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Webマーケティングの職務経歴書の書き方|採用担当に伝わる記入例と無料テンプレート

Webマーケティングの職務経歴書の書き方|採用担当に伝わる記入例と無料テンプレート

Webマーケティングの職務経歴書でよくあるのが、「SEO、SNS、広告、MAなど幅広い施策を担当し、PDCAを回してきた」と、施策の名前を並べて終わる書き方です。これでは、どの施策を自分で動かし、事業にどれだけの成果を返したのかが伝わりません。採用担当が知りたいのは、誰に向けて、どの施策で、売上に近いどんな数字を動かしたかです。

とくにBtoB(企業向け)のWebマーケティングは、集めたリードを営業部門が商談にし、受注するまでが一つの流れです。訪問数や資料請求の数を増やすだけでなく、それが商談につながったかまで問われます。

この記事では、法人向け研修会社で3年、BtoB SaaSの会社で約7年半Webマーケティングを担当し、SEOとコンテンツ、MAとウェビナーでリードを商談につなげてきた人の記入例をもとに、項目ごとの書き方と評価される理由を解説します。経歴・応募先別の書き分け方と、AIの経験の書き方も紹介します。

この記事でわかること

  • Webマーケティングの職務経歴書の完成イメージ(記入例)
  • データで読む、Webマーケティングで差がつくところ
  • SEO・MA・ウェビナーの実績を、OK例・NG例で書くコツ
  • BtoB・BtoC・支援会社・未経験からの書き分け方
  • 2026年のWebマーケティングとAI:顧客情報を守りながら書く方法

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Webマーケティングの職務経歴書の記入例

まずは完成イメージです。法人向け研修会社の営業企画部でWebサイトの更新やメールマガジンを3年担当した後、経費精算のクラウドサービスを提供するBtoB SaaSの会社に転職。オウンドメディアのSEOで資料請求を増やし、現在はリード獲得グループのリーダーとして、MAとウェビナーを使って商談をつくっている人を想定しています。画像をタップすると拡大できます。

Webマーケティングの職務経歴書の記入例(BtoB SaaSでSEO・MA・ウェビナーを担当)
Webマーケティングの職務経歴書の記入例(A4・2枚)

この記入例と同じ形式のテンプレートを無料で用意しています。Word・Excel・PDFの3形式で、空欄テンプレートと記入見本の2点セットです。

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データで読む:差がつくのは「施策の名前」ではなく「成果」と「信頼」

書き方に入る前に、Webマーケティングの仕事と、その届け先について、公表されているデータを見ておきます。3つの資料を重ねると、見えてくることは1つです。SEOやアクセス解析は、この職種のほぼ全員が担う基本の仕事です。だから職務経歴書で評価されるのは、施策の名前ではなく、施策を売上に近い成果につなげ、預かった顧客データを丁寧に扱えることです。

SEOとアクセス解析は、ほぼ全員が担う「基本の仕事」

厚生労働省の職業情報提供サイトjob tag「Webマーケティング(ネット広告・販売促進)」では、この職業で働く人への調査をもとに、仕事(タスク)ごとの実施率を公表しています。「SEO(検索エンジン最適化)を行う」は93.6%、「アクセス解析の結果をもとに改善策を考える」は87.2%でした。一方で、「効果の検証・改善提案のレポートを作る」は72.3%、「メールマガジンを作り、配信する」は55.3%です。

Webマーケティングのタスク実施率。SEO93.6%、トレンドやニーズの収集91.5%、アクセス解析をもとに改善策87.2%、コンテンツを自分で作る87.2%、広告の効果の集計・分析85.1%、社内外との調整83.0%、効果検証のレポート72.3%、メールマガジン55.3%
言いたいこと:SEOとアクセス解析は、ほぼ全員が担う基本の仕事(job tag)

出典:職業情報提供サイト(job tag)「Webマーケティング(ネット広告・販売促進)」(厚生労働省)(2026年10月29日閲覧)

