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Webディレクターの職務経歴書の書き方|採用担当に伝わる記入例と無料テンプレート

Webディレクターの職務経歴書の書き方|採用担当に伝わる記入例と無料テンプレート

Webディレクターは、デザインもコーディングも自分の手ではしないことが多い仕事です。「担当しました」と並べるだけでは、何をした人なのかが伝わりません。Webディレクターの職務経歴書で伝えるべきなのは、「何を決め、どう進め、どう着地させたか」です。

同じ「Webディレクター」でも、制作会社で年に10件以上の案件を回す人と、事業会社で自社サイトの数字を毎月追う人とでは、経験の中身がまったく違います。採用担当は、自社で任せたい仕事と案件の規模と立場が重なるかを最初に確かめます。

この記事では、Web制作会社で10年半働き、現在はディレクションチームのリーダーを務める人の記入例をもとに、項目ごとの書き方と、所属別の書き分けを解説します。

この記事でわかること

  • Webディレクターの職務経歴書の完成イメージ(記入例)
  • 要件定義・進行管理・予算(粗利)の実績を数字で書く方法
  • 「調整しました」を、誰と何をどう決めたかに分解する書き方
  • 公開後の成果(問い合わせ数などのKPI)の示し方
  • 制作会社・事業会社別の書き分けと、制作会社から事業会社へ移るときのポイント
  • 生成AIの経験と、AIを組み込んだ機能の要件定義の書き方

無料テンプレート

Webディレクターの職務経歴書、記入見本つきのテンプレートがあります

この記事の記入例と同じ形式で、Word・Excel・PDFの3形式。空欄のテンプレートと記入見本がセットになっています。

Webディレクターの職務経歴書の記入例

まずは完成イメージです。企業サイト・採用サイトを手がける制作会社で、アシスタントディレクター3年、Webディレクター4年を経て、2023年からリーダーとして大型案件を統括している人を想定しています。画像をタップすると拡大できます。

Webディレクターの職務経歴書の記入例(Web制作会社10年半・リーダー)
Webディレクターの職務経歴書の記入例(A4・2枚)

この記入例と同じ形式のテンプレートを無料で用意しています。Word・Excel・PDFの3形式で、空欄テンプレートと記入見本のセットです。

データで見る:Webディレクターの仕事の範囲と、求められる力

書き方の前に、Webディレクターの仕事と求められる力をデータで確認しておきましょう。

全員が担うのは「品質チェック」と「進捗管理」

厚生労働省の職業情報提供サイトjob tagには、職業ごとの仕事(タスク)と、その仕事をしている人の割合が載っています。「Webディレクター(Web制作会社)」では、スタッフの成果物の品質チェックと、各工程の進捗を把握して納期に間に合わせる仕事が、どちらも100.0%でした。

Webディレクター(Web制作会社)の主な仕事の実施率(job tag)
Webディレクターの主な仕事の実施率

出典:職業情報提供サイト(job tag)「Webディレクター(Web制作会社)」(厚生労働省)(2026年10月22日閲覧)

注目したいのは、制作の進行以外の仕事も多いことです。アクセス解析と、自社の利益を確保するための予算管理はどちらも87.7%、新規の顧客獲得のための営業活動も84.2%でした。Webディレクターの仕事は、制作の前(受注・提案)から公開後(解析・改善)まで広がっています。

職務経歴書への落とし込み方

職務経歴の【担当】には、ヒアリング・要件定義・見積もり・進行管理・品質確認・公開後の改善提案など、自分が担った工程を並べましょう。

求められるスキルの上位は「傾聴力」「文章力」「説明力」

job tagでは、必要なスキルの水準も0〜7の数値で比べられます。Webディレクターの上位は傾聴力(4.7)、文章力・説明力(各4.6)、読解力(4.5)でした。プログラミングは2.9で、上位の項目と比べると低めです。

Webディレクター(Web制作会社)に必要なスキルの水準(job tag)
Webディレクターに必要なスキルの水準

出典:職業情報提供サイト(job tag)「Webディレクター(Web制作会社)」(厚生労働省)(2026年10月22日閲覧)

