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QA・テストエンジニアの職務経歴書の書き方|採用担当に伝わる記入例と無料テンプレート

QA・テストエンジニアの職務経歴書の書き方|採用担当に伝わる記入例と無料テンプレート

QA・テストエンジニアの職務経歴書でよくあるのが、「テストケースの作成・実行、不具合の報告を担当」と作業を並べて終わる書き方です。これでは、決められたケースを実行していたのか、仕様からリスクを見極めてテストを設計していたのかが伝わりません。採用担当が知りたいのは、どんな製品を、どの工程から、どんな方法で確かめ、品質と開発の速さがどう変わったかです。

QAの仕事は、仕様のレビュー、テストの自動化、品質指標にもとづくリリース判定へと広がってきました。2026年は、生成AIをテストに使うことや、AIを組み込んだ機能の品質を確かめることも加わっています。

この記事では、第三者検証の会社で4年、勤怠管理・給与計算SaaSの会社で6年半、テストと品質保証に携わってきた人の記入例をもとに、項目ごとの書き方と評価される理由を解説します。経歴・応募先別の書き分け方と、AIの経験の書き方も詳しく紹介します。

この記事でわかること

  • QA・テストエンジニアの職務経歴書の完成イメージ(記入例)
  • データで読む、品質がつまずく理由と、テストが開発期間に占める重さ
  • テスト設計・自動化・品質指標の実績を、OK例・NG例で書くコツ
  • 第三者検証・テスト実行中心・自動化エンジニア・QAリーダー別の書き分け方
  • 2026年のQAとAI:AIを使った経験と、AI機能を確かめた経験の書き方

無料テンプレート

QA・テストエンジニアの職務経歴書、記入見本つきのテンプレートがあります

この記事の記入例と同じ形式で、Word・Excel・PDFの3形式。空欄のテンプレートと記入見本がセットになっています。

QA・テストエンジニアの職務経歴書の記入例

まずは完成イメージです。第三者検証の会社でスマホアプリと業務Webシステムのテストを4年経験したのち、勤怠管理・給与計算SaaSの会社に移って6年半。現在はQAリーダーとして6名のチームをまとめ、回帰テストの自動化と品質指標の運用を進めている人を想定しています。画像をタップすると拡大できます。

QA・テストエンジニアの職務経歴書の記入例(第三者検証4年・SaaSのQA6年半)
QA・テストエンジニアの職務経歴書の記入例(A4・2枚)

この記入例と同じ形式のテンプレートを無料で用意しています。Word・Excel・PDFの3形式で、空欄テンプレートと記入見本の2点セットです。

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ツールで聞かれる質問や記入見本は、QA・テストエンジニアの職務経歴書をAIで作成するページで先に確かめられます。

データで読む:QAに求められるのは「最後に見つける人」より「早くから関わり、数字で示す人」

書き方に入る前に、システム開発の品質とテストの現状を、公表されているデータで見ておきます。3つの資料を重ねると、見えてくることは1つです。品質のつまずきはテストより前から始まり、テストは開発期間の大きな部分を占めています。だから評価されるのは、最後に不具合を見つける人より、仕様の段階から品質に関わり、テストを速く回し、結果を数字で示せる人です。

品質が予定どおりにならない理由は、テストより前の「計画」と「複雑さ」にもある

日本情報システム・ユーザー協会(JUAS)の「企業IT動向調査2026」は、上場企業などのIT部門を中心に毎年行われている調査です。システム開発の品質が予定どおりにならなかった要因を聞くと(2025年度、n=172、複数回答)、最も多いのは「ベンダーのスキル不足」の59.9%でした。次いで「計画時の考慮不足」と「想定以上の現行業務・システムの複雑さ」がともに48.8%、「社員のスキル不足」が44.8%です。

品質が予定どおりにならなかった要因。ベンダーのスキル不足59.9%、計画時の考慮不足48.8%、想定以上の複雑さ48.8%、社員のスキル不足44.8%
言いたいこと:品質のつまずきの約半分は「計画」と「複雑さ」から(JUAS、2025年度調査)

出典:企業IT動向調査2026(2025年度調査)概要資料(日本情報システム・ユーザー協会)(2026年4月公表)

これはシステムを発注・利用する側の企業に聞いた結果です。QAの側から読み直すと、品質のつまずきの多くは、テストを始める前に種がまかれています。計画で考えていなかった条件や、思っていたより複雑な業務は、テストの段階で初めて見つかると手戻りが大きくなります。編集部の読みでは、だからこそ、仕様の段階で「どこが危ないか」を見つけるQAの仕事に価値があります。

