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貿易事務の職務経歴書の書き方|採用担当に伝わる記入例と無料テンプレート

貿易事務の職務経歴書の書き方|採用担当に伝わる記入例と無料テンプレート

貿易事務の職務経歴書は、「輸出入に関する書類作成・通関手続きを担当」と書いて終わりがちです。けれども、同じ貿易事務でも、輸入か輸出か、扱う商品は何か、決済や為替まで任されていたかで、仕事の中身は大きく違います。採用担当が知りたいのは、どんな商品の、どの流れを、どれだけ正確に回してきたかです。

貿易事務は、お金と日付と法令が関わる仕事です。書類の1か所の食い違いが、通関の遅れや追加の費用につながります。だからこそ、件数とミスの少なさ、そして遅れを減らすために自分から変えたことを、数字で書けるかで書類の伝わり方が変わります。

この記事では、食品の輸入商社で約11年半、船積書類の確認や通関の手配、信用状(L/C)・為替予約の事務を担当してきた人の記入例をもとに、項目ごとの書き方と評価される理由を解説します。応募先別の書き分け方、AIの経験の書き方も紹介します。

この記事でわかること

  • 貿易事務の職務経歴書の完成イメージ(記入例)
  • データで読む、輸入食品の届出・違反と通関士試験
  • 件数・ミス・コストの実績を、OK例・NG例で書くコツ
  • 輸入商社・メーカー・通関業者など応募先別の書き分け方
  • 数字が書けないときの拾い方と、AIの経験の書き方

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貿易事務の職務経歴書の記入例

まずは完成イメージです。食品の輸入商社で、欧州チームで4年、アジア・南米チームで3年、輸入の貿易事務を担当し、現在は主任として課員4名と年約1,900件の輸入を取りまとめている人を想定しています。画像をタップすると拡大できます。

貿易事務の職務経歴書の記入例(食品の輸入商社11年半・主任)
貿易事務の職務経歴書の記入例(A4・2枚)

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データで読む:貿易事務は「件数」と「止めない正確さ」で読まれる

書き方に入る前に、輸入の現場を公表データで見ておきます。ここでは、記入例と同じ食品の輸入を例にします。3つの資料を重ねると、見えてくることは1つです。輸入の件数は多く、止まる原因は書類と事前の確認に集まっています。だから評価されるのは、多くの案件を、止めずに回してきたことを数字で示せる人です。

輸入食品の届出は年約250万件。2025年度は5年でいちばん多い

食品を輸入するときは、検疫所に食品等の輸入届出を出します。厚生労働省の「令和7年度における輸入食品監視指導計画に基づく監視指導結果」及び「輸入食品監視統計」の公表によると、2025年度の届出は約253万件でした。2021年度の約246万件から、2023年度の約235万件をはさんで、2025年度は5年でいちばん多くなっています。

食品等の輸入届出件数。2021年度約246万件、2022年度約240万件、2023年度約235万件、2024年度約247万件、2025年度約253万件
言いたいこと:輸入食品の届出は年約250万件で、2025年度は5年でいちばん多い(厚生労働省、2021〜2025年度)

出典:令和7年度における「輸入食品監視指導計画に基づく監視指導結果」及び「輸入食品監視統計」の公表(厚生労働省)(2026年8月28日公表。2021〜2024年度は各年度の公表資料)

届出に対する検査は、2025年度で214,030件でした。届出のおよそ12件に1件にあたります。検査の対象になれば、結果が出るまで貨物は動かせません。検査を見込んだ日程を組み、必要な書類を先にそろえておくことが、貿易事務の腕の見せどころです。

読み手の側から見ると、年間の件数は「どれだけの量を回せるか」を測る、いちばんわかりやすい物差しです。編集部の読みでは、件数は会社全体ではなく、自分が担当した件数とチームで取りまとめた件数を分けて書くのが正確です。記入例では「課全体の輸入 年約1,900件の進行管理(自身の担当は年約650件)」と、2つを分けています。

