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データサイエンティストの職務経歴書の書き方|採用担当に伝わる記入例と無料テンプレート

データサイエンティストの職務経歴書の書き方|採用担当に伝わる記入例と無料テンプレート

データサイエンティストの職務経歴書でよくあるのが、「LightGBMで特徴量エンジニアリングを行い、AUC0.95を達成しました」という書き方です。技術の力は伝わりそうに見えますが、そのモデルが何の役に立ち、事業の何が変わったのかはわかりません。採用担当が知りたいのは、どんな課題にモデルを作り、どんな基準で評価し、事業の数字がどう動いたかです。

データサイエンティストの仕事は、モデルを作ることだけではありません。業務の担当者と目標を決め、精度を確かめ、本番の業務に組み込み、データが変わっても使い続けられるように運用します。書類では、この流れのどこを、どこまで担ってきたかを伝える必要があります。

この記事では、データ分析の受託会社で3年、クレジットカード会社で7年半、不正利用検知などの機械学習モデルを作り、運用してきた人の記入例をもとに、項目ごとの書き方と評価される理由を解説します。経歴別の書き分け方と、AIの経験の書き方も詳しく紹介します。

この記事でわかること

  • データサイエンティストの職務経歴書の完成イメージ(記入例)
  • データで読む、モデルの仕事の流れと「比べ方」の大切さ
  • 精度と事業への効果、運用の経験を、OK例・NG例で書くコツ
  • アナリストから、研究職からなど、経歴別の書き分け方
  • 2026年のデータサイエンティストとAI:生成AIを使った経験、LLMを評価した経験の書き方

無料テンプレート

データサイエンティストの職務経歴書、記入見本つきのテンプレートがあります

この記事の記入例と同じ形式で、Word・Excel・PDFの3形式。空欄のテンプレートと記入見本がセットになっています。

データサイエンティストの職務経歴書の記入例

まずは完成イメージです。データ分析の受託会社で需要予測のモデルを3年作ったのち、クレジットカード会社に移って7年半。延滞予測、不正利用検知のモデルを作って導入し、現在は主任としてモデルの監視と再学習の仕組みを担っている人を想定しています。画像をタップすると拡大できます。

データサイエンティストの職務経歴書の記入例(受託会社3年・クレジットカード会社7年半)
データサイエンティストの職務経歴書の記入例(A4・2枚)

この記入例と同じ形式のテンプレートを無料で用意しています。Word・Excel・PDFの3形式で、空欄テンプレートと記入見本の2点セットです。

データサイエンティストの職務経歴書を、質問に答えるだけで無料作成できる「レジュメラボ AI職務経歴書メーカー」の案内

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ツールで聞かれる質問や記入見本は、データサイエンティストの職務経歴書をAIで作成するページで先に確かめられます。

データで読む:精度は「何と比べたか」で意味が変わる。評価されるのは、条件をそろえて効果を語れる人

書き方に入る前に、データサイエンティストの仕事と、記入例の人物が向き合ってきた不正利用の状況を、公表されているデータで見ておきます。3つの資料を重ねると、見えてくることは1つです。データサイエンティストの仕事の中心は、モデルが本当に効くかを確かめることです。そして効果は、金額だけでなく、比べる条件をそろえた数字で語ると正しく伝わります。

データサイエンティストの9割が、モデルの効果検証と「新しいデータでも効くか」の確認を担う

厚生労働省の職業情報提供サイトjob tag「データサイエンティスト」は、この職業の主な仕事(タスク)と、それを実際に行っている人の割合を公表しています。「モデリング作業を行う」が91.1%であるのと並んで、「そのモデルが適切かどうか判断するための効果検証を行う」「モデルが新たなデータに対しても有効かどうか判断する」も91.1%でした。

データサイエンティストの主な仕事の実施率。モデリング91.1%、効果検証91.1%、新たなデータでの有効性の判断91.1%、データの確認88.9%、目標を決めるヒアリング86.7%、サービスとしての実装86.7%、システムの管理・運用77.8%
言いたいこと:データサイエンティストの9割が、モデルの効果検証と新しいデータでの確認を担う(厚生労働省 job tag、2023年度調査)

出典:job tag「データサイエンティスト」(厚生労働省) タスク

業務の責任者にヒアリングして分析の目標を決める仕事が86.7%、有効なモデルをサービスとして実装する仕事も86.7%でした。モデルを作る前の「目標を決める」と、作った後の「確かめる・組み込む」が、作る仕事と同じくらいの割合で行われています。

