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育休明けに転職する人の職務経歴書|育休・時短勤務の書き方と記入例・無料テンプレート

育休明けに転職する人の職務経歴書|育休・時短勤務の書き方と記入例・無料テンプレート

育児休業から復職し、短時間勤務で働きながら次の職場を考える。そんなとき、職務経歴書を前に手が止まる人は少なくありません。育休のことは書くべきか。時短勤務の希望を書いたら、書類で落とされるのではないか。休んでいた1年を、どう説明すればいいのか。

育休明けの職務経歴書で伝えるべきことは、休業の説明ではなく、休業の前後でどんな仕事をしてきたかと、これからどう働けるかの2つです。育児休業は期間を1行で示せば十分で、書くかどうかも自分で選べます。働き方の希望は、へりくだらずに「何時間・いつまで」という条件として書きます。

この記事では、生命保険会社で約12年半、契約保全の事務と事務企画を担当し、約1年の育児休業を経て短時間勤務で働いている人の記入例をもとに、項目ごとの書き方を解説します。復職して間もない人、育休中に転職活動をする人、男性の育休、2回以上の育休といったケース別の書き分け方と、面接での答え方も紹介します。

この記事でわかること

  • 育休明けに転職する人の職務経歴書の完成イメージ(記入例)
  • 公的データから見た、育休の取得状況・期間と、短時間勤務の制度の違い
  • 育児休業の期間と、今後の働き方の希望の書き方(OK例・NG例)
  • 復職直後・育休中の応募・男性の育休・2回以上の育休など、ケース別の書き分け方
  • 育休明けとAI:限られた時間の中での使い方を、職務経歴書にどう書くか
  • 面接で働き方や家庭のことを聞かれたときの答え方

無料テンプレート

育休明けに転職する人の職務経歴書、記入見本つきのテンプレートがあります

この記事の記入例と同じ形式で、Word・Excel・PDFの3形式。空欄のテンプレートと記入見本がセットになっています。

育休明けに転職する人の職務経歴書の記入例

まずは完成イメージです。生命保険会社の支社で4年、保全手続きと営業職員の事務サポートを担当したあと、本社の業務企画課で8年半、手続きの見直しや事務マニュアルの改訂を担ってきた人を想定しています。2024年4月から約1年の育児休業を取り、2025年4月に復職して、1日6時間の短時間勤務で働いています。

職務経歴の中では休業を「※」の1行にとどめ、職務経歴の後ろに「育児休業と今後の働き方について」の欄を設けているのが特徴です。画像をタップすると拡大できます。

育休明けに転職する人の職務経歴書の記入例(生命保険会社の事務企画 約12年半、育児休業 約1年)
育休明けに転職する人の職務経歴書の記入例(A4・2枚)

同じ形式のテンプレートを、Word・Excel・PDFの3形式(空欄と記入見本の2点セット)で無料で用意しています。

データで読む:育休は珍しい経歴ではない。伝えるべきは「いつまで、どう働けるか」

書き方に入る前に、育児休業がいまどのくらい取られ、どのくらいの期間で、復職後の制度がどうなっているのかを、厚生労働省のデータで確かめておきます。3つのデータを重ねると、見えてくることは1つです。育休は多くの人が通る経歴になり、休業の長さも制度の使い方も人によって違ういま、職務経歴書で伝えるべきなのは休業の理由ではなく、休業の前後の仕事と、これからの働き方の条件です。

女性の9割近く、男性も2人に1人が育休を取っている

厚生労働省の「令和7年度雇用均等基本調査」によると、育児休業の取得率は女性が88.3%(前年度86.6%)、男性が50.9%(同40.5%)でした。男性は2017年度の5.14%から8年で約10倍になり、初めて5割を超えています。

育児休業取得率の推移。女性は2017年度83.2%から2025年度88.3%、男性は5.14%から50.9%
育児休業取得率の推移:女性88.3%、男性50.9%に(厚生労働省、2017〜2025年度)

出典:令和7年度雇用均等基本調査 結果の概要 事業所調査(厚生労働省) 図4

採用担当の側から見ると、育休を経た応募者はもう珍しくありません。男女を問わず、職場の同僚や自分自身が育休を取ったことのある採用担当も増えています。だからこそ、育休を取ったこと自体を長く説明する必要はありません。説明が長いほど、肝心の仕事の話が埋もれてしまいます。