記入例の「仕様レビューの観点表を作り、受け入れ条件の抜けを開発前に指摘する運用を定着」や、「約1,800通りの計算パターンをデシジョンテーブルとペアワイズ法で約260ケースに整理」は、まさに複雑な仕様を前にリスクを見極めた経験です。テストを実行した件数より先に、こうした上流での関わりを書きましょう。

テストは開発期間のおよそ3分の1。速く回せるかがリリースの速さを左右する

情報処理推進機構(IPA)の「ソフトウェア開発分析データ集2022」の情報通信業編では、新規開発のプロジェクトについて、工程ごとの期間の比率をまとめています。中央値は結合テストが16.8%、総合テストが15.7%でした。平均値で足すと34.2%で、テストの工程は開発期間のおよそ3分の1を占めています。

新規開発の工程別の期間の比率。基本設計20.3%、詳細設計16.5%、製作25.2%、結合テスト16.8%、総合テスト15.7%
言いたいこと:テスト工程は開発期間のおよそ3分の1(IPA、2022年公表)

出典:ソフトウェア開発分析データ集2022 業種編(情報通信業)(情報処理推進機構) 表A3-3-5

このデータ集は2022年の公表(作成は終了しており、これが最新版)で、情報通信業の新規開発22件にもとづく値です。開発の進め方によって割合は変わるため、目安として読んでください。

編集部の読みでは、この3分の1をどれだけ縮められるかが、リリースの速さに直結します。リリースのたびに同じ回帰テストを手で繰り返していれば、リリースの回数を増やすほどテストの負担が積み上がるからです。記入例では、画面の回帰テスト約450ケースのうち約320ケースを自動化し、工数をリリース1回あたり約5人日から約2人日に減らして、リリース間隔を月1回から2週間に1回に短縮しています。自動化の実績は、ツール名より「テストの期間がどれだけ縮み、リリースがどう変わったか」で書きましょう。

見つかるバグは1万行あたり、結合テストで約18件、総合テストで約3件。品質には「物差し」がある

同じデータ集では、テストで見つかったバグの数をプログラムの行数で割った「検出バグ密度」も示しています。中央値は、1,000行あたり結合テストで1.808件、総合テストで0.303件でした。データ集のまとめでは、「結合テストで1万行あたり18個のバグを検出し、総合テストで3個検出する相場観」と紹介されています。

テスト工程で検出したバグの数(1万行あたり)。結合テスト18.1件、総合テスト3.0件
言いたいこと:見つかるバグは結合テストで約18件、総合テストで約3件(1万行あたり。IPA、2022年公表)

出典:ソフトウェア開発分析データ集2022 業種編(情報通信業)(情報処理推進機構) 表5-1-1

大切なのは、品質を「件数」ではなく「何かで割った値」で比べている点です。製品の規模が違えば不具合の数も違うため、件数だけでは多いのか少ないのかを判断できません。

だから品質指標を書くときは、何を何で割ったかを必ず添えます。記入例の「不具合検出率(テスト工程での検出数÷全不具合数)を87%から96%に向上」は、定義が書いてあるので、読み手が自社の数字と比べられます。面接で自分の現場の数字の水準を聞かれたときも、こうした公開データの相場を物差しにして、定義の違いを断ったうえで話せると説得力が増します。

まとめると、いまのQA・テストエンジニアの職務経歴書では、テストの件数に加えて、どの段階から品質に関わったか、テストをどれだけ速く回せるようにしたか、品質をどんな指標で示したかを書けるかで差がつきます。次は、採用担当が書類のどこを見ているかを確認します。

QA・テストエンジニアの職務経歴書テンプレートを無料でダウンロード

採用担当がQA・テストエンジニアの職務経歴書で見ている3つのこと

採用担当が確かめる3つのこと:テストを設計できるか、品質を数字で語れるか、開発のスピードを支えられるか
この章のまとめ:採用担当が確かめる3つのこと

こうした変化と採用の現場でよく見られる傾向を踏まえると、QA・テストエンジニアの採用担当は、書類から次の3つを確認しています。

  1. テストを設計できるか決められたケースを実行するだけでなく、仕様からリスクを見極め、テスト技法でケースを組み立ててきたか。採用担当は「実行」と「設計」のどちらの経験かを最初に確認します。
  2. 品質を数字で語れるか不具合の件数や検出率、リリース後の不具合などを集計し、改善につなげてきたか。数字で品質の状態を説明できる人は、開発チームやリリース判定の場で信頼されます。
  3. 開発のスピードを支えられるかテスト自動化やCIへの組み込みで、品質を保ったままリリースを速くしてきたか。短い周期で開発する現場ほど、ツール名よりも「何が速くなったか」が重く見られます。