この値は就業者へのWeb調査によるもので、目安として読む必要があります。それでも、読み取れることははっきりしています。編集部の読みでは、「SEOを担当しました」「アクセス解析をしてきました」と書くだけでは、ほかの応募者との違いになりません。9割の人が同じ言葉を書けるからです。

違いになるのは、その先です。記入例では、SEOの実績を「自然検索からの月間訪問数 約3.2万→約11.5万」と書いたうえで、「自然検索経由の資料請求 月約40件→約150件」と、成果に近い数字まで書いています。訪問数で止めず、事業にとって意味のある数字までたどり着いたことが伝わります。

もう一つ注目したいのは、レポートやメールマガジンの実施率が7割、5割台にとどまっていることです。効果を検証して改善を提案する仕事や、メールでリードを育てる仕事は、担っている人とそうでない人がいます。経験があるなら、職務経歴書では埋もれさせずに書きましょう。

40代・50代の利用目的では、メールと検索が8割台半ば

では、Webマーケティングの届け先はどうでしょうか。総務省の「令和7年通信利用動向調査ポイント」で、インターネットの利用目的を年齢階層別に見ると、40〜49歳では「電子メールの送受信」が87.0%、「検索サービスの利用」が84.9%でした。50〜59歳でも、電子メールが87.0%、検索が84.7%です。SNSの利用も、40〜49歳で91.3%と高くなっています。

インターネットの利用目的(2025年)。40〜49歳:SNS91.3%、電子メール87.0%、検索84.9%、動画71.2%、ホームページ・ブログ68.0%。50〜59歳:SNS86.4%、電子メール87.0%、検索84.7%、動画65.7%、ホームページ・ブログ62.9%
言いたいこと:40代・50代では、メールと検索が8割台半ば(総務省、2025年8月末)

出典:令和7年通信利用動向調査ポイント(総務省)(2026年5月29日公表)

この調査は個人のインターネット利用全般を聞いたもので、仕事での利用だけを取り出したものではありません。そのうえで、編集部の読みでは、企業で導入を決める立場にある世代にも、メールと検索は日常的に届く経路です。BtoBのWebマーケティングで、SEOとメール(MA)が今も中心にあるのは、このためだと読めます。

職務経歴書では、こうした経路を「検討段階」に合わせてどう使い分けたかを書くと、考え方が伝わります。記入例の「ウェビナーを『入門』『導入事例』『操作デモ』の3種類に分け、参加後の案内メールを検討段階別に自動で送る流れ(12本)を設計」は、検索・ウェビナー・メールを、相手の状況に合わせてつないだ書き方です。

メールやMAは、顧客データを預かる仕事でもある

メールやMAで成果を出すには、顧客の連絡先や行動のデータを預かることになります。個人情報保護委員会によると、委員会が処理した民間事業者からの個人データの漏えい等の報告は、2025年度の4つの四半期で5,007件、3,916件、4,086件、4,130件、合計1万7,139件でした。2026年度の第1四半期は5,451件です。

民間事業者からの漏えい等報告の件数(四半期ごと)。2025年度第1四半期5,007件、第2四半期3,916件、第3四半期4,086件、第4四半期4,130件、2026年度第1四半期5,451件
言いたいこと:個人データの漏えい等の報告は、民間事業者で2025年度に1万7,139件(個人情報保護委員会)

出典:令和8年度第1四半期における漏えい等報告の処理状況(個人情報保護委員会)(2026年9月2日)

この資料には原因別の内訳はなく、Webマーケティングに関わる件数がどれだけかはわかりません。それでも、個人データの扱いが多くの事業者にとって身近な課題であることは読み取れます。編集部の読みでは、顧客データを扱う仕事だからこそ、データを正しく扱える人は、それだけで信頼されます。

職務経歴書では、配信リストの管理や配信前の確認の手順、外部のツールに入力しない情報のルールなど、データを守る仕組みに関わった経験があれば、1行で添えましょう。記入例でも、生成AIを使った行に「顧客情報は入力せず、公開前に自分で確認」と書いています。

まとめると、いまのWebマーケティングの職務経歴書では、施策の名前を並べるよりも、その施策を資料請求や商談などの成果にどうつなげ、顧客のデータをどう扱ってきたかを書けるかで差がつきます。次は、採用担当が書類のどこを見ているかを確認します。