記入例が、育児休業を職務経歴の中の「※」1行の注記にとどめているのはこのためです。なお、2025年4月から、従業員300人を超える企業には男性の育休取得率などを年1回公表することが義務づけられました。応募先の両立支援の状況を調べるときの手がかりにもなります。

女性の育休は「1年前後」が中心。男性は約9割が半年未満

同じ調査で、2024年度に育児休業を終えて復職した人の取得期間を見ると、女性は「12か月〜18か月未満」が31.4%、「10か月〜12か月未満」が28.7%で、合わせて約6割が10か月から1年半の間でした。男性は「1か月〜3か月未満」が30.3%、「2週間〜1か月未満」が28.0%で、約9割が半年未満です。

育児休業の取得期間別の割合。女性は10か月〜1年未満28.7%、1年〜1年半未満31.4%。男性は1か月未満48.9%、1か月〜6か月未満40.4%
育児休業の取得期間:女性は1年前後、男性は半年未満が中心(厚生労働省、2024年度に復職した人)

出典:令和7年度雇用均等基本調査 結果の概要 事業所調査(厚生労働省) 表12

記入例の約1年は、女性の育休としてはいちばん多い長さです。採用担当にとって見慣れた長さなので、理由や事情を添えなくても、年月を書けば伝わります。比べられるのは休業の長さではなく、休業の前に何を積み上げ、復職後に何をしているかのほうです。

そこで記入例では、休業前の最後の実績(2023年度のFAQ整理)と、復職後の実績(2025年度下期の点検手順の見直し)を、休業の注記の前後に置いています。男性に多い数週間から数か月の育休なら、在籍が続いているので経歴の年月にずれは出ず、書くかどうかは自分で決めて構いません。

3歳以降の短時間勤務、使える期間は会社によって違う

子どもが3歳になるまでは、1日の所定労働時間を原則6時間とする短時間勤務の措置を設けることが、育児・介護休業法で事業主に義務づけられています。2025年10月からは、3歳から小学校に入るまでの子を育てる人向けに、短時間勤務やテレワークなど5つの措置から2つ以上を選んで設けることも義務になりました。

ただ、3歳以降に短時間勤務を使えるかどうか、使えるならいつまでかは、会社によって違います。雇用均等基本調査では、3歳以降の子を育てる人が使える短時間勤務制度がある事業所は59.4%でした。そのうち最長の利用期間は「小学校に入るまで」が57.7%で、小学校の卒業後も使えるところは13.3%です。

3歳以降の短時間勤務制度の最長利用期間。小学校に入るまで57.7%、小学3年生の修了まで16.2%、小学校の卒業まで12.8%、卒業後も使える13.3%
3歳以降の短時間勤務制度:最長の利用期間は事業所ごとに違う(厚生労働省、2025年10月1日現在)

出典:令和7年度雇用均等基本調査 結果の概要 事業所調査(厚生労働省) 表15

ここから編集部が読み取るのは、「時短勤務を希望します」とだけ書いても、応募先は自社の制度に当てはまるかを判断できない、ということです。制度の期間がこれだけばらばらなら、何時間の勤務を、いつまで希望するかがわかって初めて、配属や業務の分担を検討できます。

記入例の「入社後しばらくは、1日6時間の短時間勤務を希望します。2027年4月以降はフルタイムで勤務できます」は、まさにこの2つを書いた例です。もう1つ知っておきたいのは、勤続1年未満の人を労使協定で短時間勤務の対象外にできる、という点です。入社直後から制度を使えるかは会社によって違うため、応募先の制度は求人票や面接で確かめておきましょう。

まとめると、育休明けの職務経歴書では、育休を取ったことの説明よりも、休業の前後の仕事を数字で示すことと、働き方の希望を時間と期間で示すことで差がつきます。ここからは、採用担当の見方と項目ごとの書き方に落とし込んでいきます。

育休明けに転職する人の職務経歴書テンプレートを無料でダウンロード

採用担当が育休明けの応募者で確認している3つのこと

採用担当が確認している3つのこと。休業の前後を通じた仕事の中身、入社後の働き方の条件、限られた時間での仕事の進め方
この章のまとめ:採用担当が確認している3つのこと