聞いて整理し、文章にして伝える力は、要件定義書・議事録・制作チームへの指示書など、ディレクターの成果物そのものです。職務経歴書の読みやすさも、ディレクターとしての文章力の見本として読まれると考えられます。

職務経歴書への落とし込み方

結論を先に書く、1つの文に1つの事実を書く、数字と期間をそろえる。どれも要件定義書と同じ書き方です。

Webマーケティングと比べると、「品質」と「調整」の水準が高い

job tagには、事業会社でWebの成果を追う仕事に近い職業として「Webマーケティング(ネット広告・販売促進)」もあります。2つを比べると、Webディレクターはクオリティチェック(4.1と2.8)と他者との調整(4.3と3.8)が高い一方、説得(3.7と4.1)と企業・組織の活動の分析(2.9と3.3)はWebマーケティングのほうが高くなっていました。

WebディレクターとWebマーケティングのスキル水準の比較(job tag)
Webディレクター(Web制作会社)とWebマーケティングのスキル水準の比較

出典:職業情報提供サイト(job tag)「Webディレクター(Web制作会社)」「Webマーケティング(ネット広告・販売促進)」(厚生労働省)(2026年10月22日閲覧)

Webマーケティングは事業会社のWebディレクターそのものではありません。ただ、自社サイトの成果を追う立場では、分析して提案し、社内を説得する場面が増えると考えられます。制作会社から事業会社へ移る人は、進行や品質の実績に加えて、数字をもとに提案した経験を書き足すと強みが伝わりやすくなります。

Webディレクターの職務経歴書テンプレートを無料でダウンロード

採用担当がWebディレクターの職務経歴書で見ている3つのこと

データと採用の現場でよく言われる傾向を踏まえると、採用担当は次の3つを確認しています。どの項目も、このどれかが伝わるかを意識して書きましょう。

  1. どの規模の案件を、どの立場で進めてきたかサイトの種類、ページ数、予算、制作チームの人数、期間。そのうえで、統括だったのか、一部の工程の担当だったのか。採用担当は、自社で任せたい案件の大きさと経験が重なるかを最初に確認します。
  2. 予算・納期・品質をどう守ったか予定どおり公開できた件数、粗利率、公開後の不具合の数など、進行の結果を数字で示せるか。ディレクターは成果物を自分でつくらない分、プロジェクトをどう着地させたかで評価されます。
  3. クライアントと制作チームの間で、合意をどうつくったか要件定義の進め方、追加要望への対応、デザイナー・エンジニアへの伝え方。調整の具体的な方法が書かれていると、入社後に同じ動きができる人だと判断しやすくなります。

項目別の書き方:OK例とNG例の違い

項目ごとのNG例・OK例の前に、Webディレクターならではの前提として、自分の担当工程を言葉にしておきましょう。

まず整理:担当した工程を、成果物と結果の言葉に置き換える

ディレクターの仕事は工程ごとに「何を決めたか」が違います。工程ごとに、自分がつくった成果物と、測れる結果を書き出しておくと、どの項目も書きやすくなります。

工程自分がつくる成果物の例職務経歴書に書ける結果の例
提案・見積もり提案書、見積書、体制図受注件数、提案の採用、見積もりと実績の差
要件定義ページ一覧、機能一覧、要件定義書確定までの期間、追加要望の件数と扱い
設計サイトマップ、ワイヤーフレーム導線の見直しによる問い合わせ数などの変化
進行・予算管理WBS、変更管理表、工数表予定どおり公開した件数、粗利率
品質管理・公開テスト計画、公開前チェックリスト公開後の不具合の件数、手戻りの減少
運用・改善改善提案書、解析レポート更新対応の件数、KPIの変化

全部を詳しく書く必要はありません。応募先の求人票に多く出てくる工程を厚めに書きましょう。

職務要約:所属・経験年数・担当件数・代表案件の規模と結果を3〜5行で

職務要約は、採用担当が最初に読む部分です。アシスタントとディレクターの期間を分け、件数と代表案件の規模・結果を入れると、任せられる案件の大きさが一目でわかります。

× NG例

Web制作会社にて約10年、Webディレクターとして多数のサイト制作に携わってまいりました。クライアントの要望をしっかりとヒアリングし、円滑なプロジェクト進行に努めてきました。

