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不動産管理の職務経歴書の書き方|採用担当に伝わる記入例と無料テンプレート

不動産管理の職務経歴書の書き方|採用担当に伝わる記入例と無料テンプレート

不動産管理の職務経歴書は、「オーナー様の物件を担当し、入居者対応や修繕を行いました」と書いて終わりがちです。けれども、同じ「管理」でも、入居者の窓口なのか、オーナーの担当なのか、建物の修繕まで任されていたのかで、仕事の中身は大きく違います。採用担当が知りたいのは、どんな物件を、どの規模で預かり、数字をどう動かしてきたかです。

不動産管理は、契約が決まったところから始まる仕事です。空室を埋め、家賃を確実に集め、建物を長く使えるように手を入れ、オーナーに報告する。その積み重ねが、入居率・滞納・修繕という数字に表れます。売買や賃貸の仲介とは、評価される数字がまったく違います。

この記事では、賃貸住宅の管理会社で約12年半、入居者対応からオーナー担当、主任まで経験した人の記入例をもとに、項目ごとの書き方と評価される理由を解説します。賃貸住宅管理業法と資格の書き方、応募先別の書き分け方、AIの経験の書き方も紹介します。

この記事でわかること

  • 不動産管理の職務経歴書の完成イメージ(記入例)
  • データで読む、賃貸住宅の空き家・管理会社の規模・資格の変化
  • 管理戸数・入居率・滞納・修繕の実績を、OK例・NG例で書くコツ
  • 賃貸住宅管理業法と、宅地建物取引士・賃貸不動産経営管理士の書き方
  • ビル・分譲マンション・仲介からなど応募先別の書き分け方と、AIの書き方

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不動産管理の職務経歴書の記入例

まずは完成イメージです。賃貸住宅とオフィスビルの管理会社で、入居者対応と退去の精算を3年、オーナー担当を5年経験し、現在は主任としてオーナー52名・約1,320戸を担当している人を想定しています。画像をタップすると拡大できます。

不動産管理の職務経歴書の記入例(賃貸住宅の管理会社12年半・主任)
不動産管理の職務経歴書の記入例(A4・2枚)

この記入例と同じ形式のテンプレートを無料で用意しています。Word・Excel・PDFの3形式で、空欄テンプレートと記入見本の2点セットです。

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データで読む:不動産管理は「空室の多い市場で、任され続ける力」で読まれる

書き方に入る前に、賃貸住宅と管理会社をめぐる状況を、公表されているデータで見ておきます。3つの資料を重ねると、見えてくることは1つです。賃貸用の空き家は多く、管理会社の規模はさまざまで、管理の仕事には国のルールと資格が整ってきました。だから評価されるのは、規模を示したうえで、ルールに沿って入居率と建物を守ってきた人です。

空き家900万戸のうち、約半分は「賃貸用の空き家」

総務省統計局の「令和5年住宅・土地統計調査 住宅数概数集計(速報集計)結果」によると、2023年10月1日現在の空き家は900万戸で、空き家率は13.8%でした。種類別に見ると、最も多いのは「賃貸用の空き家」の443万戸で、空き家全体の約半分を占めます。2018年の433万戸から10万戸増えました。

全国の空き家の種類別の数(2023年)。賃貸用の空き家443万戸、賃貸・売却用及び二次的住宅を除く空き家385万戸、二次的住宅38万戸、売却用の空き家33万戸
言いたいこと:空き家900万戸のうち、約半分は賃貸用の空き家(総務省統計局、2023年)

出典:令和5年住宅・土地統計調査 住宅数概数集計(速報集計)結果(総務省統計局)(2024年4月30日公表)

入居者を探している賃貸住宅が、それだけ多いということです。どの物件も同じように埋まるわけではなく、立地や築年数、設備、募集の条件で差がつきます。編集部の読みでは、入居率は「市場がよかったから」ではなく、空室にどう手を打ったかとセットで書くべき数字です。

記入例では、「空室が3か月以上続く住戸を毎月一覧にし、設備の更新と募集条件の見直しを提案(5年で計64戸)」と対策を書いたうえで、「入居率(年度末):93.8%(2017年度)→ 97.2%(2021年度)」と結果を並べています。対策と数字が並んでいるので、入居率が自分の仕事の結果だと伝わります。

