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書き方ガイド
技術営業・セールスエンジニアの職務経歴書でよくあるのが、「技術的な知識を活かして、お客様に最適なソリューションを提案してきました」という書き方です。これでは、どの技術をどこまで扱えるのか、その技術でどうやって受注につなげたのかが伝わりません。採用担当が知りたいのは、どんな製品の、どんな技術を使い、顧客と何を確かめて、どれだけの受注につなげたかです。
技術営業の仕事は、製品の技術説明、デモや評価(顧客の条件で性能を確かめること)、仕様のすり合わせ、見積もり、導入後の技術支援まで幅広くあります。会社によって、技術に詳しい営業として自分で受注を持つ場合もあれば、営業担当に同行する技術者として支える場合もあります。
この記事では、計測器・FA機器メーカーでフィールドエンジニアを3年、技術営業を9年半経験した人の記入例をもとに、項目ごとの書き方と評価される理由を解説します。技術職から移る人、営業から移る人など経歴別の書き分け方と、AIの経験の書き方も詳しく紹介します。
この記事でわかること
無料テンプレート
技術営業・セールスエンジニアの職務経歴書、記入見本つきのテンプレートがあります
この記事の記入例と同じ形式で、Word・Excel・PDFの3形式。空欄のテンプレートと記入見本がセットになっています。
まずは完成イメージです。計測器・FA機器メーカーに入社し、フィールドエンジニアとして3年間、納入した画像検査装置や計測機器の立ち上げと保守を担当。その後、技術営業として自動車部品・電子部品メーカーを受け持ち、現在は主任として半導体・電子部品メーカー約25社を担当している人を想定しています。画像をタップすると拡大できます。

この記入例と同じ形式のテンプレートを無料で用意しています。Word・Excel・PDFの3形式で、空欄テンプレートと記入見本の2点セットです。

記入例をもとに、あなたの経歴で技術営業・セールスエンジニアの職務経歴書を作る(AI職務経歴書メーカー・無料)
ツールで聞かれる質問や記入見本は、技術営業・セールスエンジニアの職務経歴書をAIで作成するページで先に確かめられます。
書き方に入る前に、技術営業をとりまく状況を、公表されているデータで見ておきます。3つの資料を重ねると、見えてくることは1つです。技術の仕事の採用では専門知識が、営業の仕事の採用では即戦力と職場への適応が重く見られます。顧客の製造業ではセンサーやロボットの導入が進む一方、会社の規模による差は大きいままです。だから技術営業の書類では、技術の深さと、その技術で顧客の導入を前に進めた経験の両方を示す必要があります。
厚生労働省の「令和7年転職者実態調査」は、職種ごとに、転職者を採用した理由を事業所に聞いています(複数回答)。「専門的・技術的な仕事」で転職者を採用した事業所では、「専門知識・能力がある」が51.2%でした。営業職を含む「販売の仕事」では20.7%で、2倍以上の差があります。

出典:令和7年転職者実態調査の概況(厚生労働省) 表4
一方、「販売の仕事」では「離職者の補充」(54.6%)や「職場への適応力がある」(35.3%)の割合が、技術の仕事より高くなっています。どちらでも多いのは「経験を活かし即戦力になる」(技術64.1%、販売52.9%)です。
編集部の読みでは、技術営業はこの2つの見られ方の間にある仕事です。技術営業の求人は、技術部門が採用する会社もあれば、営業部門が採用する会社もあります。書類を読む人が技術の人でも営業の人でも伝わるように、技術の中身と、営業としての数字をどちらも書くことが大切です。記入例では、テクニカルスキル欄で技術の分野と年数を示し、職務経歴で受注額と達成率を示しています。
総務省の「令和7年通信利用動向調査」は、IoTやAIなどのシステムを導入している企業に、どんな機器を使っているかを聞いています。製造業では「センサー」が37.0%、「産業用ロボット」が30.0%でした。全産業の17.0%、10.9%と比べて、どちらも2倍以上です。

