してはいけない情報を日常的に扱います。生成AIの経験を書くときは、次の3点を添えると安心感が伝わります。

  • 図面・顧客名・不具合の詳細などの機密情報をAIに入力しなかった
  • 会社が認めたツールを、社内ルールの範囲で使った
  • AIの出力をそのまま使わず、事実や数値を自分で確認・修正した

関わった範囲を実際より大きく書くのは避けましょう。導入をベンダーが進め、自分は評価用の画像を集めただけなら、そのとおりに書きます。

AIを使っていない・禁止の職場だった人は

顧客との契約や情報管理の方針から、生成AIの利用を認めていない製造業の職場は珍しくありません。その場合、無理にAIの経験を書く必要はありません。ルールに従って機密情報を守ってきたこと自体が、大切な姿勢です。

代わりに、データで品質を見てきた経験を書きましょう。管理図で工程の変化に早く気づいた、検査記録を層別して不良の原因を絞り込んだ、といった経験は、AIで品質データを分析するときにも欠かせない力です。こうした力のある人は、AIを使う職場に移っても、新しい道具として取り入れやすいと考えられます。

実績の数字が書けないときの対処法

「不良率は会社の数字で、自分の成果として書けない」「監査対応は成果が見えにくい」と感じる人もいるはずです。品質の仕事は、次の切り口で考えると、多くの業務を数字に置き換えられます。

切り口数字にする例書き方の例
品質の水準不良率・ppm・Cpk工程内不良率 1.2%→0.4%
顧客対応クレーム件数・再発の有無顧客クレーム 年間18件→6件
仕組みの運用監査の回数・指摘の件数顧客監査 計4回、重大な指摘ゼロ
検査の量と精度件数・品目・判定一致率判定一致率 82%→96%
人への働きかけ教育した人数・仕入先の数検査員8名の教育、仕入先約30社の監査

数字は、品質記録から拾い直すのがいちばん確実です。不具合の報告書、監査の記録、検査記録、品質会議の資料を見返すと、思い出せなかった数字が見つかります。社外秘の数字をそのまま書けない場合は、「約〇割減」のように割合で書けば十分に伝わります。

不良率は部署全体の数字で、自分の成果と言いにくい

自分が担当した対策と、その対象の範囲をはっきりさせて書きます。
例:「寸法不良の原因調査を担当し、刃具の交換基準を見直す対策を提案。対象工程の不良率が1.2%から0.4%に低減」
部署の成果を自分だけの手柄のように書かないことが大切です。

クレームや不良が「起きなかった」ことしか成果がない

起きなかったことも、期間と範囲をつけると成果になります。
例:「担当した約120品番で、2年間、重大な市場不具合ゼロ」「新製品15品番の量産立ち上げで、初期流動期間の顧客クレームゼロ」
ゼロを保つために続けた取り組みも添えると、偶然ではないことが伝わります。

監査や品質文書の仕事が中心で、改善の実績がない

監査は、回数・対象・指摘の結果で書けます。
例:「IATF 16949の内部監査を年間8部門で実施し、指摘事項の是正完了率100%」
仕組みを動かし続けたことも、品質保証では立派な実績です。

検査員で、決められた検査をしていただけ

検査の量と正確さが、そのまま実績になります。
例:「寸法・外観検査(1日約800個)を3年間担当し、顧客への流出ゼロ」
見つけた不良を報告し、対策につながった経験があれば必ず書きましょう。

あわせて読みたい:アピールできる実績がない人の職務経歴書の書き方

提出前のチェックリスト

書き終えたら、提出前に次の項目を確認しましょう。

  • 会社概要に、扱った製品・顧客の業界・品質マネジメントシステムの規格を書いている
  • 職務要約で、QCとQAのどちらの経験か(両方ならその期間)がわかる
  • 実績を、不良率・ppm・クレーム件数などの「前→後」で1つ以上書いている
  • 使った手法(なぜなぜ分析・FMEA・管理図など)を、使った場面とセットで書いている
  • 顧客名や不具合の詳細など、機密情報にあたる内容を書いていない
  • AIの経験を書く場合は、業務・使い方・精度の確かめ方と、情報の扱いで気をつけたことを書いている
  • A4で1〜2枚に収まり、規格名・手法名の表記がそろっている

品質の仕事の書類は、それ自体が「正確に記録する力」の見本として読まれます。表記のゆれや数字の計算違いは、ほかの職種以上に目につくと考えておきましょう。

状況別の無料テンプレート

ブランク、転職回数、未経験…気になる事情があるなら、状況別の記入見本も


職種の書き方はこの記事で、事情の伝え方は状況別の記入見本で。2つを組み合わせれば、書きにくいところも迷わず書けます。

よくある質問

品質管理と品質保証、どちらの経験として書けばいいですか?

実際に担った業務で判断します。会社によって部署名と仕事の中身が一致しないこともあるため、部署名だけでなく「工程内の不良対策」「顧客のクレーム対応」のように業務の中身を書けば、採用担当が自分で判断できます。両方を経験していれば、期間を分けて書きましょう。

QC検定などの資格がないと不利ですか?

資格がなくても、管理図や工程能力調査を実際に使った経験を具体的に書けば、実務の力は伝わります。ただし、求人票に「QC検定2級以上」などの記載がある場合は、学習中であることを書き添えると、意欲が伝わります。

顧客名や不良の詳細は、どこまで書いていいですか?

顧客名は「完成車メーカー2社」「大手電機メーカー」のように、特定されない書き方にします。不具合の内容も「外観不良」「寸法不良」程度にとどめ、図面の情報や顧客との契約に関わる内容は書かないのが基本です。

業界を変えて転職する場合、何を強調すればいいですか?

製品の知識より、どの業界でも通じる「品質の仕組みを運用する力」と「データで原因を突き止める力」を前に出します。業界別の規格も、ISO 9001を土台にした考え方は共通しています。

外観検査AIなどの経験がないと、品質の仕事で不利になりますか?

AIの活用をどの程度求めるかは応募先によって大きく違い、経験がないことだけで不利になるとは限りません。求人票に画像検査やAIの記載がある場合は、検査記録や管理図でデータを分析してきた経験を具体的に書き、新しい検査技術を学ぶことに前向きな姿勢を伝えましょう。

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佐藤 大貴

レジュメラボ編集責任者/アースダイバー代表

佐藤 大貴

人材紹介の会社で、キャリア系メディアの編集長をしていました。転職やキャリアをテーマにした記事づくりに長く関わり、2019年にアースダイバー株式会社を立ち上げました。編集長時代、たくさんの求職者の方やキャ…

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