登録業者の約8割は、管理戸数1,000戸未満。会社の規模は大きく違う

国土交通省の「賃貸住宅管理業法の施行状況について」によると、賃貸住宅管理業の登録件数は2024年12月31日時点で9,786件です。2022年に電子申請された登録業者6,415件を管理戸数別に見ると、最も多いのは200戸以上500戸未満の2,157件で、1,000戸未満の業者が全体の約8割を占めます。5,000戸以上は237件でした。

賃貸住宅管理業者の管理戸数別の登録件数(2022年に電子申請された6,415件)。200戸以上500戸未満が2,157件で最多、5,000戸以上は237件
言いたいこと:登録業者の約8割は、管理戸数1,000戸未満(国土交通省、2025年2月)

出典:賃貸住宅管理業法の施行状況について(国土交通省)(2025年2月)

読み手の側から見ると、「管理会社で働いていた」だけでは、数百戸を少人数で管理する会社なのか、数万戸を部署ごとに分担する会社なのかがわかりません。規模が違えば、一人の担当範囲も、任される判断も変わります。

編集部の読みでは、会社の管理戸数と、自分の担当戸数の両方を書いておくべきです。記入例では、会社概要に「管理戸数:約18,000戸・管理ビル42棟」、担当欄に「オーナー 52名・71棟・約1,320戸」と書いています。小さな会社の採用担当にも、大きな会社の採用担当にも、仕事の大きさを正しく伝えられます。

国家資格になった賃貸不動産経営管理士。合格率は24.1%に

2021年6月に賃貸住宅管理業の登録制度が始まり、管理会社は事務所ごとに「業務管理者」を置くことになりました。同じ資料によると、賃貸不動産経営管理士試験の合格率は、国家資格になった2021年度の31.5%から、2024年度は24.1%になりました。業務管理者の要件を満たす人は、2024年12月31日時点で101,584名です。

賃貸不動産経営管理士試験の合格率。2021年度31.5%、2022年度27.7%、2023年度28.2%、2024年度24.1%
言いたいこと:賃貸不動産経営管理士試験の合格率は、3割前後から24.1%に(国土交通省、2025年2月)

出典:賃貸住宅管理業法の施行状況について(国土交通省)(2025年2月)

管理の仕事が、法律と資格で裏付けられる仕事になってきたということです。資格は正式名称と取得年月で書き、職務経歴の中でも、ルールに沿って仕事を進めてきたことがわかるように書きましょう。記入例では、資格欄に「賃貸不動産経営管理士試験 合格(2022年 登録)」と書き、活かせる経験に「原状回復ガイドラインや賃貸住宅管理業法に沿った、トラブルを防ぐ手順づくり」を挙げています。

まとめると、いまの不動産管理の職務経歴書では、会社と自分の担当の規模、入居率を動かした対策の中身、ルールと資格に沿った仕事の進め方を書けるかで差がつきます。次は、採用担当が書類のどこを見ているかを確認します。

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採用担当が不動産管理の職務経歴書で見ている3つのこと

採用担当が確かめる3つのこと:管理してきた物件と規模、入居率・滞納・修繕を動かした中身、オーナーに提案し決めてもらう力
この章のまとめ:採用担当が確かめる3つのこと

こうした変化と採用の現場でよく見られる傾向を踏まえると、不動産管理の採用担当は、書類から次の3つを確認しています。

  1. 管理してきた物件と規模どんな物件(賃貸住宅・ビル・分譲マンションなど)を、何戸・何棟、オーナー何名分担当してきたか。規模と物件の種類で、応募先の管理に近い経験かどうかを判断します。
  2. 入居率・滞納・修繕を動かした中身入居率や滞納の件数が、どんな対策でどう変わったか。「前→後」の数字に、時点(年度末など)と対策の中身が添えられているかを見ます。
  3. オーナーに提案し、決めてもらう力修繕や募集条件の見直しを、どんな根拠で提案し、何件実施されたか。管理会社の評価はオーナーに選ばれ続けることで決まるため、提案の進め方と結果が重く見られます。

3つとも、答えになるのは「丁寧に対応した」という姿勢ではなく、何戸を預かり、何をして、数字がどう変わったかという事実です。管理会社はオーナーから契約を任され続けて成り立つ仕事なので、採用担当は「この人に物件を預けて大丈夫か」という目で読みます。