編集部の読みでは、職務経歴書でも、モデルの作り方より「何を目標にし、どう確かめ、どう業務に組み込んだか」に字数を使うと、仕事の実態に合った書類になります。記入例の不正利用検知モデルでも、手法の名前は書かず、「保留の基準を審査部と決めた」「検知率と誤保留率」を書いています。

クレジットカードの不正利用被害額は、2024年までの5年で約2倍に

次に、記入例の人物が取り組んできた不正利用の状況です。日本クレジット協会の「クレジットカード不正利用被害の集計結果について」によると、不正利用の被害額は2019年の274.1億円から、2024年には555.0億円に増えました。2025年は前年から8.0%減って510.5億円です。2025年の被害額のうち93.1%(475.4億円)は、カード番号などを盗まれて使われる「番号盗用」でした。

クレジットカード不正利用被害額の推移。2019年274.1億円、2020年253.0億円、2021年330.1億円、2022年436.7億円、2023年540.9億円、2024年555.0億円、2025年510.5億円
言いたいこと:不正利用被害額は2024年までの5年で約2倍に。2025年は8.0%減の510.5億円(日本クレジット協会、2019〜2025年)

出典:クレジットカード不正利用被害の集計結果について(日本クレジット協会)

この数字は、カード会社にとって不正の検知が大きな課題であり続けていることを示しています。同時に、正常な取引まで止めてしまえば、利用者の不便や売上の機会の損失につながります。不正を見逃さないことと、正常な取引を止めすぎないことの両方が求められる分野です。

記入例で、不正取引の検知率(約62%→約81%)と、正常取引の誤保留率(約0.40%→約0.25%)を並べて書いているのはこのためです。見逃しと誤りの両方の数字を書くと、精度の高さだけを追ったのではなく、業務への影響まで考えてモデルを作ったことが伝わります。

利用額に対する被害の割合で見ると、0.051%から0.038%に下がった

同じ協会は、被害額をクレジットカードのショッピング利用額(信用供与額)で割った「不正利用発生率」も公表しています。2023年の0.051%をピークに、2024年は0.047%、2025年は0.038%に下がりました。2025年の利用額は134兆5,861億円で、2019年の73兆4,311億円から大きく増えています。

クレジットカード不正利用発生率の推移。2019年0.037%、2020年0.034%、2021年0.041%、2022年0.047%、2023年0.051%、2024年0.047%、2025年0.038%
言いたいこと:利用額に対する被害の割合は、2023年の0.051%から2025年は0.038%へ下がった(日本クレジット協会、2019〜2025年)

出典:クレジットカード不正利用被害 不正利用発生率について(日本クレジット協会)

被害額だけを見ると2024年が最も大きくなりますが、利用額に対する割合で見ると、2023年がピークです。同じ現象でも、何で割るか、何と比べるかで、見え方は変わります。

データサイエンティストの側から読み直すと、これは自分の成果を書くときにもそのまま当てはまります。記入例の「被害額は約21億円から約15億円に(2022→2024年度、約29%減)」は金額で書いていますが、もし同じ期間に利用額が大きく伸びていたなら、「利用額に対する被害の割合」も添えると、効果がより正確に伝わります。比べた期間・条件・割り算の分母を書くことが、データを扱う人としての信頼につながります。

まとめると、いまのデータサイエンティストの職務経歴書では、手法や精度の数字に加えて、何を目標にし、どんな条件で効果を確かめ、それが事業の数字にどうつながったかを書けるかで差がつきます。次は、採用担当が書類のどこを見ているかを確認します。

データサイエンティストの職務経歴書テンプレートを無料でダウンロード

採用担当がデータサイエンティストの職務経歴書で見ている3つのこと

採用担当が確かめる3つのこと:どんな課題にどんなモデルを作ったか、精度だけでなく事業の数字が動いたか、本番で使い続けられる形にできるか
この章のまとめ:採用担当が確かめる3つのこと

こうした変化と採用の現場でよく見られる傾向を踏まえると、データサイエンティストの採用担当は、書類から次の3つを確認しています。

  1. どんな課題に、どんなモデルを作ってきたか業界と業務(不正検知・与信・需要予測・推薦など)、データの規模、使った手法。集計や可視化が中心なのか、予測モデルを作って業務に組み込んできたのか。採用担当はまず、自社で任せたい仕事との近さを確認します。
  2. 精度だけでなく、事業の数字がどう変わったかAUCや検知率などの精度の指標は、それだけでは事業への効果が伝わりません。誤りのコストをどう考えて評価の基準を決め、被害額・売上・作業時間などがどう変わったかまで語れるかが評価の中心です。
  3. 本番で使い続けられる形にできるかモデルは作って終わりではなく、データの変化で精度が落ちていきます。監視・再学習の仕組みや、現場の部門と運用ルールを決めた経験があるかで、入社後に任せられる範囲が判断されます。