こうした変化と採用の現場でよく見られる傾向を踏まえると、育休明けの応募者の書類を読むとき、採用担当が確かめたいことは次の3つです。

  1. 休業の前後を通じて、どんな仕事で成果を出してきたか採用担当が知りたいのは、休業の有無よりも職務の中身です。担当業務の量、改善の取り組み、前後の数字。休業前の実績と復職後の仕事を、ほかの応募者と同じ物差しで読めるかを見ています。
  2. 入社後の働き方の条件を、具体的に確認できるか短時間勤務や残業などに希望がある場合、何時間・いつまでかがわかれば、配属先や業務の分担を検討しやすくなります。条件が書類か面接ではっきりしていることは、入社後のミスマッチを防ぐことにもつながります。
  3. 限られた時間の中で、仕事をどう進めているか段取りの工夫、進み具合の共有、引き継ぎの仕組みづくりなど、仕事の進め方そのものは応募書類で伝えられる強みです。家庭の事情の説明ではなく、仕事の進め方と成果で示されているかを見ています。

3つとも、家庭の事情を書かなくても答えられることばかりです。育休明けの職務経歴書は、事情を説明する書類ではなく、仕事と条件を伝える書類だと考えると、書くべきことが絞れます。

項目別の書き方:OK例とNG例の違い

ここからは項目ごとに、NG例とOK例を並べて解説します。OK例は記入例からの引用です。育休明けの職務経歴書で特に差がつくのは、職務経歴の中での休業の書き方と、「育児休業と今後の働き方について」の欄です。

職務要約:経歴の中心は仕事の中身。育児休業に触れるなら1文で

職務要約は、採用担当が最初に読む部分です。育休明けの人ほど休業のことから書き始めがちですが、先に置くのは担当してきた業務と代表的な成果です。育児休業に触れる場合は、期間と復職の事実を最後に1文で添えます。

× NG例

保険会社で事務の仕事をしてきました。2024年に出産し、1年間育児休業を取得しました。現在は子どもが1歳になり保育園に預けられるようになったため、時短勤務で復帰しています。ブランクがありご迷惑をおかけするかもしれませんが、精一杯頑張ります。

ここが惜しい

  1. 担当業務も成果も書かれておらず、どんな仕事ができる人なのかがわかりません。
  2. 要約の大半が育児と家庭の事情で、子どもの年齢など書く必要のない個人情報まで入っています。
  3. 「ご迷惑をおかけするかも」とへりくだると、自分から評価を下げてしまいます。

○ OK例

生命保険会社の株式会社サンプル生命で、契約保全の事務と事務企画に携わってきました。(中略)住所変更のWeb受付の導入では事務フローの設計を担当し、郵送書類を月約2,400件削減しました。2024年4月から約1年の育児休業を経て復職し、現在は短時間勤務で業務改善を続けています。

ここが評価される

  1. 職務の内容と代表的な成果が先にあり、何ができる人かが最初の数行で伝わります。
  2. 育児休業は期間と復職の事実だけを1文で書き、家庭の事情には触れていません。
  3. 「業務改善を続けています」と今の仕事につなげているので、現役で働いていることが伝わります。

職務要約の最後には、応募先で担いたいことを1文で添えます。記入例の「事務企画の経験を活かし、業務の仕組みづくりに携わりたい」のように、仕事の言葉で締めると、転職の目的が働き方の条件だけではないことも伝わります。

書くかどうかは自分で選べる

職務経歴書に育児休業を書く決まりはありません。書かない場合は、職務要約から休業の1文を外し、職務経歴の注記や「育児休業と今後の働き方について」の欄も削除して構いません。

職務経歴:休業期間は1行の注記にし、復職後の担当と成果も書く

職務経歴は、育休明けの職務経歴書でいちばん差がつく項目です。休業の前後の仕事をどう並べるかで、同じ経歴でも読まれ方が変わります。下の画像の3つのポイントを押さえましょう。

育休明けに転職する人の職務経歴と「育児休業と今後の働き方について」欄の書き方のポイント
職務経歴と「育児休業と今後の働き方について」欄の書き方のポイント

× NG例

2018年4月〜現在 本社 契約サービス部

事務マニュアルの改訂、手続きの見直しなどを担当。

2024年4月〜2025年3月 育児休業のため休職

2025年4月 復職(時短勤務)

ここが惜しい

  1. 担当業務が並んでいるだけで、量も成果もありません。
  2. 休業と復職が経歴の中で目立ち、復職後にどんな仕事をしているのかが空白に見えます。
  3. 休業前の取り組みが書かれていないため、休業期間が経歴の中心のように読めてしまいます。

○ OK例

2023年度:支社からの照会を内容別に集計し、FAQ約180問に整理。照会件数を月約650件から約420件に削減

※2024年4月〜2025年3月 産前産後休業・育児休業(2025年4月に復職、短時間勤務)