項目別の書き方:OK例とNG例の違い

ここからは項目ごとに、NG例とOK例を並べて解説します。OK例は記入例からの引用です。不動産管理で特に差がつくのは、職務経歴の担当ごとの書き方と、入居率・滞納・修繕の実績の書き方です。

職務要約:物件の種類・担当の規模・代表的な成果を3〜5行で

職務要約は、採用担当が最初に読む部分です。経験年数に加えて、物件の種類と、オーナー数・戸数で表した担当の規模を入れます。不動産管理は会社によって分担の仕方が違うため、どこからどこまでを担ってきたのかを一文で示しましょう。

× NG例

大学卒業後、不動産会社に入社し、賃貸物件の管理業務に従事してまいりました。入居者様やオーナー様に寄り添った対応を心がけ、物件の価値向上に努めてまいりました。

ここが惜しい

  1. 「賃貸物件の管理業務」だけでは、入居者対応なのか、オーナー担当なのか、建物の修繕まで担ったのかがわかりません。
  2. 担当した戸数・棟数がなく、どのくらいの規模を任されていたのかが伝わりません。
  3. 「物件の価値向上に努めた」を裏付ける入居率などの数字がなく、姿勢を述べるだけになっています。

○ OK例

大学(経済学部)卒業後、2014年4月に賃貸住宅・ビルの管理会社である株式会社サンプルプロパティに入社し、約12年半、賃貸住宅の管理に従事してまいりました。入居者対応と退去の精算を3年担当したのち、2017年からオーナー担当として募集・滞納・修繕の管理とオーナーへの提案を行い、2022年4月からは主任として課員4名を指導しています。現在はオーナー52名・約1,320戸を担当し、入居率は97.6%(2025年度末)です。

ここが評価される

  1. 入居者対応からオーナー担当、主任へと、任された範囲が広がってきた流れが伝わります。
  2. 「オーナー52名・約1,320戸」と担当の規模を書いているので、応募先の担当の持ち方と比べやすくなります。
  3. 入居率に時点(2025年度末)を添えているので、数字を正しく読み取れます。

職務経歴:担当が変わるごとに「規模・業務・取り組み・成果」をそろえる

職務経歴は、部署や担当が変わるたびに行を分けます。どの行も、担当の規模 → 業務の範囲 → 取り組み → 成果の順にそろえると、経験の広がりが読み取りやすくなります。下の画像の3つのポイントを押さえましょう。

不動産管理の職務経歴の書き方のポイント
職務経歴の書き方のポイント

× NG例

オーナー様の物件を担当し、空室対策や滞納督促、修繕の手配などを行いました。オーナー様からの信頼も厚く、入居率の改善に貢献しました。

ここが惜しい

  1. オーナーの人数・棟数・戸数がなく、担当の大きさがわかりません。
  2. 「空室対策」の中身がなく、何をしたから入居率が上がったのかが伝わりません。
  3. 「入居率の改善に貢献」では、いつの何%から何%になったのかを読み取れません。

○ OK例

【担当】オーナー 38名・アパート/マンション 54棟・約950戸の管理。募集条件の提案、家賃の入金管理と督促、点検・修繕の手配、毎月の収支報告

【取り組み】空室が3か月以上続く住戸を毎月一覧にし、設備の更新と募集条件の見直しを、近隣の成約事例と費用の回収期間を添えてオーナーに提案(5年で計64戸)

【成果】入居率(年度末):93.8%(2017年度)→ 97.2%(2021年度)

ここが評価される

  1. 担当の規模を「オーナー・棟・戸」の3つで書いているので、仕事の量が具体的に伝わります。
  2. 「3か月以上の空室を毎月一覧に」と対策の進め方が書かれているので、応募先でも再現できそうだと伝わります。
  3. 入居率を年度末の値で「前→後」に並べ、数字の比べ方をそろえています。

入居者対応の時期の行も、短く書きすぎないようにしましょう。記入例では「退去の立ち会いと原状回復費用の精算(年 約280件)」と件数を書き、精算をめぐる苦情を「年24件(2015年度)から7件(2016年度)に削減」と結果まで書いています。入居者の窓口の経験は、オーナー担当になってからのトラブル対応の土台として読まれます。

