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介護職の職務経歴書の書き方|採用担当に伝わる記入例と無料テンプレート

介護職の職務経歴書の書き方|採用担当に伝わる記入例と無料テンプレート

介護職の職務経歴書で評価されるのは、「どんな施設で、どんな状態の利用者を、何人、どんな体制で支えてきたか」が具体的に伝わるかどうかです。「特別養護老人ホームで介護業務全般を担当」と書くだけでは、施設長や管理者には経験の中身が見えません。

介護職には、売上のような目に見える数字はありません。そのかわりに、施設の種別と定員、利用者の要介護度、担当する人数、夜勤の回数、委員会での役割など、経験を具体的に示せる材料がたくさんあります。

この記事では、ユニット型特別養護老人ホームで約8年半働く介護福祉士の記入例をもとに、項目ごとの書き方と、なぜそう書くと評価されるのかを解説します。入所系・通所系・訪問系・未経験からの応募など、施設・サービス別の書き分け方も紹介します。

この記事でわかること

  • 介護職の職務経歴書の完成イメージ(記入例)
  • 公的データから見た、介護職の転職市場と採用側が求めるもの
  • 項目別の書き方と、OK例・NG例の違いの理由
  • 施設・サービス別の書き分け方と、数字が書けないときの対処法
  • 見守りセンサー・介護記録ソフトなど介護テクノロジーやAIに関わった経験の書き方(経験がない場合も)

無料テンプレート

介護職の職務経歴書、記入見本つきのテンプレートがあります

この記事の記入例と同じ形式で、Word・Excel・PDFの3形式。空欄のテンプレートと記入見本がセットになっています。

介護職の職務経歴書の記入例

まずは完成イメージです。飲食店で2年働いたあと介護職に転じ、ユニット型特養で約8年半、介護職員からユニットリーダーへと役割を広げてきた人を想定しています。画像をタップすると拡大できます。

介護職の職務経歴書の記入例(ユニット型特養・約8年半)
介護職の職務経歴書の記入例(A4・2枚)

この記入例と同じ形式のテンプレートを無料で用意しています。Word・Excel・PDFの3形式で、それぞれ空欄テンプレートと記入見本の2点セットです。

データで見る:介護職の転職で、職務経歴書が大切な理由

書き方の前に、介護職の転職市場と、採用する側が転職者に何を求めているのかを公的な調査データで確認しておきましょう。職務経歴書で何を伝えるべきかが見えてきます。

介護職の求人は全職業の3倍以上。施設は「自分の施設に合う人」を探している

厚生労働省の職業別の統計(一般職業紹介状況)では、「介護サービス職業従事者」の有効求人倍率は2026年8月時点で3.89倍でした。ハローワークで仕事を探す人1人に対して、約3.9件の求人がある計算です。全職業の1.06倍と比べると、3倍以上の水準です。

介護サービス職業従事者の有効求人倍率と全職業の比較(厚生労働省 一般職業紹介状況 2026年8月)
介護職の有効求人倍率(2026年8月)

出典:一般職業紹介状況(令和8年8月分)参考統計表(厚生労働省)

パートを除く常用の求人に限っても3.50倍です(いずれもハローワーク経由の数字です)。介護労働安定センターの「介護労働実態調査」でも、介護職員が「不足している」と答えた事業所は69.8%、訪問介護員では82.9%にのぼりました。ただし、人手が足りないからといって誰でもよいわけではありません。施設長や管理者は、自分の施設の利用者や働き方に合う人かを書類で見極めようとします。選択肢が多い職種だからこそ、応募先に合わせて経験を書き分けることが大切です。

採用理由は「欠員の補充」が最多。次いで「経験を活かした即戦力」

厚生労働省が2026年9月に公表した「転職者実態調査」では、事業所が転職者を採用した理由を職種の区分ごとに調べています。介護職は「サービスの仕事」の区分に入ります。この区分には、飲食物の調理・接客や理容・美容なども含まれる点に注意してください。

サービスの仕事で転職者を採用した理由(厚生労働省 令和7年転職者実態調査)
サービスの仕事で転職者を採用した理由

出典:令和7(2025)年転職者実態調査の概況(厚生労働省) 表4

最も多いのは「離職者の補充のため」(60.8%)で、次いで「経験を活かし即戦力になる」(41.7%)、「職場への適応力がある」(31.6%)が続きます。欠員を埋めるための採用だからこそ、入職後すぐに現場の一員として動けるかが問われていると考えられます。