ここが惜しい

  1. アシスタントの期間とディレクターの期間が分かれておらず、任されていた年数が判断できません。
  2. 「円滑な進行に努めた」は姿勢の説明で、予算や納期を守れたかという結果がありません。

○ OK例

Web制作会社の株式会社サンプルインタラクティブで10年半、企業サイト・採用サイトの制作に携わってきました。アシスタントを経て、Webディレクターとして7年半で約65件の案件を担当し、要件定義から公開・運用までを進めています。現在はチームリーダーとして、予算約3,500万円のコーポレートサイト刷新を予定どおり公開し、粗利率は計画30%に対し33%を確保しました。

ここが評価される

  1. アシスタントとディレクターの期間を分け、ディレクターとしての担当件数を添えているので、経験の厚みがわかります。
  2. 「要件定義から公開・運用まで」と担当工程を書いているので、任せられる範囲が判断できます。
  3. 代表案件の予算と、納期・粗利率の結果を入れ、大きな案件を着地させられる人だと伝えています。

職務経歴:担当工程と件数を書き、結果は「予定どおり公開した数」で示す

職務経歴は、時期ごとに【担当】【実績】【取り組み】を分けて書きます。下の画像の3つのポイントを押さえましょう。

Webディレクターの職務経歴の書き方のポイント(注釈付き)
職務経歴の書き方のポイント

× NG例

企業サイトや採用サイトのディレクションを担当しました。スケジュール管理やクライアントとの調整を行い、すべての案件を問題なく納品しました。

ここが惜しい

  1. 年間の件数や予算の幅がなく、仕事の量と案件の大きさが伝わりません。
  2. 「問題なく納品」は何を基準にしたのかがわからず、採用担当が確かめられません。

○ OK例

【担当】企業サイト・採用サイト・LPの新規制作とリニューアルのディレクション(予算300万〜1,500万円、年約11件)。ヒアリング、要件定義、見積もり、スケジュール・予算管理、デザイナー・エンジニアへの指示

【実績】4年間で45件を担当し、43件を当初の公開日どおりに公開(2件はクライアント都合で延期)

ここが評価される

  1. 予算の幅と年間の件数があるので、日々扱っていた案件の大きさがわかります。
  2. 担当した工程を並べているので、上流から制作チームへの指示まで任されていたことが伝わります。
  3. 遅れた2件も理由を添えて正直に書いているので、数字そのものの信頼が高まります。

「予定どおり公開した件数」は、進行管理の力を示すいちばんわかりやすい数字です。自分の側の原因で遅れた案件があれば、その後どう手を打ったかまで書けると評価につながります。

代表案件:業種・規模・予算・体制・期間・役割をそろえる

大きな案件は、1行に「規模・体制・期間・役割」をまとめて書きます。ページ数・予算・人数・期間の4つがそろうと、採用担当は自社の案件と大きさを比べられます。

× NG例

大手メーカー様のコーポレートサイトリニューアルを担当。大規模案件でしたが、チームをまとめて無事にリリースしました。

ここが惜しい

  1. 統括したのか、一部を担当したのかがわからず、役割が判断できません。
  2. 「無事にリリース」だけでは、予算や納期をどう守ったのかという進め方が見えません。

○ OK例

製造業(従業員約3,000名)のコーポレートサイト刷新(約600ページ、CMS移行、予算約3,500万円、社内外最大14名、2024年4月〜2025年1月)を統括。追加要望は変更管理表で見積もり・合意してから着手し、予定どおり公開。粗利率は計画30%に対し33%

ここが評価される

  1. クライアント名を出さずに、業種と従業員数で相手の規模を伝えています。
  2. ページ数・予算・人数・期間がそろっているので、応募先の案件と大きさを比べられます。
  3. 変更管理という進め方と、納期・粗利率の結果がつながっていて、再現できる力だと伝わります。

要件定義と関係者調整:「調整しました」を分解して書く

Webディレクターの職務経歴書に多いのが「関係者との調整」という書き方です。調整は、誰と誰の間で、何を、どんな手順で決めたかに分解すると、初めて経験として読めるようになります。