【復職後】支社で行う保全書類の点検項目を約40項目から約25項目に整理。1件あたりの点検時間を約12分から約8分に短縮(2025年度下期、全支社に展開)

ここが評価される

  1. 休業前の実績を年度と数字で書いているので、休業の前に積み上げた力が伝わります。
  2. 休業期間を「※」の1行にまとめ、経歴の流れを止めていません。
  3. 復職後の成果も前後の数字で書き、短時間勤務でも成果を出していることが事実で伝わります。

休業の注記には「産前産後休業・育児休業」と書き、期間を年月で示します。データの章で見たとおり、1年前後の育休は珍しくありません。注記の前に休業前の最後の実績、後ろに復職後の実績を置くと、休業が仕事の流れの中の1行として読まれます。

復職後の期間が短くても書ける

復職して間もない場合は、担当している業務と量、取り組み中のことを書きます。「〇〇の見直しを担当(2026年度中に導入予定)」のように、進行中の仕事も事実の範囲で書けます。

育児休業と今後の働き方の書き方:書くなら事実と、働き方の希望を条件として簡潔に

記入例では、職務経歴の後ろに「■育児休業と今後の働き方について」の欄を設け、【休業期間】【復職後】【今後の働き方の希望】の3つを書いています。働き方に希望がある人が、条件を1か所にまとめて伝えるための欄です。

× NG例

■育児休業について

2024年に長男を出産し、1年間の育児休業を取得しました。夫は帰りが遅く、平日の保育園の送り迎えは私が担当しています。子どもの急な発熱などでご迷惑をおかけすることもあるかと存じますが、時短勤務をお許しいただけますと幸いです。

ここが惜しい

  1. 家族構成や家族の帰宅時間、子どもの性別など、応募書類に書く必要のない個人情報が入っています。
  2. 「お許しいただけますと幸いです」とへりくだっていて、対等な条件の確認になっていません。
  3. 時短勤務の時間も期間も書かれておらず、応募先が働き方を検討できません。

○ OK例

【休業期間】2024年4月〜2025年3月(産前産後休業・育児休業、約1年)。休業前に担当業務の引き継ぎ書を作成し、課内で分担しました。

【復職後】2025年4月に業務企画課に復職し、短時間勤務(1日6時間)で点検手順の見直しなどを担当しています。

【今後の働き方の希望】入社後しばらくは、1日6時間の短時間勤務を希望します。2027年4月以降はフルタイムで勤務できます。

ここが評価される

  1. 休業期間・復職後の勤務・今後の希望が、事実だけで短くまとまっています。
  2. 希望を「1日6時間」「2027年4月以降はフルタイム」と時間と期間で示し、条件として伝えています。
  3. 引き継ぎ書の作成という仕事上の工夫を添え、家庭の事情の説明はしていません。

厚生労働省の「公正な採用選考の基本」は、家族に関することや家庭環境などを応募書類や面接で把握することは、就職差別につながるおそれがあるとしています。応募する側も、家族構成や子どもの年齢、家族の勤務状況を書く必要はありません。伝えるのは、働ける時間と期間という条件だけで十分です。

希望は「〜を希望します」「〜から勤務できます」と言い切る形にします。データの章で見たように制度は会社ごとに違うため、時間と期間がはっきりしていれば、応募先は自社の制度と照らし合わせて検討できます。

書かない選択もできる

育児休業の取得を理由に、勤務先が解雇などの不利益な取り扱いをすることは、育児・介護休業法で禁止されています。また、職務経歴書に育児休業を書く義務もないため、この欄を書くかどうかは自分で選べます。書く場合は、事実と今後の働き方の希望を簡潔に。

短時間勤務などの条件がある場合は、書類か面接のどこかで伝えておくと、入社後の食い違いを防げます。会社によっては入社後1年未満の人を短時間勤務制度の対象外としている場合もあるため、制度は求人票や面接で確認しましょう。

活かせる経験・知識・スキル:業務の知識に、調整の経験と仕事の進め方を加える

この欄では、職務経歴の中から応募先で使える経験を3つ程度に絞ります。業務の知識だけでなく、調整してきた相手と、仕事の進め方の工夫を1つずつ入れると、経験の幅が伝わります。

× NG例

・保険事務の経験

・Word、Excel、PowerPoint

・育児と仕事を両立するマルチタスク能力

ここが惜しい

  1. 「保険事務」だけでは、どの手続きをどの程度担ってきたのかがわかりません。
  2. 育児との両立は仕事の経験ではないため、スキルとしては読み取りにくくなります。
  3. ソフト名だけで、何に使ったのかが書かれていません。