3つとも、答えになるのは手法の新しさではなく、課題と評価と事業の数字のつながりです。書類を最初に読むのは、データサイエンスの専門家でない人事担当者であることも多くあります。専門用語には意味を添え、何が変わったかを誰にでもわかる形で書きましょう。

項目別の書き方:OK例とNG例の違い

ここからは項目ごとに、NG例とOK例を並べて解説します。OK例は記入例からの引用です。データサイエンティストで特に差がつくのは、職務経歴でのモデルの書き方と、評価と事業への効果の示し方です。

職務要約:業界・課題・担当範囲・事業への効果を3〜5行で

職務要約は、採用担当が最初に読む部分です。経験年数に加えて、業界・扱ってきた課題・担当範囲・事業への効果を入れます。「データ分析」とだけ書くと、集計や可視化の仕事と区別がつきません。

× NG例

データサイエンティストとして約10年、機械学習を用いたさまざまなデータ分析に携わってきました。PythonやSQLを活用し、ビジネス課題の解決に貢献してきました。

ここが惜しい

  1. どの業界の、どんな課題に取り組んできたのかがわかりません。
  2. 「データ分析」では、予測モデルを作って業務に組み込んできたのかが伝わりません。
  3. 事業にどんな効果があったのか、数字が書かれていません。

○ OK例

データ分析の受託会社で3年、クレジットカード会社の株式会社サンプルフィナンシャルで7年半、機械学習モデルの構築と運用に携わってきました。不正利用検知モデルでは審査部と評価の基準を決めて導入まで担当し、被害額を年間約21億円から約15億円に減らしました。

ここが評価される

  1. 業界と、モデルの「構築と運用」という担当範囲が最初の一文でわかります。
  2. 代表的なモデルと、現場の部門と基準を決めたことを書いています。
  3. 精度の指標ではなく、被害額という事業の数字で成果を示しています。

データアナリストとの違いを一言で伝える

集計・可視化・効果検証が中心の仕事と、予測モデルを作って業務に組み込む仕事では、見られる経験が違います。要約に「モデルの構築と運用」のように担当範囲を書くと、読み違えられにくくなります。

職務経歴:モデルごとに「課題・内容・成果」を、役割とあわせて書く

職務経歴は、データサイエンティストの書類でいちばん重要な項目です。下の画像の3つのポイントを押さえると、同じ経験でも伝わり方が大きく変わります。

データサイエンティストの職務経歴の書き方のポイント
職務経歴の書き方のポイント

× NG例

不正検知モデルの開発を担当。LightGBMを用いて特徴量エンジニアリングとハイパーパラメータ調整を行い、AUC0.95を達成しました。

ここが惜しい

  1. 期間・役割・チームの人数がなく、どこまで自分で担当したのかわかりません。
  2. 手法の名前が中心で、どんな課題を解くためのモデルかが伝わりません。
  3. AUCだけでは、業務や事業にどんな効果があったのかわかりません。

○ OK例

【プロジェクト】不正利用検知モデルの構築(2022年4月〜2023年9月、主担当)

内容:ルールのみの判定に、取引ごとに不正の可能性を点数で示す機械学習モデルを追加。正常な取引を止めすぎないよう、保留の基準を審査部と決めた

成果:不正取引の検知率(金額ベース)を約62%から約81%、誤保留率を約0.40%から約0.25%に。被害額は約21億円から約15億円に(2022→2024年度、約29%減)

ここが評価される

  1. 期間と役割があり、どこまで自分で担当したのかがわかります(チームの人数は所属の欄に記載)。
  2. モデルの役割を専門用語に頼らず書き、現場と保留の基準を決めたことも伝えています。
  3. 見逃し(検知率)と誤り(誤保留率)の両方を数字で示しています。

記入例では、延滞予測、不正利用検知、運用の主任と、扱うモデルや立場が変わるたびに期間を分けています。大きな仕事は【プロジェクト】として、期間・役割・内容・成果に分けています。「内容」には、モデルが業務の中で何をするのかを一文で書くのがコツです。「取引ごとに不正の可能性を点数で示す」と書けば、専門家でなくても役割がわかります。

手法の名前より「何を解いたか」

使ったアルゴリズムやライブラリはテクニカルスキル欄にまとめ、職務経歴には課題・モデルの役割・評価の基準・成果を書きます。書類を最初に読むのは、データサイエンスの専門家でないことも多いからです。