オーナー名・物件名・入居者の情報は書かない

オーナーや入居者の氏名、物件名、住所は書きません。「アパート/マンション 54棟」「首都圏の賃貸住宅」のように、物件の種類・地域・戸数で伝えれば十分です。

入居率・滞納・修繕の実績:「何をしたから・どの数字が・いつからいつへ」

不動産管理ならではの実績が、入居率・滞納・修繕です。どれも数え方と時点で値が変わる数字なので、比べ方をそろえて書くことが大切です。入居率は年度末か年間平均か、滞納は何か月以上を数えたのかを、ひと言添えましょう。

× NG例

滞納者への粘り強い督促により、滞納を大幅に減らしました。また、修繕工事を多数提案し、物件の資産価値の維持に努めました。

ここが惜しい

  1. 「粘り強い督促」では、どんな手順で減らしたのかがわからず、応募先で再現できるかを判断できません。
  2. 「大幅に」「多数」は人によって受け取り方が違います。件数と時点がないと大きさが伝わりません。
  3. 修繕は提案した数だけでなく、実施された棟数と金額がないと、オーナーを動かせたかがわかりません。

○ OK例

滞納:新規契約で家賃保証会社の利用を原則とし、滞納1か月目の連絡手順を統一。2か月以上の滞納を14件(2017年度末)から3件(2021年度末)に削減

(中略)

【取り組み】築20年以上の24棟で12年間の長期修繕計画を作成し、修繕費と家賃収入の見通しを並べてオーナーに提案。17棟で外壁・屋上防水などの大規模修繕を実施(工事総額 約3.1億円)

ここが評価される

  1. 滞納は「保証会社の原則化」「1か月目の連絡手順」と、仕組みで減らしたことが伝わります。
  2. 「2か月以上の滞納」と数え方を決めて書いているので、件数の意味を正しく読み取れます。
  3. 修繕は「計画した24棟→実施した17棟→約3.1億円」と書き、提案が実際に決まったことがわかります。

修繕の実績は、提案の数だけでは伝わりません。大規模修繕はオーナーにとって大きな出費なので、決めてもらうまでの説明が仕事の中心です。記入例のように「計画した棟数 → 実施した棟数 → 工事の総額」を並べると、オーナーを動かせたかどうかが数字で伝わります。データの章で見たとおり空室の多い市場では、修繕は入居率を守る手段でもあるので、両方を書いておくと話がつながります。

入居率は「時点」と「数え方」をそろえる

入居率は、年度末・年間平均など時点によって値が変わります。記入例のように「(年度末)」と添え、比べる2つの数字は同じ数え方にそろえましょう。

資格と法律:宅地建物取引士・賃貸不動産経営管理士と賃貸住宅管理業法

不動産管理の書類で押さえておきたい資格とルール:賃貸住宅管理業法、業務管理者、オーナーへの説明と報告、原状回復ガイドライン
不動産管理の書類で押さえておきたい資格とルール

不動産管理の仕事は、2021年から法律の裏付けがはっきりしました。書類で「ルールに沿って進めた」と書けるように、主なルールを押さえておきましょう。

  • 賃貸住宅管理業法:「賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律」。管理戸数200戸以上の管理業者は国の登録が必要で、事務所ごとに業務管理者を置きます。管理受託契約の前の重要事項説明、家賃などの分別管理、オーナーへの定期報告も定められています(国土交通省の資料)。
  • 業務管理者になれる資格:賃貸不動産経営管理士のほか、宅地建物取引士で指定の講習を修了した人も要件を満たします(国土交通省「賃貸住宅管理業法の施行状況について」)。
  • 原状回復のルール:国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン(再改訂版)」は、退去時の費用負担の一般的な基準を示しています。経年変化や通常の使用による損耗は、貸主の負担とされています。

資格欄には、宅地建物取引士は「試験の合格」と「登録」、賃貸不動産経営管理士は「試験の合格」と「登録」を、それぞれ正式名称で書きます。記入例のように1行にまとめてもかまいません。業務管理者として事務所に置かれていた人は、職務経歴の担当欄にも書いておくと、法律に沿った体制の一員だったことが伝わります。