3つとも、答えになるのは「丁寧にテストした」という姿勢ではなく、方法と数字です。「細かいところまで見逃さない」「品質への意識が高い」は、どの応募者にも書けてしまいます。どの技法で、何を、どれだけ確かめ、何が変わったかを書きましょう。

項目別の書き方:OK例とNG例の違い

ここからは項目ごとに、NG例とOK例を並べて解説します。OK例は記入例からの引用です。QAの書類で特に差がつくのは、職務経歴のテスト設計の書き方と、自動化・品質指標の実績です。

職務要約:「どんな製品を、どの工程で」を3〜5行で

職務要約は、採用担当が最初に読む部分です。経験年数に加えて、立場(第三者検証か自社サービスか)・対象の製品・担当した工程・一番の成果を入れます。

× NG例

ソフトウェアのテストエンジニアとして10年以上勤務してまいりました。テストケースの作成や実行、バグ報告などを担当し、品質向上に貢献してきました。細かい作業が得意で、正確に業務を進めることを心がけています。

ここが惜しい

  1. 対象の製品が書かれていないため、業務システムかWebサービスかアプリかがわかりません。
  2. 「テストケースの作成や実行」だけでは、設計から任されていたのか、実行中心だったのかが判断できません。
  3. 「品質向上に貢献」に数字がなく、どれだけ良くなったのかが伝わりません。

○ OK例

第三者検証の株式会社サンプル検証で4年、勤怠管理・給与計算SaaSの株式会社サンプルソフトで6年半、テストと品質保証に携わってきました。テスト設計から自動化、品質指標の運用まで経験しています。現在はQAリーダーとして回帰テストの約7割を自動化し、リリース後の不具合を年間24件から8件に減らしました。

ここが評価される

  1. 第三者検証と自社サービスのQA、2つの立場の経験と年数が一文でわかります。
  2. 「テスト設計から自動化、品質指標の運用まで」と工程で書いているので、任せられる範囲が判断できます。
  3. リリース後の不具合件数は、利用者への影響に直結する数字です。採用担当が成果の大きさをすぐ理解できます。

職務経歴:製品と体制を書き、テスト設計は「何を、どれだけ絞ったか」で示す

職務経歴は、QAの書類でいちばん重要な項目です。下の画像の3つのポイントを押さえると、同じ経験でも伝わり方が大きく変わります。

QA・テストエンジニアの職務経歴の書き方のポイント
職務経歴の書き方のポイント

× NG例

給与計算サービスのテストを担当。法改正対応のテストケースを作成し、テストを実施しました。不具合を多数発見し、品質の向上に努めました。

ここが惜しい

  1. 開発者とQAの人数がなく、どれだけの開発量を何人で見ていたのかがわかりません。
  2. どんな技法でケースを作ったのかが書かれておらず、設計の力が伝わりません。
  3. 「不具合を多数発見」は、リリース後にどうなったかという結果になっていません。

○ OK例

【担当】給与計算サービスのQA(開発者12名に対しQA2名、2週間スプリント)

【内容】仕様レビュー、テスト計画・設計・実行、不具合報告、リリース判定資料の作成

【実績】社会保険料率・税制の改定対応(3年間で計9回)で、約1,800通りの計算パターンをデシジョンテーブルとペアワイズ法で約260ケースに整理。改定対応のリリース後の計算不具合0件

ここが評価される

  1. 「開発者12名に対しQA2名」と体制を書くことで、一人あたりの担当範囲の広さが伝わります。
  2. パターン数をケース数にどれだけ絞ったかと技法名をセットで書いているので、設計の力を具体的に判断できます。
  3. リリース後の計算不具合0件という結果まで書いているので、絞り込んでも抜けがなかったことがわかります。

データの章で見たとおり、品質のつまずきの多くは「計画時の考慮不足」や「想定以上の複雑さ」から始まります。テスト設計の実績は、複雑な仕様をどう分解し、どこにテストを厚くしたかを書くと、上流から品質に関われる人だと伝わります。記入例のように、パターン数とケース数、使った技法、リリース後の結果の3つをそろえましょう。

第三者検証の経験は「対象」と「役割」を書き分ける

受託でテストをしていた期間は、顧客名は出さずに「金融・EC向けスマホアプリ」のように業界と製品の種類で書きます。実行担当からテストリーダーになった時期は、期間を分けて書くと成長が伝わります。

テスト自動化・品質指標の実績:ツール名より「何が速く・少なくなったか」

自動化と品質指標は、QAの実績の中でも数字にしやすい部分です。ただし、「導入した」で止めないことが大切です。採用担当が知りたいのは、自動化や指標によって開発やリリースがどう変わったかです。