出典:令和7年通信利用動向調査報告書(企業編)(総務省) 図表6-6
製造業の集計企業は116社と少なく、誤差の大きい数字として読む必要があります。それでも、工場の現場でセンサーやロボットを使ってデータを集め、作業を自動化する動きがあることは読み取れます。
センサーや検査装置は、置く場所、照明、対象物のばらつきで性能が変わります。カタログの数字だけでは、顧客の現場で使えるかは決まりません。だから技術営業の実績は、「何を売ったか」より、顧客の条件で何を確かめたかで書くと伝わります。記入例の「不良品サンプル約2,000個による事前検証(検出率99.6%)を行い、12ライン分の画像検査装置を受注(1億2,000万円)」は、検証の条件・結果・受注の規模がひと続きになっています。
同じ調査で、IoT・AIなどのシステムを「導入している」企業の割合を従業者規模別に見ると、2,000人以上では62.3%、100〜299人では21.8%でした。規模が大きいほど導入が進んでいます(全産業の集計)。

出典:令和7年通信利用動向調査報告書(企業編)(総務省) 図表6-2
編集部の読みでは、規模の小さい顧客ほど、新しい機器を自分たちだけで選び、評価し、立ち上げるのは負担が大きくなります。そうした顧客にとって、評価の進め方を一緒に決め、導入後の立ち上げまで支えてくれる技術営業は頼れる存在です。
記入例の「評価項目・合格基準・期間を初回に顧客と合意する『評価計画書』を課内に導入。評価からの採用率を38%から52%に(2022→2025年度)」は、その支え方を仕組みにした経験です。フィールドエンジニアとして立ち上げを経験していることも、導入後まで見通せる裏付けになります。
まとめると、いまの技術営業の職務経歴書では、技術の分野と深さに加えて、顧客の条件で何を確かめ、どう合意し、どれだけの受注と導入につなげたかを書けるかで差がつきます。次は、採用担当が書類のどこを見ているかを確認します。


こうした変化と採用の現場でよく見られる傾向を踏まえると、技術営業・セールスエンジニアの採用担当は、書類から次の3つを確認しています。
3つとも、答えになるのは「技術に詳しい」という自己評価ではなく、確かめた中身と数字です。どの製品の、どの技術で、顧客と何を確かめ、何が決まったかを書きましょう。
ここからは項目ごとに、NG例とOK例を並べて解説します。OK例は記入例からの引用です。技術営業の書類で特に差がつくのは、職務経歴での案件の書き方と、デモ・評価の実績の示し方です。
職務要約は、採用担当が最初に読む部分です。経験年数に加えて、扱ってきた製品・顧客の業界・担当した範囲・代表的な数字を入れます。技術職の経験がある人は、その年数も必ず入れましょう。
× NG例
計測器メーカーで技術営業として10年以上勤務してまいりました。技術的な知識を活かしてお客様に最適なソリューションを提案し、売上拡大に貢献してきました。
ここが惜しい
○ OK例
(前略)フィールドエンジニアとして3年、装置の立ち上げ・保守を担当したのち、2017年から技術営業として電子部品・自動車部品メーカーに画像検査装置やセンサーを提案しています。顧客の条件での評価(デモ・検証)から仕様のすり合わせ、導入後の技術支援まで担当し、2025年度は受注額5億6,000万円(達成率112%)を達成しました。
ここが評価される
記入例の職務要約の冒頭には「大学(電気電子工学科)卒業後」と書いています。技術営業では、技術の土台がどこにあるかも判断の材料になるため、専攻が仕事に関わる場合は一言添えるとよいでしょう。
職務経歴は、技術営業の書類でいちばん重要な項目です。下の画像の3つのポイントを押さえると、同じ経験でも伝わり方が大きく変わります。