活かせる経験・知識・スキル:管理の範囲・提案・仕組みづくりから3つに絞る

職務経歴の中から、応募先で使える経験を3つに絞って箇条書きにします。資格の名前は資格欄に任せ、ここでは物件を預けたときに何を任せられるかを書きます。

× NG例

・コミュニケーション能力

・クレーム対応力

・宅地建物取引士

ここが惜しい

  1. 「コミュニケーション能力」「クレーム対応力」は抽象的で、管理の仕事のどこで活きるのかが伝わりません。
  2. 資格は資格欄と重複します。ここでは資格を使って何ができるかを書きます。

○ OK例

・約1,300戸の賃貸住宅を、募集・入居者対応・滞納・修繕まで一貫して管理する経験

・長期修繕計画と収支の見通しにもとづく、オーナーへの修繕・募集条件の提案

・原状回復ガイドラインや賃貸住宅管理業法に沿った、トラブルを防ぐ手順づくり

ここが評価される

  1. 管理の範囲・オーナーへの提案・ルールに沿った仕組みづくりと、強みの種類が重ならないように選んでいます。
  2. どれも職務経歴の実績と対応しているので、面接で深掘りされても具体的に話せます。
  3. 求人票の「オーナー対応」「建物管理」「入居率改善」などの言葉とそろえると目に留まりやすくなります。

業務知識・PCスキル欄は、「賃貸管理」「建物」「システム」のように分類して書くと読みやすくなります。記入例では、滞納の督促について「法的手続きは弁護士・保証会社と連携」と書き、自分が担う範囲と、専門家に任せる範囲を分けています。

自己PR:強みは2つまで。オーナーへの提案や仕組みづくりの「進め方」で示す

自己PRは「強み → 進め方 → 結果」の順に書きます。不動産管理の自己PRは、入居者からのクレームに誠実に向き合った話になりがちです。大切な経験ですが、採用担当がより知りたいのは、同じトラブルを繰り返さない進め方と、オーナーに決めてもらう提案の仕方です。

× NG例

私の強みは誠実な対応力です。入居者様からのどんなクレームにも真摯に向き合い、オーナー様からも「上野さんに任せたい」と言っていただけました。

ここが惜しい

  1. 「誠実」「真摯」は多くの応募者が書く言葉で、差がつきません。
  2. オーナーの言葉は伝わりやすい反面、採用担当が確かめられる事実ではありません。どんな進め方で、何が変わったかを書きましょう。

○ OK例

数字をそろえて、オーナーの判断を助ける提案力

近隣の成約事例・工事費・家賃収入の見通しを並べ、オーナーが比べて決められる提案資料にしています。長期修繕計画を提案した24棟のうち17棟で、大規模修繕が実施されました。

ここが評価される

  1. 「成約事例・工事費・家賃収入を並べる」という進め方が具体的で、応募先でも同じ提案ができそうだと伝わります。
  2. 提案した棟数と実施した棟数があるので、強みが自己評価で終わっていません。
  3. 記入例では2つ目の強みとして、滞納や退去時のトラブルを仕組みで減らした経験を書いています。
不動産管理の職務経歴書の記入見本つきテンプレート

応募先別:不動産管理の職務経歴書の書き分け方

応募先ごとに前に出すこと:同じ賃貸住宅の管理会社、オフィスビル・商業施設の管理、分譲マンションの管理会社、賃貸仲介から管理へ
この章のまとめ:応募先ごとに前に出すこと

不動産管理の転職は、同じ賃貸住宅の管理会社へ移るだけでなく、オフィスビルや分譲マンションの管理、仲介からの転身など、さまざまな形があります。どの応募先でも共通するのは、物件の種類・規模・オーナーへの提案の3つをそろえて書くことです。まずは表で全体像を確認しましょう。

応募先採用担当が見るポイント前に出すこと
同じ賃貸住宅の管理会社すぐに担当物件を任せられるか担当戸数、入居率・滞納・修繕の「前→後」
オフィスビル・商業施設の管理テナントと建物の両方を見られるかテナント対応、修繕・設備、収支の見方
分譲マンションの管理会社管理組合に説明し、合意を得られるか長期修繕計画、多くの関係者への説明
賃貸仲介から管理へ入居後の仕事を理解しているか募集の知識、入居後まで関わった経験

同じ賃貸住宅の管理会社へ

同業への転職では、すぐに担当物件を任せられるかを見られます。採用担当は、担当戸数と、入居率・滞納・修繕の変化を確かめます。

職務経歴書に書きたいこと

  • 担当したオーナー数・棟数・戸数と、業務の範囲
  • 入居率・滞納の「前→後」(時点と数え方をそろえて)
  • 修繕の計画・実施の棟数、管理受託の実績

記入例

【担当】オーナー 52名・71棟・約1,320戸(2026年3月末。うち新規の管理受託 9棟・186戸)