違反の原因は、微生物・添加物・残留農薬が上位

同じ資料によると、2025年度の輸入時の検査で見つかった食品衛生法違反は791件(延べ825件)で、届出件数の0.03%でした。原因別では、微生物規格が196件、添加物が169件、残留農薬が142件と続きます(監視指導結果の概要)。

輸入食品の違反の原因別件数(2025年度)。微生物規格196件、添加物169件、残留農薬142件、有害・有毒物質及び病原微生物118件、器具及び容器包装規格58件、腐敗・変敗48件、残留動物用医薬品15件、その他47件
言いたいこと:輸入食品の違反の原因は、微生物・添加物・残留農薬が上位(厚生労働省、2025年度)

出典:令和7年度における輸入食品監視指導計画に基づく監視指導結果の概要(厚生労働省)(2026年8月28日公表)

違反は1万件に3件ほどで、ほとんどの輸入は問題なく通っています。ただ、添加物や規格の違反は、輸入する前に原材料や製造方法を確かめておくことで防げるものも多くあります。輸入の現場では、仕入先から仕様書や証明書を取り寄せ、日本の基準に合うかを営業部や品質管理の担当と確かめる流れが一般的です。

編集部の読みでは、貿易事務の「正確さ」は、書類を作る段階よりも前、必要な情報を先に集める段取りで差がつきます。記入例の「仕入先向けに英文の書類作成の手引きを作成」は、相手に正しい書類を作ってもらう工夫です。ミスの件数を減らした話は、その前に何を変えたかとセットで書きましょう。

通関士試験の合格率は、直近5年で12〜24%台

貿易事務と関わりの深い国家試験が、通関士試験です。財務省の税関が公表している試験結果によると、2025年の第59回は受験者6,322人に対して合格者954人、合格率は15.1%でした。直近5年の合格率は、12.4%から24.2%の間で動いています。

通関士試験の合格率。2021年15.8%、2022年19.1%、2023年24.2%、2024年12.4%、2025年15.1%
言いたいこと:通関士試験の合格率は、直近5年で12〜24%台(財務省 税関、2021〜2025年)

出典:第59回通関士試験 試験結果(財務省 税関)(受験者数及び合格率等の推移)

貿易事務の求人では、通関士試験の合格は必須ではないことが多いものの、通関の流れを体系的に学んだ証明になります。持っている人は、正式な名前で資格欄に書きましょう。商社やメーカーで働く人は「通関士」ではなく「通関士試験 合格」と書くのが正確です(理由は後で説明します)。

一方で、試験に合格していなくても、実務の件数と正確さは十分な物差しになります。資格の有無よりも、どの手続きを何件、自分で回してきたかを書くことが先です。

まとめると、いまの貿易事務の職務経歴書では、件数を自分の分とチームの分に分けて書くこと、ミスを減らすために前段で変えたこと、手続きの知識の裏づけを書けるかで差がつきます。次は、採用担当が書類のどこを見ているかを確認します。

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採用担当が貿易事務の職務経歴書で見ている3つのこと

採用担当が確かめる3つのこと:どんな商品のどの流れを扱ってきたか、件数とミスの少なさ、関係者を動かして仕組みを変える力
この章のまとめ:採用担当が確かめる3つのこと

こうした変化と採用の現場でよく見られる傾向を踏まえると、貿易事務の採用担当は、書類から次の3つを確認しています。

  1. どんな商品の、どの流れを扱ってきたか輸入か輸出か、扱った商品と相手の国・仕入先の数。船積書類の確認から通関の手配、決済・為替の事務まで、どこからどこまでを自分で担当していたかを最初に確認します。
  2. 件数と、ミスの少なさ年に何件の輸出入を扱い、書類の不備やディスクレパンシー、通関の遅れがどう変わったか。お金と日付と法令に関わる仕事なので、量をこなしながら正確さを保てるかが重く見られます。
  3. 関係者を動かして、仕組みを変える力通関業者・検疫所・銀行・仕入先・営業部のあいだに立ち、遅れやコストにどう対応してきたか。手順や管理の方法を自分から変えた経験があると、任せられる範囲が広い人だと伝わります。

