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プロダクトマネージャーの職務経歴書の書き方|採用担当に伝わる記入例と無料テンプレート

プロダクトマネージャーの職務経歴書の書き方|採用担当に伝わる記入例と無料テンプレート

プロダクトマネージャー(PdM)の職務経歴書でよくあるのが、「企画から開発、リリースまで担当」と工程を並べて終わる書き方です。これでは、プロジェクトを進行した人なのか、何を作るかを決めた人なのかが伝わりません。PdMの職務経歴書で伝えるべきなのは、「何を根拠に、何を作ると決め、リリース後に何が変わったか」です。

PdMの役割は会社によって大きく違います。BtoBのSaaSとBtoCのアプリでは追う数字が違い、既存機能の改善と新規の立ち上げでは求められる判断も違います。採用担当は、自社で任せたい範囲とプロダクトの種類と裁量が重なるかを最初に確かめます。

この記事では、Webエンジニアを経て決済SaaSの会社でPdMを6年半務める人の記入例をもとに、項目ごとの書き方を解説します。2026年のPdMには欠かせない、AI機能を企画した経験と、日々の仕事でAIを使った経験の書き方も詳しく紹介します。

この記事でわかること

  • PdMの職務経歴書の完成イメージ(記入例)
  • データで見る、企業が足りないと感じている「目的設定から効果検証まで担う人材」
  • 「課題→施策→KPIの変化」で成果を書く方法と、OK例・NG例の違い
  • BtoB SaaS・BtoC・エンジニア出身・ビジネス職出身の書き分け方
  • AI機能の企画・リリース経験と、調査や分析でのAI活用の書き方

無料テンプレート

プロダクトマネージャーの職務経歴書、記入見本つきのテンプレートがあります

この記事の記入例と同じ形式で、Word・Excel・PDFの3形式。空欄のテンプレートと記入見本がセットになっています。

プロダクトマネージャーの職務経歴書の記入例

まずは完成イメージです。ECパッケージの開発会社と決済SaaSの会社でWebエンジニアを6年経験し、2020年からPdMとして既存機能の改善と新サービスの立ち上げを担ってきた人を想定しています。画像をタップすると拡大できます。

プロダクトマネージャーの職務経歴書の記入例(決済SaaS・PdM6年半)
プロダクトマネージャーの職務経歴書の記入例(A4・2枚)

この記入例と同じ形式のテンプレートを無料で用意しています。Word・Excel・PDFの3形式で、空欄テンプレートと記入見本のセットです。

データで読む:PdMは「作った人」より「効果まで確かめた人」が求められている

書き方に入る前に、PdMの職務経歴書で何を示すべきかを、公的な調査のデータで見ておきます。3つのデータを重ねると、見えてくることは1つです。AIの導入が進むいま、企業が求めているのは「作った人」より、課題を決め、作り、リリース後の効果まで確かめた人です。

企業がいちばん足りないと感じているのは、目的から効果検証までを担う人

情報処理推進機構(IPA)の「DX動向2024」では、DXに取り組む企業に「最も不足している人材」を人材類型の中から1つ選んでもらっています。1位は「ビジネスアーキテクト」で41.9%。2位のデータサイエンティスト(19.1%)の2倍以上でした。

DXを推進する人材のうち最も不足している人材(IPA DX動向2024)
最も不足している人材の主な項目:1位はビジネスアーキテクト(IPA「DX動向2024」、2023年度調査)

出典:DX動向2024(情報処理推進機構)(図表3-4・3-5、2024年6月27日公表)

ビジネスアーキテクトは、目的設定から導入、導入後の効果検証までを、関係者をまとめながら一気通貫で進める人材と定義されています。PdMと同じ職種区分ではありませんが、「課題を決め、作り、効果を確かめる」という流れは、PdMの仕事の芯と重なります。

足りないのは「最後まで」担える人です。企画とリリースで終わる実績では、この人材像の半分しか示せません。実績は「課題をどう見つけたか → 何を作ると決めたか → リリース後に何が変わったか」の順に書き、記入例の「照合に関する問い合わせを月約420件から約150件に削減」のように、効果を確かめたところで締めくくりましょう。

AIを自社の製品に使う企業は、まだ約1割

同じIPAの「DX動向2026」では、AIを導入・検討している企業に用途を聞いています。上位は文書の要約や作成、情報検索などで、いずれも8割前後でした。一方で、「自社製品・サービスの高度化」は10.9%にとどまっています。