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採用担当がWebマーケティングの職務経歴書で見ている3つのこと

採用担当が確かめる3つのこと:誰に何をどの施策で、売上に近い成果の数字、仕組みと営業部門との連携
この章のまとめ:採用担当が確かめる3つのこと

こうした変化と採用の現場でよく見られる傾向を踏まえると、Webマーケティングの採用担当は、書類から次の3つを確認しています。

  1. 誰に、何を、どの施策で売ってきたかBtoBかBtoCか、商材の価格や検討期間はどれくらいか。SEO・コンテンツ・MA・ウェビナー・広告のうち、何を自分で担当したのか。Webマーケティングは会社によって仕事の範囲が大きく違うため、採用担当は最初にここを確かめます。
  2. 訪問数ではなく、売上に近い成果の数字訪問数やフォロワー数は増えても、売上につながっているとは限りません。採用担当は、資料請求・商談数・商談化率・1件あたりの獲得費用など、事業の成果に近い数字と、期間をそろえた前後の比較を見ています。
  3. 仕組みをつくり、営業部門と一緒に動けるかBtoBでは、集めたリードを営業部門が商談にするまでが一つの流れです。営業部門と基準をそろえた経験や、施策を一度きりでなく仕組みとして回してきた経験があると、応募先でも成果を再現できると判断されます。

3つとも、答えになるのは「最新の手法に詳しい」という知識の量ではなく、事業の数字と、それを生んだ仕組みです。ツールや手法は数年で入れ替わりますが、成果につなげる考え方は応募先でも使えます。

項目別の書き方:OK例とNG例の違い

ここからは項目ごとに、NG例とOK例を並べて解説します。OK例は記入例からの引用です。Webマーケティングの書類で特に差がつくのは、職務経歴の数字の選び方と、リード獲得・商談化の実績の示し方です。

職務要約:会社・商材・担当施策・立場・成果を3〜5行で

職務要約は、採用担当が最初に読む部分です。Webマーケティングの場合は、BtoBかBtoCか、何を売る会社かを最初に伝えます。商材の価格や検討期間によって、追う数字も施策の組み立ても大きく変わるからです。

× NG例

IT企業でWebマーケティングを担当し、SEO、SNS、広告、MAなど幅広い施策に携わってきました。データに基づいたPDCAを回し、売上拡大に貢献しました。

ここが惜しい

  1. 「IT企業」だけでは、BtoBかBtoCか、どんな商材かがわかりません。
  2. 施策を並べただけで、どれを自分で担当し、どれが得意なのかが伝わりません。
  3. 「売上拡大に貢献」には数字がなく、成果の大きさを判断できません。

○ OK例

法人向け研修会社で営業企画とWebサイトの運用を3年経験した後、2019年4月にBtoB SaaSの株式会社サンプルビズテックに入社し、約7年半、Webマーケティングを担当しています。オウンドメディアのSEOで自然検索経由の資料請求を月約40件から約150件に増やし、2023年からはリード獲得グループのリーダー(メンバー4名)として、MAとウェビナーを軸に、マーケティング起点の商談数を月平均約60件から約110件に増やしました。

ここが評価される

  1. 「BtoB SaaS」と書き、どんな相手に売る仕事なのかが最初にわかります。
  2. SEOとMA・ウェビナーという担当施策と、その時期の立場が順に書かれています。
  3. 資料請求と商談数という、売上に近い数字で成果を示しています。

「幅広い施策」と書きたくなったら、その中で自分が責任を持った施策を1〜2つに絞りましょう。記入例では、前半をSEO、後半をMAとウェビナーと、時期ごとの軸をはっきりさせています。