3つとも、答えになるのは「正確に対応した」という姿勢ではなく、商品・件数・前後の数字という事実です。確かめられる形で書きましょう。

項目別の書き方:OK例とNG例の違い

ここからは項目ごとに、NG例とOK例を並べて解説します。OK例は記入例からの引用です。貿易事務で特に差がつくのは、職務経歴の担当ごとの書き方と、書類・通関・決済の実績です。

職務要約:商品・輸入/輸出の別・担当業務・件数を3〜5行で

職務要約は、採用担当が最初に読む部分です。経験年数に加えて、扱った商品と、輸入・輸出のどちらかを最初に書きます。食品・機械・化学品では、必要な届出や許可が違うためです。

× NG例

大学卒業後、商社に入社し、貿易事務として書類作成や通関手続き、海外とのメール対応などを幅広く担当してまいりました。英語力を活かし、正確でスピーディーな事務処理を心がけております。

ここが惜しい

  1. 何を扱う商社で、輸入と輸出のどちらなのかがわからず、応募先の業務に近いかを判断できません。
  2. 年間の件数や担当した書類の種類がなく、仕事の量と範囲が伝わりません。
  3. 「正確でスピーディー」を示す数字(ミスや遅れの件数)がありません。

○ OK例

大学(外国語学部)卒業後、2015年4月に食品の輸入商社である株式会社サンプル物産に入社し、約11年半、輸入の貿易事務に従事してまいりました。船積書類の確認、通関業者・検疫所への手配、信用状(L/C)の開設、為替予約の事務を担当し、現在は主任として課員4名と年約1,900件の輸入を取りまとめています。(後略)

ここが評価される

  1. 「食品の輸入商社」「輸入の貿易事務」と、商品と流れが最初にわかります。
  2. 書類・通関・L/C・為替予約と、担当した範囲を具体的に並べています。
  3. 年約1,900件・課員4名と、仕事の量と立場を数字で示しています。

記入例では、職務要約の最後に「書類の不備による通関の遅れを年31件から5件に減らしました」と代表的な成果を1文添えています。職務経歴を読む前に、強みが伝わります。

職務経歴:担当が変わるごとに「地域・商品・件数・取り組み」をそろえる

職務経歴は、担当の地域や商品が変わるたびに行を分けます。どの行にも国・商品・年間の件数をそろえると、経験の広がりが読み取りやすくなります。下の画像の3つのポイントを押さえましょう。

貿易事務の職務経歴の書き方のポイント
職務経歴の書き方のポイント

× NG例

輸入業務全般を担当。船積書類の作成・確認、通関業者とのやりとり、L/C関連業務、為替予約などを行いました。ミスのない業務を心がけ、上司からも信頼を得ました。

ここが惜しい

  1. 「全般」では、どの地域・商品を、年に何件扱ったのかがわかりません。
  2. L/Cや為替予約を「関連業務」とまとめると、どこまで自分で行ったのかが読み取れません。
  3. 「ミスのない」「信頼を得た」は自己評価で、確かめられる事実になっていません。

○ OK例

【担当】中国・タイ・ベトナム・チリからの冷凍野菜・水産品の輸入事務(年約600件)。信用状(L/C)の開設依頼・条件変更(年約70件)、検査命令・自主検査の手配

【取り組み】仕入先向けに英文の書類作成の手引きを作成。L/Cの条件と船積書類の不一致(ディスクレパンシー)を年19件から4件に(2021年度)

ここが評価される

  1. 国・商品・年間の件数があり、担当の規模がひと目でわかります。
  2. L/Cは「開設依頼・条件変更」と、自分で行った範囲を件数つきで書いています。
  3. ディスクレパンシーという貿易事務ならではのミスを、件数の変化で示しています。

