Guides

書き方ガイド

事業開発の職務経歴書の書き方|採用担当に伝わる記入例と無料テンプレート

事業開発の職務経歴書の書き方|採用担当に伝わる記入例と無料テンプレート

事業開発の職務経歴書でよくあるのが、「新規事業の企画・立ち上げに携わり、社内外を巻き込みながら0→1の事業創出に取り組んだ」と、意気込みの言葉で終わる書き方です。これでは、どんな事業を、どの段階まで進め、事業としてどんな数字になったのかが伝わりません。採用担当が知りたいのは、どの事業を、どの段階から、どんな判断を重ねて、数字のある事業にしたかです。

事業開発は、構想、検証、提携、事業化、拡大と、段階によって仕事の中身が大きく変わります。とくに大手企業の新規事業では、経営会議の承認を得ることや、主力事業の部署と調整することも欠かせません。職務経歴書では、こうした段階と判断を、読み手がたどれる形で書く必要があります。

この記事では、大手私鉄に入社し、営業企画と駅ナカ店舗の開発を経て、新規事業推進部で駅ナカのシェアオフィス事業を立ち上げた人の記入例をもとに、項目ごとの書き方と評価される理由を解説します。見送った実証実験の書き方、経歴・応募先別の書き分け方、AIの経験の書き方も紹介します。

この記事でわかること

  • 事業開発の職務経歴書の完成イメージ(記入例)
  • データで読む、事業開発の経験が求められる理由
  • 事業化・提携の実績と、見送った判断をOK例・NG例で書くコツ
  • 大手の新規事業・提携中心・既存部門から・小さな会社へ、の書き分け方
  • 2026年の事業開発とAI:社外秘の情報を守りながら書く方法

無料テンプレート

事業開発の職務経歴書、記入見本つきのテンプレートがあります

この記事の記入例と同じ形式で、Word・Excel・PDFの3形式。空欄のテンプレートと記入見本がセットになっています。

事業開発の職務経歴書の記入例

まずは完成イメージです。大手私鉄に総合職で入社し、駅務と営業企画、駅ナカ店舗のテナント誘致を経験。2021年からは新規事業推進部で、駅ナカのシェアオフィス事業を実証実験から事業化まで担い、自治体・スタートアップとのオンデマンド交通の実証実験も主導した人を想定しています。画像をタップすると拡大できます。

事業開発の職務経歴書の記入例(大手私鉄の新規事業推進部で、実証実験から事業化まで)
事業開発の職務経歴書の記入例(A4・2枚)

この記入例と同じ形式のテンプレートを無料で用意しています。Word・Excel・PDFの3形式で、空欄テンプレートと記入見本の2点セットです。

事業開発の職務経歴書を、質問に答えるだけで無料作成できる「レジュメラボ AI職務経歴書メーカー」の案内

記入例をもとに、あなたの経歴で事業開発の職務経歴書を作る(AI職務経歴書メーカー・無料)

ツールで聞かれる質問や記入見本は、事業開発の職務経歴書をAIで作成するページで先に確かめられます。

データで読む:「新しい事業を数字にした経験」は、まだ少ない

書き方に入る前に、企業がデジタルを使った変革(DX)でどんな成果を出しているかを、公表されているデータで見ておきます。3つのデータを重ねると、見えてくることは1つです。多くの企業の取り組みは社内の効率化が中心で、新しい事業や顧客価値をつくって成果を出す段階には、まだ多くの企業が届いていません。だから、新しい事業を検証し、承認を得て、数字のある事業にした経験は、それだけで目を引きます。

DXの成果はコスト削減が7割。売上・利益の増加は2割に届かない

情報処理推進機構(IPA)の「DX動向2026」は、国内企業1,799社の回答をもとに、DXの取り組みと成果をまとめています。DXによる経営面の成果の内容を見ると、「コスト(人件費・材料費等)削減」が70.9%で最も高く、「従業員満足度向上」が42.4%、「製品・サービス等の提供日数削減」が34.3%でした。一方、「利益増加」は19.6%、「売上高増加」は17.9%にとどまっています。

DXによる経営面の成果の内容。コスト削減70.9%、従業員満足度向上42.4%、提供日数削減34.3%、利益増加19.6%、売上高増加17.9%
言いたいこと:DXの成果はコスト削減が7割。売上・利益の増加は2割に届かない(IPA、2026年調査)