AI利活用の用途(IPA DX動向2026)
AI利活用の用途:「自社製品・サービスの高度化」は約1割(IPA「DX動向2026」、2025年度調査)

出典:DX動向2026(情報処理推進機構)(図表3-9、2026年7月30日公表)

AIはまず、社内の仕事を効率化する道具として広がっており、製品そのものに組み込む使い方はまだ少数です。AI機能の企画に関わった経験は、多くの企業がまだ手をつけていない領域の経験です。書き方は、後の「2026年のPdMとAI」の章で詳しく解説します。

AIで顧客満足度や売上が上がった企業は5%未満。その差を埋めるのがPdM

AIを導入して効果があった企業に、具体的な効果を聞いた結果です。「業務の効率化・迅速化」が91.6%で最も多く、「顧客満足度の向上」は4.5%、「売上や利益の向上」は3.9%でした。

AI導入による具体的な効果(IPA DX動向2026)
AI導入による具体的な効果:顧客満足度・売上の向上は5%未満(IPA「DX動向2026」、2025年度調査)

出典:DX動向2026(情報処理推進機構)(図表3-14、2026年7月30日公表)

AIを入れることと、利用者や事業の数字が良くなることの間には、まだ大きな差があります。その差を埋めるのが、課題を選び、評価の基準を決め、効果を測るPdMの仕事です。だからAI機能の実績は「AIを導入した」ではなく、利用者の作業時間や完了率など、利用者側の数字の変化で書きます。記入例が、照合の作業時間を1社で月約4時間から約1.5時間に短縮したことを書いているのはこのためです。

まとめると、PdMの職務経歴書では、作ったものの説明に加えて、何を根拠に作ると決めたかとリリース後に利用者や事業の数字がどう変わったかを書けるかで差がつきます。では、採用担当は書類のどこを見ているのか。次の章で確認しましょう。

プロダクトマネージャーの職務経歴書テンプレートを無料でダウンロード

採用担当がプロダクトマネージャーの職務経歴書で見ている3つのこと

こうした変化と、PdMの採用の現場でよく言われる傾向を踏まえると、採用担当は次の3つを確認しています。どの項目を書くときも、このどれかが伝わるかを意識しましょう。

  1. どんなプロダクトで、どこまで責任を持っていたかBtoBかBtoCか、利用社数・利用者数、既存機能の改善か新規の立ち上げか。PdMの役割は会社によって幅が広いため、採用担当はまず、任されていた範囲と裁量が自社のポジションと重なるかを確認します。
  2. 課題をどう見つけ、何を作るかをどう決めたかデータやユーザーの声から課題を特定し、要望に優先順位をつけ、開発・デザイン・営業と合意して進められるか。「納期どおりに作る」プロジェクト管理ではなく、「何を・なぜ作るか」を決める力が見られます。
  3. リリース後にKPIがどう動いたか問い合わせ件数、完了率、導入社数、取扱高など、成果をリリース前後の数字で示せるか。作って終わりにせず、効果を確かめて次の打ち手につなげているかが評価の中心になります。

項目別の書き方:OK例とNG例の違い

ここからは項目ごとに、NG例とOK例を並べて解説します。PdMの書類で差がつくのは、工程の多さではなく、判断の根拠と結果の数字です。

職務要約:PdMの年数・プロダクト・一番の成果を3〜5行で

職務要約は、採用担当が最初に読む部分です。PdMの年数・プロダクトの種類と規模・一番の成果の3つを入れます。開発やデザインなど、PdMになる前の経歴も一言添えると、強みの土台が伝わります。

× NG例

プロダクトマネージャーとして、自社サービスの企画から開発、リリースまで幅広く担当してまいりました。関係部署と連携しながら、ユーザー目線でのプロダクトづくりに取り組んできました。

ここが惜しい

  1. どんなプロダクトか(業種・BtoBかBtoCか・規模)がなく、応募先の事業と近いかを判断できません。
  2. 「企画から開発、リリースまで幅広く」では、何を作るかを決めていたのか、進行を管理していたのかが区別できません。
  3. 成果の数字がなく、プロダクトがどう良くなったのかがわかりません。

○ OK例

Webエンジニアを6年経験した後、決済SaaSの株式会社サンプルペイで2020年からプロダクトマネージャーを約6年半務めています。加盟店管理画面では問い合わせ分析とインタビューから入金照合の負担を見つけ、関連の問い合わせを月約420件から約150件に減らしました。(後略)