○ OK例

生命保険の契約保全手続き(住所変更・名義変更・解約など)の実務と、事務規程の知識

事務フローの設計と、システム部門・コールセンター・支社との調整(Web受付の導入など)

業務を計画的に進め、引き継ぎ書やFAQで仕事が特定の人に偏らない仕組みをつくる力

ここが評価される

  1. 担当した手続きの種類まで書いているので、業務知識の範囲が具体的に伝わります。
  2. 調整した相手と取り組みの名前があり、職務経歴の実績と結びつけて読めます。
  3. 仕事の進め方を「仕組みをつくる力」として書き、職場で役立つ強みに言い換えています。

3つ目の「仕事が特定の人に偏らない仕組み」は、育休の前に引き継ぎ書をつくった経験と、FAQの整理から導いた強みです。休業の経験そのものではなく、休業に備えて仕事をどう整えたかを書くと、どの職場でも役立つ力として読まれます。

休業中の学習は、事実があれば書けばよい

休業中に取得した資格や受講した講座があれば、資格欄やスキル欄に事実として書けます。ただし、休業中に勉強していなければ不利になるわけではありません。書くことがなければ、休業前と復職後の仕事の経験で十分です。

自己PR:休業前の強みと、限られた時間で成果を出す工夫を1つずつ

自己PRは「強み → 取り組み → 結果の数字」の順に書きます。育休明けの人は、両立の大変さや意気込みを書きたくなりますが、採用担当が読みたいのは仕事の進め方と、その結果です。

× NG例

育児休業中は、慣れない育児に奮闘しながら、時間の使い方を見直す毎日でした。この経験で身につけた忍耐力とマルチタスク能力を活かし、時短勤務でもフルタイムの人に負けないよう全力で取り組みます。

ここが惜しい

  1. エピソードが家庭の話で、仕事でどんな成果を出したのかがわかりません。
  2. 「フルタイムの人に負けないよう」は気負いが強く、強みの説明になっていません。
  3. 忍耐力・マルチタスク能力を裏付ける仕事上の事実や数字がありません。

○ OK例

限られた時間で成果を出す段取り力

復職後は1日6時間の勤務のため、作業を週単位で計画し、進み具合を課内で共有しています。保全書類の点検手順の見直しでは、点検項目を整理して1件あたりの点検時間を約12分から約8分に短縮しました。

ここが評価される

  1. 短時間勤務を前提に、仕事の進め方の工夫を具体的に書いています。
  2. 工夫の結果を前後の数字で示しているので、強みに説得力があります。
  3. 記入例では1つ目の強みに休業前の実績(照会件数の削減)を書き、経験の厚みと今の働き方の両方を伝えています。

「進み具合を課内で共有しています」の一言は、急な休みがあっても仕事が止まらない進め方をしていることの裏付けにもなります。働き方への不安に先回りして答えるなら、謝ったり約束したりするより、今している仕事の進め方を書くほうが伝わります。職種ごとの書き方の詳しいポイントは、職種別の記事で解説しています。

育休明けに転職する人の職務経歴書の記入見本つきテンプレート

ケース別:育休明けの職務経歴書の書き分け方

ケース別の書き分けのポイント。復職して間もない、育休中に転職活動をする、男性の育休・短い育休、育休を2回以上取った
この章のまとめ:ケース別の書き分けのポイント

育休明けといっても、復職してからの期間、休業の長さ、応募する時期は人によって違います。まず表で全体像を確認しましょう。

ケース採用担当が気にすること書くべきこと
復職して間もない(復職後1年未満)復職後の仕事の様子がわかるか担当している業務と量、取り組み中のこと
育休中に転職活動をするいつから、どう働けるか休業中であること、入社できる時期、働き方の希望
男性の育休・数週間〜数か月の育休(多くの場合、特に気にしない)書くかは自由。書くなら1行と、引き継ぎの工夫
育休を2回以上取った休業のあいだの仕事の中身休業ごとの1行の注記と、あいだの期間の成果

なお、育休のあとに退職し、しばらく仕事から離れてから転職する場合は、職務経歴書の上では「ブランク」として書くことになります。その場合は、離職期間の書き方を解説したブランクがある人向けの記事もあわせて参考にしてください。

復職して間もない(復職後1年未満)