出典:DX動向2026(情報処理推進機構)図表2-6(2026年7月30日公表)

この調査はDXの成果を聞いたもので、新規事業全般の成果を測ったものではありません。そのうえで、編集部の読みでは、デジタルを使って「売上を増やす」ところまで届いている企業は、まだ一部です。新しい事業を形にし、売上を生んだ経験を持つ人は、多くの企業にとって手元に少ない人材だと読めます。

職務経歴書では、事業の売上と黒字化の時期まで書きましょう。記入例の「2025年度末で12駅・法人会員 約180社、年間売上 約2億4,000万円、計画より1年早く単年度黒字」は、事業として成り立ったことを、拠点数・顧客数・売上・黒字化の4つで示した書き方です。

新しいビジネスづくりを成果指標にする企業は3社に1社

同じ調査で、DXの成果指標を何に置いているかを見ると、「内向きの業務改革(社内の効率化)」が80.0%、「システム改革(AI・データ利活用の度合い等)」が55.4%でした。「外向きの業務改革(新たなビジネスや顧客価値の創出)」は33.5%、「経営改革(デジタル事業売上高、市場シェア等)」は16.3%です。

DXの成果指標の対象。内向きの業務改革80.0%、システム改革55.4%、外向きの業務改革(新たなビジネスや顧客価値の創出)33.5%、経営改革16.3%
言いたいこと:新しいビジネスづくりを成果指標にする企業は3社に1社(IPA、2026年調査)

出典:DX動向2026(情報処理推進機構)図表2-15(2026年7月30日公表)

編集部の読みでは、新しい事業づくりは、多くの企業でまだ「何をもって成果とするか」を決めにくい領域です。だからこそ、事業開発の担当者には、検証の段階ごとに何を確かめ、どの数字に届けば次に進むのかを、自分で決めて説明する力が求められます。

記入例では、【取り組み】に「提携候補の評価表(事業の相性・財務・体制など12項目)と、検証ごとの継続・撤退の基準を部内で標準化」と書いています。成果の物差しを自分たちでつくった経験は、判断の仕組みをつくれる人であることを示します。

DXを進める人材は、9割近くの企業で「質」が足りない

同じ調査で、DXを推進する人材の確保の状況を見ると、2025年度に「量」が不足している(やや不足+大幅に不足)企業は85.5%、「質」が不足している企業は88.8%でした。「大幅に不足」は、量が58.5%から50.1%、質が58.9%から52.9%と前年度より減っていますが、不足と答える企業は依然として多数です。

DXを推進する人材の確保の状況(2025年度)。量が不足85.5%(うち大幅に不足50.1%)、質が不足88.8%(うち大幅に不足52.9%)
言いたいこと:DXを進める人材は、9割近くの企業で「質」が足りない(IPA、2026年調査)

出典:DX動向2026(情報処理推進機構)図表4-1・4-3(2026年7月30日公表)

ここでいう人材は、DXを推進する人材全般で、事業開発の担当者だけを指すものではありません。編集部の読みでは、新しい事業や顧客価値を形にできる人は、この「質」の不足の中心にいます。技術がわかる人や、調査ができる人はいても、提携先と交渉し、社内の承認を得て、事業として立ち上げるところまでやり切った人は多くないからです。

職務経歴書では、自分が担った段階と役割をはっきり書きましょう。記入例の【担当】「事業計画の作成、提携先の開拓と契約交渉、経営会議への付議」は、構想から承認まで、どこを自分が担ったのかを短く示した書き方です。

まとめると、いまの事業開発の職務経歴書では、意気込みよりも、どの段階で何を確かめ、どんな基準で判断し、事業としてどんな数字にしたかを書けるかで差がつきます。次は、採用担当が書類のどこを見ているかを確認します。