【成果】入居率 97.6%(2025年度末)

ポイント

  1. 記入例の書き方です。担当の規模に、新しく管理を任された棟数・戸数も添えています。
  2. 管理受託の実績は、オーナーから選ばれた結果として読まれます。

よくある落とし穴は、会社全体の入居率を自分の成果のように書くケースです。担当物件の数字なのか、会社や部署の数字なのかを書き分けましょう。

オフィスビル・商業施設の管理(PM)へ

賃貸住宅からビルの管理へ移る場合、相手は個人の入居者から、企業のテナントに変わります。採用担当は、テナントへの対応と、建物・設備の管理の両方を任せられるかを確かめます。

職務経歴書に書きたいこと

  • テナントや入居者からの要望・トラブルへの対応の件数と結果
  • 法定点検・修繕の手配、設備の更新の経験
  • オーナーへの収支報告と、修繕費の見通しの説明

記入例

※記入例とは別の架空例です

【担当】中規模オフィスビル 6棟(テナント 計48社)の管理。テナントの入退去、設備の点検・修繕の手配、毎月の収支報告

【成果】空調設備の更新を3棟で提案・実施。更新後1年間の空調の故障連絡を年31件から9件に

ポイント

  1. 棟数とテナント数で、担当の大きさを示しています。
  2. 設備の更新を、故障連絡の件数という建物側の数字で示しています。

よくある落とし穴は、住宅の言葉のまま書くケースです。「入居者」を「テナント」に、「家賃」を「賃料・共益費」にするなど、応募先の言葉に合わせましょう。

分譲マンションの管理会社へ

分譲マンションの管理会社では、オーナー一人ではなく、区分所有者でつくる管理組合が相手です。担当者(フロントと呼ばれることが多い仕事)は、理事会や総会での説明を通じて、修繕などの合意をつくります。

職務経歴書に書きたいこと

  • 長期修繕計画の作成や、大規模修繕の提案の経験
  • 多くの関係者に説明し、合意を得た経験
  • 建物の点検・修繕の手配と、工事会社との調整

記入例

【取り組み】築20年以上の24棟で12年間の長期修繕計画を作成し、修繕費と家賃収入の見通しを並べてオーナーに提案。17棟で外壁・屋上防水などの大規模修繕を実施(工事総額 約3.1億円)

ポイント

  1. 記入例の書き方です。長期修繕計画と大規模修繕の経験は、分譲マンションの管理でもそのまま求められます。
  2. 面接では、管理組合の場合は「家賃収入」ではなく「修繕積立金」で考えることを理解していると伝えましょう。

よくある落とし穴は、賃貸住宅と分譲マンションの違いに触れないケースです。分譲マンションの管理には、管理業務主任者という別の国家資格があります。持っていなければ、取得に向けて学んでいることを添えると前向きに伝わります。

賃貸仲介から管理へ

賃貸仲介の営業から管理の仕事を目指す人も少なくありません。採用担当は、契約の後に続く仕事を理解しているかを確かめます。成約件数だけを書くと、管理の仕事との距離が見えてしまいます。

職務経歴書に書きたいこと

  • 募集条件や周辺の家賃相場についての知識
  • 管理会社やオーナーと連携した経験
  • 契約後のトラブルや更新に関わった経験

記入例

※記入例とは別の架空例です

【担当】賃貸仲介の店舗で年間 約120件の成約(単身向け中心)

【取り組み】管理会社 約20社から空室の情報を集め、成約しにくい住戸の理由(家賃・設備・写真)を管理会社に週1回伝えた

ポイント

  1. 仲介の立場から、管理会社やオーナーと一緒に空室を埋めた経験として書いています。
  2. 「理由を伝えた」ことは、管理側で募集条件を提案する力に通じます。

よくある落とし穴は、仲介の売上や手数料だけを書くケースです。管理の仕事では、成約の後も入居者とオーナーに関わり続けます。入居後まで関わった経験を探して書きましょう。