復職から日が浅いと、「復職後に書ける実績がない」と感じがちです。しかし、成果がまだ出ていなくても、いま担当している業務と量は事実として書けます。

職務経歴書に書きたいこと

  • 復職した時期と、配属先・勤務の形(短時間勤務など)
  • 担当している業務の内容と量(件数・ページ数・担当先の数など)
  • 進めている取り組みと、予定している時期

記入例

※2025年4月〜2026年3月 産前産後休業・育児休業(2026年4月に復職、短時間勤務)

【復職後】顧客対応の手順書(約60ページ)の改訂を担当。問い合わせの多い20項目を先に見直し、2026年12月に改訂版を配布予定

ポイント

  1. 進行中の仕事でも、対象の量と予定の時期があれば、復職後に任されている仕事の水準が伝わります。
  2. 「予定」と書き、まだ終わっていないことを正直に示しています。

よくある落とし穴

「復職後は慣らし勤務中」「まだ本調子ではありません」と書くケースです。気持ちとしては自然でも、書類では仕事を任せにくい印象だけが残ります。担当している業務を事実で書けば十分です。

育休中に転職活動をする

育休中に、復職を待たずに転職先を探す人もいます。その場合に採用担当が知りたいのは、いつから、どのような条件で働けるかです。休業中であることは伏せずに、入社できる時期とあわせて書きます。

職務経歴書に書きたいこと

  • 育児休業中であることと、休業の期間
  • 入社できる時期
  • 入社後の働き方の希望(時間と期間)

記入例

※2025年10月〜現在 産前産後休業・育児休業中(2026年9月末まで)

【入社できる時期】2026年10月以降に入社できます。入社後1年ほどは1日6時間の短時間勤務を希望します。

ポイント

  1. 休業中であることと入社できる時期が並んでいるので、採用担当は入社時期の調整を具体的に進められます。
  2. 働き方の希望を時間と期間で書き、条件として伝えています。

休業中の転職では、育児休業給付金や社会保険の扱い、いまの勤務先の就業規則など、確かめておきたいことがあります。応募の前に、勤務先の担当部署やハローワークで確認しておきましょう。

よくある落とし穴

休業中であることを書かずに「在職中」とだけ書き、面接の終盤で入社時期が合わないとわかるケースです。お互いの手間を省くためにも、入社できる時期は最初から書いておきましょう。

男性の育休・数週間〜数か月の育休

データの章で見たとおり、男性の育休は約9割が半年未満です。在籍が続いているので経歴の年月にずれは出ず、書くかどうかは自分で決めてよいケースです。書くなら、職務経歴の中に1行の注記として入れます。

職務経歴書に書きたいこと

  • 書く場合は、休業の期間を1行で
  • 休業に備えた引き継ぎや、業務の分担の工夫
  • 休業の前後で担当した仕事の成果

記入例

※2025年6月〜8月 育児休業(約2か月)。休業中の担当案件は、引き継ぎ書を作成して課内2名で分担

ポイント

  1. 期間と引き継ぎの工夫だけを書き、仕事の段取りができる人であることが伝わります。
  2. 休業を特別なこととして説明せず、ほかの注記と同じ温度で書いています。

よくある落とし穴

育休を取ったことを自己PRの中心にするケースです。育休の取得そのものは仕事の成果ではありません。書くなら、引き継ぎの仕組みづくりなど、仕事の進め方として書きましょう。

育休を2回以上取った

育休を2回以上取ると、休業が経歴の中で目立つのではと心配になります。書き方の基本は同じで、休業は1回ずつ1行の注記にし、あいだの期間の仕事を厚く書くことです。

職務経歴書に書きたいこと

  • 休業ごとの期間(1回ずつ1行で)
  • 休業のあいだの期間に担当した業務と成果
  • いまの勤務の形と、今後の働き方の希望

記入例

※2019年4月〜2020年3月 産前産後休業・育児休業(約1年)

【2020年4月〜】請求書の発行手順を見直し、締め日の残業を月約15時間から約5時間に削減(2021年度)

※2022年10月〜2023年9月 産前産後休業・育児休業(約1年)

ポイント

  1. 2回の休業を同じ形の注記にそろえ、あいだの期間の成果を数字で書いています。
  2. 休業の合計年数を強調せず、仕事の流れの中に置いています。

よくある落とし穴

「2度の育休で計2年間休みましたが」と、休業の合計を自分から強調するケースです。年月は注記で読み取れるので、まとめ直す必要はありません。

育休明けとAI:限られた時間の中での使い方を、職務経歴書にどう書くか

AIの経験の書き方。伝わりにくいのは「生成AIで効率化」とだけ書くこと。伝わるのは、使った業務と使い方、社内で許可されたツールか、確認の方法を添えること
この章のまとめ:AIの経験の書き方