よくある書き方分解して書くこと
クライアントとの調整何を確定したか(ページ一覧・機能一覧など)と、確定した時期
追加要望に柔軟に対応追加要望をどう扱ったか(見積もり・合意してから着手など)
関係者をまとめた関わった人数と立場(社内外の人数、外部の制作会社、クライアントの部署)

記入例の代表案件では、要件定義でページ一覧と機能一覧をクライアントと確定し、追加要望は変更管理表で見積もり・合意してから着手しています。変更管理表とは、追加や変更の依頼を一覧にして、内容・費用・納期への影響を記録する表のことです。

この進め方を書いておくと、「要望を何でも受けてしまう人ではない」ことが伝わり、粗利率(計画30%に対し33%)の結果にも説得力が出ます。

品質管理:個人の注意ではなく「仕組み」で書く

品質の実績は、「丁寧に確認した」では伝わりません。記入例では、公開前の確認を約120項目のチェックリストにまとめ、公開後1か月の不具合の指摘を1案件平均約15件から約5件に減らしたことを書いています。

チェックリストやテンプレートのように、自分がいなくてもチームで再現できる仕組みは、リーダー候補として特に評価されやすい実績です。

公開後の成果(KPI):指標・比べた期間・自分の関わりをそろえる

公開後の数字は、「つくって終わりではない」ことを示す材料です。KPI(重要業績評価指標)とは、サイトの目的の達成度を測る数字で、問い合わせ数や応募数などがあたります。

IPAの「DX動向2026」では、DXに取り組む企業のうち成果指標を設定している企業は23.9%にとどまりました。設定していない理由では「評価指標の設定方法がわからない」が36.0%で最も多く、前年度の28.7%から上がっています。Webに限った数字ではありませんが、成果を測る指標を決め、公開後に確かめた経験は、書く価値のある経験だと考えられます。

数字には次の3つを添えます。記入例の「部品メーカーのサイト刷新で、製品ページと問い合わせ導線を設計。月平均の問い合わせ数が約20件から約32件に増加(公開前後各1年の比較)」がそれにあたります。

  • 指標:何の数字か(問い合わせ数、応募数、購入率など)
  • 比べた期間:公開前後の同じ長さの期間か、前年同月か
  • 自分の関わり:何を設計し、何を変えたか

公開後の成果は、比べた期間とセットで書く

成果の数字がクライアント側にしかない場合は、聞ける範囲で確かめ、わからなければ無理に書きません。

活かせる経験・使用ツール:強みは3つまで。ツールはできる範囲を正直に

「活かせる経験」には、ツール名ではなく、ディレクターとして何ができるかを書きます。ツールは「使用ツール・スキル」欄に分類ごとにまとめ、何に使ったかと経験年数を添えます。

× NG例

・ディレクション全般

・コミュニケーション能力

・Backlog、Figma、WordPress、HTML/CSS

ここが惜しい

  1. 「ディレクション全般」は範囲が広すぎて、応募先の仕事とつながるかが判断できません。
  2. ツール名だけでは、自分で手を動かすのか、指示ができる程度なのかが伝わりません。

○ OK例

・要件定義・見積もりから公開・運用まで、Webサイト制作を一貫して進める力

・予算・粗利の管理と、追加要望を見積もり・合意してから進めるクライアント折衝

・公開前チェックなど品質の仕組みづくりと、ディレクターの育成(チーム5名)

ここが評価される

  1. 進行・折衝・品質と育成の3つに分け、強みの種類が重ならないようにしています。
  2. どれも職務経歴の実績と対応しているので、根拠を経歴欄ですぐ確かめられます。
  3. 使用ツール欄では「HTML/CSS(修正を指示できる程度)」のように、できる範囲を正直に書いています。

自己PR:強みは2つまで。進め方の工夫と結果をセットで書く

自己PRは「強み → どう進めたか → 結果の数字」の順に書きます。ディレクターの自己PRで評価されるのは、人柄よりも、案件を着地させるための進め方です。

× NG例

私の強みは、どんなクライアントとも信頼関係を築けることです。無理な要望にも柔軟に対応し、最後まで責任を持って案件をやり遂げてきました。

ここが惜しい

  1. 「信頼関係」「責任を持って」にエピソードも数字もなく、採用担当が評価できません。
  2. 「無理な要望にも柔軟に対応」は、予算や制作チームの負担を管理できない人と受け取られるおそれがあります。