職務経歴:担当施策・範囲・予算を時期ごとに

職務経歴は、Webマーケティングの書類でいちばん重要な項目です。下の画像の3つのポイントを押さえると、同じ経験でも伝わり方が大きく変わります。

Webマーケティングの職務経歴の書き方のポイント
職務経歴の書き方のポイント

× NG例

マーケティング部にて、オウンドメディアの運営、SEO対策、MAの運用、ウェビナー運営などを担当。リード数の最大化に取り組みました。

ここが惜しい

  1. 時期ごとに何を担当したのかがわからず、経験の深さが判断できません。
  2. ライターの人数や記事の本数、予算など、仕事の規模を示す数字がありません。
  3. 「リード数の最大化」は目的にすぎず、結果が書かれていません。

○ OK例

【担当】オウンドメディア(経理・総務の担当者向けの解説記事)の企画・SEO・編集。外部ライター8名の進行管理と、年約60本の公開・リライト

【実績】(2019年→2021年)

自然検索からの月間訪問数 約3.2万→約11.5万

自然検索経由の資料請求 月約40件→約150件

ここが評価される

  1. 誰に向けたメディアか、自分の役割、ライターの人数と記事の本数で、仕事の規模がわかります。
  2. 訪問数と資料請求を分けて書き、成果に近い数字まで示しています。
  3. 比べた期間を見出しにそろえているので、数字を確かめやすくなっています。

仕事の規模は、本数・人数・予算で示します。「外部ライター8名の進行管理と、年約60本の公開・リライト」とあれば、コンテンツを一人で書いていたのか、チームを回していたのかがわかります。データの章で見たとおり、SEOは多くの人が担う仕事なので、規模と成果で違いを見せましょう。

施策が変わったら、時期で行を分ける

記入例では、SEO・コンテンツを担当した時期と、MA・ウェビナーでリード獲得を担当した時期を分けて書いています。追う数字が違うため、行を分けると、それぞれの経験と成果が伝わります。

リード獲得・商談化の実績:商談数・商談化率・獲得費用と、変わった理由

BtoBのWebマーケティングの実績の中心は、リードの数ではなく、そこから生まれた商談です。ここでは、「リードが増えた」で止めないことが大切です。商談数、商談化率、1件あたりの獲得費用と、それが変わった理由を書きます。

× NG例

MAツールを導入し、ナーチャリングを強化。ウェビナーも毎月開催し、リード獲得数が大幅に増加しました。

ここが惜しい

  1. 「大幅に増加」では、どれだけ増えたのかがわかりません。
  2. リードの数だけで、商談や受注につながったのかが書かれていません。
  3. 「ナーチャリングを強化」の中身がなく、何を工夫したのかが伝わりません。

○ OK例

【実績】(2023年→2025年)

マーケティング起点の商談数 月平均 約60件→約110件

有望リード(MQL)からの商談化率 9%→14%

商談1件あたりの獲得費用 約12万円→約7万円

【取り組み】

閲覧ページ・ウェビナー参加・企業規模でリードを点数化する基準をインサイドセールスと作り、月1回見直し。高得点のリードには24時間以内に連絡する運用に

ここが評価される

  1. リードの数ではなく、商談数・商談化率・獲得費用という、売上に近い数字で書いています。
  2. 数字が変わった理由を、営業部門と決めた基準と運用の変化で説明しています。
  3. 「MQL」のような用語には日本語を添え、職種の違う読み手にも伝わるようにしています。

記入例の獲得費用は、リード獲得予算 年約9,000万円(月約750万円)を商談数 月約110件で割ると約7万円になり、数字どうしが合っています。採用担当は、こうした数字の整合も見ています。

数字の定義をそろえておく

商談化率や獲得費用は、会社によって数え方が違います。面接で聞かれたら、何を分母にしたのか、費用に何を含めたのかを答えられるようにしておきましょう。

活かせる経験・知識・スキル:集める・育てる・管理するから3つ

職務経歴の中から、応募先で使える経験を3つに絞って箇条書きにします。「SEOの知識」「MAツールの運用経験」と書く代わりに、それを使って何をし、どんな結果を出したかを書きます。

× NG例

・SEOの知識

・MAツールの運用経験

・データ分析力

ここが惜しい

  1. ツールや知識の名前だけで、それを使って何ができるのかがわかりません。
  2. 年数や成果がなく、どの程度の経験なのかが判断できません。

○ OK例

・検討段階に合わせたコンテンツの設計とSEO(オウンドメディア運営3年、資料請求 月約40件→約150件)

