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医療事務の職務経歴書の書き方|採用担当に伝わる記入例と無料テンプレート

医療事務の職務経歴書の書き方|採用担当に伝わる記入例と無料テンプレート

医療事務の職務経歴書で評価されるのは、「どんな医療機関で、どの業務を、どれだけの量と正確さでこなしてきたか」が具体的に伝わるかどうかです。「受付・会計・レセプト業務を担当」と書くだけでは、採用担当には経験の中身が見えません。

同じ医療事務でも、病院とクリニックでは仕事の範囲がまったく違います。採用担当は、自院で任せたい業務と、あなたの経験がどれだけ重なるかを書類で確かめようとしています。

この記事では、医事業務の受託会社で総合病院の外来・入院会計を経験し、その後クリニックでレセプト担当リーダーになった人(約10年半)の記入例をもとに、項目ごとの書き方と、なぜそう書くと評価されるのかを解説します。病院の会計・クリニックの受付・レセプト専任・医師事務作業補助者など、担当業務別の書き分け方も紹介します。

この記事でわかること

  • 医療事務の職務経歴書の完成イメージ(記入例)
  • 公的データから見た、医療事務の転職市場と受付の仕事の変化
  • 項目別の書き方と、OK例・NG例の違いの理由
  • 担当業務別の書き分け方と、数字が書けないときの対処法
  • 2026年の医療事務とAI:AI問診やレセプト点検支援などの経験をどう書くか

無料テンプレート

医療事務の職務経歴書、記入見本つきのテンプレートがあります

この記事の記入例と同じ形式で、Word・Excel・PDFの3形式。空欄のテンプレートと記入見本がセットになっています。

医療事務の職務経歴書の記入例

まずは完成イメージです。医事業務の受託会社で総合病院の外来会計・入院会計を4年、内科・小児科など4科のクリニックで受付・会計とレセプト業務を6年半経験した人を想定しています。画像をタップすると拡大できます。

医療事務の職務経歴書の記入例(病院の会計とクリニックのレセプト 約10年半)
医療事務の職務経歴書の記入例(A4・2枚)

この記入例と同じ形式のテンプレートを無料で用意しています。Word・Excel・PDFの3形式で、それぞれ空欄テンプレートと記入見本の2点セットです。

データで見る:医療事務の転職で、職務経歴書が合否を分ける理由

書き方の前に、医療事務の転職市場と、ここ数年で受付の仕事がどう変わったのかを公的な統計で確認しておきましょう。職務経歴書で何を強調すべきかが見えてきます。

医療の専門職は求人が多い。事務は求職者が多い

厚生労働省の「一般職業紹介状況」では、ハローワークでの職業別の有効求人倍率がわかります。2026年8月の値を見ると、医療技術者は3.21倍、保健師・助産師・看護師は2.00倍と、医療の専門職は求人が求職者を大きく上回っています。

医療の専門職と一般事務従事者(医療事務を含む)の有効求人倍率の比較
職業別の有効求人倍率(ハローワーク、2026年8月)

出典:一般職業紹介状況(令和8年8月分)参考統計表(厚生労働省) 参考統計表

一方、医療事務を含む「一般事務従事者」の区分は0.29倍でした。仕事を探している人3人以上に対して、求人は1件ほどしかない計算です。この区分には庶務や受付、総合事務なども含まれ、医療事務だけの倍率は公表されていません。またハローワーク経由の数字なので、転職市場全体とは一致しません。

同じ医療機関で働く仕事でも、事務は応募が集まりやすい側にあると考えられます。経験者は経験の中身を具体的に示して、ほかの応募者との違いを見せることが大切です。

職務経歴書への落とし込み方

「医療事務経験5年」だけでは、受付中心の5年なのか、レセプトを任されてきた5年なのか区別がつきません。担当した業務ごとに、1日の患者数やレセプトの件数を添えて書きましょう。

マイナ保険証の利用が急に広がり、受付の仕事が変わった

受付の仕事を大きく変えたのが、マイナンバーカードを健康保険証として使う「マイナ保険証」です。厚生労働省の社会保障審議会医療保険部会の資料によると、マイナ保険証の利用率は2024年3月の4.94%から、2025年12月には63.24%まで上がりました。

マイナ保険証の利用率の推移(2024年3月〜2025年12月)
マイナ保険証の利用率の推移(レセプト件数ベース)