事業開発の職務経歴書テンプレートを無料でダウンロード

採用担当が事業開発の職務経歴書で見ている3つのこと

採用担当が確かめる3つのこと:どんな事業をどの段階で、構想で終わらず数字のある事業に、社内外を動かし判断できるか
この章のまとめ:採用担当が確かめる3つのこと

こうした変化と採用の現場でよく見られる傾向を踏まえると、事業開発の採用担当は、書類から次の3つを確認しています。

  1. どんな事業を、どの段階で担ってきたか事業開発は、構想・検証・提携・事業化・拡大と、段階によって仕事の中身が大きく違います。採用担当は、担当した事業の領域と、どの段階を、どんな立場で担ったのかをまず確かめます。構想や調査だけなのか、事業として立ち上げ、数字に責任を持ったのかで、評価は変わります。
  2. 構想で終わらず、数字のある事業にしたか新規事業は、検証で止まることも少なくありません。採用担当は、実証実験の規模と結果、承認を得た時期、事業化後の顧客数・売上・黒字化の時期など、事業として形になった数字を見て、成果を判断します。
  3. 社内外を動かし、判断できるか提携先との交渉、社内の関係部署との調整、経営会議での承認。事業開発は、多くの人を動かして進める仕事です。あわせて、続けるか、見送るか、形を変えるかを基準にもとづいて判断した経験があると、事業を任せられると判断されます。

3つとも、答えになるのは「新しいことが好き」という熱意ではなく、段階・数字・判断の事実です。新規事業は結果が出るまで時間がかかるため、途中の段階で何を確かめたかも、立派な実績になります。

項目別の書き方:OK例とNG例の違い

ここからは項目ごとに、NG例とOK例を並べて解説します。OK例は記入例からの引用です。事業開発の書類で特に差がつくのは、案件ごとの書き分けと、見送った判断の書き方です。

職務要約:会社・担当した事業・段階・立場・成果を3〜5行で

職務要約は、採用担当が最初に読む部分です。事業開発の場合は、どんな会社で、どんな土台の上に事業をつくったかを最初に伝えます。大手企業の新規事業と、スタートアップの事業開発では、使える資産も進め方も違うからです。

× NG例

大手企業の新規事業部門で、新規事業の企画・立ち上げに携わってきました。社内外の関係者を巻き込みながら、0→1の事業創出に取り組み、会社の新たな柱づくりに貢献しました。

ここが惜しい

  1. どんな事業を立ち上げたのかがわからず、経験の中身を判断できません。
  2. 「0→1」「巻き込み」「新たな柱」は多くの応募者が書く言葉で、具体的な役割が伝わりません。
  3. 事業の規模や売上、黒字化など、成果の数字がありません。

○ OK例

2014年4月に大手私鉄の株式会社サンプル鉄道に入社し、営業企画と駅ナカ店舗の開発を経て、2021年4月から新規事業推進部で鉄道以外の事業の立ち上げを担当しています。駅ナカのシェアオフィス事業では、2駅での実証実験から経営会議の承認を得て事業化し、2025年度末で12駅・法人会員約180社、年間売上約2億4,000万円、計画より1年早い単年度黒字を達成しました。

ここが評価される

  1. 会社の業種と、事業開発に至るまでの経歴の流れが最初にわかります。
  2. 検証、承認、事業化と、どの段階を担ったのかが順に書かれています。
  3. 拠点数・顧客数・売上・黒字化の時期で、事業として形になったことを示しています。

「0→1」「新たな柱」のような言葉は、事業開発の世界では日常的に使われますが、書類では中身が伝わりません。事業の名前を一般的な言葉で書き、規模は数字で示しましょう。

職務経歴:担当した事業・段階・提携先・規模を案件ごとに

職務経歴は、事業開発の書類でいちばん重要な項目です。下の画像の3つのポイントを押さえると、同じ経験でも伝わり方が大きく変わります。

事業開発の職務経歴の書き方のポイント
職務経歴の書き方のポイント

× NG例

新規事業推進部にて、複数の新規事業プロジェクトを推進。市場調査、事業計画策定、PoC、アライアンス構築まで幅広く担当しました。

ここが惜しい

  1. 「複数のプロジェクト」では、何件で、どんな事業だったのかがわかりません。
  2. 仕事の種類を並べただけで、それぞれの結果がありません。
  3. 「PoC」「アライアンス」などのカタカナ語が多く、職種の違う読み手には伝わりにくくなります。

○ OK例

【事業化】駅ナカのシェアオフィス事業(2021年4月〜)

2022年に2駅で3か月の実証実験(利用 延べ約2,400人、法人利用者の継続意向 72%)。結果をもとに事業計画を作り、2022年12月に経営会議で事業化の承認