職務経歴書への落とし込み方

即戦力は「施設種別と利用者の要介護度」「担当人数」「夜勤の回数と1人で見る人数」「経験した介助の内容」で示します。適応力は、異動や行事・委員会など、新しい役割を引き受けてきた経験で伝わります。

離職率は12.4%に低下。採用側は「長く働いてくれるか」も見ている

同じ「介護労働実態調査」によると、訪問介護員と介護職員を合わせた離職率は、令和7年度の調査で12.4%でした。令和3年度調査の14.3%から下がり、2年続けて12.4%となっています。一方、採用率は14.6%で、毎年一定の人が入れ替わっていることもわかります。

訪問介護員・介護職員の離職率の推移(介護労働安定センター 介護労働実態調査)
介護職の離職率の推移

出典:令和7年度 介護労働実態調査 結果の概要(介護労働安定センター) 図表1-1-1

施設にとって、採用した職員がすぐに辞めてしまうことは、利用者のケアにも、残る職員の負担にも響く大きな問題です。データから直接言えるのは採用率と離職率の推移までですが、採用の現場では「この人は長く働いてくれるか」もあわせて見られている、とよく言われます。

職務経歴書への落とし込み方

同じ法人で役割を広げてきた経緯や、係・委員会を続けて担当してきたことは、定着と成長を示す材料になります。転職理由は前向きな言葉で、応募先で取り組みたいことと結びつけて書きましょう。

介護職の職務経歴書テンプレートを無料でダウンロード

施設長・管理者が介護職の職務経歴書で見ている3つのこと

ここまでのデータと、介護職の採用でよく見られる傾向を踏まえると、施設長や管理者は書類を読みながら次の3つを確認しています。どの項目を書くときも、このどれかが伝わるかを意識しましょう。

  1. 経験の中身どの種別の施設・サービスで、どんな要介護度の利用者を、何人、どんな体制で支えてきたか。
  2. 安全とチームへの意識事故防止・感染対策・身体拘束廃止などの委員会や、リーダーとして職員をまとめた経験があるか。
  3. 自施設との近さ経験してきた介護が、応募先の利用者像・夜勤体制・サービスの形とどれだけ近いか。

項目別の書き方:OK例とNG例の違い

ここからは項目ごとに、NG例とOK例を並べて解説します。同じ経験でも、書き方ひとつで施設長の受け取り方は大きく変わります。

職務要約:3〜5行で経歴の全体像を伝える

職務要約は、施設長や管理者が最初に読む部分です。経験年数・施設の種別と規模・担当してきた介護・役割・資格を3〜5行にまとめます。ここで自分の施設に合いそうだと思ってもらえるかが、続きを読んでもらえるかを左右します。

× NG例

大学卒業後、飲食店勤務を経て介護の仕事に就きました。利用者様一人ひとりに寄り添い、笑顔で過ごしていただけるよう心がけて業務に取り組んでまいりました。

ここが惜しい

  1. 施設の種別や規模、利用者の要介護度が書かれていないため、どんな介護を経験してきたのかがわかりません。
  2. 「寄り添う」「笑顔」は介護職の多くが大切にしている姿勢です。それだけでは、ほかの応募者との違いが伝わりません。
  3. 経験年数や資格が書かれておらず、任せられる仕事の範囲を判断できません。

○ OK例

大学卒業後、飲食店のホール業務を2年間経験し、2018年4月に社会福祉法人サンプル福祉会に入職しました。ユニット型特別養護老人ホーム(定員100名)で約8年半、身体介護と夜勤を担当しています。2022年度からはユニットリーダーとして職員7名のシフト作成と新人指導を担い、事故防止委員として転倒事故の削減に、推進担当として見守りセンサーの導入に取り組みました。介護福祉士。

ここが評価される

  1. 「ユニット型特養・定員100名」で、どんな施設で働いてきたかが一目で伝わります。
  2. リーダー・委員会・機器の導入と、役割を広げてきた流れがわかります。
  3. 最後に資格を添えることで、介護福祉士として任せられる仕事の範囲が伝わります。