出典:マイナ保険証の円滑な利用について(厚生労働省 第210回社会保障審議会医療保険部会 資料3) 利用率=マイナ保険証利用人数÷レセプト件数

特に大きく伸びたのが2025年12月です。厚生労働省の案内によると、従来の健康保険証の有効期限は2025年12月1日で終わりました。マイナ保険証を持たない人には「資格確認書」が交付され、期限切れの保険証を持ってきた人への経過的な対応も2026年7月31日で終わっています。

受付では、マイナ保険証・資格確認書・期限切れの保険証など、患者さんごとに違う確認方法に対応してきたはずです。こうしたオンライン資格確認やマイナ保険証への対応は、ここ数年の医療事務ならではの経験です。導入や切り替えの時期に受付にいた人は、自分が担った役割を職務経歴書に書きましょう。

職務経歴書への落とし込み方

「マイナ保険証に対応」だけでなく、「受付の確認手順を1枚にまとめてスタッフ6名と共有」のように、自分が何をしたかを書きます。資格の確認は返戻の防止にも関わるため、レセプトの成果と結びつけて書くと説得力が増します。

医科の医療機関の9割以上は「一般診療所」

医療事務の職場は、病院だけではありません。厚生労働省の「医療施設動態調査」によると、2026年7月末の病院は7,942施設、一般診療所は105,702施設でした。病院と一般診療所を合わせた医科の医療機関のうち、一般診療所が93.0%を占めています。

全国の医療施設数(病院・一般診療所・歯科診療所)
全国の医療施設数(2026年7月末概数)

出典:医療施設動態調査(令和8年7月末概数)(厚生労働省)

一般診療所のうち100,704施設は、入院のベッドを持たない無床のクリニックです。応募先の多くがクリニックだとすると、採用担当は「少ない人数で受付からレセプトまで回せるか」を見ていると考えられます。反対に病院では、外来・入院・病棟など、担当が細かく分かれているのが一般的です。

職務経歴書への落とし込み方

勤務先ごとに、病床数(または無床)・診療科・1日の外来患者数・事務スタッフの人数を書きます。応募先と同じ規模・種別の経験があれば、それだけで即戦力として読んでもらいやすくなります。

医療事務の職務経歴書テンプレートを無料でダウンロード

採用担当が医療事務の職務経歴書で見ている3つのこと

ここまでのデータと、医療機関の採用でよく見られる傾向を踏まえると、採用担当(事務長や医事課長、クリニックでは院長など)は書類を読みながら次の3つを確認しています。どの項目を書くときも、このどれかが伝わるかを意識しましょう。

  1. どんな医療機関で、どの業務を担当したか病院かクリニックか、診療科と規模、そして受付・会計・レセプト・病棟クラークなど、担当した業務の範囲。
  2. 請求の正確さレセプトの件数と、返戻・査定を減らした経験。医療機関の収入に直結するため、正確さを数字で示せるか。
  3. システムと制度変更への対応力使ってきた電子カルテ・レセコン、オンライン資格確認、診療報酬改定などに、どう対応してきたか。

項目別の書き方:OK例とNG例の違い

ここからは項目ごとに、NG例とOK例を並べて解説します。同じ経験でも、書き方ひとつで採用担当の受け取り方は大きく変わります。

職務要約:「どこで・何を・どれだけ」を3〜5行で

職務要約は、採用担当が最初に読む部分です。経験年数、勤務先の種別と規模、担当業務、代表的な成果を3〜5行にまとめます。

× NG例

医療事務の専門学校を卒業後、病院とクリニックで医療事務として勤務してまいりました。受付・会計・レセプト業務など幅広く担当し、患者様に安心していただける対応を心がけてきました。

ここが惜しい

  1. 病院の規模やクリニックの診療科が書かれていないため、どの程度の忙しさの職場だったのかがわかりません。
  2. 「幅広く担当」では、レセプトを自分で作成・点検していたのか、補助だったのかが判断できません。
  3. 「安心していただける対応」は多くの応募者が書く言葉で、裏付ける事実がないと印象に残りません。

○ OK例

専門学校を卒業後、約10年半、医療事務に従事してまいりました。医事業務の受託会社で総合病院(300床)の外来会計と入院会計を4年間担当し、2020年からは4科のクリニック(1日の外来患者 約250名)で受付・会計とレセプト業務に携わっています。2023年度からはレセプト担当4名のリーダーとして月約4,200件の点検を取りまとめ、返戻件数を月平均約45件から約15件に減らしました。