運営会社を公募し8社を比較して1社と提携。2025年度末で12駅・法人会員 約180社、年間売上 約2億4,000万円、計画より1年早く単年度黒字

ここが評価される

  1. 事業名を一般的な言葉で書き、案件ごとに【事業化】【実証実験】と見出しを分けています。
  2. 検証で確かめた数字と、事業化後の数字が分かれていて、事業に育ったことが伝わります。
  3. 提携先は社名を出さず、「公募し8社を比較」と選んだ過程で書いています。

案件は、【事業化】【実証実験】のように見出しで分けると読みやすくなります。事業化した案件、検証で止めた案件、提携だけの案件では、読み手が確かめたいことが違うからです。データの章で見たとおり、売上まで届いた事業はまだ少ないので、事業化した案件は最初に置きましょう。

事業開発の前の経験も、行を分けて書く

記入例では、営業企画や駅ナカ店舗の開発の経験を、事業開発の前の行に分けて書いています。テナントとの交渉や現場の知識は、提携先との交渉や社内の調整の土台になるため、つながりが伝わるように書きます。

事業化・提携の実績:検証の基準と結果、見送った判断とその後

事業開発の実績は、うまくいった事業だけではありません。ここでは、見送った判断も、基準とその後で書くことが大切です。何を基準に判断し、その後どう動いたかを書けば、事業を見極める力として伝わります。

× NG例

スタートアップとの協業によるPoCを複数実施。地域課題の解決に向けて、自治体とも連携し、多くの学びを得ました。

ここが惜しい

  1. 実証実験の内容・期間・規模がわからず、どの程度の経験なのかが判断できません。
  2. 結果がどうなり、何を判断したのかが書かれていません。
  3. 「多くの学び」では、次の仕事にどう活きるのかが伝わりません。

○ OK例

【実証実験】沿線の自治体・交通系スタートアップと、駅から住宅地へのオンデマンド交通の実証実験(2024年10月〜2025年3月、利用 約8,600回)。事前に決めた基準(1台1日あたりの利用回数)に届かず自社での運営は見送り、自治体からの運行受託の形に切り替えて2025年10月から継続

ここが評価される

  1. 提携先の種類、期間、利用回数がそろい、実証実験の規模がわかります。
  2. 「事前に決めた基準」で判断したことが書かれ、感覚ではなく根拠のある判断だと伝わります。
  3. 見送りで終わらず、形を変えて続けたところまで書き、前向きな経験として示しています。

記入例では、自社での運営は見送ったものの、自治体からの運行受託という形に切り替えて事業を続けています。「見送った」で終わらず、地域の移動手段を残すという目的を、別の形で果たしたことまで書いている点がポイントです。

うまくいかなかった検証も、隠さなくてよい

新規事業では、検証の結果、見送ることも大切な判断です。何を基準に判断し、その後どうしたかを書けば、失敗ではなく、事業を見極める力として伝わります。

活かせる経験・知識・スキル:事業化・提携・調整から3つ

職務経歴の中から、応募先で使える経験を3つに絞って箇条書きにします。「事業企画力」「アライアンス構築力」と書く代わりに、どの段階を、どんな相手と進めてきたかを書きます。

× NG例

・事業企画力

・アライアンス構築力

・プロジェクトマネジメント力

ここが惜しい

  1. 「〜力」を並べただけで、何をしてきた人なのかがわかりません。
  2. 規模や実績がなく、どの程度の経験なのかが判断できません。

○ OK例

・実証実験の設計(検証項目・期間・撤退基準)から、事業計画・経営会議の承認、事業化までの一連の経験

・提携先の開拓と契約交渉(運営会社の公募・8社比較、自治体・スタートアップとの実証実験)

・駅・不動産の現場の知識にもとづく、社内の関係部署(駅・施設・法務・経理)との調整

ここが評価される

  1. 事業化の一連の流れ、提携、社内の調整と、種類の違う強みを3つ選んでいます。
  2. かっこ書きで中身を具体的に示し、職務経歴と結びつけて確かめられるようにしています。

ツール欄には、事業の収支モデルや説明資料など、作れるものを書きます。資格は、記入例の宅地建物取引士資格試験のように、担当してきた事業に関わるものがあれば添えましょう。