× NG例

Playwrightを使ってテスト自動化を推進しました。また、品質指標を導入し、品質の見える化を行いました。

ここが惜しい

  1. 何ケースのうち何割を自動化し、何が変わったのかが書かれていません。
  2. 「品質指標を導入」では、どの指標を使ったのか、その結果どう変わったのかがわかりません。
  3. 自動化も指標も「導入した」で終わっており、開発やリリースへの効果が伝わりません。

○ OK例

Playwrightで画面の回帰テスト約450ケースのうち約320ケース(約71%)を自動化し、GitHub Actionsで毎晩実行。回帰テストの工数をリリース1回あたり約5人日から約2人日に減らし、リリース間隔を月1回から2週間に1回に短縮

不具合密度の高い3機能を重点化し、不具合検出率(テスト工程での検出数÷全不具合数)を87%から96%に向上、リリース後の不具合を年24件から8件に削減(2022→2025年度)

ここが評価される

  1. 自動化の割合をケース数で示し、工数とリリース間隔の変化まで書いているので、開発への効果がわかります。
  2. 不具合検出率は「何を何で割ったか」を添えているので、読み手が自社の数字と比べられます。
  3. 不具合密度の高い機能にテストを重点化し、検出率とリリース後の不具合の変化まで書いているので、数字を改善に使える人だと伝わります。

自動化の割合は「何ケースのうち何ケース」と分母を書きます。「自動化率70%」だけでは、画面のテストなのか、全体なのかがわかりません。

指標の数字は年度と算出方法をそろえる

改善前後の数字は、同じ定義・同じ期間の単位で比べます。社内でしか通じない指標名を使う場合は、括弧で算出方法を書き添えましょう。

AI・自動化の経験:何に使い、どう確かめ、何が変わったかを書く

生成AIをテストの仕事に使った経験は、職務経歴の【取り組み】に1行で書くのが基本です。使った作業・入力しなかった情報・人の確認・変わったことの4つを入れます。

× NG例

生成AIを活用して、テストケースの作成を効率化しました。

ここが惜しい

  1. どの作業に、どう使ったのかがわからず、実際の使い方の水準が判断できません。
  2. 顧客データを入力していないか、出力を誰が確かめたかが書かれておらず、安心して任せられるかがわかりません。
  3. 「効率化」の中身がなく、どれだけ変わったのかが伝わりません。

○ OK例

【取り組み】社内ルールで認められた生成AIでテスト観点の下書きを作成(顧客データは入力せず、観点はQAがレビュー)。設計時間を1機能約6時間から約4時間に短縮

ここが評価される

  1. 「テスト観点の下書き」と、AIに任せた範囲が具体的です。
  2. 「社内ルールで認められた」「顧客データは入力せず」「QAがレビュー」と、ルール・情報の扱い・確認方法がそろっています。
  3. 「約6時間から約4時間」と前後の時間があるので、効果の大きさがわかります。

AIを使っていない人は、この項目にテスト自動化など仕組みで仕事を変えた経験を書けば十分です。詳しくは後の「2026年のQA・テストエンジニアとAI」の章で解説します。

活かせる経験・知識・スキル:設計・自動化・品質管理から3つ選び、テクニカルスキル欄で裏付ける

職務経歴の中から、応募先で使える経験を3つに絞って箇条書きにします。ツール名はテクニカルスキル欄に任せ、ここでは何ができるかを書きます。

× NG例

・テストケース作成

・Selenium、Playwright

・几帳面な性格

ここが惜しい

  1. ツール名はテクニカルスキル欄と重複し、どの深さで使えるかが伝わりません。
  2. 「几帳面な性格」は性格の話で、QAの業務でどう活きるのかがわかりません。

○ OK例

・仕様からリスクを見極め、テスト技法で抜け漏れなく効率よく設計する力

・回帰テストの自動化と、CIへの組み込み(Playwright・GitHub Actions)

・品質指標(不具合密度・不具合検出率)の設計と、それにもとづくプロセス改善

ここが評価される

  1. 設計・自動化・品質管理と、強みの種類が重ならないように選んでいます。
  2. どれも職務経歴の実績と対応しているので、根拠を経歴欄ですぐ確かめられます。
  3. テクニカルスキル欄では、テスト技法やツールを分類ごとに経験年数付きで書き、経歴の期間と一致させます。

テクニカルスキル欄は、「テスト設計」「テスト自動化」「CI・管理ツール」と分類を立て、経験年数を添えます。記入例では、Playwright・GitHub Actionsの3年半が現職のリーダーの期間と、Selenium/Pythonの2年が前職のテストリーダーの期間と一致しています。経験年数は職務経歴の期間と必ず突き合わせましょう。