ここが評価される

  1. 「総合病院(300床)」「1日の外来患者 約250名」で、病院とクリニックの両方を経験していることと、その規模が一目でわかります。
  2. 「月約4,200件の点検」と書いているので、レセプトを任せられる経験者だと伝わります。
  3. 返戻件数の変化があるので、請求の正確さが自己評価ではなく事実として伝わります。

職務経歴:医療機関の概要と、業務ごとの「量」を書く

職務経歴は、医療事務の職務経歴書でいちばん重要な項目です。下の画像の3つのポイントを押さえると、同じ経験でも伝わり方が大きく変わります。

医療事務の職務経歴の書き方のポイント(注釈付き)
職務経歴の書き方のポイント

医療機関の概要には、病院なら病床数と診療科数、クリニックなら診療科・有床か無床か・医師の人数・1日の外来患者数・事務スタッフの人数を書きます。受託会社や派遣会社から医療機関に常駐していた場合は、雇用元の会社名と、受託先の種別・規模を書き分けます。そのうえで、特に差がつくのがレセプト業務の書き方です。

× NG例

【内容】受付、会計、レセプト業務

【実績】レセプトのミスを減らした

ここが惜しい

  1. レセプトの件数がないため、月に数百件なのか数千件なのか判断できません。
  2. 「作成」「点検」「返戻の対応」のどこまでを担当していたのかがわかりません。
  3. 「ミスを減らした」だけでは、どのくらい減ったのか、どうやって減らしたのかが伝わりません。

○ OK例

【担当】レセプト担当4名のリーダー(社保・国保 月約4,200件)

【実績】返戻の原因を分類し、資格確認と病名漏れのチェック項目を点検表に追加。返戻件数を月平均約45件(2023年度)から約15件(2025年度)に削減

ここが評価される

  1. 件数と社保・国保の区分があるので、応募先のレセプトの量と比べて判断できます。
  2. 原因を分類して点検表を直した「方法」が書かれているので、入社後も同じ工夫ができる人だと伝わります。
  3. 年度を入れているので、いつの成果かがはっきりし、数字の信頼性が高まります。

返戻(へんれい)は、審査支払機関からレセプトが差し戻されること、査定は、請求した点数が審査で減らされることです。どちらも医療機関の収入に直結するため、件数の変化を書けると評価されやすくなります。

患者の情報は絶対に書かない

エピソードを書くときは、患者の氏名や病名、来院日など、個人が特定できる情報は書きません。院内の会議資料など、外に出してはいけない数字も避けましょう。返戻の件数や待ち時間のように、自分の業務の数字にとどめるのが基本です。個人情報を慎重に扱える人かどうかも、医療事務の書類では見られています。

活かせる経験・知識・スキル:応募先の業務に合わせて3つに絞る

経験したことを全部並べるのではなく、応募先の求人票に書かれた業務と重なるものを3つ程度に絞って箇条書きにします。

× NG例

・医療事務経験10年
・接遇スキル
・診療報酬の知識

ここが惜しい

  1. 「経験10年」は職務経歴を読めばわかるため、ここで書く意味がありません。
  2. 「接遇スキル」「診療報酬の知識」は抽象的で、どの程度できるのかが伝わりません。

○ OK例

・病院(外来会計・入院会計)とクリニック(受付・会計・レセプト)の両方での医事業務(約10年半)
・月約4,200件のレセプト点検と、返戻・査定の原因分析による再発防止
・オンライン資格確認・マイナ保険証への対応と、受付手順の標準化

ここが評価される

  1. 病院とクリニックの両方の経験を最初に書いているので、どちらの応募先にも合わせられることが伝わります。
  2. 「原因分析による再発防止」と書くことで、点検するだけでなく仕組みで減らせる人だとわかります。

使用システム・資格:システムは機能と期間、資格は正式名称で

医療事務の職務経歴書では、PCスキルの欄を「使用システム・PCスキル」としてまとめると自然です。電子カルテやレセコン(レセプトコンピューター、診療報酬を計算してレセプトを作るシステム)は、使っていた機能と期間を書きます。

× NG例

電子カルテ、レセコン:使用経験あり

ここが惜しい

  1. どの業務で使っていたのかがわからず、応募先のシステムにすぐ慣れられるか判断できません。
  2. 病院とクリニックではシステムの使い方が違うため、どちらで使っていたかも書く必要があります。