モデルの評価と事業への効果:精度の指標に、誤りのコストと事業の数字を添える

精度の改善は、データサイエンティストの成果としていちばん書きやすい数字です。ただし、精度だけでは事業への効果が伝わりません。精度 → 業務での使い方 → 業務や事業の数字の順につなげて書きます。

× NG例

延滞予測モデルを改善し、精度を大幅に向上させました。

ここが惜しい

  1. どの指標で、いくつからいくつになったのかがわかりません。
  2. 精度が上がったことで、業務がどう変わったのかが書かれていません。
  3. モデルをどう使うかを、誰と決めたのかに触れていません。

○ OK例

【成果】精度(AUC)を0.76から0.82に改善。審査部と運用ルールを決め、同じ延滞の捕捉数のまま、審査担当者が確認する件数を月約1.2万件から約8,000件に

ここが評価される

  1. 精度の指標の名前と、前後の数字を書いています。
  2. 「同じ捕捉数のまま」と条件をそろえて、作業件数の減少を示しています。
  3. 審査部と運用ルールを決めたと書き、モデルを業務に組み込んだことが伝わります。

記入例の延滞予測では、AUC(モデルが延滞する会員とそうでない会員をどれだけ見分けられるかを示す指標)の改善を、審査担当者が確認する件数の減少につなげています。「同じ延滞の捕捉数のまま」と条件をそろえているので、件数の減少がモデルの改善によるものだと読み取れます。

データの章で見たように、同じ現象でも、何と比べるかで見え方は変わります。被害額や売上のように、モデル以外の要因でも動く数字を書くときは、比べた期間と、同じ期間に起きたほかの変化に触れると誠実です。

比べる条件をそろえて書く

精度の改善を書くときは、同じデータ・同じ期間で比べたのか、条件をそろえたことがわかるように書きます。被害額や売上の変化は、ほかの要因も影響するため、モデル以外の変化(取扱高の増減など)があれば一言添えると誠実です。

AI・自動化の経験:何に使い、どう確かめ、何が変わったかを書く

生成AIを業務で使った経験は、職務経歴の中に短く書くのが基本です。データサイエンティストなら、人が確認したデータで精度を測ってから使ったことまで書くと、ほかの職種との違いが出ます。

× NG例

生成AI・LLMを活用したデータ分析の高度化に取り組みました。

ここが惜しい

  1. どの作業に生成AIを使ったのかがわかりません。
  2. 出力の正しさをどう確かめたかがなく、データを扱う人として信頼できるか判断できません。
  3. 使った結果、何がどれだけ変わったのかが書かれていません。

○ OK例

【AI活用】社内承認済みの生成AIで加盟店名の表記ゆれ統一(会員情報は入れない)。人の確認2,000件で一致率97%を確かめ、作業を月約40時間から約5時間に

ここが評価される

  1. 社内で承認されたツールを、会員情報を入れずに使ったことがわかります。
  2. 人が確認したデータで精度を確かめてから採用しており、データサイエンティストらしい使い方です。
  3. 効果を作業時間の変化で示しています。

記入例では、テクニカルスキル欄にも「生成AI」の行を設け、使い方と期間を書いています。生成AIを使っていない人は、この行を削り、前処理や再学習の自動化など、仕事の進め方を変えた経験を書けば十分です。詳しくは後の「2026年のデータサイエンティストとAI」の章で解説します。

テクニカルスキル・資格:分類ごとに「何を・どこまで・何年」を添える

テクニカルスキル欄は、分類ごとに分けて、経験年数を添えます。ライブラリの名前をたくさん並べるより、手法の系統と、関わり方を書くほうが、経験の幅と深さが伝わります。

× NG例

Python、R、SQL、scikit-learn、LightGBM、PyTorch、AWS、Docker、Airflow、生成AI

ここが惜しい

  1. 経験年数がなく、主に使ってきた技術と少し触れた技術の区別がつきません。
  2. モデルを作ったのか、評価の設計や運用までしたのかがわかりません。
  3. 業務で使ったものと、学習で触れただけのものが混ざって見えます。

○ OK例

機械学習:勾配ブースティング・ロジスティック回帰などの予測モデル構築と評価設計(10年半)

言語・データ:Python(10年半)、SQL(10年半)、R(3年)

基盤・運用:クラウド上の学習・推論の環境構築(5年)、モデル監視・再学習の自動化(2年半)

ここが評価される

  1. 「構築と評価設計」「監視・再学習の自動化」と、関わり方まで書いています。
  2. 経験年数が職務経歴の期間と一致しており、信頼できます。
  3. 手法の系統で書いているので、細かなライブラリ名がなくても経験の幅が伝わります。