× NG例
電子部品メーカー向けに画像検査装置の技術営業を担当。デモを実施し、お客様の要望に合わせた仕様を提案して大型案件を受注しました。
ここが惜しい
○ OK例
【担当】半導体・電子部品メーカー約25社。若手の技術営業2名の指導
2025年度:受注額 目標5億円/実績5億6,000万円(達成率112%)
電子部品メーカーの外観検査の自動化で、不良品サンプル約2,000個による事前検証(検出率99.6%)を行い、12ライン分の画像検査装置を受注(1億2,000万円)
ここが評価される
代表的な案件は、「顧客の課題 → 確かめたこと → 受注の規模」の順に書きます。データの章で見たように、センサーや検査装置は現場の条件で性能が変わります。どんな条件で何を確かめたかが書いてあると、カタログの説明ではなく、技術で受注を取ってきたことが伝わります。
技術職の経験は「件数」と「現場で変えたこと」で
フィールドエンジニアや設計など技術職の期間は、営業の期間と分けて書きます。対応件数や担当した製品に加えて、手順書をつくって作業時間を短くしたなど、現場で変えたことを数字で添えると、技術の土台が伝わります。
デモや評価機の貸し出しは、技術営業の仕事の中心です。ただ、件数だけを書いても、それが受注にどうつながったかは伝わりません。評価の件数・評価からの採用率・評価の進め方の3つをセットで書きます。
× NG例
デモ機の貸し出しを積極的に行い、多くのお客様に製品の良さを体感していただきました。
ここが惜しい
○ OK例
評価項目・合格基準・期間を初回に顧客と合意する「評価計画書」を課内に導入。評価からの採用率を38%から52%に(2022→2025年度)
ここが評価される
記入例では、技術営業になった最初の期間に「デモ・評価機の貸し出し 年間約60件」と量を書き、主任になってからの期間に「評価計画書」の導入と採用率の変化を書いています。量の経験から、進め方の工夫へ。期間ごとに書くことを変えると、成長が伝わります。
採用率は「何を分母にしたか」を決めておく
評価からの採用率は、評価を行った件数を分母に、採用(受注)になった件数を分子にするのが一般的です。会社で数えていなければ、自分の記録から「評価〇件のうち採用〇件」と書いても十分伝わります。
生成AIを技術営業の仕事に使った経験は、職務経歴の【取り組み】に1行で書くのが基本です。使った作業・入力しなかった情報・自分の確認・変わったことの4つを入れます。技術営業は顧客の図面や仕様を扱うため、入力しなかった情報を書くことが特に大切です。
× NG例
生成AIを活用して技術資料の作成を効率化しました。
ここが惜しい
○ OK例
社内で認められた生成AIで、社内の技術資料から問い合わせへの回答を下書き(顧客名・図面は入力せず、回答は自分で確認)。一次回答までを平均約2日から約1日に短縮
ここが評価される
記入例では、テクニカルスキル欄にも「生成AI」の行を設け、使い始めた時期と使い方を短く書いています。AIを使っていない人は、この行を削り、評価の手順や回答集をつくったなど仕事の進め方を変えた経験を書けば十分です。詳しくは後の「2026年の技術営業とAI」の章で解説します。
活かせる経験は、職務経歴の中から応募先で使える経験を3つに絞って書きます。技術営業では、技術の経験を、営業の場面でどう使ったかまで書くのがポイントです。
× NG例
・画像処理の知識
・電気の知識
・営業力
ここが惜しい
○ OK例
・フィールドエンジニア3年の経験にもとづく、設置環境まで踏まえた仕様のすり合わせ
・顧客の条件での評価(デモ・検証)を計画し、採用につなげる力(評価からの採用率38%→52%)
・生産技術・品質保証・購買など、立場の違う相手に合わせた技術の説明
ここが評価される
テクニカルスキル欄は、「計測・検査」「制御・通信」「ツール」のように分野ごとに行を分け、扱える技術と経験年数を書きます。記入例では、計測・検査と制御・通信は入社からの12年半、Salesforceは技術営業になってからの9年半と、職務経歴の期間と一致させています。「どこまでできるか」は、「選定・設定ができる」「読解できる」のように動詞で書くと、深さが伝わります。
自己PRは「強み → 進め方 → 結果の数字」の順に書きます。技術営業の自己PRは「技術と営業の両方がわかる」で終わりがちですが、採用担当が知りたいのは、その両方が活きた具体的な場面です。
× NG例
技術と営業の両方がわかることが私の強みです。お客様からも技術的な相談を多くいただき、頼りにされてきました。
ここが惜しい
○ OK例
現場を知る技術営業として、導入後まで見通して提案する力
フィールドエンジニアとして約450件の現地対応を経験し、設置環境で検査の精度が変わることを学びました。提案の段階で現地を確認し、合格基準を顧客と合意する進め方で、評価からの採用率を38%から52%に高めました。
ここが評価される
記入例の2つ目の強みは「立場の違う部門をつなぐ説明力」です。生産技術には検出の条件を、品質保証には検出率と見逃しのリスクを、購買には保守を含めた費用を、と相手ごとに説明を変えたことを書いています。1つ目と合わせて、技術の深さと説明の幅の両方を示しています。