○ OK例

電子カルテ:クラウド型の電子カルテ一体型レセコンで受付・会計・レセプト作成と点検(2020年〜)
オンライン資格確認:マイナ保険証・資格確認書での受付と資格情報の確認(2023年〜)

ここが評価される

  1. 「受付・会計・レセプト」と使っていた機能まで書いているので、実務のイメージが伝わります。
  2. 期間が書かれているので、どのくらい使い慣れているかがわかります。

資格は、正式名称と取得年月を書きます。たとえば日本医療教育財団の「医療事務技能審査試験(メディカルクラーク)」や「医師事務作業補助技能認定試験(ドクターズクラーク)」のように、試験名と称号をあわせて書くと正確です。なお「診療報酬請求事務能力認定試験」を実施していた公益財団法人日本医療保険事務協会は、2026年3月31日に解散しました。過去に合格した人は、合格した年月とともに資格欄に書けます。

自己PR:強みは2つまで、エピソードと数字を添える

自己PRは「強み → それを発揮したエピソード → 結果の数字」の順に書きます。医療事務なら、正確さ・制度変更への対応・伝え方のいずれかを軸にすると書きやすくなります。

× NG例

私の強みは、笑顔での丁寧な接遇です。患者様から「ありがとう」と声をかけていただくことが多く、やりがいを感じてきました。

ここが惜しい

  1. 「笑顔」「丁寧な接遇」は医療事務の応募者の多くが書く内容で、これだけでは差がつきません。
  2. 患者さんからの言葉は本人の受け止めで、採用担当には成果として評価しにくい内容です。

○ OK例

返戻の原因を分析し、仕組みで減らす力
2023年度の返戻は月平均約45件で、原因の約7割は保険の資格の誤りと病名の漏れでした。受付で毎回資格を確認する手順を徹底し、点検表に病名と算定の項目を加えた結果、2025年度は月平均約15件になりました。

ここが評価される

  1. 原因を分類してから対策を決めているので、思いつきではなく根拠をもって改善できる人だと伝わります。
  2. 受付とレセプトの両方に手を入れているので、部署をまたいで仕事を進められることがわかります。
  3. 「約45件→約15件」という結果まで書いているので、工夫の効果がはっきりします。
記入見本つきの医療事務テンプレートを見る

勤務先・担当業務別:職務経歴書の書き分け方

医療事務は、勤務先と担当業務によって仕事の中身が大きく変わります。採用担当が見るポイントと、強調すべき数字も変わります。まずは全体像を表で確認し、そのあと自分に近いタイプの解説を読んでください。

タイプ採用担当が見るポイント強調したい数字
病院の外来・入院会計担当の範囲と、多い患者数をさばく正確さ病床数、1日の外来患者数、入院レセプトの件数
クリニックの受付・会計少人数で受付から会計まで回せる力診療科、1日の外来患者数、事務スタッフの人数
レセプト専任請求の正確さと、改定に対応する知識月のレセプト件数、返戻・査定の件数の変化
医師事務作業補助者・病棟クラーク医師や看護師の負担を減らす力担当した診療科・病棟、書類の作成件数

病院の外来・入院会計

病院の医事課では、外来と入院で担当が分かれていることが多く、さらに受付・会計・レセプトと分業されています。自分がどの担当で、どこまでを任されていたかをはっきり書くのが評価の分かれ目です。

職務経歴書に書きたいこと

  • 病院の病床数・診療科数と、外来・入院のどちらを担当したか
  • 1日の外来患者数や、担当した病棟の病床数
  • 入院費の計算やレセプトの作成件数
  • 高額療養費制度の案内など、患者さんへの説明の経験

記入例

【担当】内科・外科系の2病棟(計約100床)の入院会計

【内容】入院費の計算と入院レセプトの作成(月約220件)、高額療養費制度の案内

ポイント

  1. 病棟の数と病床数を書くことで、担当した入院会計の規模が伝わります。
  2. 制度の案内まで書いているので、お金の説明を任せられる人だとわかります。

よくある落とし穴

「医事課で医療事務全般」とまとめてしまうケースです。病院は分業が進んでいるため、採用担当は「全般」を額面どおりには受け取りません。担当していた業務と、担当していなかった業務の線引きがわかるように書きましょう。