自己PR:強みは2つまで。考え方→進め方→結果の順で

自己PRは「強み → 進め方 → 結果の数字」の順に書きます。事業開発の自己PRは「行動力」「情熱」に寄りがちですが、採用担当が知りたいのは、どんな考え方で事業を進め、何を判断し、どうなったかです。

× NG例

私の強みは、新しいことに挑戦する行動力と、どんな困難にも負けない情熱です。最新の技術やトレンドにもアンテナを張っています。

ここが惜しい

  1. 「行動力」「情熱」は、成果と結びついていないと評価しにくい言葉です。
  2. どの事業で、何をして、どんな結果になったのかがありません。
  3. 情報収集は事業開発の前提で、強みとしては伝わりにくい書き方です。

○ OK例

小さく検証し、数字で事業化を判断する力

シェアオフィス事業では、いきなり多くの駅に広げず、2駅・3か月の実証実験で利用者数と法人の継続意向を確かめました。その結果をもとに事業計画を作って経営会議の承認を得て、12駅・年間売上約2億4,000万円の事業に育て、計画より1年早く単年度黒字にしました。

ここが評価される

  1. 「小さく検証する」という進め方の考え方が、見出しから伝わります。
  2. 検証、承認、拡大、黒字化と、事業が育つまでがひと続きで書かれています。
  3. 記入例では2つ目に、撤退の基準で判断した経験を書いています。進める力と止める力の両方が伝わります。
事業開発の職務経歴書の記入見本つきテンプレート

経歴・応募先別:事業開発の職務経歴書の書き分け方

経歴・応募先ごとに前に出すこと:大手企業の新規事業、提携(アライアンス)が中心、既存事業の部門から事業開発へ、規模の小さい会社の事業開発へ
この章のまとめ:経歴・応募先ごとに前に出すこと

事業開発は、会社の規模や、担ってきた仕事の中心によって、採用担当が気にすることが変わります。どのタイプでも共通するのは、段階・数字・判断の3つをそろえることです。まずは表で全体像を確認しましょう。

タイプ採用担当が見るポイント前に出すこと
大手企業の新規事業主力事業の資産を使い、承認を得て事業にできるか主力事業の資産の使い方、承認を得た経緯、事業化後の数字
提携(アライアンス)が中心提携先を選び、提携から成果を生めるか提携先の数と種類、提携から生まれた売上・顧客
既存事業の部門から事業開発へ現場の知識を、新しい事業に活かせるか現場の知識と顧客理解、小さく試した企画
規模の小さい会社の事業開発へ少ない人数で、自分で手を動かして進められるか自分で手を動かした範囲、速く決めて動いた経験

大手企業の新規事業

記入例の人の立場です。採用担当は、主力事業の資産を活かし、社内の承認を得て、事業として立ち上げられるかを確かめます。

職務経歴書に書きたいこと

  • 主力事業の規模と、新規事業で使った資産(顧客・拠点・ブランドなど)
  • 実証実験の規模と結果、承認を得た時期
  • 事業化後の拠点数・顧客数・売上・黒字化の時期

記入例

【事業化】駅ナカのシェアオフィス事業(2021年4月〜)

2022年に2駅で3か月の実証実験(利用 延べ約2,400人、法人利用者の継続意向 72%)。結果をもとに事業計画を作り、2022年12月に経営会議で事業化の承認

ポイント

  1. 記入例の書き方です。検証の規模・期間・確かめた数字と、承認の時期がそろっています。
  2. 主力事業の資産(駅)を使った事業であることが、事業名から伝わります。

よくある落とし穴は、社内の会議や資料づくりの話ばかりになるケースです。承認を得るまでの苦労より、何を確かめ、事業がどうなったかを中心に書きましょう。

提携(アライアンス)が中心の事業開発

他社との提携を通じて、販路や機能を広げてきた人です。採用担当は、提携先を選ぶ目と、提携から成果を生む力を見ます。

職務経歴書に書きたいこと

  • 提携先の数と種類(業種・規模)、自分の役割
  • 提携先を選んだ基準と、交渉で決めたこと
  • 提携から生まれた売上・顧客数・利用者数

記入例

※記入例とは別の架空例です

【提携】ホテル・飲食チェーンなど9社と送客の提携を結び、共通の会員特典を設計(2023年4月〜)