AIの使い方や、どの程度の活用を求めるかは、応募先の規模・業界・社内ルールによって大きく違います。IPA(情報処理推進機構)の「DX動向2026」では、AIを導入している企業は従業員1,001人以上で8割近くにのぼる一方、101人以下では16.6%にとどまります。

AIを使った経験がないからといって、書類選考で不利になると考える必要はありません。求人票に「生成AI」「AIツール」などの記載があれば具体的に書き、なければPCスキル欄に1行添える程度で十分です。

職場のAIは、もう身近な道具になっている

総務省の「令和8年版 情報通信白書」では、生成AIを1つ以上の業務で使っている企業は86.4%(日本、「わからない」を除く)でした。1年前後の休業から戻ると、職場で使えるツールが増えていた、という人も多いはずです。記入例の人も、復職から半年後の2025年10月に、社内で許可されたツールを使い始めています。

育休明けの人にとって、AIは「時間の足りなさを埋める道具」と書きたくなるかもしれません。ただ、職務経歴書で伝わるのは、時間の事情ではなく、どの業務で、どう使い、どう確かめたかです。事務の仕事なら、たとえば次のような使い方が現実的です。

  • マニュアルや手順書の改訂で、文案の下書きをつくる(記入例の使い方)
  • 会議のメモを要約し、課内で共有する文章のたたき台をつくる
  • Excelの関数の組み方や、集計表の作り方を相談する
  • よくある照会をもとに、FAQの見出しの案を出す(回答の内容は規程で確かめる)

IPAの調査でも、AIの用途は「文書・音声の要約、翻訳、校正」が82.5%と最も多く挙がっています。下書きや要約は、事務の仕事で最も取り入れやすい使い方です。

「何の業務で・どう使い・どう確かめたか」を書く

× NG例

生成AIを活用して業務を効率化し、短時間勤務でもフルタイムと同じ量の仕事をこなしています。

ここが惜しい

  1. どの業務に、どう使ったのかがわかりません。
  2. 「フルタイムと同じ量」は確かめようがなく、気負いだけが伝わります。
  3. 顧客情報を入力していないか、出力を確認したかが書かれておらず、安心して任せられるか判断できません。

○ OK例

生成AI:社内で許可されたツールで、マニュアル改訂の文案の下書き(2025年10月〜。顧客情報は入力せず、内容は自分で確認)

ここが評価される

  1. 「マニュアル改訂の文案の下書き」と使った業務が具体的で、入社後に任せられる場面が想像できます。
  2. 「社内で許可されたツール」「顧客情報は入力せず」と、ルールの中で使っていることが伝わります。
  3. 使い始めた時期を書き、実際に使っている範囲だけを示しています。

保険の契約や顧客の情報は、外部に出してはいけない情報の代表です。AIの経験を書くときは、入力しなかった情報と、確認の方法を必ず添えましょう。使った経験を実際より大きく書くのは避け、面接で「どこを自分で直したか」と聞かれても答えられる範囲にとどめます。

AIを使っていない・使えない職場の人は

顧客情報の管理を理由に、生成AIの利用を認めていない会社は珍しくありません。使っていないなら、無理に書く必要はありません。休業中にAIの勉強をしていなくても、不利になるわけではありません。

代わりに、記入例の「XLOOKUP・COUNTIFS関数、ピボットテーブルでの照会件数・処理時間の集計と分析」のように、データで仕事を見直した経験を具体的に書きましょう。数字で現場の手間をとらえ、仕組みで減らした経験は、AIの経験と同じく「仕事のやり方を自分で変えられる力」を示します。

面接で働き方や家庭のことを聞かれたときの答え方

面接でよく聞かれることと答え方の軸。残業は時間と期間で、急な休みは仕事を止めない進め方で、転職の理由は担いたい仕事から、制度は入社前に確認
この章のまとめ:面接でよく聞かれることと答え方の軸

育休明けの面接では、働き方についての質問が出ることがあります。答え方の基本は、職務経歴書に書いた条件と同じ言葉で、事実を短く答えることです。書類と面接で条件が食い違うと、それだけで信頼を損ねます。

「残業はどのくらいできますか」と聞かれた

書類に書いた時間と期間で答えます。
例:「入社後しばらくは1日6時間の短時間勤務を希望しているため、その間の残業は難しいです。2027年4月以降はフルタイムで勤務でき、繁忙期の残業にも対応できます」
できないことと、いつからできるかをセットで伝えると、応募先は配属や分担を具体的に検討できます。