クリニックの受付・会計

クリニックでは、受付・電話・予約・会計・レセプトまでを少人数で担当するのが一般的です。1日の外来患者数と事務スタッフの人数を書くと、1人あたりの忙しさが伝わります。

職務経歴書に書きたいこと

  • 診療科と、有床か無床か
  • 1日の外来患者数と、事務スタッフの人数
  • 受付・電話・Web予約・会計など、担当した業務の範囲
  • 自動精算機・Web予約・オンライン資格確認などの導入に関わった経験

記入例

【内容】受付・会計(1日約250名)、電話・Web予約の管理、整形外科・皮膚科のレセプト作成

【取り組み】2023年3月のオンライン資格確認の導入で院内の担当を務め、受付手順書を作成。事務スタッフ10名に操作を説明しました。

ポイント

  1. 受付からレセプトまで担当していたことが、1行で伝わります。
  2. システム導入での役割を書いているので、新しい仕組みに対応できる人だとわかります。

よくある落とし穴

複数の診療科があるクリニックで、どの科のレセプトを担当したかを書かないケースです。小児科・整形外科・皮膚科などは算定のルールに特徴があります。担当した診療科を書くと、応募先の科に近い経験かどうかを判断してもらえます。

レセプト専任(点検・請求の担当)

レセプトを専門に担当してきた人は、件数と返戻・査定の変化を中心に書きます。毎月10日の請求の締め切りに合わせて、どれだけの件数を正確に出してきたかが、そのまま実力の証明になります。

職務経歴書に書きたいこと

  • 月のレセプト件数と、社保・国保・公費などの区分
  • 作成・点検・返戻対応のどこまでを担当したか
  • 返戻・査定の件数や、その原因分析と対策
  • 診療報酬改定への対応(資料づくり・院内への説明など)

記入例

【取り組み】2026年度の診療報酬改定(6月施行)への対応

変更点の一覧表を作り、医師・スタッフ向けの説明会を2回開催しました。

ポイント

  1. 改定の時期と自分の役割が具体的なので、制度の変化に強い人だと伝わります。
  2. 医師やスタッフに説明した経験は、医事課の中心として動ける力を示します。

よくある落とし穴

レセプト点検支援ソフトのチェック結果を確認していただけなのに、「全件を点検」と書くケースです。面接で点検の方法を聞かれると答えに詰まります。ソフトを使っていた場合は、ソフトの指摘をどう確認し、何を自分で判断していたかを正直に書きましょう。

医師事務作業補助者・病棟クラーク

医師事務作業補助者(ドクターズクラーク)は、医師の指示のもとで診断書などの書類作成や電子カルテの代行入力を担う仕事です。病棟クラークは、病棟で入退院の手続きや書類の管理、電話対応などを担います。どちらも、医師や看護師の負担をどれだけ減らしたかを書くのがポイントです。

職務経歴書に書きたいこと

  • 担当した診療科・病棟と、補助した医師の人数
  • 作成した書類の種類と件数(診断書・紹介状の返書・保険会社の書類など)
  • 電子カルテの代行入力や、外来・病棟での役割
  • 書類の作成日数の短縮など、医師の負担軽減につながった成果

記入例

【担当】整形外科の医師4名の医師事務作業補助

【内容】診断書・保険会社向け書類の下書き作成(月約120件)、外来での電子カルテの代行入力

【実績】書類の受付表を作り、依頼から患者さんへのお渡しまでを平均10日から6日に短縮

ポイント

  1. 医師の人数と書類の件数で、補助してきた業務の量が伝わります。
  2. 「10日→6日」と患者さんにも関わる成果を書いているので、仕事の価値がわかりやすくなります。

※この例は、記入例の人物とは別の人を想定しています。

よくある落とし穴

医師が行うべき判断まで自分が担ったように書くケースです。医師事務作業補助者の仕事は、あくまで医師の指示のもとでの代行や下書きです。「下書きを作成し、医師が確認・署名」のように、役割の範囲を正しく書きましょう。

あわせて読みたい:一般事務の職務経歴書の書き方

2026年の医療事務とAI:職務経歴書にどう書くか

最初にお伝えしたいのは、医療事務でAIをどこまで使うかは、医療機関によって大きく違うということです。一般企業の調査ですが、IPA(情報処理推進機構)の「DX動向2026」では、AIを導入している企業は従業員1,001人以上で8割近くにのぼる一方、101人以下では16.6%にとどまります。医療機関でも、大きな病院と小さなクリニックでは、使える仕組みやルールが違うと考えられます。