ここが評価される

  1. 「決済SaaS」とプロダクトの種類を書いているので、応募先の事業との近さがすぐにわかります。
  2. エンジニアからPdMへの経歴と年数が一文で伝わります。
  3. 課題の見つけ方と、問い合わせ件数の変化をセットで書いています。記入例では、続けて新サービスの立ち上げと導入社数にも触れています。

PM(プロジェクトマネージャー)と混同されない書き方を

PdMの成果は「予定どおりに作った」ではなく「何を作ると決め、何が変わったか」です。要約に「課題」「KPI」の言葉を入れると、プロジェクト管理の職種と読み違えられにくくなります。

職務経歴:担当範囲は規模とチームで、成果は「課題→施策→KPI」で

職務経歴は、担当したプロダクトや時期ごとに、【担当】【課題発見】【成果】【優先順位】などの見出しをつけて書きます。下の画像の3つのポイントを押さえましょう。

プロダクトマネージャーの職務経歴の書き方のポイント(注釈付き)
職務経歴の書き方のポイント

PdMは自分の手で作るわけではないため、何人のチームと、どの範囲を進めたかを書いて初めて担当範囲が伝わります。

× NG例

新規サービスのPdMとして、企画・要件定義・開発ディレクションを担当。β版を経て正式リリースし、多くの企業に導入いただきました。

ここが惜しい

  1. チームの人数や連携した部門がなく、どんな体制を動かしたのかわかりません。
  2. どんな検証をして、何を根拠にリリースを決めたのかが書かれていません。
  3. 「多くの企業」では導入の規模がわからず、成果として比べられません。

○ OK例

【担当】請求書発行から入金確認までを一つにまとめるBtoB請求・決済サービスの立ち上げ。エンジニア10名・デザイナー2名と開発し、営業・CS・法務と連携

【立ち上げ】既存加盟店30社へのインタビューと画面試作で検証し、2023年10月にβ版(20社)、2024年4月に正式リリース

(中略)

【成果】導入約950社、月間取扱高 約38億円(2026年9月時点)

ここが評価される

  1. チームの人数と連携部門で、取りまとめた範囲がわかります。
  2. インタビュー30社と画面試作、β版20社と、小さく確かめてから広げた進め方が伝わります。
  3. 導入社数と取扱高に時点を添え、数字の意味を正しく読めるようにしています。

課題発見・優先順位づけ:「何を根拠に、何を作り、何を作らなかったか」

要望は営業・CS・経営など、あらゆる方向から届きます。すべてに応えるのではなく、基準を持って選んだ経験こそが、PdMとしての判断力の証拠になります。

× NG例

ユーザーの声を大切にし、営業やCSから寄せられる要望に一つひとつ丁寧に対応して、機能改善を重ねてきました。

ここが惜しい

  1. 要望をすべて受けているように読め、優先順位を決める力が伝わりません。
  2. どんなデータや声から課題を見つけたのかが書かれていません。
  3. 改善の結果、どの数字が変わったのかがわかりません。

○ OK例

【課題発見】問い合わせ(月約1,500件)の分類と加盟店12社へのインタビューで、入金と売上の照合(入金消込)の手作業が大きな負担だと特定

【優先順位】要望を「影響する加盟店数・売上への影響・開発工数」で点数化し、四半期ごとのロードマップを営業・CSと合意。開発への割り込み依頼を四半期約10件から約3件に削減

ここが評価される

  1. 問い合わせの分類という「数字」と、12社への聞き取りという「声」の両方で課題を確かめています。
  2. 優先順位の基準を書いているので、ほかの会社でも同じ判断ができると伝わります。
  3. 割り込み依頼が四半期約10件から約3件に減ったことで、部門間の合意づくりの成果を示しています。

基準を決めてロードマップを合意したことを書けば、作らないものを決める力も伝わります。面接で聞かれやすい「見送った要望の例」も1つ用意しておきましょう。

AI・自動化の経験:何に使い、どう確かめ、何が変わったかを書く

「AIを活用した」だけでは何も伝わらないため、課題・評価・リスクへの手当て・効果をセットで書きます。データの章で見たとおり、AIで顧客満足度や売上まで上がった企業は5%未満です。利用者の数字が変わったことを示せれば、それだけで目を引きます。詳しくは後の「2026年のPdMとAI」の章で解説します。