【実績】2025年度:提携経由の新規会員 年約1万2,000人(新規会員全体の約2割)。提携先ごとの送客数を毎月共有し、送客が止まった3社と特典を見直し

ポイント

  1. 提携先の数と種類、そこから生まれた会員数がそろっています。
  2. 提携を結んだ後の運営(見直し)まで書くと、提携を成果につなげられる人だと伝わります。

よくある落とし穴は、提携を「結んだ数」だけを書くケースです。結んだだけで動いていない提携は、成果になりません。提携から何が生まれたかを書きましょう。

既存事業の部門から事業開発へ

営業や企画、現場の仕事から、事業開発を目指す人です。記入例の人も、最初の7年は営業企画と駅ナカ店舗の開発でした。採用担当は、現場の知識と、小さく試した経験を見ます。

職務経歴書に書きたいこと

  • 担当してきた顧客・商品・現場の知識
  • 社外の相手と交渉・連携した経験
  • 自分で企画し、小さく試して数字が動いた経験

記入例

【実績】2016年度:沿線の商業・観光施設12か所と連携した特典を追加し、企画乗車券の年間販売を約3.2万枚から約5.1万枚に

ポイント

  1. 記入例の営業企画の時期の書き方です。社外の施設と連携し、企画で数字を動かした経験は、事業開発の小さな原型です。
  2. こうした経験を職務経歴の最初の行に置くと、事業開発への適性が伝わります。

よくある落とし穴は、「新規事業に興味がある」ことだけを書くケースです。興味に加えて、今の仕事の中で新しいことを試した経験を1つでも書きましょう。

規模の小さい会社の事業開発へ

大手企業で事業開発をしてきた人が、規模の小さい会社に移る場合です。採用担当は、少ない人数で、自分で手を動かして速く進められるかを見ます。

職務経歴書に書きたいこと

  • 自分で手を動かした範囲(資料・交渉・収支の計算・現場の運営など)
  • 短い期間で決めて動いた経験
  • 限られた予算や人数で成果を出した経験

記入例

【取り組み】提携候補の評価表(事業の相性・財務・体制など12項目)と、検証ごとの継続・撤退の基準を部内で標準化。構想から経営会議までの期間を平均約11か月から約7か月に短縮

ポイント

  1. 記入例の書き方です。判断の基準を先に決めることで、決めるまでの期間を縮めた経験は、速さが求められる会社でも通じます。
  2. 小さな会社に応募するときは、こうした「速く決める仕組み」を自己PRで前に出すと伝わりやすくなります。

よくある落とし穴は、大きな予算や多くの関係者を動かしたことを前面に出しすぎるケースです。応募先の規模に合わせ、自分が直接担った範囲を中心に書きましょう。

2026年の事業開発とAI:職務経歴書にどう書くか

事業開発がAIの経験を書くときの3つの場面:市場調査・情報の整理、事業計画・資料の下書き、AIを使っていない職場
この章のまとめ:事業開発のAIの経験、書くときの3つの場面

最初にお伝えしたいのは、AIの使い方や、AIの経験を求める度合いは、応募先によって大きく違うということです。IPAの「DX動向2026」プレス発表では、AIを導入している企業は従業員1,001人以上で8割近くにのぼる一方、101人以下では16.6%でした。

AIを使った経験がないからといって、書類選考で不利になると考える必要はありません。求人票に「生成AI」「AIツール」などの言葉があるかを確認し、記載があれば具体的に、なければ職務経歴に1行添える程度で十分です。

事業開発で現実的なAIの使い方

同じIPAの資料では、AIを導入した企業の用途として「情報検索・収集・分析」が77.0%、AIの効果として「企画提案等の品質や速さの向上」が48.9%挙がっています。事業開発の仕事では、次のような使い方が現実的です。どれも調べものや下書きをAIに任せ、事業の判断は人が担う使い方です。

使い方具体例人が確かめること
市場データの整理公開されている統計や業界の資料を集め、論点ごとに整理する(記入例の使い方)元の資料の数字と合っているか、古い情報が混ざっていないか
事業計画書の構成案課題・解決策・収支・リスクの順に、計画書の骨組みを作る(記入例の使い方)前提の数字が社内の資料と合っているか
提携候補の下調べ候補企業の公開情報(事業内容・沿革など)を要約する公開情報だけを使ったか、評価は人が行ったか
利用者の声の整理実証実験のアンケートの自由記述を、テーマごとに分ける個人が特定できる情報を入力していないか