職務経歴:施設の概要と、担当人数・夜勤を数字で書く

職務経歴は、介護職の職務経歴書でいちばん重要な項目です。下の画像の3つのポイントを押さえると、同じ経験でも伝わり方が大きく変わります。

介護職の職務経歴の書き方のポイント(注釈付き)
職務経歴の書き方のポイント

介護職の場合、まず施設の概要(施設種別・定員・平均要介護度・夜勤体制)を書きます。同じ特養でも、従来型とユニット型、平均要介護度が3台か4台かで、介護の内容や忙しさが大きく違うためです。そのうえで、特に差がつくのが担当と夜勤の書き方です。

× NG例

特別養護老人ホームにて介護業務全般を担当。夜勤あり。

ここが惜しい

  1. 「介護業務全般」では、どんな介助を経験したのかがわかりません。施設長は、自分の施設で任せられる仕事を判断できません。
  2. 「夜勤あり」だけでは、月に何回、何人を1人で見ていたのかが伝わりません。

○ OK例

【担当】1ユニット(入居者10名、要介護3〜5)
【夜勤】月4〜5回(2ユニット・入居者20名を1名で担当)
【主な業務】食事・入浴・排泄の介助、移乗・体位変換、口腔ケア、認知症の入居者への個別対応、介護記録の作成

ここが評価される

  1. 担当人数と要介護度で、どの程度の重さの介護を日常的にこなしてきたかが具体的に伝わります。
  2. 夜勤の回数と1人で見る人数があると、夜勤に入れる即戦力かどうかを判断できます。
  3. 介助の内容を具体的に並べているので、応募先でそのまま任せられる仕事がわかります。

役割と取り組みは「結果」まで書く

「事故防止委員」だけでなく「ユニットの転倒事故を9件から4件に減らした」、「見守りセンサーの導入を担当」だけでなく「巡視にかかる時間が約3時間から約1時間半に減った」のように結果まで書くと、役割の重みが伝わります。

利用者の個人情報は絶対に書かない

エピソードを書くときは、利用者の氏名・イニシャル・年齢と病名の組み合わせ・入居時期など、個人が特定できる情報は書きません。「認知症のある入居者」「80代の利用者」程度の一般的な表現にとどめましょう。家族とのやり取りや事故の詳細も同じです。個人情報への配慮も、介護職として評価される点の一つです。

活かせる経験・知識・スキル:応募先で使えるものを3つに絞る

経験したことを全部並べるのではなく、応募先の施設・サービスで使えるものを3つ程度に絞って箇条書きにします。

× NG例

・介護経験8年
・コミュニケーション能力
・チームワーク

ここが惜しい

  1. 「介護経験8年」は職務経歴を読めばわかるため、ここで書く意味がありません。
  2. 「コミュニケーション能力」「チームワーク」は抽象的で、何ができるのかが伝わりません。

○ OK例

・ユニット型特養での身体介護全般(要介護3〜5、約8年半)と夜勤(1名で20名を担当)
・ヒヤリハットの集計・分析による事故防止(ユニットの転倒事故を年9件から4件に削減)
・ユニットリーダーとしてのシフト作成・新人指導(3名)、見守りセンサーの導入・運用

ここが評価される

  1. 分野と年数・人数をセットで書いているので、経験の深さがひと目でわかります。
  2. 事故防止の実績を数字で書くことで、安全への意識に裏付けがあることが伝わります。
  3. 求人票の「求める経験」と言葉をそろえて書くと、施設長の目に留まりやすくなります。

資格・PCスキル:取得年月と「取得予定」を正確に

資格の欄には、介護職員初任者研修・実務者研修・介護福祉士などを、取得した順に年月とともに書きます。介護福祉士は合格した年月と登録した年月がずれることがあるため、どちらかに統一するか、記入例のように両方を書くとわかりやすくなります。認知症介護実践者研修や喀痰吸引等研修など、応募先の仕事に関わる研修も書いておきましょう。

勉強中の資格は、「〇〇年〇月 受験予定」「〇〇年〇月 修了予定」と書けます。取得に向けて動いていることは、成長意欲の証拠として評価されることがあります。PCスキルの欄は「PCスキル・介護テクノロジー」としてまとめ、介護記録ソフトや見守りセンサーで使っていた機能まで書くと、実務のイメージが伝わります。デイサービスなど送迎がある職場では、運転免許も必ず書きましょう。