L/Cや為替予約は、会社によって貿易事務が担う範囲が違います。開設の判断は営業部や財務部、実際の依頼や締結の手続きは貿易事務、という分担もよくあります。「L/C関連業務」とまとめず、自分が行った手続きを動詞で書くと、任せられる範囲が正しく伝わります。記入例の「為替予約の締結事務(営業部の依頼で取引銀行と締結、月約40件)」は、判断する人と手続きする人の分担まで読み取れます。

取引先名・品名・単価は書かない

仕入先や販売先の社名、具体的な品名や単価、取引条件は、勤務先の営業上の情報です。国・商品の種類・社数・件数で書けば、規模は十分に伝わります。

書類・通関・決済の実績:「何を変えて・何件から何件に」で書く

貿易事務ならではの実績が、書類・通関・決済です。データの章で見たとおり、輸入が止まる原因の多くは、書類と事前の確認にあります。何を変えたかと、前後の件数をセットで書くと、仕組みで正確さを保てる人だと伝わります。

× NG例

書類のチェック体制を強化し、通関トラブルの削減に貢献しました。EPAの活用によりコスト削減も実現しました。

ここが惜しい

  1. 何をどう変えたのかがわからず、応募先でも同じことができるのかを判断できません。
  2. 「削減に貢献」「コスト削減」に件数や金額がなく、効果の大きさが伝わりません。
  3. EPAを誰と、どんな手順で使えるようにしたのかが書かれていません。

○ OK例

案件ごとに書類を1つのフォルダと一覧表で管理し、通関業者と共有。課全体で、書類の不備による通関の遅れを年31件(2021年度)から5件(2025年度)に

日EU・EPAの協定税率を使える品目を営業部・通関業者と洗い出し、仕入先に原産品申告書の作成を依頼。適用品目を6品目から21品目に広げ、関税を年約2,800万円削減(2024年度)

ここが評価される

  1. 変えたこと(管理方法・洗い出し)と結果(件数・金額)がセットになっています。
  2. 年度を添えた「前→後」の数字で、効果の大きさを正しく読めます。
  3. 営業部・通関業者・仕入先と、誰を動かしたのかがわかります。

EPA(経済連携協定)の活用は、関税という目に見えるコストを下げる取り組みです。協定税率を使うには、原産地の条件を満たすことを示す書類が必要で、仕入先・営業部・通関業者の協力が欠かせません。削減額だけでなく、誰と何を洗い出したかまで書くと、調整の力も伝わります。

「通関士」と「通関士試験 合格」は書き分ける

通関士は、通関士試験に合格し、勤務する通関業者を通じて財務大臣の確認を受けた人の呼び名です。商社やメーカーで働いている人は、資格欄に「通関士試験 合格」と書くのが正確です。

通関士試験の合格は、通関の知識を学んだ確かな証明です。税関の試験案内によると、2025年の第59回は10月5日に試験が行われ、11月11日に合格者が発表されました。資格欄には合格した年月と回を添えると、確かめやすくなります。

活かせる経験・知識・スキル:地域・商品・手続き・仕組みづくりから3つに絞る

職務経歴の中から、応募先で使える経験を3つに絞って箇条書きにします。システムや語学の細かい内容は業務知識・PCスキル欄に任せ、ここでは何を任せられるかを書きます。

× NG例

・貿易の知識

・英語力

・正確な事務処理能力

ここが惜しい

  1. 「貿易の知識」は範囲が広く、輸入・輸出、どの商品の手続きに詳しいのかがわかりません。
  2. 英語はどんな場面で何年使ってきたのかがないと、実務で使えるかを判断できません。
  3. どれも職務経歴の数字と結びついておらず、何を任せられるかが伝わりません。

○ OK例

・食品の輸入事務11年半(欧州・アジア・南米の9か国。書類・通関・食品の届出と検査の手配)

・信用状(L/C)と為替予約の事務(L/C 年約70件、為替予約 月約40件)