○ OK例

要件と変更のルールを先に決め、予算と納期を守る力

要件定義でページ一覧と機能一覧をクライアントと確定し、追加要望は変更管理表で見積もり・合意してから着手しました。約600ページのサイトを予定どおり公開し、粗利率は計画30%に対し33%でした。

ここが評価される

  1. 要望をすべて受けるのではなく、合意の手順をつくって守ったことが具体的にわかります。
  2. ページ数・納期・粗利率で結果を示し、職務経歴の代表案件と数字がそろっています。
  3. 記入例では2つ目の強みとして、約120項目のチェックリストで不具合の指摘を約15件から約5件に減らした品質の取り組みも書いています。
記入見本つきのWebディレクター向けテンプレートを見る

所属・経歴別:Webディレクターの職務経歴書の書き分け方

Webディレクターの書き分けは、「どこで働いてきたか」と「どこに応募するか」で考えます。制作会社では案件を着地させる力、事業会社では成果を伸ばし続ける力が重く見られるため、前に出す実績を選び直しましょう。

タイプ採用担当が見るポイント強調したい経験・数字
制作会社(受託制作)多様な案件を、予算・納期・品質を守って納める力担当件数、予算の幅、予定どおり公開した件数、粗利率
事業会社(自社サイト・EC)自社の数字を伸ばし、運用を回し続ける力KPIの変化、改善の回数、外注費・運用工数、社内の巻き込み
制作会社から事業会社へ受託の経験を、自社の成果づくりに活かせるか公開後の数字、運用提案、1つのクライアントに長く関わった経験
アシスタント・運用中心から任される範囲を広げてきたか対応件数、窓口を任された時期、主担当になった案件

制作会社(受託制作)のWebディレクター

制作会社の採用担当は、案件の量と幅、そして会社としての利益を守れるかを見ています。粗利率や見積もりの経験は、制作会社ならではの強みです。

職務経歴書に書きたいこと

  • 扱ったサイトの種類と予算の幅、年間の担当件数
  • 予定どおり公開した件数
  • 見積もり・粗利の管理、追加要望の扱い方

記入例

【担当】チーム5名の運営、見積もり・粗利の管理、大型案件の統括(年約6件)

ポイント

  1. 記入例のリーダー時代からの引用です。チームの人数と年間の件数で、任されている範囲がわかります。
  2. 「見積もり・粗利の管理」と書くことで、会社の利益まで責任を持っていることが伝わります。結果は【実績】の粗利率(計画30%に対し33%)で示しています。

よくある落とし穴

クライアント名や業界の有名企業を並べてしまうケースです。守秘義務の意識を疑われるうえ、規模は伝わりません。「製造業(従業員約3,000名)」のように、業種と規模で言い換えましょう。

事業会社(自社サイト・EC)のWebディレクター

事業会社では、1つのサイトを長く運用しながら数字を伸ばすことが仕事の中心になります。公開した件数よりも、改善を何回まわし、どの数字がどう変わったかが評価の軸です。

職務経歴書に書きたいこと

  • 担当サイトの種類と規模(社外に出せる範囲)
  • 追っていたKPIと、改善施策の前後の数字
  • 社内の部署・外部の制作会社など、調整した相手の範囲

記入例

※記入例とは別の架空例です

【担当】自社の住宅設備ECサイトの運用ディレクション(社内4部署の窓口、外部制作会社2社の管理)

【実績】商品ページの構成を見直す改善を年6回実施。スマートフォンのカート投入率を3.2%から4.1%に改善(改修前後3か月の比較)