自己PR:強みは2つまで、必ずエピソードを添える

自己PRは「強み → それを発揮したエピソード → 結果」の順に書くと説得力が出ます。

× NG例

私の強みは、利用者様の気持ちに寄り添えることです。どんなに忙しくても笑顔を忘れず、利用者様やご家族から「ありがとう」と言っていただけることが、何よりのやりがいです。

ここが惜しい

  1. 「寄り添う」「笑顔」は多くの応募者が書く内容のため、これだけでは差がつきません。
  2. 「ありがとう」はやりがいの話で、施設長にとっては仕事の成果として評価しにくい内容です。

○ OK例

記録から原因を探り、チームで事故を防ぐ力
事故防止委員として、ヒヤリハット報告の様式を書きやすく見直し、報告を月平均3件から8件に増やしました。集計から夕方の居室で転倒リスクが高いとわかり、休憩と声かけの時間をチームで見直した結果、ユニットの転倒事故は2022年度の9件から2023年度は4件に減りました。

ここが評価される

  1. 強みの見出しが具体的で、どんな場面で力を発揮する人なのかが一言でわかります。
  2. ヒヤリハットの報告を「増やした」うえで事故を「減らした」流れが、安全への考え方の確かさを示しています。
  3. 集計の方法と見直した内容が書かれているので、応募先でも同じ取り組みができそうだと伝わります。
記入見本つきの介護職テンプレートを見る

施設・サービス別の書き分け方

同じ介護職でも、応募先の施設やサービスの形によって施設長・管理者が見るポイントと、強調すべき経験は大きく変わります。まずは全体像を表で確認し、そのあと自分に近いタイプの解説を読んでください。

応募先採用担当が見るポイント強調したい経験・数字
入所系(特養・老健など)重度の利用者への介護と夜勤への対応力定員・平均要介護度、担当人数、夜勤の回数と人数、委員会
通所系(デイサービス)限られた時間で多くの利用者を安全に支える力1日の利用者数、入浴介助の人数、送迎、レクリエーション
訪問系(訪問介護)一人で判断し、記録・報告できる力担当利用者数、1日の訪問件数、身体介護と生活援助の内訳
未経験・異業種から介護の仕事への理解と、前職の経験の活かし方初任者研修の受講状況、接客・教育など前職の経験

以下の記入例(SAMPLE)のうち、入所系の例は記入例の木村さんの経歴から引用しています。通所系・訪問系の例は、別の人を想定した架空の例です。

入所系(特養・老健・グループホーム・有料老人ホーム)

入所系の施設では、介護度の高い利用者の生活を24時間支えます。どの程度の介護度の利用者を、どの体制で、夜勤も含めて担当してきたかを数字で示すのが評価の分かれ目です。同じ入所系でも、老健では在宅復帰に向けたリハビリ職との連携、グループホームでは認知症の利用者と家事を一緒にする関わり、有料老人ホームでは接遇やご家族への対応が重視されやすくなります。

職務経歴書に書きたいこと

  • 施設種別・定員・平均要介護度と、夜勤体制
  • 担当するユニット・フロアの利用者数
  • 夜勤の回数と、夜勤1回で担当する人数
  • 看取りや認知症ケア、喀痰吸引などの経験
  • 事故防止・身体拘束廃止・感染対策などの委員会での役割

記入例

【担当】1ユニット(入居者10名)、職員7名のまとめ役。夜勤は月4回
【委員会】事故防止委員会 委員(2023年度〜)

ポイント

  1. ユニットの入居者数と職員の人数で、リーダーとしてまとめてきた範囲が伝わります。
  2. 委員会の名前と開始年度を書くことで、安全への取り組みを続けてきたことがわかります。

よくある落とし穴

従来型からユニット型へ、特養から有料老人ホームへなど、形の違う施設に応募するのに、前の施設のやり方をそのまま書くケースです。応募先の求人票や公式サイトでケアの方針を確かめ、近い経験を先に書きましょう。

通所系(デイサービス・デイケア)

デイサービスでは、朝の送迎から入浴、食事、レクリエーション、夕方の送迎まで、限られた時間で多くの利用者を支えます。1日に何人を、どんな流れで支えてきたかを具体的に書くと評価されます。入所系から移る人は、夜勤の話よりも、入浴介助やレクリエーションの経験を前に出しましょう。