自己PR:強みは2つまで。品質とスピードの両方を数字で示す

自己PRは「強み → 進め方 → 結果の数字」の順に書きます。QAの自己PRは「几帳面」「粘り強い」といった性格の話になりがちですが、採用担当が知りたいのは、品質をどう良くし、開発をどう速くしたかです。

× NG例

私の強みは粘り強さです。どんなに細かい不具合も見逃さないよう、最後まで妥協せずにテストを行ってきました。最近は生成AIも活用し、業務を効率化しています。

ここが惜しい

  1. 「見逃さない」「妥協しない」は姿勢の話で、成果の根拠がありません。
  2. 生成AIを何に使い、どう確認し、何が変わったのかがわからず、自己評価にとどまっています。

○ OK例

品質の状態を数字で示し、改善につなげる力

不具合を機能別・原因別に集計し、テストを厚くする機能を決めてきました。その結果、不具合検出率を87%から96%に上げ、リリース後の不具合を年間24件から8件に減らしました。

ここが評価される

  1. 強みの見出しと、集計→重点化→結果のエピソードが一貫しています。
  2. 記入例では2つ目の強みとして「テストを仕組みにして、開発のスピードを支える力」も書き、品質とスピードの両面を示しています。
  3. 生成AIの活用は職務経歴の【取り組み】に、社内ルールの範囲で使ったこととQAによるレビューをセットで書いています。自己PRで繰り返す必要はありません。
QA・テストエンジニアの職務経歴書の記入見本つきテンプレート

経歴・応募先別:QA・テストエンジニアの職務経歴書の書き分け方

経歴・応募先ごとに前に出すこと:第三者検証の経験、テスト実行中心から設計へ、テスト自動化エンジニア、QAリーダー・マネジメント
この章のまとめ:経歴・応募先ごとに前に出すこと

QA・テストエンジニアは、これまでの立場と応募するポジションによって、採用担当が気にすることが変わります。どのタイプでも共通するのは、製品・体制・前後の数字の3つをそろえることです。まずは表で全体像を確認しましょう。

タイプ採用担当が見るポイント前に出すこと
第三者検証の経験を書く製品の中身や開発の流れを理解したうえでテストできるか業界と製品の種類、実行から設計・リーダーへの役割の変化
テスト実行中心から設計へ指示どおりの実行にとどまらず、自分で観点を出せるか実行の量と正確さ、自分で足した観点と見つけた不具合
テスト自動化エンジニアに応募コードを書き、自動テストを保守し続けられるか自動化の範囲と割合、言語・フレームワーク、CIと保守の工夫
QAリーダー・マネジメントに応募チームの品質を数字で管理し、リリースを判断できるかチームの体制、品質指標の設計と報告、リリース判定の運営

第三者検証の経験を書く

テストを受託する会社での経験です。採用担当は「製品の中身を理解してテストしていたか」を確かめます。顧客名は出さずに、業界と製品の種類、自分の役割の変化を書きます。

職務経歴書に書きたいこと

  • 金融・EC・業務システムなど、業界と製品の種類(顧客名は書かない)
  • 実行担当・設計担当・テストリーダーなど、役割と期間
  • 実行したケース数や報告した不具合の件数、改善の工夫

記入例

【担当】物流会社向け業務Webシステムのテスト。テストリーダー(メンバー5名)

【実績】回帰テスト約150ケースをSeleniumで自動化し、3日から1日に短縮

ポイント

  1. 記入例の前職の書き方です。業界と製品の種類だけで、顧客名を出さずに対象が伝わります。
  2. テストリーダーの期間を分けて書き、チームの人数を添えているので、役割が広がったことがわかります。

よくある落とし穴は、担当した案件をすべて並べてしまうケースです。代表的な2〜3件に絞り、残りは「ほか、スマホアプリのテスト案件 約20件」のようにまとめます。

テスト実行が中心の経験から、設計に広げたい

採用担当が見たいのは、指示どおりに実行しながら、自分で何に気づき、何を足したかです。

職務経歴書に書きたいこと

  • 対象の製品と、実行したケース数(月あたりなど期間を添えて)
  • 不具合を見つけたときの報告の工夫(再現手順・ログの添え方など)
  • 自分で提案・追加したテストの観点と、それで見つかった不具合

記入例

※記入例とは別の架空例です

【担当】ECサイトのスマホアプリのテスト実行(月 約600ケース)