× NG例

生成AIを活用したAI機能の企画を担当し、業務の効率化に貢献しました。

ここが惜しい

  1. どんな課題を解くための機能か、利用者にとって何が変わったのかが書かれていません。
  2. 精度をどう測ったか、誤りをどう防いだかがなく、AIを扱う判断力が伝わりません。
  3. 「業務の効率化」がどの業務で、どれだけ変わったのかが数字でわかりません。

○ OK例

【AI機能】振込名義が一致しない入金に照合候補を示す機能を企画。匿名化した照合データ約2万件で第1候補の正答率92%を確認したうえで、確定は利用者が行う仕様でリリース(2025年10月)。照合を1社で月約4時間から約1.5時間に短縮

ここが評価される

  1. 匿名化した評価データ約2万件と、第1候補の正答率92%で、感覚ではなく数字で判断したことがわかります。
  2. 「確定は利用者が行う」と、誤りが出たときのリスクへの手当てまで書いています。
  3. 利用者の作業時間の変化で、AI機能の価値を示しています。

活かせる経験・知識・スキル:応募先の求人に合わせて3つ選ぶ

ここでは、職務経歴から応募先で再現できる経験を3つ程度に絞って書きます。ツール名はスキル欄に任せ、「何ができるか」を書きましょう。

× NG例

・プロダクトマネジメント全般
・ユーザー目線
・リーダーシップ

ここが惜しい

  1. 「全般」は範囲が広すぎて、応募先の仕事とつながるかが判断できません。
  2. 「ユーザー目線」「リーダーシップ」は根拠がなく、どのPdMでも書ける言葉です。

○ OK例

・問い合わせ分析とインタビューで課題を見つけ、企画から効果検証まで進めた経験
・新規サービスを検証・β版・正式リリースまで立ち上げ、KPIで改善を続けた経験
・エンジニア経験を活かした開発との議論と、営業・CSとのロードマップの合意づくり

ここが評価される

  1. 既存の改善・新規の立ち上げ・関係者との合意と、強みの種類が重ならないように選んでいます。
  2. 応募先が新規事業のPdMを求めているなら2つ目を先頭に、と並べ替えるだけで印象が変わります。

スキル・ツール・資格:分類ごとに「何を・どこまで・何年」

PdMのスキル欄は、ツール名の一覧より、PdM業務・データ分析・AI活用のように分類して、経験の量と年数を添えるほうが伝わります。

× NG例

SQL、Jira、Figma、Ruby、JavaScript、生成AI、アジャイル

ここが惜しい

  1. 経験年数がなく、日常的に使ってきたものと少し触れただけのものが区別できません。
  2. PdMの中心になるインタビューや要求仕様書の経験が抜けています。
  3. 「生成AI」だけでは、企画・評価・仕事での利用のどれかがわかりません。

○ OK例

PdM業務:ユーザーインタビュー(約150件)、要求仕様書・ロードマップの作成(6年半)

データ分析:SQL(12年半)、BIのKPIダッシュボード作成(6年半)、A/Bテスト設計(3年)

AI活用:LLM機能の企画・評価設計(1年半)、生成AIでの問い合わせ分類(2年)

ここが評価される

  1. インタビュー約150件と件数で書くと、ユーザーと向き合ってきた量が伝わります。
  2. 経験年数は職務経歴の期間と一致させます。記入例のPdM業務6年半は2020年4月から、SQL12年半は2014年4月からの年数です。

自己PR:強みは2つまで。判断の根拠とKPIで示す

自己PRは「強み → それを発揮した場面 → KPIの変化」の順に書きます。PdMの自己PRで評価されるのは人柄より、判断の進め方と結果です。

× NG例

私の強みは、ユーザー視点とビジネス視点の両方を持ち、チームを巻き込んで推進できることです。

ここが惜しい

  1. PdMの応募者の多くが書く表現で、それだけでは差がつきません。
  2. どの場面で、どう判断し、何が変わったかが書かれていません。

○ OK例

作って終わりにせず、KPIで効果を確かめ直す力

申込みの完了率52%を、離脱の多い画面を特定して改善し、71%に上げました。

ここが評価される

  1. リリース後の数字から次の打ち手を決めた経験で、強みを裏付けています。
  2. 完了率の52%から71%という前後の数字が職務経歴と一致しており、信頼できます。
  3. 記入例では1つ目の強みとして「課題を数字と現場の声の両方で確かめる力」も書いています。強みを2つに絞ると、それぞれの根拠が厚くなります。
記入見本つきのプロダクトマネージャー向けテンプレートを見る