職務経歴書に書きたいこと

  • 定員と1日の平均利用者数
  • 入浴介助の人数と、機械浴・個浴などの種類
  • 送迎の経験(車の種類、1日の便数)と運転免許
  • レクリエーションや機能訓練の補助の経験
  • ご家族・ケアマネジャーへの連絡(連絡帳・電話)

記入例

【担当】定員30名の通所介護(1日平均25名)
【主な業務】入浴介助(1日10名前後、個浴・機械浴)、送迎(ワゴン車・1日2便)、レクリエーションの企画(月4回)

ポイント

  1. 定員と1日の利用者数で、職場の規模と忙しさが伝わります。
  2. 入浴・送迎・レクリエーションと、デイサービスの中心となる業務がそろっています。

よくある落とし穴

「レクリエーションが得意です」とだけ書くケースです。何人規模で、どんな目的(体を動かす・季節を感じるなど)の企画をしたのかまで書くと、得意の中身が伝わります。

訪問系(訪問介護)

訪問介護では、利用者の自宅で、多くの場合ヘルパー1人で介護をします。一人で状況を判断し、変化に気づいたら記録してサービス提供責任者やケアマネジャーにつなげた経験が評価されます。

職務経歴書に書きたいこと

  • 担当していた利用者数と、1日の訪問件数
  • 身体介護と生活援助(調理・掃除など)の割合
  • 状態の変化に気づき、報告して対応につなげた経験
  • (サービス提供責任者の経験があれば)訪問介護計画の作成やヘルパーの調整

記入例

【担当】利用者18名(要支援1〜要介護5)、1日の訪問は平均5件
【主な業務】身体介護(入浴・排泄・食事の介助)が約6割、生活援助(調理・掃除・買い物)が約4割

ポイント

  1. 担当人数と訪問件数で、1日の仕事量が具体的に伝わります。
  2. 身体介護と生活援助の割合を書くことで、どちらも任せられることがわかります。

よくある落とし穴

入所系から訪問系に応募するのに、チームで動いた経験ばかり書くケースです。夜勤を1人で担当した経験や、変化に気づいて報告した場面など、「一人で判断した経験」を選んで書きましょう。

未経験・異業種から

未経験から介護職をめざす場合、施設長が見るのは、介護の仕事を理解して選んでいるかと、前職の経験をどう活かせるかです。前職の経験を、介護の現場で使える言葉に置き換えて書くのがポイントです。木村さんも、前職は飲食店のホールスタッフでした。

職務経歴書に書きたいこと

  • 介護職員初任者研修などの受講状況(「〇年〇月 修了予定」も可)
  • 前職で、相手に合わせて接した経験(接客・販売・電話対応など)
  • 前職で、人に教えた経験や、チームで動いた経験
  • 介護の仕事を選んだ理由(家族の介護やボランティアの経験があれば一言)

記入例

客席80席の店舗で接客・会計を担当し、2017年度からはアルバイト約10名の教育係を務めました。

ポイント

  1. ファミリーレストランでの幅広い年代への接客経験は、利用者やご家族とのコミュニケーションに活かせます。
  2. 教育係の経験は、将来リーダーとして新人を育てる場面でも役立ちます。

よくある落とし穴

家族の介護の経験を、仕事の経験と同じように詳しく書くケースです。介護の仕事を選んだ理由として一言添える程度にとどめ、家族の個人的な事情は書きすぎないようにしましょう。

あわせて読みたい:看護師の職務経歴書の書き方

2026年の介護職と介護テクノロジー・AI:職務経歴書にどう書くか

最初にお伝えしたいのは、見守りセンサーや介護記録ソフト、AIをどこまで使っているかは、施設やサービスによって大きく違うということです。介護労働実態調査では、日常的に使っている介護テクノロジーとして、ケア記録などの入力・保存・転記の機能を挙げた事業所が72.2%でした。一方、ベッドセンサーを挙げた割合は、入所型の施設系で66.7%、居住系では41.4%と、サービスの形で差があります。

生成AIはさらにこれからの分野です。総務省の情報通信白書では、生成AIを使ったことがある個人は58.8%でした。ただしこれは仕事と日常生活を合わせた数字です。利用者の情報を扱う介護の現場では、業務での使用を認めていない、または使える範囲を限っている事業所も多いと考えられます。