2026年の不動産管理とAI:職務経歴書にどう書くか

不動産管理がAIの経験を書くときに入れること:使った業務、入れなかった情報、確かめ方、使っていない職場なら
この章のまとめ:不動産管理のAIの経験、書くときに入れること

最初にお伝えしたいのは、AIの使い方や、AIの経験を求める度合いは、応募先によって大きく違うということです。IPAの「DX動向2026」では、AIを導入している企業は従業員1,001人以上で8割近くにのぼる一方、101人以下では16.6%でした。データの章で見たとおり、管理会社の規模はさまざまです。数万戸を管理する会社と、地域の小さな管理会社とでは、事情がまったく違います。

AIを使った経験がないからといって、書類選考で不利になると考える必要はありません。まずは求人票に「生成AI」「AIツール」などの言葉があるかを確認しましょう。記載があれば具体的に書き、なければ職務経歴に1行添える程度で十分です。

不動産管理で現実的なAIの使い方

IPAのプレス発表では、AIの用途として「文書・音声の要約、翻訳、校正」(82.5%)、「文書・レポート作成」(80.5%)が多く挙がっています。不動産管理なら、次のような使い方が現実的です。

使い方具体例自分で確かめること
オーナー向けの報告収支報告のコメント・修繕提案書の下書き金額・日付・棟名が原本と合っているか
入居者へのお知らせ点検・工事のお知らせ文の下書き日時・範囲・連絡先、言い回しの丁寧さ
問い合わせの整理よくある質問と回答の案づくり契約内容や社内の規程と食い違わないか
外国人の入居者お知らせ文の翻訳の下書き意味が正しく伝わるか(社内の確認手順で)

不動産管理ならではの注意点は、入居者とオーナーの個人情報を入力しないことです。氏名・住所・電話番号、滞納の状況、トラブルの内容は、AIに入れてはいけない情報です。

書き方:「何の業務で・どう使い・何に気をつけたか」

「生成AIを活用」とだけ書いても、何ができるのかは伝わりません。記入例では、主任になってからの取り組みに1行で書いています。

× NG例

生成AIを活用して業務を効率化し、オーナー様への報告の質を高めました。

ここが惜しい

  1. どの業務に、どう使ったのかがわかりません。
  2. 入居者やオーナーの情報をどう扱ったのかがなく、かえって心配されます。

○ OK例

2025年4月より、社内で認められた生成AIで収支報告のコメントと修繕提案書の下書きを作成(入居者の個人情報は入力せず、内容は自分で確認)。1棟あたり約40分→約20分に

ここが評価される

  1. 使った業務が「収支報告のコメント」「修繕提案書の下書き」と具体的です。
  2. 「個人情報は入力せず」「自分で確認」で、情報の扱いに慎重なことが伝わります。
  3. 1棟あたりの時間の変化で、効果を数字で示しています。

AIの経験を書くときの注意点

  • 入居者・オーナーの氏名、住所、滞納の状況、トラブルの内容を入力しない。書類にも「入れなかった」ことを書くと安心されます。
  • 会社が認めたツールを、社内ルールの範囲で使ったことを前提に書く。
  • AIの出力をそのまま送らず、金額・日付・契約条件を原本で確かめたことを書く。
  • 盛らない。数回試しただけの経験を「活用」と書くと、面接で詳しく聞かれたときに答えに困ります。

AIを使っていない・禁止の職場だった人は

個人情報を多く扱う管理会社では、生成AIの利用を限っている職場も少なくありません。ルールに従ってきたこと自体が、オーナーと入居者の情報を預かる仕事として大切な姿勢です。

代わりに、仕組みで仕事を変えた経験を書きましょう。記入例の「空室が3か月以上続く住戸を毎月一覧にし」や「滞納1か月目の連絡手順を統一」のように、手順を整えて数字を変えた経験は、AIと同じく「仕事のやり方を自分で変えられる力」を示します。

実績の数字が書けないときの対処法

数字が書けないときに拾う4つの切り口:規模、空室、お金、トラブル
この章のまとめ:数字が書けないときは4つの切り口から拾う

不動産管理は、入居率を会社単位でしか出していなかったり、担当が細かく分かれていたりして、書ける数字が少ないと感じる人もいます。規模・空室・お金・トラブルの4つの切り口で探すと、書ける数字はたいてい見つかります。