経験年数は、職務経歴の期間と合わせて数えます。記入例では、受託会社のころから使っているPythonとSQLは10年半、前職だけで使ったRは3年としています。応募先の求人票に書かれている技術を使ったことがあれば、その名前は省かずに書きましょう。資格は、統計検定やG検定などを持っていれば、正式な名称と取得年月を書きます。

自己PR:強みは2つまで。エピソードと数字で示す

自己PRは「強み → 具体的な行動 → 結果の数字」の順に書きます。データサイエンティストの自己PRは「最新技術のキャッチアップ」「高精度なモデル」になりがちですが、採用担当が知りたいのは、その強みで事業がどう良くなったかです。

× NG例

最新の論文や技術を常にキャッチアップし、高精度なモデルを構築することが得意です。データから価値を生み出すことにやりがいを感じています。

ここが惜しい

  1. どのデータサイエンティストにも書ける内容で、差がつきません。
  2. 精度が高いことが、事業にどう役立ったのかが書かれていません。

○ OK例

モデルの精度を、事業の成果につなげる力

不正検知では、検知率と誤保留率の両方を審査部と決めて導入し、被害額を約21億円から約15億円に減らしました。

ここが評価される

  1. 精度の話で終わらず、現場との合意と事業の数字まで書いています。
  2. 数字が職務経歴と一致しており、強みの裏付けになっています。
  3. 記入例では2つ目の強みとして「作ったモデルを、使われ続ける形にする力」も書いています。強みは2つまでに絞ると、根拠が厚くなります。

2つ目の強みには、記入例のように「作ったモデルを、使われ続ける形にする力」など、作った後の仕事を選ぶのがおすすめです。モデルを作れる人は多くても、本番で精度を保ち続ける仕組みを作れる人は限られるからです。

データサイエンティストの職務経歴書の記入見本つきテンプレート

経歴・応募先別:データサイエンティストの職務経歴書の書き分け方

経歴・応募先ごとに前に出すこと:データアナリストからモデル構築へ、受託・コンサルから事業会社へ、研究職・博士から実務へ、リード・マネージャーへ
この章のまとめ:経歴・応募先ごとに前に出すこと

データサイエンティストは、これまでの経歴と応募するポジションによって、採用担当が気にすることが変わります。どのタイプでも共通するのは、課題・評価の基準・事業の数字の3つをそろえることです。まずは表で全体像を確認しましょう。

タイプ採用担当が見るポイント前に出すこと
データアナリストからモデル構築へ予測や判定のモデルを業務に組み込めるか作ったモデルと評価の設計、業務での使われ方
受託・コンサルから事業会社へ納品後も事業の数字に責任を持てるか納品後の運用・改善、顧客の事業の数字の変化
研究職・博士から実務へ専門性を業務の課題に結びつけられるか手法の専門性、業務課題への応用、共同研究の成果
リード・マネージャーへチームでモデルを作り、運用し続けられるかチームの人数、運用の仕組み、育成

データアナリストから、モデル構築のポジションに応募する

集計や可視化、効果検証を中心にしてきた人です。採用担当は、予測や判定のモデルを作り、業務の中で使われる形にした経験があるかを確かめます。分析の仕事の中から、予測や判定を使って業務を変えた経験を探して書きます。

職務経歴書に書きたいこと

  • 作った予測・判定のモデルと、それを使った業務
  • 評価の指標と、比べた条件
  • モデルを使ったことで変わった業務の数字

記入例

※記入例とは別の架空例です

【プロジェクト】解約しそうな会員を予測するモデルを作成(Python)。カスタマーサポートが毎週電話する対象の選び方に組み込み

成果:電話した会員の3か月後の継続率は、同じ条件で選んだ電話しない会員より約4ポイント高い

ポイント

  1. モデルが業務のどこに組み込まれたかが具体的にわかります。
  2. 「同じ条件で選んだ電話しない会員」と比べているので、効果の測り方が正しいことが伝わります。

よくある落とし穴は、分析した件数やダッシュボードの数ばかりを書くケースです。モデル構築のポジションでは、件数より「予測を業務に組み込んで何が変わったか」が問われます。1件でもよいので、深く関わった予測の仕事を具体的に書きましょう。