プロダクト・経歴別:PdMの職務経歴書の書き分け方

PdMの書き分けは、「どんなプロダクトを担当してきたか」と「どこからPdMになったか」で考えます。応募先のプロダクトと自分の経歴の組み合わせで、前に出す実績を選び直しましょう。

タイプ採用担当が見るポイント強調したい経験・数字
BtoB SaaSのPdM顧客企業の業務を理解し、事業の数字につなげる力導入社数、解約率、問い合わせ件数、営業・CSとの合意
BtoC(アプリ・EC・メディア)のPdM多くの利用者の行動データから改善を回す力利用者数、継続率、購入率、A/Bテストの回数と結果
エンジニア・デザイナーからPdMへ作る側の経験を、何を作るかの判断に広げてきたか仕様の提案、利用者の調査への関わり、任された範囲
営業・CS・事業企画からPdMへ顧客の声を、プロダクトの改善に変えた経験要望の整理、改善提案の採用、関わった機能の数字

BtoB SaaSのPdM

BtoBでは、利用者は「顧客企業の担当者」です。採用担当は、顧客の業務を理解し、事業の数字につなげられるかを見ています。記入例の人物はこのタイプです。

職務経歴書に書きたいこと

  • 利用社数・業種など、顧客企業の規模と種類
  • 顧客の業務のどこを良くしたか(作業時間・問い合わせ件数など)
  • 営業・CSとの要望の調整や、ロードマップの合意の方法
  • 導入社数・取扱高・解約率など、事業の数字(いつ時点か)

記入例

【成果】入金明細の自動照合機能を企画し、要求仕様の作成からリリース(2021年11月)まで担当。照合に関する問い合わせを月約420件から約150件に削減(約64%減)

ポイント

  1. 記入例からの引用です。「入金明細の照合」という顧客の業務の言葉で書いているので、何を楽にしたかがわかります。
  2. 問い合わせ件数は、顧客の困りごとと自社のサポート費用の両方を表す数字です。BtoB SaaSでは特に伝わりやすい成果です。

よくある落とし穴

大口の顧客名や、受注の金額を書いてしまうケースです。「利用加盟店約8,000社」「導入約950社」のように、社数と業種で規模を伝えましょう。社外に出していない売上の内訳も書きません。

BtoC(アプリ・EC・メディア)のPdM

BtoCでは、利用者の行動データから改善を回せます。採用担当は施策の数より、仮説を立てて検証し、数字で判断してきたかを見ています。

職務経歴書に書きたいこと

  • 利用者の規模(月間の利用者数など、社外に出せる範囲)
  • 追っていたKPIと、改善の前後の数字
  • A/Bテストなどの検証の方法と回数
  • うまくいかなかった施策から学んだこと

記入例

※記入例とは別の架空例です

【担当】家計簿アプリ(月間利用者約60万人)の継続利用の改善。エンジニア5名・デザイナー1名

【成果】登録直後の離脱を分析し、初回設定の手順を7画面から3画面に削減。A/Bテストで効果を確かめたうえで全員に公開し、登録30日後の継続率を38%から45%に改善

ポイント

  1. 利用者の規模と、見つけた課題・打ち手・数字がつながっています。
  2. 「A/Bテストで確かめたうえで公開」と書くことで、思いつきではなく検証してから広げる人だと伝わります。

よくある落とし穴

A/Bテストの実施回数だけを並べるケースです。回数が多くても、何を学び、次に何を決めたかがなければ評価されません。効果が出なかった施策も、そこからの学びと次の打ち手を書けば立派な経験です。

エンジニア・デザイナーからPdMへ

開発やデザインの経験は、開発チームと同じ言葉で話せるPdMの強みです。ただし、作る側の経験を並べるだけでは、PdMの適性は伝わりません。何を作るかの判断に関わった場面を探して書きましょう。

職務経歴書に書きたいこと

  • 仕様の見直しを提案した経験や、利用者の調査に同席した経験
  • PdMやリーダーの役割を一部任された範囲と時期
  • 技術の知識を、優先順位や見積もりの判断に活かした場面