技術営業は、どこから移ってきたか、どこへ応募するかによって、採用担当が気にすることが変わります。どのタイプでも共通するのは、製品・技術の深さ・受注までの数字の3つをそろえることです。まずは表で全体像を確認しましょう。
| タイプ | 採用担当が見るポイント | 前に出すこと |
|---|---|---|
| 設計・保守などの技術職から | 技術を、顧客との会話や受注に向けて使えるか | 顧客と直接話して決めた経験、説明や提案に関わった経験 |
| 営業から技術営業へ | 製品の仕組みを理解し、技術的な質問に答えられるか | 扱った製品の技術、自分で学んだこと、技術部門との連携 |
| 別の業界・IT分野の技術営業へ | 業界が変わっても、評価や仕様づくりの進め方を使えるか | 評価・仕様のすり合わせ・導入支援の進め方と数字 |
| リーダー・アプリケーションエンジニアへ | 技術の型をつくり、営業チーム全体を支えられるか | 評価の型づくり、営業への技術支援の件数、育成 |
採用担当は、技術の深さは十分かを確かめたうえで、その技術を顧客との会話に使えるかを見ます。技術職の経験の中から、顧客と直接話して決めたことを探して書きます。
職務経歴書に書きたいこと
記入例
※記入例とは別の架空例です
【業務】産業用ロボットの周辺装置の機械設計(6年)。特注品では顧客の工場に出向き、設置条件の確認と仕様の打ち合わせを担当(年間約20件)
【実績】営業担当と同行した特注品の商談で、設置スペースに合わせた構成を提案し、受注8件(計約9,000万円)
ポイント
よくある落とし穴は、設計の実績だけを並べてしまうケースです。技術の実績は大切ですが、応募先が知りたいのは「顧客の前で、その技術をどう使えるか」です。顧客と話した場面を必ず1つは書きましょう。
採用担当は、製品の仕組みを理解し、技術的な質問に自分で答えられるかを確かめます。営業としての数字に加えて、技術を自分で学んできた行動を書きます。
職務経歴書に書きたいこと
記入例
※記入例とは別の架空例です
【実績】2025年度:売上 目標2億4,000万円/実績2億6,400万円(達成率110%)。工場向け空調・省エネ機器を担当
【取り組み】技術部門に頼んでいた省エネ効果の試算を、社内研修で学んで自分で行えるようにし、提案までの期間を約3週間から約1週間に短縮
ポイント
よくある落とし穴は、「技術に興味がある」「勉強中」で終わるケースです。データの章で見たように、技術の仕事の採用では専門知識が重く見られます。すでに身につけたこと、仕事で使ったことを書きましょう。
計測器から半導体製造装置へ、FA機器からソフトウェアへなど、業界や製品が変わる人です。採用担当は、製品が変わっても使える評価や仕様づくりの進め方を持っているかを確かめます。
職務経歴書に書きたいこと
記入例
評価項目・合格基準・期間を初回に顧客と合意する「評価計画書」を課内に導入。評価からの採用率を38%から52%に(2022→2025年度)
PLCとの接続・通信設定、ラダープログラムの読解(12年半)
ポイント
よくある落とし穴は、今の製品の専門用語をそのまま並べるケースです。業界が変わると、型番や社内の呼び方は伝わりません。「画像処理(照明・レンズの選定、検査条件の設定)」のように、一般的な技術の言葉で書きましょう。
営業チームの技術を支えるポジションです。アプリケーションエンジニアは、顧客の用途に合わせた使い方の提案や評価を専門に担う職種で、会社によって呼び方が違います。採用担当は、技術の型をつくり、チーム全体の受注を支えられるかを確かめます。
職務経歴書に書きたいこと
記入例
【担当】半導体・電子部品メーカー約25社。若手の技術営業2名の指導
評価項目・合格基準・期間を初回に顧客と合意する「評価計画書」を課内に導入。評価からの採用率を38%から52%に(2022→2025年度)
ポイント
よくある落とし穴は、自分が対応した技術的な難題ばかりを書くケースです。難しい案件を解決した経験は強みですが、リーダーとしては、それをチームで再現できる形にしたかが問われます。