ポイント

  1. 調整の相手と、改善の回数・数字がそろっています。
  2. 比べた期間を添えているので、季節要因などに左右されていない数字だと判断できます。

よくある落とし穴

依頼された更新をこなした量だけを書くケースです。「年300件の更新に対応」だけでは受け身に見えます。数字を見て自分から提案した改善を、1つは書きましょう。

制作会社から事業会社へ移る

事業会社の採用担当は、受託の経験が自社の成果づくりに活きるかを見ています。データで見たとおり、数字をもとに提案する力を示すのがポイントです。

職務経歴書に書きたいこと

  • 公開後の数字(問い合わせ数など)と、比べた期間
  • 公開後の運用・改善提案や、同じクライアントに長く関わった経験
  • 予算を「費用対効果」の視点で管理した経験

記入例

※記入例の事実だけを使い、事業会社向けに職務要約を書き換えた例です

Web制作会社で10年半、企業サイト・採用サイトの制作に携わり、Webディレクターとして約65件を担当してきました。部品メーカーのサイト刷新では製品ページと問い合わせ導線を設計し、月平均の問い合わせ数が約20件から約32件に増加しました(公開前後各1年の比較)。要件定義から公開・運用まで、予算と品質を管理しながら進めています。

ポイント

  1. 職務要約の最後の一文は、粗利率の代わりに工程と管理の範囲を書いています。
  2. 粗利率の代わりに公開後の数字を前に出し、成果まで考える人だと最初に伝えています。

よくある落とし穴

粗利率や受注件数ばかりを前に出すケースです。事業会社にとって、外部の会社の利益は評価の軸ではありません。粗利の管理は「予算内で着地させた経験」として書き、成果の数字を前に出しましょう。

アシスタント・運用中心の経験からステップアップする

アシスタントや更新・保守の担当が中心だった人も、任される範囲が広がった過程を書けば評価されます。任された時期と件数を書くのがポイントです。

職務経歴書に書きたいこと

  • 参加した案件の件数と、担当した作業
  • 窓口や主担当を任されるようになった時期と、対応件数

記入例

【担当】企業サイト・LPの制作進行の補佐(スケジュール表・議事録の作成、素材収集、表示確認)

【実績】3年間で約50件に参加。2年目から更新・保守の依頼(月約20件)の窓口を担当

ポイント

  1. 記入例のアシスタント時代からの引用です。参加件数と担当作業で、経験の量がわかります。
  2. 「2年目から窓口」と書くことで、任される範囲が広がったことが伝わります。

よくある落とし穴

アシスタントの経験を「ディレクター」としてまとめて書くケースです。面接で答えに詰まり、かえって評価を下げます。立場ごとに期間を分けて書きましょう。

あわせて読みたい:デザイナーの職務経歴書の書き方

2026年のWebディレクターとAI:職務経歴書にどう書くか

最初にお伝えしたいのは、AIの使い方や、AIの経験を求める度合いは応募先によって大きく違うということです。IPAの「DX動向2026」では、AIを導入している企業は従業員1,001人以上で8割近くにのぼる一方、101人以下では16.6%でした。受託制作では、クライアントとの契約で生成AIの利用が制限される案件もあります。

求人票に「生成AI」「AI活用」「AI機能」などの言葉があれば、使った場面と確かめ方まで詳しく書く価値があります。なければ、【取り組み】と使用ツール欄に1行ずつ添える程度で十分です。

2026年のWebディレクターで現実的なAIの使い方

Webディレクターの仕事は、打ち合わせと文書が多いのが特徴です。総務省の情報通信白書(令和8年版)でも、企業の生成AIの利用で多い業務は「議事録・メール作成補助」(約7割)でした。現実的な使い方には、次のようなものがあります。

使い方具体例人が確かめること
打ち合わせの記録議事録・ToDoの下書き、決定事項の整理決定事項・期日・担当者が合っているか
要件の整理ヒアリングメモから要件一覧のたたき台、確認漏れの観点出しクライアントと合意した内容か、抜けた要件はないか
原稿・構成のたたき台ページ構成案、見出し案、原稿の下書き事実・数字・表記ルール、クライアントの確認
AIを組み込んだ機能サイトのチャットボットや検索の要件定義回答の範囲、誤った回答への対応、評価の方法