そのため、AIの経験がないことは、医療事務の転職で不利にはなりません。採用担当がまず見るのは、受付・会計・レセプトの経験です。求人票に「AI問診」「Web予約」「生成AI」「DX」などの言葉があるかを確認し、あれば具体的に書く、なければ使用システムの欄に一言添える程度で十分です。

医療事務で現実的なAI・デジタルの使い方

総務省の情報通信白書によると、生成AIを使ったことがある個人は58.8%でした(仕事と日常生活を合わせた数字)。医療事務の現場では、2026年時点で次のような使い方が考えられます。

  • AI問診(患者さんがスマートフォンなどで事前に入力する問診)の運用と、入力が難しい患者さんへの案内
  • Web予約・順番待ちのシステムの設定と、電話予約との使い分け
  • レセプト点検支援ソフトの指摘を確認し、病名漏れや算定の誤りを直す作業
  • 院内で認められた生成AIでの、休診のお知らせ・予約変更などの患者向け案内文の下書き
  • 診療報酬改定の資料を要約して、院内向けの説明資料のたたき台をつくる

どの使い方でも、AIやソフトには「下書き」や「候補の指摘」を任せ、最終的な確認と判断は自分で行います。特にレセプトは、ソフトの指摘が正しいかを自分で判断できることが価値になります。

書き方:「何の業務で・どう使い・何が変わったか」

「AIを使った」とだけ書いても、採用担当には何ができるのかが伝わりません。ほかの業務と同じように、対象の業務・使い方・結果をセットで書きます。

× NG例

AI問診や生成AIなど、最新のシステムを使いこなしています。

ここが惜しい

  1. どの業務で、どのように使ったのかがわからず、応募先で何を任せられるかが伝わりません。
  2. 患者さんの情報の扱いに触れていないため、安心して任せられるか判断できません。

○ OK例

生成AI:法人承認のツールで、患者向け案内文(休診・予約変更など)の下書きに使用。患者情報は入力せず内容は自分で確認。1件約30分→約10分

ここが評価される

  1. 「患者向け案内文の下書き」と業務が具体的なので、入社後に任せられる場面をイメージできます。
  2. 「法人承認のツール」「患者情報は入力せず」「自分で確認」と書いているので、情報の扱いに慎重な人だと伝わります。
  3. 「約30分→約10分」と前後の時間があるので、効果の大きさがわかります。

注意点:患者の情報は、認められていないAIに入力しない

医療事務は、患者さんの氏名・保険の情報・病名など、特に慎重な扱いが求められる情報を毎日扱います。医療機関には、厚生労働省の「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」(2026年6月に第7.0版へ見直し)に沿った情報管理が求められています。院内で認められていない生成AIに、患者さんの情報を入力してはいけません。

AIの経験を書くときは、上のOK例のように「認められたツールを使った」「患者情報は入力しない」「自分で確認した」の3点を添えましょう。説明会に出ただけの導入を「推進した」と書くような、盛った書き方はしないでください。

AIを使っていない・禁止の職場だった人は

個人情報を守るために、生成AIの利用を認めていない医療機関は珍しくありません。その場合、無理にAIの経験を書く必要はありません。ルールに従って業務を進めてきたこと自体が、医療事務として大切な姿勢です。

かわりに、電子カルテやレセコンの入れ替え、オンライン資格確認の導入、自動精算機やWeb予約の立ち上げなど、新しい仕組みに対応した経験を書きましょう。新しいシステムを覚えて現場に広げた経験は、AIを使う職場に移っても活かせると考えられます。

実績の数字が書けないときの対処法

「レセプトの件数を把握していない」「返戻の数字を覚えていない」という人も、書き方を工夫すれば十分に評価されます。数字は、レセコンの集計画面や手元の業務日誌など、社外に出して問題のない範囲で拾い直すのがいちばん確実です。正確な数字がわからない場合は「約」「月平均」をつけて、実態から大きくずれない範囲で書きましょう。

受付・会計が中心で、レセプトの件数がわからない

受付・会計の担当なら、1日の外来患者数と窓口の人数が業務量を示す数字になります。
例:「1日の外来患者 約120名のクリニックで、事務スタッフ3名で受付・会計を担当」
レセプトに一部でも関わっていたなら、「月末の点検を補助」のように関わり方を書けば十分です。