・書類の不備を減らす仕組みづくり(照合の手順、共有の一覧表、仕入先向けの手引き)

ここが評価される

  1. 地域・商品・年数があり、応募先の取引に近いかをすぐに判断できます。
  2. 決済と為替の事務を件数つきで書き、任せられる範囲がわかります。
  3. 3つ目で仕組みづくりを挙げ、作業だけでなく改善もできる人だと伝わります。

英語は、点数よりも「どんな場面で何年使ってきたか」が伝わる書き方が役に立ちます。記入例では業務知識・PCスキル欄に「仕入先・海外の検査機関とのメール、英文書類の確認。11年半」と書き、資格欄のTOEICの点数と組み合わせています。

自己PR:強みは2つまで。「原因 → 変えたこと → 結果」の順で

自己PRは、遅れやミスの原因をどう見つけ、何を変え、どうなったかの順に書きます。貿易事務の自己PRは「急な変更にも残業して対応した」という頑張りの話になりがちですが、採用担当が知りたいのは、同じことが起きにくい仕組みを作れるかです。

× NG例

私の強みは責任感です。急な船積みの変更にも残業して対応し、どんなに忙しくても期限を守ってきました。

ここが惜しい

  1. 頑張った話だけで、仕事のやり方をどう変えたのかが書かれていません。
  2. 期限を守った結果、何がどう良くなったのかが数字で示されていません。

○ OK例

書類の不備を、仕組みで減らす力

通関や届出の遅れの多くは、書類どうしの記載の食い違いや証明書の不足が原因です。案件ごとに書類を1つのフォルダと一覧表で管理し、通関業者と同じ表を見て進める形に改め、課全体で書類の不備による通関の遅れを年31件から5件に減らしました。

ここが評価される

  1. 遅れの原因を自分で分析し、仕組みで解決したことがわかります。
  2. 通関業者と同じ表を見る、という具体的なやり方が、応募先でも再現できそうだと伝わります。
  3. 記入例では2つ目の強みとして、EPAの活用による関税の削減を書いています。
貿易事務の職務経歴書の記入見本つきテンプレート

応募先別:貿易事務の職務経歴書の書き分け方

応募先ごとに前に出すこと:同じ業界の輸入商社、メーカーの貿易事務(輸出)、フォワーダー・通関業者、外資系・英語を多く使う職場
この章のまとめ:応募先ごとに前に出すこと

貿易事務の転職先は、商社だけではありません。メーカーの輸出部門、フォワーダー(国際物流会社)や通関業者、外資系企業など、立場によって求められることが変わります。どの応募先でも共通するのは、商品・流れ・件数の3つをそろえて書くことです。まずは表で全体像を確認しましょう。

応募先採用担当が見るポイント前に出すこと
同じ業界の輸入商社すぐに担当の地域・商品を任せられるか商品に関わる手続き(届出・検査・EPA)と年間の件数
メーカーの貿易事務(輸出)輸入の経験を、輸出の書類と調整に置き換えられるか書類の正確さ、営業・工場・物流との調整
フォワーダー・通関業者多くの荷主の案件を、期限どおりに回せるか通関の流れの知識、件数と段取り、通関業者とのやりとり
外資系・英語を多く使う職場英語で海外とやりとりし、社内に伝えられるか英語を使う場面と年数、海外とのやりとりの件数

同じ業界の輸入商社へ

同じ商品の経験者は、すぐに担当を任せられるかを見られます。採用担当は、商品に関わる手続きの知識と、回してきた件数を確かめます。

職務経歴書に書きたいこと

  • 扱った商品と仕入先の国・社数
  • 食品の届出・検査、EPAなど、商品に関わる手続きの経験
  • 年間の件数と、ミスや遅れの「前→後」

記入例

【担当】中国・タイ・ベトナム・チリからの冷凍野菜・水産品の輸入事務(年約600件)。信用状(L/C)の開設依頼・条件変更(年約70件)、検査命令・自主検査の手配

ポイント

  1. 記入例の書き方です。国・商品・件数に加えて、検査の手配まで書いているので、食品の輸入にすぐ入れる人だと伝わります。
  2. L/Cは件数つきで書き、決済の事務も任せられることを示しています。