最初にお伝えしたいのは、AIの使い方や、AIの経験を求める度合いは、応募先によって大きく違うということです。IPAの「DX動向2026」プレス発表では、AIを導入している企業は従業員1,001人以上で8割近くにのぼる一方、101人以下では16.6%でした。
AIを使った経験がないからといって、書類選考で不利になると考える必要はありません。まずは求人票に「生成AI」「AI検査」「AIソリューション」などの言葉があるかを確認しましょう。記載があれば具体的に書き、なければ職務経歴に1行添える程度で十分です。
技術営業とAIの関わりは、大きく2つに分かれます。1つは、技術資料の検索や回答の下書きなど、自分の仕事に生成AIを使うこと。もう1つは、AIを組み込んだ製品、たとえばAIで良品と不良品を見分ける外観検査装置などを、顧客に評価してもらい、導入してもらうことです。職務経歴書でも、この2つを分けて書くと、経験が正確に伝わります。
2026年時点で、技術営業の現場で現実的な使い方は次のようなものです。どれも「下書き」までをAIに任せ、顧客に出す前に自分で確かめる使い方です。
| 使い方 | 具体例 | 人が確かめること |
|---|---|---|
| 技術問い合わせの回答 | 社内の技術資料から関係する箇所を探し、回答を下書きする(記入例の使い方) | 製品の仕様・型番と合っているか |
| 評価報告書のたたき台 | 評価の条件と結果の表から、報告書の構成と要点をまとめる | 数字を正しく写しているか、条件の書き漏れがないか |
| 仕様の論点整理 | 顧客の要望の要点(機密を除いた抜粋)から、確認すべき項目を洗い出す | 抜けている条件がないか、顧客の意図と合っているか |
| 海外資料の読み込み | 公開されている規格や部品の英語資料を要約・翻訳する | 原文で数値・条件を確かめたか |
技術営業で特に気をつけたいのは、顧客の図面や未公開の仕様を入力しないことです。図面や仕様書には、顧客の製品の機密が含まれています。記入例では「顧客名・図面は入力せず、回答は自分で確認」と書き、情報の扱いに気をつけていることを示しています。
項目別の書き方で紹介したとおり、記入例では【取り組み】に「社内で認められた生成AIで、社内の技術資料から問い合わせへの回答を下書き(顧客名・図面は入力せず、回答は自分で確認)。一次回答までを平均約2日から約1日に短縮」と書いています。短い1行に、ルール・入力しなかった情報・確認の仕方・効果の4つが入っています。
効果は、自分の作業時間だけでなく、顧客にとって何が変わったかで書けるとより伝わります。記入例の「一次回答までの日数」は、顧客が答えを待つ時間です。効果を測っていなければ数字を作らず、使った作業と確かめ方だけを書きましょう。
外観検査など、AIを組み込んだ製品の評価は、従来の製品と進め方が変わります。決まった条件で判定する装置と違い、AIの判定は学習に使う画像や条件によって結果が変わるからです。顧客の生産技術や品質保証の担当者が気にするのは、見逃し(不良品を良品と判定すること)と過検出(良品を不良品と判定すること)がどの程度起きるかです。
こうした製品の評価を担当した人は、次の4つを押さえて書きます。
記入例
※記入例とは別の架空例です
【取り組み】AIによる外観検査装置の評価を担当。顧客の品質保証部門と、見逃しは0件、過検出は2%以下を合格基準として合意し、良品約3,000個・不良品約400個で評価。画像は顧客の社内サーバーで扱い社外に出さない手順を決め、2回の条件見直しで基準を満たして3ラインに導入
ポイント
AIの判定の精度について、根拠のない数字や「どんな不良も見逃さない」といった表現を書類に書くのは避けましょう。評価の条件とセットで、実際に確かめた結果だけを書くのが、技術営業として誠実な書き方です。
防衛・医療機器・自動車など、顧客との機密保持の約束が厳しい分野では、生成AIを使えない職場は珍しくありません。顧客の機密を守るルールに従ってきたこと自体が、技術営業として大切な姿勢です。
代わりに、仕事の進め方を自分で変えた経験を書きましょう。記入例の「評価計画書」の導入や、フィールドエンジニアの頃の「よくある不具合12例の点検手順書を作成し、現地での平均対応時間を約4時間から約3時間に短縮」のように、型をつくって仕事を速くした経験は、AIと同じく「仕事のやり方を変えられる力」を示します。