そのため、介護テクノロジーやAIの経験がないことは、介護職の転職で不利にはなりません。施設長が見るのは、まず介護の経験です。求人票に「見守りセンサー」「インカム」「介護記録ソフト」「ICT」「生産性向上」などの言葉があるかを確認し、あれば書く量を増やす、なければ一言添える程度で十分です。

介護の現場で広がっているテクノロジーとAIの使い方

厚生労働省は2024年度の介護報酬改定で「生産性向上推進体制加算」を新しく設けました。上位の区分では、見守り機器、インカム等、介護記録ソフトウェア等の3種類を導入することが要件の一つになっています。また、国が開発・普及を後押しする「介護テクノロジー利用の重点分野」は2024年6月に改訂され、移乗支援・排泄支援・見守り・コミュニケーション・介護業務支援など9分野16項目になりました。2026年時点で現実的なのは、次のような使い方です。

  • ベッドセンサーなどの見守り機器で、睡眠や離床の状況を確認してから訪室する
  • タブレットやスマートフォンの介護記録ソフトで、ケア記録やバイタルをその場で入力する(音声入力を含む)
  • インカムで、職員どうしがその場を離れずに連絡を取り合う
  • 移乗を助ける機器や、排泄のタイミングを知らせる機器を使う
  • 事業所で認められた範囲での生成AIの利用(研修資料やレクリエーション案の下書きなど、個人情報を含まないもの)

書き方:「使った」ではなく、導入・運用での役割と変化を書く

介護職の職務経歴書で評価されやすいのは、機器を使ったこと自体よりも、導入や運用に関わった経験と、それで業務やケアがどう変わったかです。「何の業務で」「自分は何をして」「何が変わったか」の3点をそろえて書きましょう。試行での課題の洗い出し、手順書づくり、職員への説明、通知の設定の見直しなども立派な経験です。

× NG例

見守りセンサーやタブレットを使っていました。ITにも強いです。

ここが惜しい

  1. どの業務で、どの程度使っていたのかがわからず、応募先で何を任せられるかが伝わりません。
  2. 「ITに強い」は根拠がなく、面接で具体的に聞かれたときに答えにくくなります。

○ OK例

【取り組み】見守りセンサー導入(2024年度)の推進担当として、手順書と職員向け説明会(4回・計38名)を用意。夜勤帯の巡視時間は、ユニットの記録で1晩あたり約3時間から約1時間半に減りました。

ここが評価される

  1. 推進担当・手順書・説明会と、自分が担った役割が具体的に書かれています。
  2. 「ユニットの記録で」と数字の出どころを添えているので、信頼できる数字だと伝わります。
  3. 夜勤の負担が減ったという結果まで書いているので、業務改善の力が伝わります。

記入例の自己PRでは、さらに「まず自分のユニットで1か月試行した」「導入後も月1回、通知の設定を見直している」と書き、入居者の睡眠を妨げる訪室が減ったことにも触れています。機器の導入で、職員の負担だけでなくケアの質がどう変わったかを書けると、施設長により響きます。

注意点:利用者の情報は外部の生成AIに入力しない

利用者の心身の状態や病歴は、特に慎重な扱いが求められる個人情報です。個人情報保護委員会も生成AIサービスの利用に関する注意喚起で、個人情報を含む入力には十分な確認が必要だとしています。事業所で認められていない生成AIに、利用者やご家族の情報を入力してはいけません。

職務経歴書に生成AIの利用を書くなら、「事業所のルールに沿って」「個人情報は入力せず」「内容は自分で確認して」使ったことを一言添えましょう。施設長にとっては、情報の扱いに慎重な人だという安心材料になります。また、説明会に参加しただけの導入を「推進した」と書くような、盛った書き方はしないでください。

介護テクノロジーやAIに関わった経験がない人は

見守りセンサーやAIの導入に関わった介護職は、まだ一部です。経験がなくても気にする必要はありません。かわりに、次のようなことを書きましょう。

  • 介護記録で使っていたもの(紙・パソコン・タブレットなど)と、書いていた記録の種類
  • ナースコールやセンサーマットなど、施設にある機器を使った夜間の見守りの経験
  • 記録の様式や申し送りの見直し、業務の手順書づくりなどの業務改善