よくある落とし穴は、商品の専門用語や社内の呼び方のまま書くケースです。同業でも会社ごとに呼び方は違うため、一般的な名前で書きましょう。

メーカーの貿易事務(輸出)へ

輸入の経験者がメーカーの輸出部門に応募するケースです。書類の種類や流れは逆向きになりますが、インボイスやパッキングリストの正確さ、関係者との調整は共通です。採用担当は、輸入で身につけた正確さを輸出でも発揮できるかを確かめます。

職務経歴書に書きたいこと

  • 作成・確認した書類の種類と件数
  • 社内の営業・工場・物流と調整した経験
  • 書類の不備やミスを減らした「前→後」の件数

記入例

※記入例とは別の架空例です

【担当】産業用ポンプの輸出書類の作成(インボイス・パッキングリスト・原産地証明書の申請、月約60件)。工場の出荷予定とフォワーダーの船積み予約を調整

【取り組み】出荷前の書類の読み合わせ手順を作り、書類の訂正を月8件から2件に

ポイント

  1. 書類の種類と件数を書いているので、輸出の書類を一通り任せられることがわかります。
  2. 工場とフォワーダーの間に立つ調整の経験は、メーカーの輸出で重く見られます。

よくある落とし穴は、輸入の経験を「輸出にも応用できます」と一言で済ませるケースです。書類の正確さや調整の経験など、共通する部分を具体的に書きましょう。

フォワーダー・通関業者へ

フォワーダーや通関業者は、多くの荷主の案件を同時に扱います。採用担当は、通関の流れの知識に加えて、たくさんの案件を期限どおりに回す段取りを確かめます。荷主側の経験は、相手の事情がわかる人として評価されやすい経験です。

職務経歴書に書きたいこと

  • 年間の件数と、同時に抱えていた案件の数
  • 通関業者とのやりとりで工夫したこと
  • 通関士試験の合格(あれば)

記入例

案件ごとに書類を1つのフォルダと一覧表で管理し、通関業者と共有。課全体で、書類の不備による通関の遅れを年31件(2021年度)から5件(2025年度)に

ポイント

  1. 記入例の書き方です。通関業者と同じ表を見て進めた経験は、受け手の側に移っても活かせます。
  2. 荷主側から見た「遅れの原因」を知っていることが、そのまま強みになります。

よくある落とし穴は、通関士試験に合格していることだけを前に出すケースです。実務の件数と段取りがあってこそ、資格の重みが伝わります。

外資系・英語を多く使う職場へ

外資系企業や、海外の本社・取引先と英語でやりとりする職場では、英語を使う場面と量が問われます。採用担当は、英語で正確にやりとりし、社内に伝えられるかを確かめます。

職務経歴書に書きたいこと

  • 英語を使った場面(メール・Web会議・英文書類)と年数
  • 海外とのやりとりの件数や相手の国の数
  • 英語で作った手引きや資料の例

記入例

【取り組み】仕入先向けに英文の書類作成の手引きを作成。L/Cの条件と船積書類の不一致(ディスクレパンシー)を年19件から4件に(2021年度)

ポイント

  1. 記入例の書き方です。英語で手引きを作り、相手の書類の質を上げた経験は、英語を「使って成果を出した」例になります。
  2. 点数だけでなく、英語で何を変えたかが伝わります。

よくある落とし穴は、TOEICの点数だけで英語力を示すケースです。業務の中で英語を使った場面と結果を、行を分けて書きましょう。

2026年の貿易事務とAI:職務経歴書にどう書くか

貿易事務がAIの経験を書くときに入れること:使った業務、入れなかった情報、確かめ方、使っていない職場なら
この章のまとめ:貿易事務のAIの経験、書くときに入れること