技術営業は、営業担当と組んで動くことも多く、「受注額は自分の数字ではない」と感じる人が少なくありません。技術支援の量・評価の結果・スピード・技術職の頃の実績の4つの切り口で探すと、書ける数字はたいてい見つかります。
営業担当と組んでいて、受注額が自分の成果か分かりにくい
受注額は、営業担当との分担を断ったうえで書きます。
例:「技術支援を担当した商談 年間約70件、うち受注32件(受注額 計約4億円、営業担当と共同)」
自分が担った工程(デモ・評価・仕様のすり合わせ)を書けば、金額を独り占めしなくても貢献が伝わります。
デモや評価の件数を数えていなかった
記録がなくても、手元の資料から数え直すことはできます。
例:「デモ・評価機の貸し出し 年間約60件」
貸し出しの台帳、出張の記録、評価報告書のファイル数などから、おおよその件数を出します。「約」をつけ、数え方を説明できる範囲で書きましょう。
技術職の期間が長く、営業の数字が少ない
技術職の期間は、件数と、現場で変えたことで書きます。
例:「年間約150件の現地対応」「よくある不具合12例の点検手順書を作成し、現地での平均対応時間を約4時間から約3時間に短縮」
技術営業の期間が短くても、技術の土台の厚さが伝われば評価の材料になります。
顧客名や製品の仕様を社外に出せない
顧客は業種と規模で、仕様は一般的な技術の言葉で書きます。
例:「電子部品メーカーの外観検査の自動化」「12ライン分の画像検査装置」
未公開の製品名や型番、顧客から借りたサンプルの詳細は書きません。条件と結果の数字があれば、技術の中身は十分に伝わります。
履歴書の学歴欄、入学・卒業の年で迷ったら
生年月日を選ぶだけで、入学・卒業の年月を和暦・西暦で計算し、学歴欄をそのまま作れます。早生まれ・浪人・留年にも対応しています。
職歴欄・資格欄・証明写真も、無料ツールでそろえられます。
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書き終えたら、提出前に次の項目を確認しましょう。
最後に、技術の用語を読み返しましょう。社内でしか通じない呼び方や型番が残っていたら、一般的な技術の言葉に置き換えます。書類を読むのは、技術部門の人とは限りません。人事や営業部門の人が読んでも意味がわかるか、という目で確かめることが大切です。

職務経歴には、在籍した会社での正式な部署名・職種名をそのまま書きます。応募先の求人票の職種名と違う場合は、職務要約で「技術営業(セールスエンジニア)として」のように両方を書くと、どちらの呼び方の会社にも伝わります。
支援した商談の件数、そのうち受注した件数、評価からの採用率など、自分が担った工程の数字を書きます。受注額を書く場合は「営業担当と共同」と添えましょう。担った工程と結果がつながっていれば、十分に評価されます。
業務に関わる資格は書いておくと、技術の土台が伝わります。記入例では、第二種電気工事士と画像処理エンジニア検定を書いています。ただし資格だけでは実務の力は判断できないため、職務経歴で「その技術を、どの案件で、どう使ったか」を示しましょう。
顧客の要望を仕様にまとめた経験、評価で性能の限界を確かめた経験、開発部門に改善を提案して製品に反映された経験を前に出します。顧客の現場を知っていることは、設計・開発でも強みになります。
AIの活用をどの程度求めるかは応募先によって大きく違い、経験がないことだけで不利になるとは限りません。評価の手順や回答集をつくるなど、仕事の進め方を変えた経験を、前後の数字とともに書きましょう。
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