・MAとウェビナーによるリード育成と、インサイドセールスとの商談化の基準づくり(商談化率 9%→14%)

・リード獲得予算 年約9,000万円の配分と、商談1件あたりの獲得費用での効果管理(約12万円→約7万円)

ここが評価される

  1. コンテンツ、リードの育成、予算の管理と、種類の違う強みを3つ選んでいます。
  2. それぞれに職務経歴と同じ数字を添えているので、根拠をすぐに確かめられます。

ツール欄には、ツールの名前に加えて「シナリオ設計・スコアリング」「月次の商談レポート」のように、できることまで書きます。資格は、記入例の日商簿記検定2級のように、商材や顧客の理解につながるものがあれば添えましょう。

自己PR:強みは2つまで。考え方→工夫→結果の順で

自己PRは「強み → 工夫 → 結果の数字」の順に書きます。Webマーケティングの自己PRは「情報収集力」「分析力」に寄りがちですが、採用担当が知りたいのは、その力でどんな仕組みをつくり、何が変わったかです。

× NG例

私の強みは、トレンドをいち早くキャッチする情報収集力です。常に最新のマーケティング手法を学び、AIも積極的に活用しています。

ここが惜しい

  1. 情報収集力は、成果につながったことが示されていないと評価しにくい強みです。
  2. どの施策で、どんな結果を出したのかがありません。
  3. AIを何に使い、情報をどう扱ったのかがなく、かえって不安を与えます。

○ OK例

営業部門と基準をそろえ、リードを商談に変える力

リーダーとして、インサイドセールスとリードを点数化する基準を作り、毎月一緒に見直す運用にしました。高得点のリードへの24時間以内の連絡と、ウェビナー参加者の検討段階に合わせた案内を組み合わせ、商談化率を9%から14%に上げました。

ここが評価される

  1. 強みの見出しが、BtoBのWebマーケティングで求められる力に合っています。
  2. 営業部門との関わり方、仕組みの中身、結果の数字がひと続きで書かれています。
  3. 記入例では1つ目に、コンテンツとSEOの強みを書いています。集める力と商談にする力の両方を示すと、任せられる範囲が伝わります。
Webマーケティングの職務経歴書の記入見本つきテンプレート

経歴・応募先別:Webマーケティングの職務経歴書の書き分け方

経歴・応募先ごとに前に出すこと:BtoBのリード獲得、BtoC・ECの集客、支援会社から事業会社へ、営業・企画からWebマーケティングへ
この章のまとめ:経歴・応募先ごとに前に出すこと

Webマーケティングは、商材と立場によって追う数字が変わります。どのタイプでも共通するのは、施策の名前より、成果の数字と仕組みを書くことです。まずは表で全体像を確認しましょう。

タイプ採用担当が見るポイント前に出すこと
BtoBのリード獲得リードを商談に変え、営業部門と一緒に成果を出せるか資料請求・商談数・商談化率、営業部門と決めた基準
BtoC・ECの集客売上と獲得単価のバランスを取り、リピートを生めるか売上・購入数・獲得単価、リピートの仕組み
Web制作会社・支援会社から事業会社へ自社の事業の数字を、長く追い続けられるか支援した社数と成果、得意な施策、提案の進め方
営業・企画からWebマーケティングへ顧客理解と数字の扱いを、Webで活かせるか顧客の課題の理解、小さく試した施策、数字の扱い

BtoBのリード獲得

記入例の人の立場です。採用担当は、リードを集めるだけでなく、営業部門と一緒に商談にできるかを確かめます。

職務経歴書に書きたいこと

  • 担当した施策と、資料請求・商談数などの成果
  • 商談化率・獲得費用と、その定義(何を分母にしたか)
  • インサイドセールスや営業部門と決めた基準と、見直しの頻度