最初にお伝えしたいのは、AIの使い方や、AIの経験を求める度合いは、応募先によって大きく違うということです。IPAの「DX動向2026」では、AIを導入している企業は従業員1,001人以上で8割近くにのぼる一方、101人以下では16.6%でした。大手の総合商社と、少人数の輸入商社とでは事情がまったく違います。

AIを使った経験がないからといって、書類選考で不利になると考える必要はありません。まずは求人票に「生成AI」「AIツール」などの言葉があるかを確認しましょう。記載があれば具体的に書き、なければ業務知識・PCスキル欄に1行添える程度で十分です。

貿易事務で現実的なAIの使い方

IPAのプレス発表では、AIの用途として「文書・音声の要約、翻訳、校正」(82.5%)が最も多く挙がっています。英文の書類やメールが多い貿易事務は、この使い方と相性のよい仕事です。

使い方具体例自分で確かめること
英文の読み取り仕様書・証明書・契約書の要点の整理数字・品名・条件は原本と照合する
メールの下書き仕入先への書類の依頼、船積み日の確認取引条件や金額を入れていないか
手引きづくり仕入先向けの書類作成の手引きの英文の下書き社内の担当者が内容を確認する
調べもの手続きの流れを学ぶときの最初の手がかり税関・検疫所など公的な情報で確かめる

貿易事務ならではの注意点は、通関や届出に出す書類の中身は、必ず原本と自分の目で確かめることです。品名や数量、原産地の1か所の誤りが、通関の遅れや追加の費用につながります。

書き方:「何の業務で・どう使い・どう確かめたか」

「生成AIを活用」とだけ書いても、何ができるのかは伝わりません。記入例では業務知識・PCスキル欄に1行で書いています。

× NG例

生成AIを活用し、英文書類の作成を効率化しました。

ここが惜しい

  1. 通関に出す書類をAIで作ったと読めるため、内容を確かめていたか、かえって心配されます。
  2. どの業務に、どう使ったのかがわかりません。

○ OK例

生成AI:英文の仕様書・証明書の要点整理(2025年4月〜。社内で認められたツールで、原本と照合)

ここが評価される

  1. 「要点の整理」と、使った範囲が具体的です。
  2. 「社内で認められたツール」「原本と照合」で、ルールと確認の方法が伝わります。

AIの経験を書くときの注意点

  • 取引先名・単価・取引条件・個人の情報を入力しない。勤務先の営業上の情報です。
  • 会社が認めたツールを、社内ルールの範囲で使ったことを前提に書く。
  • AIの出力をそのまま使わず、原本や公的な情報で確かめたことを書く。
  • 盛らない。数回試しただけの経験を「活用」と書くと、面接で詳しく聞かれたときに答えに困ります。

AIを使っていない・禁止の職場だった人は

取引の情報を扱う貿易事務では、生成AIの利用を限っている職場も少なくありません。ルールに従ってきたこと自体が、情報を預かる仕事として大切な姿勢です。

代わりに、仕組みで仕事を変えた経験を書きましょう。記入例の「案件ごとに書類を1つのフォルダと一覧表で管理し、通関業者と共有」のように、管理の方法を変えて遅れを減らした経験は、AIと同じく「仕事のやり方を自分で変えられる力」を示します。

実績の数字が書けないときの対処法

数字が書けないときに拾う4つの切り口:件数、範囲、正確さ、速さ
この章のまとめ:数字が書けないときは4つの切り口から拾う

貿易事務は、売上のような数字を持たないため、「書ける実績がない」と感じる人も多い仕事です。件数・範囲・正確さ・速さの4つの切り口で探すと、書ける数字はたいてい見つかります。

件数を数えたことがない

基幹システムの輸入データや、通関業者からの請求の明細から、年間・月間の件数を数えられます。
例:「年約400件(欧州5か国、仕入先 約20社)」
正確な数がわからないときは「約」をつけ、数え方を面接で説明できるようにしておきましょう。