【取り組み】不具合が多かった決済画面について、金額の上限・下限の境界値の観点をリーダーに提案し、テストケース40件を一緒に設計。追加したケースで不具合7件を検出

ポイント

  1. 実行の量を期間つきで書いたうえで、自分から観点を足した経験を書いているので、設計に広げる準備があると伝わります。
  2. 「提案した観点で何件見つかったか」まで書くと、設計の力の根拠になります。

よくある落とし穴は、「テストを正確に実行しました」で終わるケースです。小さくても、自分で考えて足した観点を1つ書き出しましょう。

テスト自動化エンジニア(SET・SDET)に応募する

テストの仕組みをつくる自動化専門のポジションです。採用担当は、コードを書けるか、自動テストを保守し続けられるかを確かめます。

職務経歴書に書きたいこと

  • 自動化した範囲(何ケースのうち何ケース)と、言語・フレームワーク
  • CIへの組み込み方と、実行の頻度・時間
  • 不安定なテスト(実行のたびに結果が変わるテスト)への対処や、保守の工夫

記入例

※記入例とは別の架空例です

【取り組み】APIテスト約800件をPythonとpytestで自動化し、プルリクエストごとに約8分で実行。結果が不安定なテストの原因を調べて待ち時間の設定を見直し、再実行が必要になる割合を週 約15%から2%未満に削減

ポイント

  1. 自動化の量・実行のタイミング・時間がそろっているので、開発の流れにどう組み込んだかがわかります。
  2. 不安定なテストを減らした経験は、自動テストを長く使い続けるための保守の力を示します。

よくある落とし穴は、自動化したケースの数だけを書くケースです。データの章で見たとおり、テストは開発期間の大きな部分を占めます。自動化によって実行時間やリリースの間隔がどう変わったかまで書くと、開発の速さへの貢献が伝わります。

QAリーダー・品質保証のマネジメントに応募する

製品全体の品質に責任を持つポジションです。採用担当は、品質を数字で管理し、リリースの判断を任せられるかを確かめます。

職務経歴書に書きたいこと

  • QAチームの人数と、開発者との比率
  • 品質指標の設計と、報告の頻度・相手
  • リリース判定の進め方と、判定にもとづく結果

記入例

【担当】勤怠管理・給与計算サービス全体の品質保証。QAリーダー(自分を含め6名)

【内容】品質指標の設計と月次報告、テスト自動化の推進、リリース判定会議の運営

ポイント

  1. 記入例の現職の書き方です。チームの人数と、指標・自動化・判定という責任の範囲が一目でわかります。
  2. 実績の欄では、チームとして出した成果(不具合検出率やリリース後の不具合件数)を書いています。

よくある落とし穴は、自分がテストした実績ばかりを書くケースです。リーダーとして応募するなら、チームの体制をどう組み、品質の数字をどう動かしたかを中心に書きましょう。

2026年のQA・テストエンジニアとAI:職務経歴書にどう書くか

QAがAIの経験を職務経歴書に書くとき、立場ごとに書くこと:テストの仕事でAIを使った、AIを組み込んだ機能を確かめた、AIを使っていない・禁止の職場
この章のまとめ:QAのAIの経験、立場ごとに書くこと

最初にお伝えしたいのは、AIの使い方や、AIの経験を求める度合いは、応募先によって大きく違うということです。IPAの「DX動向2026」プレス発表では、AIを導入している企業は従業員1,001人以上で8割近くにのぼる一方、101人以下では16.6%でした。

AIを使った経験がないからといって、書類選考で不利になると考える必要はありません。まずは求人票に「生成AI」「LLM」「AI機能の品質評価」などの言葉があるかを確認しましょう。記載があれば具体的に書き、なければ職務経歴に1行添える程度で十分です。

QAとAIの関わりは「テストの仕事で使う」と「AIの品質を確かめる」の2つ

QA・テストエンジニアとAIの関わりは、大きく2つに分かれます。1つは、テスト設計や自動テストのコード作成など、自分の仕事に生成AIを使うこと。もう1つは、AIを組み込んだ機能(LLM)の品質を確かめることです。職務経歴書でも、この2つを分けて書くと、自分の経験が正確に伝わります。

テストの仕事で現実的なAIの使い方

2026年時点で、テストの現場で現実的な使い方は次のようなものです。どれも「下書き」までをAIに任せ、判断は人が行う使い方です。

使い方具体例人が確かめること
テスト観点の下書き仕様書の要点から、確認すべき観点の候補を出す(記入例の使い方)仕様と合っているか、リスクの高い観点が抜けていないか
テストデータの作成氏名・住所などの架空データや、境界値の組み合わせを作る実在の個人情報が混ざっていないか、条件を満たしているか
自動テストのコードテストコードの下書きや、失敗したテストの原因の当たりをつけるテストが正しい理由で成功・失敗しているか
不具合報告の整理再現手順やログの要点を読みやすくまとめる手順どおりに再現するか、事実が変わっていないか