記入例

【担当】加盟店管理画面の開発(Ruby・JavaScript、スクラム開発チーム5名)。CSV出力機能では加盟店5社の操作テストに同席し、画面仕様の見直しを提案

ポイント

  1. 記入例のエンジニア時代からの引用です。開発の担当の中に、利用者の操作を見て仕様を提案した場面を入れています。
  2. 「作る」から「何を作るか」へ関心が広がった過程が、PdMになる前の経歴から読み取れます。

よくある落とし穴

言語やフレームワークの経験を詳しく書きすぎるケースです。PdMの採用では、技術の深さより、技術の知識をどう判断に使ったかが見られます。技術はスキル欄に1〜2行でまとめましょう。

営業・CS・事業企画からPdMへ

顧客と直接向き合ってきた経験は、課題を見つける力の土台になります。採用担当は、顧客の声を「要望のリスト」で終わらせず、プロダクトの改善に変えた経験があるかを見ています。

職務経歴書に書きたいこと

  • 顧客の声をどう集め、どう分類して、誰に伝えたか
  • 改善の提案が採用された件数と、その後の数字
  • 開発チームとの関わり方(仕様の確認・受け入れテストなど)

記入例

※記入例とは別の架空例です

【担当】勤怠管理SaaSのカスタマーサクセス(担当約120社)

【取り組み】問い合わせを機能別に毎月集計し、開発チームへ改善を提案(年8件、うち5件が採用)。採用された「打刻修正の申請画面」の改善後、関連の問い合わせが月約90件から約40件に減少

ポイント

  1. 顧客の声を数字にして提案し、採用されたあとの変化まで書いています。
  2. 提案の件数と採用の件数を分けて書くと、プロダクトの判断に近い仕事をしていたことが正確に伝わります。

よくある落とし穴

「顧客の要望を開発に伝えた」と、取り次ぎ役に見える書き方をするケースです。どの要望を、どんな根拠で優先して提案したかを書くと、PdMに必要な判断の経験として読まれます。

あわせて読みたい:PM・PL(プロジェクトマネージャー・リーダー)の職務経歴書の書き方

2026年のPdMとAI:職務経歴書にどう書くか

最初にお伝えしたいのは、AIの使い方や、AIの経験を求める度合いは応募先によって大きく違うということです。IPAの「DX動向2026」プレス発表では、AIを導入している企業は従業員1,001人以上で8割近くにのぼる一方、101人以下では16.6%でした。

まずは求人票に「生成AI」「LLM」「AI機能」などの言葉があるかを確認しましょう。記載があれば、AI機能の企画や仕事での利用を詳しく書く価値があります。記載がなければ、職務経歴とスキル欄に1行ずつ添える程度で十分です。

PdMとAIの関わりは「プロダクトに組み込む」と「仕事で使う」の2つ

PdMとAIの関わり方は、大きく2つに分かれます。1つは、AIを使った機能を企画し、プロダクトに組み込むこと。もう1つは、調査や分析などの日々の仕事でAIを使うことです。職務経歴書でも、この2つを分けて書くと、自分の関わり方が正確に伝わります。

パーソルキャリアの調査では、今後3年以内に中途採用が増える領域の最多が「データ・デジタル/IT企画系」でした。対象はAIを導入済みの従業員501人以上の企業の人事・採用担当者515人で、大企業に限った結果です。それでも少なくとも大企業では、AIを前提にした企画ができる人材を増やそうとする動きがはっきり出ています。

AI機能を企画・リリースした経験の書き方

AI機能は、通常の機能と違い、毎回同じ答えを返すとは限りません。そのため、PdMにはどこまでの誤りなら許せるかを決め、測り、防ぐ仕事が加わります。職務経歴書では、次の5つを押さえると、AIを扱える判断力が伝わります。

書くこと中身記入例での書き方
課題誰の、どんな作業を良くするための機能か振込名義が一致しない入金の照合
仮説AIで何をすれば、何が変わると考えたか(「照合候補を示す機能」という言葉に込めている)
評価の方法と基準何のデータで、どの指標を、どの水準まで確かめたか匿名化した照合データ約2万件で、第1候補の正答率92%を確認
品質・リスクへの手当て誤りが出たときに、利用者が困らない仕組み確定は利用者が行う仕様
成果利用者や事業の数字がどう変わったか照合を1社で月約4時間から約1.5時間に短縮