受託会社・コンサルティング会社から、事業会社に応募する

採用担当は、納品で終わる働き方から、自社の事業の数字に長く責任を持つ働き方に移れるかを確かめます。納品の後にも関わった経験があれば、前に出しましょう。

職務経歴書に書きたいこと

  • 担当した顧客の業界と件数、作ったモデルの種類
  • 納品後の運用・改善に関わった経験
  • 顧客の業務や事業の数字がどう変わったか

記入例

【担当】小売・メーカー約10社の需要予測モデル構築と分析報告(Python・R)

【実績】食品メーカーの週次需要予測で、予測誤差(MAPE)を約25%から約15%に

ポイント

  1. 記入例の前職の書き方です。顧客の業界と件数、代表的な成果の数字がそろっています。
  2. 予測誤差(MAPE)は、予測が実績からどれだけ外れたかを割合で示す指標です。意味を一言添えると、さらに伝わります。

よくある落とし穴は、顧客名や案件の細部を書いてしまうケースです。受託の仕事には守秘義務があります。顧客は「食品メーカー」のように業界で書き、成果は割合で示しましょう。

研究職・博士課程から、実務に応募する

大学や企業の研究所で、統計や機械学習を研究してきた人です。採用担当は、手法の専門性を、事業の課題に結びつけられるかを確かめます。論文の題名を並べるより、どんな課題に使える専門性かを書きます。

職務経歴書に書きたいこと

  • 研究のテーマと、扱ったデータ・手法
  • 企業との共同研究や、実データを扱った経験
  • 研究の成果(論文・発表)と、実務で活かせる点

記入例

※記入例とは別の架空例です

【研究】時系列データの異常検知の手法を研究(博士課程、3年)。製造業との共同研究で、設備のセンサーデータ約5億件を扱い、故障の兆候を平均約2日早く検知

【発表】査読付き論文2本、国際学会での発表1件

ポイント

  1. 研究のテーマを、企業の課題(設備の故障)と結びつけて書いています。
  2. 扱ったデータの規模と成果を数字で示し、実務に近い経験があることが伝わります。

よくある落とし穴は、研究の新しさばかりを強調するケースです。実務では、新しい手法より、確実に効いて運用しやすい方法が選ばれることも多くあります。シンプルな手法と比べて検証した経験があれば、ぜひ書きましょう。

リード・マネージャーに応募する

チームでモデルを作り、運用する責任を持つポジションです。採用担当は、自分が作るモデルだけでなく、チームとして精度を保ち続ける仕組みを作れるかを確かめます。

職務経歴書に書きたいこと

  • チームの人数と、自分の役割(レビュー・育成・優先順位づけ)
  • モデルを監視・再学習する仕組みと、その効果
  • 現場の部門と決めた運用ルール

記入例

【担当】不正検知モデルの運用と改善、メンバー3名の指導

【運用】精度と入力データの変化を毎日監視し、再学習を半年ごとから月1回に。精度の低下に気づいてからモデルの更新までを約6週間から約1週間に

ポイント

  1. 記入例の現職の書き方です。監視の対象、再学習の頻度、更新までの期間がそろっています。
  2. 「気づいてから更新まで」の期間は、運用の仕組みの成果を示すわかりやすい数字です。

よくある落とし穴は、自分が作ったモデルの精度ばかりを書くケースです。リードとして応募するなら、チームで作るモデルの数や、運用の仕組み、メンバーの育成を中心に書きましょう。

2026年のデータサイエンティストとAI:職務経歴書にどう書くか

データサイエンティストがAIの経験を職務経歴書に書くとき、立場ごとに書くこと:業務で生成AIを使った、LLMを使う仕組みを作った、従来の機械学習が中心、使っていない・禁止の職場
この章のまとめ:データサイエンティストのAIの経験、立場ごとに書くこと

最初にお伝えしたいのは、AIの使い方や、生成AIの経験を求める度合いは、応募先によって大きく違うということです。IPAの「DX動向2026」プレス発表では、AIを導入している企業は従業員1,001人以上で8割近くにのぼる一方、101人以下では16.6%でした。

データサイエンティストは、もともと機械学習というAIの技術を扱う仕事です。生成AIを使った経験がないからといって、書類選考で不利になると考える必要はありません。まずは求人票に「生成AI」「LLM」などの言葉があるかを確認し、記載があれば具体的に書き、なければ1行添える程度で十分です。

データサイエンティストとAI:「業務で使う」と「仕組みを作って評価する」

パーソルキャリアの「企業のAI活用実態と人材戦略に関する調査」では、AIを導入・活用している従業員501人以上の企業の人事・採用担当者515人のうち、62.2%が今後3年以内に中途採用の人数に「変化がある」と答えました。増える領域で最も多かったのは、データ・デジタル/IT企画系でした。AIを導入済みの大企業に限った調査ですが、データを扱う人材への期待がうかがえます。