入居率を個人の担当ごとに出していない

担当物件の空室の戸数や空室の日数で書きます。
例:「担当物件の空室 28戸(2024年3月末)→ 11戸(2025年3月末)」
入居率に換算できなくても、空室の戸数の変化で十分に伝わります。

入居者対応の窓口で、成果の数字がない

対応した件数と、手順を変えた結果を書きます。
例:「入居者からの問い合わせ 月約350件に対応。よくある質問の回答集を作成し、折り返しの件数を月約60件から約25件に」
件数は「月」「年」など期間をそろえましょう。

修繕を提案したが、実施はオーナーの判断で決まらなかった

提案の根拠と、決まった部分を書きます。
例:「築25年の8棟で修繕の優先順位表を作成して提案。うち3棟で屋上防水を先行して実施」
全部が決まらなくても、優先順位をつけて一部を進めた経験は評価されます。

会社の方針で、物件やオーナーの数字を出せない

物件の種類・地域・規模の幅で書きます。
例:「首都圏の単身向けアパートを中心に、約50棟を担当」
オーナー名・物件名・住所は書きません。種類と規模があれば、担当の大きさは十分に伝わります。

履歴書の学歴欄、入学・卒業の年で迷ったら

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提出前のチェックリスト

提出前に確かめる7つのこと
この章のまとめ:提出前に確かめる7つのこと

書き終えたら、提出前に次の項目を確認しましょう。

  • 職務要約に、経験年数・会社の業種・担当業務・担当の規模(戸数・棟数)・代表的な成果が入っている
  • 担当ごとに、オーナーの人数・棟数・戸数と、任された業務の範囲を書いている
  • 入居率や滞納の件数は「前→後」で、時点(年度末など)と数え方をそろえている
  • 修繕は、提案した棟数・実施した棟数・工事の金額のいずれかを書いている
  • 宅地建物取引士・賃貸不動産経営管理士などの資格を正式名称で書いている
  • オーナー・入居者の氏名や物件名・住所など、個人や物件が特定できる情報を書いていない
  • A4で2枚程度(多くても3枚以内)に収まり、誤字脱字がない

最後に、職務要約・職務経歴・自己PRで同じ数字(担当戸数、入居率、滞納の件数、修繕の棟数など)を使っている箇所を読み合わせ、食い違いがないかを確かめましょう。

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よくある質問

不動産管理の仕事に、宅地建物取引士は必要ですか?

管理の仕事そのものに宅地建物取引士が必須とは限りませんが、管理会社では仲介や契約の業務とつながることが多く、求人で歓迎されることがよくあります。持っている場合は、試験の合格と登録の年月を正式名称で書きましょう。賃貸不動産経営管理士は、賃貸住宅管理業法の業務管理者の要件にかかわる資格です。

入居者からのクレーム対応の経験は、書いたほうがいいですか?

書いたほうがよい経験です。ただし「クレームに誠実に対応した」ではなく、対応した件数と、同じトラブルを減らすために手順をどう変えたかを書きましょう。記入例では、写真つきの立ち会い記録で、精算の苦情を年24件から7件に減らした経験を書いています。

滞納の督促や法的な手続きは、どこまで書いていいですか?

自分が担った範囲を正確に書きます。電話や書面での連絡、保証会社との連携など、会社の手順に沿って行ったことを書き、法的な手続きは弁護士などの専門家と連携したと書き分けましょう。入居者が特定できる情報は書きません。

ビルの管理と住宅の管理、両方の経験がある場合はどう書きますか?

担当が変わるごとに行を分け、それぞれ「棟数・戸数(テナント数)・業務・成果」をそろえて書きます。応募先が扱う物件に近いほうを職務要約で先に書くと、すぐに任せられる経験が伝わります。

AIを使った経験がないと、転職で不利になりますか?

AIの活用をどの程度求めるかは応募先によって大きく違い、経験がないことだけで不利になるとは限りません。空室の一覧化や滞納の連絡手順の統一など、仕組みで仕事を変えた経験を具体的な数字とともに書きましょう。

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Author

佐藤 大貴

レジュメラボ編集責任者/アースダイバー代表

佐藤 大貴

人材紹介の会社で、キャリア系メディアの編集長をしていました。転職やキャリアをテーマにした記事づくりに長く関わり、2019年にアースダイバー株式会社を立ち上げました。編集長時代、たくさんの求職者の方やキャ…

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