「お子さんが急に熱を出したらどうしますか」と聞かれた

厚生労働省の「公正な採用選考の基本」では、家族に関することや家庭環境などを面接で尋ねることは、就職差別につながるおそれがある事項とされています。家庭の体制を細かく説明する必要はありません。
答えるなら、仕事を止めない進め方で答えます。
例:「作業を週単位で計画して進み具合を課内で共有し、急に休む日があっても引き継げる形にしています」

「なぜ今、転職するのですか」と聞かれた

働き方の条件だけを理由にせず、次の職場で担いたい仕事から話します。
例:「Web受付の導入や点検手順の見直しで、事務の仕組みを変える仕事にやりがいを感じてきました。今後は業務の仕組みづくりを中心に担える環境で働きたいと考えています」
今の職場への不満は、事実であっても長く話さないほうが伝わります。

こちらから、短時間勤務の制度について確かめたい

短時間勤務を希望するなら、入社前に制度を入社直後から使えるかを確認しておきます。勤続1年未満の人を労使協定で対象外にしている会社もあるからです。
例:「入社後しばらく1日6時間の勤務を希望しています。御社の短時間勤務制度は、入社直後から利用できますか」
条件の確認は失礼なことではありません。入社後の食い違いを防ぐための大切な質問です。

提出前のチェックリスト

提出前に確かめること。職務要約は仕事の中身から、休業は1行の注記、働き方の希望は時間と期間、家族構成や子どもの年齢を書かない、へりくだらない
この章のまとめ:提出前に、ここだけは確かめる

書き終えたら、提出前に次の項目を確認しましょう。

  • 職務要約が仕事の中身と成果から始まり、育児休業に触れる場合は1文にとどめている
  • 休業前の実績を、年度と前後の数字で書いている
  • 育児休業の期間は、職務経歴の中に1行の注記として書いている(書かない場合は削除している)
  • 復職後に担当している業務と成果も書いている
  • 働き方の希望は、時間と期間を入れて条件として書き、へりくだった表現になっていない
  • 家族構成・子どもの年齢・家族の勤務状況など、必要以上の個人情報を書いていない
  • 生成AIの活用は、社内ルールと確認の方法を添え、実際に使った範囲だけを書いている

最後に、職務要約・職務経歴・「育児休業と今後の働き方について」の欄で、休業の年月と勤務の時間が食い違っていないかを突き合わせましょう。

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よくある質問

育児休業のことは、職務経歴書に書かないといけませんか?

書く決まりはありません。在籍が続いているので、書かなくても経歴の年月にずれは出ません。書かない場合は、記入例の「※」の注記と「育児休業と今後の働き方について」の欄を削除します。働き方に希望がある場合は、面接など書類以外の場で伝えれば構いません。

短時間勤務の希望を書くと、書類選考で不利になりませんか?

希望の条件が応募先の働き方と合わなければ、選考が進まないことはあります。ただ、条件を伏せて入社しても、あとで食い違えば双方が困ります。書類か面接のどこかで「何時間・いつまで」を伝えておくと、条件の合う職場と出会いやすくなります。

履歴書にも育児休業を書くべきですか?

履歴書の職歴欄は、入社・退職などの事実を年月で書くのが基本で、在職中の育児休業は書かなくても構いません。職務経歴書に書く場合は、履歴書と年月が食い違わないようにしましょう。

育休中に応募しても大丈夫ですか?

育休中に応募する人もいます。その場合は、休業中であることと入社できる時期を正直に書きましょう。育児休業給付金や社会保険の扱い、いまの勤務先の就業規則は、応募の前に勤務先やハローワークで確認しておくと安心です。

育休中にAIやパソコンの勉強をしていないと、不利になりますか?

不利になるとは限りません。AIの活用をどの程度求めるかは応募先によって大きく違います。休業前と復職後の仕事の経験を具体的に書けば十分です。復職後に使い始めたツールがあれば、使った業務と確認の方法を添えて1行書きましょう。

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Author

佐藤 大貴

レジュメラボ編集責任者/アースダイバー代表

佐藤 大貴

人材紹介の会社で、キャリア系メディアの編集長をしていました。転職やキャリアをテーマにした記事づくりに長く関わり、2019年にアースダイバー株式会社を立ち上げました。編集長時代、たくさんの求職者の方やキャ…

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