データサイエンティストとAIの関わりは、大きく2つに分かれます。1つは、コードの作成やテキストデータの整理など、自分の業務に生成AIを使うこと。もう1つは、LLM(大規模言語モデル)を使った仕組みを作り、その精度を評価することです。職務経歴書でも、この2つを分けて書くと、経験が正確に伝わります。

データサイエンティストの業務で現実的なAIの使い方

2026年時点で、データサイエンティストの業務で現実的な使い方は次のようなものです。どれも、出力をそのまま使わず、人が確かめてから使う使い方です。

使い方具体例人が確かめること
テキストの整理店名や商品名の表記ゆれをそろえる、自由記述を分類する(記入例の使い方)人が確認したデータとの一致率
コードの下書き集計のSQLや前処理のPythonの下書きを作る結果を別の方法で確かめたか、レビューを通したか
調査・読解初めて使う手法の論文やライブラリの説明を読む助けにする元の論文や公式の資料で確かめたか
報告の下書き分析結果の要約や、業務部門向けの説明文の下書き数字や結論が元の分析と合っているか

特に注意したいのが、データそのものの扱いです。会員情報や取引データなど、個人に関わるデータを外部のAIツールに入力することは、多くの会社で禁じられています。記入例では「会員情報は入れない」と明記し、加盟店名という公開されている情報の整理に使い方を限っています。

書き方:精度を測ってから使ったことまで

項目別の書き方で紹介したとおり、記入例では【AI活用】に「人の確認2,000件で一致率97%を確かめ」と書いています。生成AIの出力にも誤りがあることを前提に、採用する前に精度を測ったことが伝わる書き方です。これはデータサイエンティストならではの強みで、ほかの職種のAIの経験と差がつくポイントです。

一致率を測るときに使ったデータの件数、人がどう確認したか、基準に届かなかったときにどうするかを決めていたなら、それも書けます。効果は「作業を月約40時間から約5時間に」のように、使った作業に限って書きましょう。

LLMを使う仕組みを作り、評価した人は

LLMを使った分類や要約、問い合わせへの回答の仕組みを作った人は、作った仕組みの名前より、どう評価し、誤りにどう備えたかを書きます。正解が一つに決まらない出力を評価する経験は、多くの会社で求められ始めています。

記入例

※記入例とは別の架空例です

【プロジェクト】社内承認済みのLLMで、不正の疑いがある取引の確認メモを要約する仕組みを試作。審査担当者2名と作った評価用データ300件で、要約の誤りを分類して測定し、誤りが3%未満になるまで指示文と入力の形を改善。要約は判断の参考にとどめ、確定は担当者が行う運用に

ポイント

  1. 評価用データの作り方、誤りの測り方、改善の基準まで書かれていて、評価の設計力が伝わります。
  2. 「確定は担当者が行う」と書き、誤りがあっても業務に影響しない使い方にしたことがわかります。

費用や応答時間をどう管理したか、出力が毎回少しずつ変わることにどう対応したかも、書ける点です。ただし、精度の数字は、きちんと測ったものだけを書きましょう。

AIの経験を書くときの注意点

  • 個人情報・取引データ・社外秘のデータを入力していないことがわかるように書く。
  • 会社が認めたツールを、社内ルールの範囲で使ったことを前提に書く。
  • AIの出力を、人が確認したデータや別の方法で確かめたことを書く。
  • 盛らない。数回試しただけの経験を「生成AIを活用」と書くと、面接で評価の方法を聞かれたときに答えに困ります。

生成AIを使っていない・禁止の職場だった人は

金融や医療など、厳しいデータの規程がある職場では、生成AIのツールを使えないことは珍しくありません。規程に従ってデータを守りながらモデルを作り、運用してきたことは、データサイエンティストとして大切な経験です。

代わりに、前処理や再学習を自動化した経験を書きましょう。記入例の「精度と入力データの変化を毎日監視し、再学習を半年ごとから月1回に」のように、仕組みで仕事を速く確かなものにした経験は、生成AIの経験と同じく「仕事のやり方を変えられる力」を示します。

実績の数字が書けないときの対処法

数字が書けないときに拾う4つの切り口:精度、業務の変化、データとモデルの規模、運用
この章のまとめ:数字が書けないときは4つの切り口から拾う

データサイエンティストの仕事は数字を扱う一方で、「事業への効果は社外秘」「モデルが本番に入らなかった」という人も少なくありません。精度・業務の変化・データとモデルの規模・運用の4つの切り口で探すと、書ける数字はたいてい見つかります。