記入例では、仮説は1行に収めるため「照合候補を示す機能」という言葉に込めています。面接では「なぜAIで解こうと考えたのか」「正答率92%で出すと決めた理由は何か」を聞かれる前提で準備しましょう。書類に書ききれない判断の背景は、面接で話せるように整理しておきましょう。

AI機能の評価で書けるのは、正答率だけではありません。プロダクトによっては、次のような指標や配慮も経験として書けます。

  • 誤りの種類の区別:見逃しと誤検出のどちらを減らすべきかを決め、基準を合意した
  • 回答できないときの扱い:自信が低い場合は候補を出さない、人の担当者につなぐ
  • リリース後の監視:利用者が候補を修正した割合など、本番での品質の数字を追った
  • 費用と速さ:AIの利用料金や応答時間に上限を決め、採算の合う設計にした

次は、BtoCのプロダクトで、5つの要素をすべて入れた書き方の例です。

記入例

※記入例とは別の架空例です

【AI機能】商品レビューが多く読み切れず、購入をためらう利用者が多いという課題に対し、要約を示せば判断しやすくなると考えて、レビューの要約を表示する機能を企画。要約300件を担当者が採点し、事実と異なる内容の割合が2%未満になるまで改善してからリリース。元のレビューへのリンクを必ず表示し、レビューが10件未満の商品では表示しない仕様に。A/Bテストで、要約を表示した商品の購入率が4.2%から4.6%に改善

ポイント

  1. 課題・仮説・評価の基準・リスクへの手当て・成果が1つのブロックに収まっています。
  2. 「レビューが少ない商品では表示しない」のように、AIを使わない判断まで書くと、精度とリスクの釣り合いを判断できる人だと伝わります。

実装やモデルの調整をエンジニアが担った場合は、自分の担当が企画と評価の設計だったことを分けて書きます。

日々の仕事でのAI活用:調査・要件整理・分析

PdMの仕事は、ユーザーの声を集めて整理し、文書にして合意をつくる作業が多くを占めます。総務省の情報通信白書(令和8年版)でも、生成AIを一つ以上の業務で利用している企業は86.4%(「わからない」を除く)でした。PdMの仕事で現実的な使い方には、次のようなものがあります。

使い方具体例人が確かめること
ユーザーの声の分類問い合わせ・アンケートの自由回答を、テーマ別に分類分類の抜き取り確認、少数でも重要な声の見落とし
調査の整理インタビュー記録の要点の整理、競合サービスの公開情報の比較発言の意味が変わっていないか、情報の出どころ
要件の整理要求仕様書のたたき台、確認漏れの観点出し開発・デザインと合意した内容と合っているか
データ分析の補助SQLの下書き、分析結果の読み取りの壁打ち集計の条件と数字が正しいか

記入例では、職務経歴の【取り組み】に「問い合わせ分類に社内承認済みの生成AIを利用(個人情報は入れず、抜き取り確認)」と書いています。短い1行でも、社内ルール・入れなかった情報・確かめ方の3つがそろっているため、安心して任せられる使い方だと伝わります。スキル欄の「生成AIでの問い合わせ分類(2年)」とも内容がそろっています。

効果を測っていれば、何の作業がどれだけ変わったかを添えます。測っていなければ無理に数字を作らず、使った業務と確かめ方だけで十分です。

AIの経験を書くときの注意点

  • 個人情報や顧客企業の情報を入力していないことがわかるように書く。インタビュー記録や問い合わせには、個人名や取引の内容が含まれがちです。
  • 未公開の機能や、AI機能の精度の詳細など、社外に出していない情報は書かない。必要なら「社内の評価基準を満たしてリリース」のように表します。
  • 会社のルールの範囲で使ったことを前提に書く。ルールのない時期に、個人のアカウントで仕事の資料を扱った経験は書かないほうが無難です。
  • 盛らない。AI機能の「企画」と「開発」は別の仕事です。面接では、評価の方法や判断の理由を細かく聞かれる前提で準備しておきましょう。

AIを使っていない・禁止の職場だった人は

金融や医療など、情報管理の理由でAIを使えない職場は少なくありません。AIの経験がないことだけで評価が下がると考える必要はありません。PdMの評価の中心は、今も課題を見つけ、作るものを決め、効果を確かめる力です。

代わりに、データで課題を見つけた経験や、ルールにもとづく自動化の経験を書きましょう。たとえば、記入例の「入金明細の自動照合機能」は、AIを使わない自動化の企画です。精度を確かめてから広げる、誤りが出たときの手当てを決める、といった進め方は、AI機能の企画でもそのまま求められる力です。