記入例

閲覧ページ・ウェビナー参加・企業規模でリードを点数化する基準をインサイドセールスと作り、月1回見直し。高得点のリードには24時間以内に連絡する運用に

ポイント

  1. 記入例の書き方です。基準の中身と、誰と作り、どのくらいの頻度で見直したかがそろっています。
  2. 「24時間以内に連絡」のように、営業部門の動きまで変えたことが書かれていると、仕組みをつくれる人だと伝わります。

よくある落とし穴は、リードの件数だけを大きく書くケースです。件数が増えても、商談につながらなければ営業部門の負担が増えるだけです。商談数や商談化率とセットで書きましょう。

BtoC・ECの集客

消費者向けの商品やサービスを、Webで売ってきた人です。採用担当は、売上を伸ばしながら、獲得にかかる費用を管理できるかを見ます。

職務経歴書に書きたいこと

  • 担当したチャネル(検索・SNS・メールなど)と、売上・購入数
  • 新規の獲得単価と、リピート購入・継続の数字
  • 季節やセールなど、時期による変動をどう読み、どう手を打ったか

記入例

※記入例とは別の架空例です

【担当】アウトドア用品の自社ECサイトの集客(検索・SNS・メール)。会員 約12万人へのメール配信

【実績】2025年度:EC売上 前年比116%、新規購入者の獲得単価 約3,800円→約3,100円

【取り組み】購入した商品の種類で会員を分け、手入れの方法や関連商品の案内を送る流れを設計。購入後90日以内の再購入率を11%から15%に改善

ポイント

  1. 売上・獲得単価・再購入率と、BtoCで問われる数字がそろっています。
  2. 会員の分け方と案内の中身が書かれ、数字が変わった理由がわかります。

よくある落とし穴は、売上の伸びだけを書くケースです。広告費を大きく増やせば売上は伸びます。獲得単価や利益への影響もあわせて書くと、事業を任せられる人だと伝わります。

Web制作会社・支援会社から事業会社へ

複数のクライアントのWebマーケティングを支援してきた人です。採用担当は、自社の事業の数字を、長く追い続けられるかを見ます。

職務経歴書に書きたいこと

  • 支援したクライアントの業種と社数、担当した施策
  • 代表的な支援の成果(数字の出どころも)
  • 提案から実行・検証までの進め方と、継続した期間

記入例

※記入例とは別の架空例です

【担当】BtoB企業(製造業・IT)約10社のSEOとコンテンツ制作の支援。月次の分析と改善提案

【実績】産業機器メーカーの製品ページを再構成し、Webからの問い合わせ 月約18件→約41件(公開前後各6か月の比較、クライアントの集計)

ポイント

  1. 業種と社数で支援の幅が、代表例で深さが伝わります。
  2. 比べた期間と「クライアントの集計」という出どころを書き、数字を盛っていないことを示しています。

よくある落とし穴は、支援した会社の名前を並べるケースです。守秘の面で不安を与えます。業種と規模で書き、志望動機では「一つの事業に腰を据えて成果を出したい」理由を添えましょう。

営業・企画からWebマーケティングへ

記入例の人も、最初の3年は研修会社の営業企画部でした。Webマーケティングの経験が浅い人は、顧客の理解と、数字を扱った経験を前に出します。

職務経歴書に書きたいこと

  • 営業や企画で知った、顧客の課題や検討の流れ
  • Webサイト・メール・セミナーなど、小さく試した施策と結果
  • 数字を集計し、改善につなげた経験

記入例

【実績】2018年度:研修テーマ別の事例ページを追加し、フォームの項目を12から6に削減。Webサイトからの問い合わせ 月約15件→約35件

ポイント

  1. 記入例の前職の書き方です。担当の範囲は小さくても、何を変え、問い合わせがどう変わったかが具体的です。
  2. こうした経験を職務経歴の最初の行に置くと、Webマーケティングへの適性が伝わります。

よくある落とし穴は、「Webマーケティングを学んでいます」と学習の話だけを書くケースです。学習に加えて、実際に試して数字が動いた経験を1つでも書きましょう。

2026年のWebマーケティングとAI:職務経歴書にどう書くか

WebマーケティングのAIの経験を書くときの3つの場面:記事・資料の下書き、データの整理・要約、AIを使っていない職場
この章のまとめ:WebマーケティングのAIの経験、書くときの3つの場面