被害額や売上など、事業の金額を社外に出せない

金額は割合や件数で書きます。
例:「不正利用の被害額を約29%削減」「審査担当者の確認件数を月約1.2万件から約8,000件に」
データの章で見たように、割合で書いても効果は十分に伝わります。社内の規程で禁じられた数字は書きません。

作ったモデルが、本番の業務に入らなかった

検証で確かめたことと、導入しないと判断した理由を書きます。
例:「検証で既存のルールより検知率は高かったが、誤保留が増えるため、審査部と協議して導入を見送り。代わりにルールの見直しに分析結果を活用」
導入しない判断も、事業への影響を考えた大切な仕事です。

チームでモデルを作っていて、自分の貢献を切り分けにくい

チームの成果と、その中で自分が担った部分を分けて書きます。
例:「不正利用検知モデルの構築(6名)。自身は特徴量の設計と、評価の基準づくりを担当」
担当した部分がはっきりすれば、成果を独り占めしなくても貢献が伝わります。

分析や研究が中心で、事業の数字に触れていない

扱ったデータの規模と、分析の結果で判断が変わったことを書きます。
例:「約3,000万件の購買データを分析し、出店の候補地を3か所から1か所に絞る根拠を提示」
判断の材料になった事実を書けば、事業への貢献は伝わります。

履歴書の学歴欄、入学・卒業の年で迷ったら

生年月日を選ぶだけで、入学・卒業の年月を和暦・西暦で計算し、学歴欄をそのまま作れます。早生まれ・浪人・留年にも対応しています。

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提出前のチェックリスト

提出前に確かめる7つのこと
この章のまとめ:提出前に確かめる7つのこと

書き終えたら、提出前に次の項目を確認しましょう。

  • 職務要約に、年数・業界・扱ってきた課題・担当範囲・事業への効果が入っている
  • モデルごとに、期間・役割・チームの人数・課題・成果を書いている
  • 精度の指標は名前と前後の数字を書き、誤り(見逃し・誤検知)の数字も添えている
  • 精度の改善が、事業や業務の数字にどうつながったかを書いている
  • AIの経験は、使った作業・入力しない情報・確かめ方・効果を書いている
  • テクニカルスキルの経験年数が、職務経歴の期間と一致している
  • 顧客情報、検知の基準の詳細、社外秘の数字など、出せない情報を書いていない

最後に、割合を計算し直しましょう。記入例なら、被害額は約15億円÷約21億円で約71%、つまり約29%減です。データを扱う職種だからこそ、書類の数字の計算が合っていることは、信頼の土台になります。

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よくある質問

Kaggleなどのコンペや論文の実績は、書いたほうがいいですか?

応募先の仕事に関係があれば書いてかまいません。職務経歴とは分けて「コンペ・論文」などの欄を作り、テーマ、順位や掲載先、扱ったデータの種類を書きます。業務の実績がある人は、そちらを中心にして、コンペや論文は補足にするとバランスがよくなります。

使ったアルゴリズムは、どこまで詳しく書けばいいですか?

職務経歴では「機械学習モデル」「時系列の予測モデル」程度にとどめ、テクニカルスキル欄に手法の系統と年数を書くのがおすすめです。細かな工夫は面接で話せるように準備しておきましょう。

金融など、守秘義務が厳しい業界の経験はどう書けばいいですか?

顧客の名前、検知や審査の基準の詳細、社外秘の数字は書きません。業界・業務・モデルの役割・割合で示した成果があれば、経験の中身は十分に伝わります。迷う場合は、社内の規程で公開できる範囲を確認しましょう。

修士や博士の学位は、職務経歴書に書いたほうがいいですか?

学歴は履歴書に書くのが基本ですが、研究の内容が応募先の仕事に関係するなら、職務経歴書にも「研究テーマ」として短く書くと伝わりやすくなります。テーマ、手法、扱ったデータの規模を1〜2行でまとめましょう。

生成AIを使った経験がないと、データサイエンティストの転職で不利になりますか?

AIの活用をどの程度求めるかは応募先によって大きく違い、生成AIの経験がないことだけで不利になるとは限りません。モデルの評価や運用、前処理の自動化など、データサイエンティストとしての経験を、前後の数字とともに書きましょう。

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Author

佐藤 大貴

レジュメラボ編集責任者/アースダイバー代表

佐藤 大貴

人材紹介の会社で、キャリア系メディアの編集長をしていました。転職やキャリアをテーマにした記事づくりに長く関わり、2019年にアースダイバー株式会社を立ち上げました。編集長時代、たくさんの求職者の方やキャ…

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