記入例の「ヒヤリハット報告の様式を見直し、集計して転倒事故を減らした」も、機器を使わない業務改善の例です。仕組みを見直して、ケアや業務を良くした経験は、テクノロジーを使ったかどうかにかかわらず評価されます。

実績の数字が書けないときの対処法

「施設の数字を覚えていない」「リーダーの経験がない」という人も、書き方を工夫すれば十分に評価されます。

施設の定員や平均要介護度を把握していない

定員やサービスの内容は、施設の公式サイトや、国の「介護サービス情報公表システム」で確認できます。平均要介護度などがわからない場合は、担当人数や夜勤の人数など、自分で確実に言える数字だけを書きましょう。正確な数字を一つ書くほうが信頼されます。

経験が短い・初任者研修のみ

年数の短さを補うのは、具体性です。ひとりで入浴介助を任されるようになった時期や、夜勤に入り始めた時期などを書くと成長の速さが伝わります。実務者研修や介護福祉士の受験予定も添えましょう。

パート勤務・夜勤なしだった

勤務日数や時間帯(例:週4日・日勤のみ)を正直に書いたうえで、その時間帯に担当した業務を具体的に書きます。入浴や食事の時間帯の担当人数など、日勤ならではの数字を探してみましょう。

リーダーや委員会の経験がない

役職がなくても、レクリエーションや行事の係、物品の管理、新人へのちょっとした声かけも立派な経験です。自分から取り組んだことと、それで変わったことを書きます。

あわせて読みたい:アピールできる実績がない人の職務経歴書の書き方

提出前のチェックリスト

書き終えたら、提出前に次の項目を確認しましょう。

  • 職務要約に、経験年数・施設の種別と規模・担当してきた介護・役割・資格が入っている
  • 施設の概要(施設種別・定員・平均要介護度・夜勤体制など)を書いている
  • 担当人数・夜勤の回数と人数・主な介助の内容を書いている
  • リーダー・委員会・係などの役割を、開始年度とともに書いている
  • 利用者やご家族が特定できる情報を書いていない
  • 資格の取得年月と、取得予定の資格を正確に書いている
  • 介護テクノロジーやAIの経験は、役割と変化を事実の範囲で書いている

状況別の無料テンプレート

ブランク、転職回数、未経験…気になる事情があるなら、状況別の記入見本も


職種の書き方はこの記事で、事情の伝え方は状況別の記入見本で。2つを組み合わせれば、書きにくいところも迷わず書けます。

よくある質問

介護職の職務経歴書は何枚が適切ですか?

A4で1〜2枚が目安です。施設や事業所が多い人でも、応募先に近い経験を詳しく、それ以外は簡潔にまとめて、多くても3枚以内に収めましょう。

同じ法人の中で異動が多い場合は、どう書けばいいですか?

施設・事業所ごとに期間を分け、それぞれの種別と定員を書きます。応募先に近い施設の経験は詳しく、関係の薄い経験は1〜2行にまとめると読みやすくなります。

介護福祉士を受験予定です。職務経歴書に書いてもいいですか?

書いて問題ありません。資格の欄に「〇〇年〇月 介護福祉士国家試験 受験予定」と書きます。実務者研修を修了していれば、その年月もあわせて書きましょう。

利用者とのエピソードは、どこまで書いていいですか?

「認知症のある入居者」「要介護4の利用者」など、個人が特定できない表現なら書けます。氏名やイニシャル、年齢と病名の組み合わせ、具体的な日付などは書かないようにしましょう。

見守りセンサーやAIを使ったことがありません。不利になりますか?

不利にはなりません。施設長がまず見るのは介護の経験です。求人票に介護テクノロジーの記載がある場合は、記録の方法や業務改善の経験を書き、新しい仕組みにも前向きに取り組めることを伝えましょう。

この記事の記入例テンプレートを無料でダウンロード

Word・Excel・PDFの3形式に対応。空欄テンプレートと記入見本のセットです。

Author

佐藤 大貴

レジュメラボ編集責任者/アースダイバー代表

佐藤 大貴

人材紹介の会社で、キャリア系メディアの編集長をしていました。転職やキャリアをテーマにした記事づくりに長く関わり、2019年にアースダイバー株式会社を立ち上げました。編集長時代、たくさんの求職者の方やキャ…

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