どれも、AIに決めさせるのではなく、たたき台をつくらせて人が確かめ、決める使い方です。職務経歴書でも、この役割分担が伝わるように書きます。

書き方:使った業務・確かめ方・変わったことをセットで

AIの経験は「生成AIを活用」と書くだけでは伝わりません。何に使い、どう確かめ、何が変わったかの3つをセットで書きます。受託の仕事では、クライアントの情報をどう扱ったかも欠かせません。

× NG例

生成AIを積極的に活用し、ディレクション業務を効率化しました。

ここが惜しい

  1. どの業務に使ったのかがなく、進行・要件定義・原稿など、どこが変わったのかがわかりません。
  2. 出力をどう確かめたか、何を入力しなかったかがなく、クライアントの情報の扱いに不安が残ります。
  3. 「効率化」の中身が数字で示されておらず、効果を確かめられません。

○ OK例

【取り組み】社内ルールで認められた生成AIで議事録の下書きを作成(顧客名・個人情報は入力せず、自分で確認して共有)。1回約1時間から約20分に短縮

ここが評価される

  1. 使った業務を議事録の下書きに絞っていて、何に使ったかが具体的です。
  2. 社内ルールの範囲で使い、顧客名・個人情報を入れず、自分で確認したことまで書いています。
  3. 作成時間の変化で効果を示し、使用ツール欄の生成AIの行(議事録の下書き、1年半)とも内容がそろっています。

議事録は、ディレクターにとって合意の記録です。決定事項や期日が1つ違うだけで、追加費用や納期の争いにつながります。「自分で確認して共有」は、その責任を持っていることを示す一言です。

AIを組み込んだ機能の要件定義を担当した人は

サイトにAIのチャットボットや検索機能を組み込む案件では、ディレクターが要件定義を担うことがあります。AIの回答は毎回同じとは限らないため、何を決めたかを次の4つで書くと伝わります。

  • 回答の範囲:何について答え、何には答えないか(参照する情報の範囲)
  • 誤った回答への対応:答えられないときや誤りがあったときの案内先
  • 評価の方法:公開前にどんな質問で、どの基準で確かめたか
  • 情報の扱い:利用者が入力した個人情報をどう扱うか

記入例

※記入例とは別の架空例です

【実績】自社サイトの問い合わせ窓口へのAIチャットボット導入で要件定義を担当。回答の範囲を公開済みのFAQ約150件に限定し、答えられない質問は問い合わせフォームへ案内する仕様に。公開前に想定質問200件で回答を確認し、誤回答の基準を事業部と合意

ポイント

  1. 回答の範囲・誤回答時の案内・評価の方法がそろっています。
  2. 「AIを入れた」ではなく「どう安全に使える形にしたか」が書かれているので、要件定義の力として読めます。

実装をエンジニアが担った場合は、自分の担当が要件定義と評価だったことを分けて書きます。

生成した画像・原稿を制作物に使うときの確認

ディレクターは、制作物に生成AIの出力が入るかどうかを管理する立場でもあります。文化庁の「AIと著作権に関するチェックリスト&ガイダンス」(2024年7月)では、AIの生成物も、既存の作品との類似性と依拠性(既存の作品をもとにしたか)で著作権侵害かが判断されると整理しています。

生成画像を使う前の類似の確認、クライアントへの事前の了承、原稿の事実確認などを手順にしていたなら、それ自体が経験になります。個別の作品の権利の判断は、社内の法務担当や専門家に確認するのが基本です。

AIの経験を書くときの注意点

  • クライアントの未公開情報や個人情報を入力していないことがわかるように書く。公開前のサイトの内容や、問い合わせの個人情報は特に注意が必要です。
  • 社内ルールやクライアントとの契約の範囲で使ったことを前提に書く。ルールのない時期に、個人の判断で案件の資料を入れた経験は書かないほうが無難です。
  • AIの出力を自分で確かめたことを書く。チームで導入したツールを自分が導入したかのように書くなど、盛るのも避けます。

AIを使っていない・禁止の職場だった人は

受託制作では、クライアントとの契約や情報管理の理由から、生成AIを使えない職場も少なくありません。AIを使っていないことだけで評価が下がると考える必要はありません。Webディレクターの評価の中心は、今も案件の規模と、予算・納期・品質の結果です。