最初にお伝えしたいのは、AIの使い方や、AIの経験を求める度合いは、応募先によって大きく違うということです。IPAの「DX動向2026」プレス発表では、AIを導入している企業は従業員1,001人以上で8割近くにのぼる一方、101人以下では16.6%でした。

AIを使った経験がないからといって、書類選考で不利になると考える必要はありません。求人票に「生成AI」「AIツール」などの言葉があるかを確認し、記載があれば具体的に、なければ職務経歴に1行添える程度で十分です。

Webマーケティングで現実的なAIの使い方

総務省の「令和8年版 情報通信白書」によると、生成AIを業務で使う企業を業務類型別に見ると、「議事録・メール作成補助」で使っている企業が約7割です。Webマーケティングの仕事では、次のような使い方が現実的です。どれも「下書き」までをAIに任せ、公開する内容と判断は人が決める使い方です。

使い方具体例人が確かめること
記事の構成案検索キーワードと読者の悩みから、見出しの案を作る(記入例の使い方)事実や法令の記述が正しいか、自社の見解とずれていないか
録画・資料の要約ウェビナーの録画から要点をまとめ、記事やメールのたたき台にする(記入例の使い方)登壇者の発言の意図とずれていないか
メールの件名・文面の案配信するメールの件名や本文の候補を複数出す表現が誇大になっていないか、配信先に合っているか
問い合わせ・アンケートの分類自由記述の回答を、テーマごとに整理する個人が特定できる情報を入力していないか

書き方:何に使い、何を入力せず、誰が確かめたか

Webマーケティングの職務経歴書でAIの経験を書くときに大切なのは、顧客情報をどう守り、公開前に誰が確かめたかです。データの章で見たとおり、顧客のデータを預かる仕事だからこそ、ここが信頼につながります。

× NG例

生成AIを活用して、コンテンツ制作を効率化しました。

ここが惜しい

  1. どの作業に、どう使ったのかがわからず、使い方の水準が判断できません。
  2. 顧客情報を入力していないかが書かれておらず、情報の扱いに不安を与えます。
  3. 公開前に誰が内容を確かめたのかがわかりません。

○ OK例

社内ルールで認められた生成AIで、ウェビナー録画の要約と記事の構成案を下書き(顧客情報は入力せず、公開前に自分で確認)

ここが評価される

  1. 「ウェビナー録画の要約」「記事の構成案」と、AIに任せた範囲が具体的です。
  2. 「顧客情報は入力せず」「公開前に自分で確認」と、情報の扱いと確認の方法がそろっています。
  3. 効果を測っていないため時間の数字は書かず、使った作業と確かめ方だけを書いています。数字を作らない誠実さも伝わります。

AIで作った記事の下書きを公開する場合は、専門的な内容を誰が確認したかも大切です。法令や制度に関わる記事なら、社内の担当者や監修者の確認を経たことを書くと、品質への意識が伝わります。

AIの経験を書くときの注意点

  • 顧客の名前や連絡先、商談の情報を入力していないことがわかるように書く。
  • 会社が認めたツールを、社内ルールの範囲で使ったことを前提に書く。
  • AIの出力をそのまま公開せず、人が確かめ、直したことを書く。
  • 盛らない。数回試しただけの経験を「活用」と書くと、面接で詳しく聞かれたときに答えに困ります。

AIを使っていない・禁止の職場だった人は

顧客の情報を扱う部署では、外部のサービスへの入力を禁じている職場もあります。ルールに従って顧客の情報を守ってきたこと自体が、Webマーケティングとして大切な姿勢です。

代わりに、仕組みで成果を変えた経験を書きましょう。記入例の「リードを点数化する基準をインサイドセールスと作り、月1回見直し」のような経験は、AIと同じく「仕事のやり方を自分で変えられる力」を示します。