自動テストのコードをAIで書くときは、とくに注意が必要です。テストは「通ること」より「間違いを見つけられること」が大切です。AIが書いたテストが、確かめるべき条件を確かめずに成功していないかを人がレビューする。この確かめ方こそ、QAならではのAIの使い方です。

書き方:「使った」ではなく、任せた範囲と確かめ方まで

項目別の書き方で紹介したとおり、記入例では【取り組み】に「社内ルールで認められた生成AIでテスト観点の下書きを作成(顧客データは入力せず、観点はQAがレビュー)。設計時間を1機能約6時間から約4時間に短縮」と書いています。短い1行に、ルール・入力しなかった情報・確認方法・効果の4つが入っています。

チームに広げた場合は、「AIで作った観点は必ずレビューを通す」など、チームで決めたルールも書きます。効果を測っていなければ数字を作らず、使った作業と確かめ方だけを書きましょう。

AIを組み込んだ機能の品質を確かめた人は

AIを組み込んだ機能は、同じ入力でも毎回同じ答えを返すとは限りません。「正しい答えが1つに決まる」前提の通常のテストとは、確かめ方が変わります。

IPAの「DX動向2026」では、AIを導入・試験利用・検討している企業のうち、「AIや生成AI独自のリスクマネジメントを実施している」企業は14.2%にとどまっていました。独自のリスクの例として、ハルシネーション(もっともらしい誤った出力)が挙げられています。また、総務省の「令和8年版 情報通信白書」によると、日本の企業が生成AIの活用で懸念するリスクは、情報漏えいなどのセキュリティリスクに次いで「出力結果の精度に問題がある」が2番目でした。

編集部の読みでは、AIの出力の精度を測り、変更のたびに確かめ直す仕組みをつくった経験は、まだ持つ人が少ない強みです。経験がある人は、次の4つを押さえて書きます。

  • 評価データ:何件の入力を、どんな内訳(よくある質問・境界のケース・答えてはいけない質問など)で用意したか
  • 合格基準:正答率などの指標と、リリースしてよい水準を誰と合意したか
  • 採点の方法:人が採点したか、自動で採点して人が抜き取りで確かめたか
  • 回帰テスト:プロンプトやモデルを変えるたびに、同じ評価データで確かめ直す仕組み

記入例

※記入例とは別の架空例です

【取り組み】問い合わせ回答を支援するAI機能の品質評価を担当。匿名化した過去の問い合わせから評価データ約600件(よくある質問・境界のケース・答えてはいけない質問)を作成し、正答率の合格基準を90%以上とPdMと合意。プロンプトやモデルの変更ごとに同じ評価データで回帰テストを行う仕組みを作り、初回評価の正答率81%から改善を重ねて92%でリリース

ポイント

  1. 評価データの件数と内訳、合格基準、回帰テストの仕組み、結果の数字がそろっていて、AIの品質を確かめる経験の中身がわかります。
  2. 「匿名化した」と書くことで、評価データの作り方でも情報の扱いに気をつけたことが伝わります。

AI機能の評価では、モデルの調整やプロンプトの改善は開発者やPdMが担うことも多くあります。自分が担ったのが評価の設計なのか、実行なのか、改善まで含むのかを分けて書きましょう。

AIの経験を書くときの注意点

  • 顧客データや個人情報を入力していないことがわかるように書く。テストデータや不具合のログには、本番に近い情報が含まれがちです。
  • 会社が認めたツールを、社内ルールの範囲で使ったことを前提に書く。
  • AIの出力をそのまま使わず、人がレビュー・テストしたことを書く。
  • 盛らない。数回試しただけの経験を「活用」と書くと、面接で使い方を詳しく聞かれたときに答えに困ります。

AIを使っていない・禁止の職場だった人は

金融や医療、受託のテストなど、顧客の情報を扱う理由で生成AIを使えない職場は珍しくありません。ルールに従って情報を扱ってきたこと自体が、QAとして大切な姿勢です。

代わりに、仕組みで仕事を変えた経験を書きましょう。記入例の「Playwrightで画面の回帰テスト約450ケースのうち約320ケース(約71%)を自動化し、GitHub Actionsで毎晩実行」のような自動化の経験は、AIと同じく「仕事のやり方を自分で変えられる力」を示します。