代わりに、進行や品質を効率化した工夫を書きましょう。見積もりやWBSのテンプレート化、課題管理ツールの運用ルールづくり、記入例の約120項目の公開前チェックリストなどです。どれも、AIを業務に取り入れるときにも必要になる「作業を仕組みにする」経験です。

実績の数字が書けないときの対処法

Webディレクターは、守秘義務などで成果の数字を書きにくいことがよくあります。成果の数字がなくても、「量」「進行」「範囲」「評価」の角度から書ける事実は見つかります。

制作会社で、公開後の数字を知らされていない

自分で把握できる進行の数字を書きます。担当件数、予定どおり公開した件数、制作期間などです。「同じクライアントから3年間継続して受注」のように、継続して依頼された事実も、仕事が評価されていた証拠になります。

予算や粗利率を社外に出せない

金額は「約3,000万円台」のように幅で示すか、「計画を上回る粗利率で着地」のように計画との比較で書きます。ページ数・体制の人数・期間は、金額を伏せても案件の大きさを伝えられる数字です。

更新・運用の担当で、大きな案件がない

記入例のアシスタント時代の「更新・保守の依頼(月約20件)の窓口を担当」のように、月あたりの対応件数と、任された時期で仕事の量を伝えます。

成果の数字が、広告など他の施策と混ざっている

自分が担った施策と、その時期を書いたうえで数字を添えます。「導線の見直しを担当(同時期に広告施策あり)」のように、ほかの要因を正直に書くと、かえって数字の信頼が高まります。

あわせて読みたい:アピールできる実績がない人の職務経歴書の書き方

提出前のチェックリスト

書き終えたら、提出前に次の項目を確認しましょう。

  • 職務要約に、所属・経験年数・担当件数・代表案件の規模と結果が入っている
  • アシスタントとディレクターなど、立場ごとに期間を分けて書いている
  • 代表案件は、業種・ページ数・予算・体制・期間・役割をそろえて書いている
  • 予定どおり公開した件数、粗利率、不具合の数など、進行の結果を数字で示している
  • 公開後の成果の数字に、比べた期間を添えている
  • AIの経験は、使った業務・確かめ方・効果を書き、社内ルールや情報管理に触れている
  • クライアント名や公開前の情報など、守秘義務に触れる内容を書いていない

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ブランク、転職回数、未経験…気になる事情があるなら、状況別の記入見本も


職種の書き方はこの記事で、事情の伝え方は状況別の記入見本で。2つを組み合わせれば、書きにくいところも迷わず書けます。

よくある質問

デザインやコーディングの経験も書いたほうがいいですか?

書いてかまいません。ただし、できる範囲を正直に添えましょう。記入例では「HTML/CSS(修正を指示できる程度)」と書いています。

「Webディレクター」と「プロジェクトマネージャー」、どちらの職種名で書けばいいですか?

職種名は、実際の肩書きをそのまま書くのが基本です。応募先の求人が「Webプロジェクトマネージャー」などの名称なら、職務要約で「要件定義から公開まで、予算・体制を管理」のように、仕事の中身が求人と重なることを示しましょう。

担当した案件が多く、A4・2枚に収まりません。

時期ごとに「サイトの種類・予算の幅・年間の件数」を1行にまとめ、代表案件だけを詳しく書きます。代表案件は、応募先に近い規模のものを2〜3件選びます。

Webディレクターにもポートフォリオは必要ですか?

求められないことも多いですが、求人票に記載があれば用意します。ディレクターは、担当した工程・体制・期間・結果を案件ごとにまとめた資料が役立ちます。公開済みの案件、またはクライアントの許可を得たものに限りましょう。

アシスタントの期間も、職務経歴に書くべきですか?

書きましょう。ディレクターの期間と分けて書くことで、任された年数が正確に伝わります。

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Author

佐藤 大貴

レジュメラボ編集責任者/アースダイバー代表

佐藤 大貴

人材紹介の会社で、キャリア系メディアの編集長をしていました。転職やキャリアをテーマにした記事づくりに長く関わり、2019年にアースダイバー株式会社を立ち上げました。編集長時代、たくさんの求職者の方やキャ…

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