ミスや遅れの記録がない

記録がなくても、「0件を継続」や、差し戻しが減った手応えを、わかる範囲で書けます。
例:「為替予約の実行漏れ・二重の予約 0件を継続(2022年度〜)」
これから転職を考える人は、いまから差し戻しや遅れの件数をメモしておくと、次の書類で使えます。

書類の作成だけを担当していた

担当が狭くても、扱った書類の種類と件数で正確さを示せます。
例:「インボイス・パッキングリスト・原産地証明書の作成(月約60件)」
通関や決済に関わっていない場合は、関わった範囲を正直に書き、学んでいることを添えましょう。

取引先名や金額を出せない

取引先は国・業種・社数で、金額は割合や件数で書きます。
例:「欧州5か国の仕入先 約20社」「関税を年約2,800万円削減」
金額も出せない場合は「適用品目を6品目から21品目に」のように、品目数の変化で書けます。

履歴書の学歴欄、入学・卒業の年で迷ったら

生年月日を選ぶだけで、入学・卒業の年月を和暦・西暦で計算し、学歴欄をそのまま作れます。早生まれ・浪人・留年にも対応しています。

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提出前のチェックリスト

提出前に確かめる7つのこと
この章のまとめ:提出前に確かめる7つのこと

書き終えたら、提出前に次の項目を確認しましょう。

  • 職務要約に、経験年数・商品・輸入/輸出の別・担当業務・件数・立場が入っている
  • 担当が変わるごとに行を分け、地域・商品・年間の件数を書いている
  • L/C・為替予約・届出・検査など、自分で行った手続きの範囲と件数がわかる
  • ミスや遅れは、年度を添えて「前→後」の件数で書いている
  • 取引先名・品名・単価など、勤務先の営業上の情報を書いていない
  • 資格は正式名称で書き、通関士は「通関士試験 合格」と書き分けている
  • 生成AIは使った業務と確認の方法を書き、A4で2枚程度に収まっている

最後に、職務要約・職務経歴・自己PRで同じ数字(年間の件数、遅れの件数、削減額など)を使っている箇所を読み合わせ、食い違いがないかを確かめましょう。

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よくある質問

貿易事務に、通関士の資格は必要ですか?

必須とする求人は多くありませんが、通関の流れを体系的に学んだ証明になります。合格している場合は、資格欄に「通関士試験 合格」と年月・回を書きましょう。通関士は、通関業者で財務大臣の確認を受けた人の呼び名のため、商社やメーカーで働いている人は「通関士試験 合格」と書くのが正確です。

英語力はどう書けばいいですか?

点数に加えて、英語を使った場面と年数を書きます。「仕入先とのメール」「英文書類の確認」「Web会議」など場面を具体的にし、英語で手引きを作ったなど成果につながった例があれば職務経歴に書きましょう。

輸出の経験しかなくても、輸入の貿易事務に応募できますか?

できます。書類の正確さ、期限の管理、通関業者やフォワーダーとのやりとりは共通です。輸入で必要になる届出や検査、決済の知識は、学んでいることを添えて前向きに書きましょう。

派遣社員として貿易事務をしていた経験は、どう書きますか?

派遣先の会社名と業種、担当した商品・書類・件数を、正社員の経歴と同じ形で書きます。雇用形態は会社の行に「派遣社員(派遣元:〇〇)」と書いておくと、読み手が迷いません。

AIを使った経験がないと、転職で不利になりますか?

AIの活用をどの程度求めるかは応募先によって大きく違い、経験がないことだけで不利になるとは限りません。書類の管理方法の見直しなど、仕組みで仕事を変えた経験を数字とともに書きましょう。

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Author

佐藤 大貴

レジュメラボ編集責任者/アースダイバー代表

佐藤 大貴

人材紹介の会社で、キャリア系メディアの編集長をしていました。転職やキャリアをテーマにした記事づくりに長く関わり、2019年にアースダイバー株式会社を立ち上げました。編集長時代、たくさんの求職者の方やキャ…

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