実績の数字が書けないときの対処法

数字が書けないときに拾う4つの切り口:量、率、時間、仕組み
この章のまとめ:数字が書けないときは4つの切り口から拾う

Webマーケティングは数字の多い仕事ですが、売上や商談の数字が手元にない、社外に出せないという人もいます。量・率・時間・仕組みの4つの切り口で探すと、書ける数字はたいてい見つかります。

売上や受注の数字は、営業部門しか持っていない

自分が追っていた一つ手前の数字で書きます。
例:「自然検索経由の資料請求 月約40件→約150件」
資料請求・問い合わせ・ウェビナーの申込など、マーケティングの担当範囲で確かめられる数字で十分です。

施策の効果がはっきり測れていない

施策の量と、続けた期間を書きます。
例:「年約60本の公開・リライト」「ウェビナーの企画・運営(月2回)」
効果の数字がなくても、継続して回してきたことは評価されます。

チームの成果で、自分の分を切り分けにくい

自分の役割と、作った仕組みを書いたうえで、チームの数字として書きます。
例:「ウェビナーを3種類に分け、参加後の案内メールを検討段階別に自動で送る流れ(12本)を設計」
主語をはっきりさせれば、チームの数字でも十分に伝わります。

会社の売上や顧客の数字を、社外に出せない

金額は率や規模の幅で書きます。
例:「有望リード(MQL)からの商談化率 9%→14%」
社内の規程で禁じられた数字は書きません。率と前後の比較があれば、成果の大きさは伝わります。

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提出前のチェックリスト

提出前に確かめる7つのこと
この章のまとめ:提出前に確かめる7つのこと

書き終えたら、提出前に次の項目を確認しましょう。

  • 職務要約に、会社の業種と商材、担当施策、年数、立場、代表的な成果が入っている
  • 時期ごとに、担当した施策と範囲(記事の本数・予算・人数など)を書いている
  • 訪問数だけでなく、資料請求・商談数など売上に近い数字を書いている
  • 数字は期間をそろえた前後の比較で、商談化率などの定義を説明できる
  • 顧客企業の名前や、社外に出せない売上の数字を書いていない
  • AIを使った場合は、入力しなかった情報と自分で確認したことを書いている
  • A4で2枚程度に収まり、誤字脱字がない

最後に、職務要約・職務経歴・活かせる経験・自己PRで同じ数字(資料請求、商談数、商談化率、獲得費用など)を使っている箇所を読み合わせ、食い違いがないか、期間がそろっているかを確かめましょう。

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よくある質問

アクセス数やフォロワー数は書かないほうがいいですか?

書いてかまいません。ただし、それだけで終わらせず、資料請求や購入など、成果に近い数字とセットで書きましょう。記入例のように、訪問数と資料請求を並べると、両方の意味が伝わります。

使ったツールの名前は書いたほうがいいですか?

ツール欄に書いておくと、応募先が同じツールを使っている場合に評価されやすくなります。名前だけでなく、シナリオ設計やレポート作成など、できることまで書きましょう。

担当した施策が多すぎて書ききれません。

応募先の求人票に近い施策を2〜3つ選び、詳しく書きます。ほかの施策は、職務経歴の【担当】に1行でまとめるか、ツール欄で触れる程度で十分です。

BtoCの経験しかありませんが、BtoBのWebマーケティングに応募できますか?

応募できます。購入までの流れを設計した経験や、メールで顧客を育てた経験は、BtoBでも通じます。BtoBは検討期間が長く、営業部門と連携することを理解していると伝えると、前向きに受け取られます。

AIを使った経験がないと、Webマーケティングの転職で不利になりますか?

AIの活用をどの程度求めるかは応募先によって大きく違い、経験がないことだけで不利になるとは限りません。顧客の情報を守ってきたことも評価の対象になります。求人票にAIの記載がある場合は、仕組みで成果を変えた経験を数字とともに書きましょう。

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Author

佐藤 大貴

レジュメラボ編集責任者/アースダイバー代表

佐藤 大貴

人材紹介の会社で、キャリア系メディアの編集長をしていました。転職やキャリアをテーマにした記事づくりに長く関わり、2019年にアースダイバー株式会社を立ち上げました。編集長時代、たくさんの求職者の方やキャ…

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