実績の数字が書けないときの対処法

数字が書けないときに拾う4つの切り口:品質、速さ、量、設計の工夫
この章のまとめ:数字が書けないときは4つの切り口から拾う

QAの成果は「不具合が起きなかった」ことが多く、数字にしにくいと感じる人が少なくありません。品質・速さ・量・設計の工夫の4つの切り口で探すと、書ける数字はたいてい見つかります。

不具合が少なく、見つけた件数が成果に見えない

不具合の件数が少ないのは、上流で手を打てた結果かもしれません。リリース後の不具合と、検出した工程で書きます。
例:「改定対応のリリース後の計算不具合0件」
例:「仕様レビューの観点表を作り、受け入れ条件の抜けを開発前に指摘する運用を定着」
見つけた件数より、リリース後に問題が出なかったことのほうが成果として伝わります。

第三者検証で、リリース後の結果を知らない

リリース後の数字がなくても、自分の手元にある量と質は書けます。
例:「約4,000ケースのテストを実行し、不具合を約350件報告」
報告した不具合のうち、開発側で修正対象になった割合など、報告の質を示す数字があれば添えましょう。

会社で品質指標を取っていなかった

指標がなくても、前後を比べられる時間や件数は拾えます。
例:「回帰テスト約150ケースをSeleniumで自動化し、3日から1日に短縮」
リリース1回あたりのテスト日数、自動化したケース数など、自分で数えられるものを使います。自分で指標を集計し始めた経験があれば、それ自体が実績になります。

製品名や数字を社外に出せない

製品名は種類で、数字は割合や規模の幅で書きます。
例:「中小企業向けクラウド勤怠管理・給与計算サービス(SaaS)」「回帰テストの約7割を自動化」
社内の規程で禁じられた数字は書きません。定義と割合があれば、成果の大きさは十分に伝わります。

履歴書の学歴欄、入学・卒業の年で迷ったら

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提出前のチェックリスト

提出前に確かめる7つのこと
この章のまとめ:提出前に確かめる7つのこと

書き終えたら、提出前に次の項目を確認しましょう。

  • 職務要約に、経験年数・対象の製品・担当した工程・一番の成果が入っている
  • 所属ごとに、製品と体制(開発者とQAの人数など)を書いている
  • テスト設計は、使った技法と「何通りを何ケースに整理したか」まで書いている
  • 品質指標に、算出方法と改善の前後の数字を添えている
  • テクニカルスキルの経験年数が、職務経歴の期間と一致している
  • 生成AIの活用は、使った場面・入力しない情報・人の確認方法をセットで書いている
  • 顧客名や未公開の製品名など、守秘義務に触れる情報を書いていない

最後に、職務要約・職務経歴・自己PRで同じ数字(自動化したケース数、不具合検出率、リリース後の不具合件数など)を使っている箇所を読み合わせ、食い違いがないか、割合の計算が合っているかを確かめましょう。

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よくある質問

テストの実行しか経験がありません。QAエンジニアの求人に応募できますか?

応募できます。実行したケース数や担当した製品を書いたうえで、不具合を見つけたときの報告の工夫や、自分で提案したテストの観点があれば書き出しましょう。テスト技法を学んでいることは、資格や学習の内容として添えると、設計に広げたい意欲の裏付けになります。

見つけた不具合の件数は、多いほど評価されますか?

件数が多いこと自体は、必ずしも評価につながりません。製品の規模や品質によって件数は大きく変わるからです。重大な不具合を早い工程で見つけたこと、リリース後の不具合が減ったことなど、件数の意味がわかる書き方をしましょう。

JSTQBなどの資格は書いたほうがいいですか?

書いておくと、テストの用語や技法を体系的に学んだことが伝わります。ただし資格だけでは実務の力は判断できないため、職務経歴で「どの技法を、何に使い、どうなったか」を示しましょう。

開発エンジニアからQAに移りたいです。何を強調すればいいですか?

単体テストや自動テストのコードを書いた経験、不具合の原因を調べた経験、コードレビューで品質に関わった経験を前に出します。QAに移りたい理由は、職務要約の最後に1文で添えましょう。

AIを使った経験がないと、QAの転職で不利になりますか?

AIの活用をどの程度求めるかは応募先によって大きく違い、経験がないことだけで不利になるとは限りません。求人票にAIの記載がある場合は、テスト自動化やCIへの組み込みなど、仕組みで仕事を変えた経験を具体的な数字とともに書きましょう。

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Author

佐藤 大貴

レジュメラボ編集責任者/アースダイバー代表

佐藤 大貴

人材紹介の会社で、キャリア系メディアの編集長をしていました。転職やキャリアをテーマにした記事づくりに長く関わり、2019年にアースダイバー株式会社を立ち上げました。編集長時代、たくさんの求職者の方やキャ…

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