実績の数字が書けないときの対処法

PdMは、守秘義務や担当期間の関係で、成果の数字を書きにくいことがあります。事業の数字が出せなくても、「利用者の変化」「進め方」「検証の量」の角度から書ける事実は見つかります。

売上や利用者数が社外秘で書けない

金額や実数の代わりに、変化の割合や「約」をつけた規模で示します。「解約率を前年から約2割改善」「利用社数は数千社規模」のように書けば、機密に触れずに大きさを伝えられます。

KPIの変化が、ほかの施策と混ざっている

自分が担った施策と、その時期を書いたうえで数字を添えます。「同時期に価格改定あり」のように、ほかの要因を正直に書くと、かえって数字への信頼が高まります。A/Bテストで切り分けた数字があれば、それを優先しましょう。

担当したプロダクトや機能がクローズした

クローズも、検証の結果として書けます。「β版10社で検証し、継続利用が目標に届かず、撤退を提案」のように、何を確かめ、どう判断したかを書けば、早く見切る判断力として評価されることもあります。

担当期間が短く、成果が出る前に異動した

リリース後の数字の代わりに、自分が進めた範囲を書きます。インタビューの件数、まとめた要求仕様、合意したロードマップの範囲などです。「後任へ引き継ぎ、リリースは2025年3月」のように、その後の状況も一言添えましょう。

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提出前のチェックリスト

書き終えたら、提出前に次の項目を確認しましょう。

  • 職務要約に、PdMの年数・プロダクトの種類と規模・一番の成果が入っている
  • 担当プロダクトごとに、利用者の規模・チームの人数・連携した部門がわかる
  • 成果を「課題→施策→KPIの変化」の形で、前後の数字と時点を添えて書いている
  • 優先順位の決め方や、作らなかった判断にも触れている
  • AIの経験は、使った業務・確かめ方・効果を書き、社内ルールや情報管理に触れている
  • 未公開の機能、売上の内訳、取引先名など、社外に出せない情報を書いていない
  • A4で2枚程度に収まり、スキルの経験年数が職務経歴の期間と一致している

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職種の書き方はこの記事で、事情の伝え方は状況別の記入見本で。2つを組み合わせれば、書きにくいところも迷わず書けます。

よくある質問

社内の肩書きが「企画」「ディレクター」で、PdMではありません。どう書けばいいですか?

職務経歴には、実際の肩書きをそのまま書きます。そのうえで、職務要約や【担当】に「機能の優先順位の決定とロードマップの作成を担当」のように、PdMの仕事をしていたことがわかる中身を書きましょう。肩書きと仕事の中身を分けて書けば、読み違えられません。

PdMとPM(プロジェクトマネージャー)の経験が混ざっています。

両方を書いてかまいません。ただし、PdMの求人に応募するなら、「何を作るかを決めた経験」と「計画どおりに進めた経験」を分けて書き、前者を先に詳しく書きます。進行管理の経験は、PdMにとっても開発チームと計画を立てる力として活きます。

効果が出なかった施策も書いたほうがいいですか?

代表的な成果と並べて、1つ程度なら書く価値があります。何を仮説にし、どう確かめ、結果から何を決めたかを書けば、検証して学ぶ力として読まれます。ただし、言い訳に見えないよう、次の打ち手まで書きましょう。

AI機能の経験がなくても、AIプロダクトのPdMに応募できますか?

応募はできます。求人票で求められている経験を確かめ、近い経験を書きましょう。精度や誤りを扱う機能(検索・レコメンド・不正検知など)の企画、データで効果を測った経験、利用者の業務を深く理解した経験は、AI機能の企画にも通じます。個人で試したことは、仕事の経験と分けて「学習中」と書きます。

要求仕様書やロードマップの資料を提出してもいいですか?

会社の資料には社外秘の情報が含まれるため、そのまま出すのは避けます。必要なら、構成や進め方がわかる架空の例を自分で作り直して用意しましょう。

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Author

佐藤 大貴

レジュメラボ編集責任者/アースダイバー代表

佐藤 大貴

人材紹介の会社で、キャリア系メディアの編集長をしていました。転職やキャリアをテーマにした記事づくりに長く関わり、2019年にアースダイバー株式会社を立ち上げました。編集長時代、たくさんの求職者の方やキャ…

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