返戻・査定の件数を把握していない

返戻の件数がわからない場合は、自分が関わった対策と、その後の変化を言葉で書きます。
例:「返戻の多かった資格の誤りを防ぐため、受付で毎回保険の資格を確認する手順を提案し、受付スタッフで運用」
件数よりも、原因を考えて手を打ったという事実が評価につながります。

パートや短時間勤務だった

勤務の形は正直に書き、限られた時間で担当した業務の量を書きます。
例:「週4日・午前のみの勤務で、受付と電話予約(1日約60件)を担当」
短い時間でも任されていた業務がはっきりしていれば、採用担当は戦力として判断できます。

受託会社や派遣で、職場が何度か変わった

雇用元と勤務先を書き分け、各職場で業務を覚えるまでの期間を書くと、適応の速さが伝わります。
例:「株式会社サンプル〇〇から内科クリニック(無床)に派遣。着任1か月で受付・会計を独り立ちして担当」
短期間の職場は1〜2行にまとめ、応募先に近い職場を詳しく書きましょう。

あわせて読みたい:アピールできる実績がない人の職務経歴書の書き方

提出前のチェックリスト

書き終えたら、提出前に次の項目を確認しましょう。

  • 職務要約に、経験年数・勤務先の種別と規模・担当業務・代表的な成果が入っている
  • 勤務先ごとに、病床数(または無床)・診療科・1日の外来患者数を書いている
  • レセプトの件数と、返戻・査定など正確さを示す数字を1つ以上書いている
  • 使用システム(電子カルテ・レセコン・オンライン資格確認)を、機能と期間まで書いている
  • 患者が特定できる情報や、院内の内部資料の数字を書いていない
  • AIの経験を書く場合は、業務・使い方・変化と、患者情報の扱いで気をつけたことを書いている
  • 資格は正式名称と取得年月で書き、A4で1〜2枚に収まり、誤字脱字がない

医療事務の書類は、それ自体が「正確に書類を作れる人か」の見本として読まれると考えておきましょう。表記の揺れにも気をつけます。

状況別の無料テンプレート

ブランク、転職回数、未経験…気になる事情があるなら、状況別の記入見本も


職種の書き方はこの記事で、事情の伝え方は状況別の記入見本で。2つを組み合わせれば、書きにくいところも迷わず書けます。

よくある質問

レセプトの件数は、自分の担当分と医院全体のどちらを書けばいいですか?

チームで分担していた場合は、医院全体の件数と、自分が担当した範囲の両方を書くのが正確です。たとえば「レセプト担当4名で月約4,200件、うち整形外科・皮膚科を担当」のように書くと、規模と自分の役割がどちらも伝わります。

診療報酬請求事務能力認定試験に合格しています。今も書いていいですか?

書いて問題ありません。試験を実施していた公益財団法人日本医療保険事務協会は2026年3月31日に解散しましたが、過去に合格した事実は変わりません。合格した年月と、医科・歯科の別を正確に書きましょう。

電子カルテやレセコンの製品名は書いたほうがいいですか?

書ける場合は書くのがおすすめです。応募先と同じシステムなら、操作を覚える時間が短くて済むと判断されやすくなります。製品名がわからない場合は、「電子カルテ一体型・クラウド型」のように種類と使っていた機能を書けば十分です。

医療事務の資格がないと不利ですか?

資格がなくても、経験の中身を具体的に書けば実務の力は伝わります。資格は知識を客観的に示す補足と考えましょう。経験が浅い人や未経験に近い人は、資格の取得や学習中であることを書くと、意欲と基礎知識を示せます。

AIを使った経験がないと、医療事務の転職で不利になりますか?

AIの活用をどの程度求めるかは医療機関によって大きく違い、経験がないことだけで不利になるとは限りません。オンライン資格確認やシステムの入れ替えなど、新しい仕組みに対応した経験を具体的に書けば、変化に対応できる人だと伝わります。

この記事の記入例テンプレートを無料でダウンロード

Word・Excel・PDFの3形式に対応。空欄テンプレートと記入見本のセットです。

Author

佐藤 大貴

レジュメラボ編集責任者/アースダイバー代表

佐藤 大貴

人材紹介の会社で、キャリア系メディアの編集長をしていました。転職やキャリアをテーマにした記事づくりに長く関わり、2019年にアースダイバー株式会社を立ち上げました。編集長時代、たくさんの求職者の方やキャ…

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