書き方:何に使い、何を入力せず、誰が確かめたか

事業開発がAIの経験を書くときに大切なのは、社外秘の情報をどう守ったかです。検討中の事業や提携の情報は、会社にとって最も外に出せない情報の1つです。

× NG例

生成AIを活用して、市場調査や事業計画の作成を効率化しました。

ここが惜しい

  1. どの作業に、どう使ったのかがわからず、使い方の水準が判断できません。
  2. 検討中の事業の情報を入力していないかが書かれておらず、情報の扱いに不安を与えます。
  3. AIが出した数字を、誰がどう確かめたのかがわかりません。

○ OK例

社内で認められたツールで、公開されている市場データの整理と事業計画書の構成案を下書き(2025年4月〜)。社外秘の情報は入力せず、数字は原資料で確認

ここが評価される

  1. 「公開されている市場データ」「構成案」と、AIに任せた範囲が具体的です。
  2. 「社外秘の情報は入力せず」「数字は原資料で確認」と、情報の扱いと確認の方法がそろっています。
  3. 効果を測っていないため時間の数字は書かず、使った作業と確かめ方だけを書いています。数字を作らない誠実さも伝わります。

AIを組み込んだ新しいサービスの企画に関わった人は、その経験も書けます。その場合は、利用者のどんな課題を解き、精度や安全性をどう確かめ、事業としてどう判断したかを書くと、AIを事業の道具として扱えることが伝わります。

AIの経験を書くときの注意点

  • 検討中の事業・提携先・公表前の数字を入力していないことがわかるように書く。
  • 会社が認めたツールを、社内ルールの範囲で使ったことを前提に書く。
  • AIが出した数字や情報は、元の資料で確かめたことを書く。
  • 盛らない。調べものに少し使っただけの経験を「AIで事業を創出」と書くと、面接で詳しく聞かれたときに答えに困ります。

AIを使っていない・禁止の職場だった人は

検討中の事業の情報を守るために、外部のサービスへの入力を禁じている職場もあります。ルールに従って社外秘の情報を守ってきたこと自体が、事業開発として大切な姿勢です。

代わりに、判断の仕組みをつくった経験を書きましょう。記入例の「提携候補の評価表と、検証ごとの継続・撤退の基準を部内で標準化」のような経験は、AIと同じく「仕事のやり方を自分で変えられる力」を示します。

実績の数字が書けないときの対処法

数字が書けないときに拾う4つの切り口:検証の規模、進み具合、関わった相手、判断
この章のまとめ:数字が書けないときは4つの切り口から拾う

事業開発は、事業がまだ小さい、公表前で数字を出せない、検証の途中で異動したなど、成果の数字を書きにくい仕事です。検証の規模・進み具合・関わった相手・判断の4つの切り口で探すと、書ける数字はたいてい見つかります。

事業化の前に、検証の段階で異動・退職した

検証の規模と、確かめたことで書きます。
例:「2駅で3か月の実証実験(利用 延べ約2,400人、法人利用者の継続意向 72%)」
事業化に至らなくても、何を確かめ、次の判断にどうつないだかは立派な実績です。

事業の売上や計画の数字が、公表前で出せない

進み具合を、承認の時期や期間で書きます。
例:「2022年12月に経営会議で事業化の承認」
金額を出せないときは、拠点数や顧客数、計画に対する進み具合(計画より1年早く黒字など)で書きましょう。

提携の成果が、まだ数字になっていない

関わった相手の数と、選んだ過程で書きます。
例:「運営会社を公募し8社を比較して1社と提携」
比較した数や評価の基準を書くと、提携先を選ぶ目があることが伝わります。

検証の結果、事業を見送った

事前に決めていた基準と、その後の打ち手で書きます。
例:「事前に決めた基準(1台1日あたりの利用回数)に届かず自社での運営は見送り、自治体からの運行受託の形に切り替えて2025年10月から継続」
見送りの判断は、事業開発の大切な仕事の1つです。前向きな経験として書きましょう。

履歴書の学歴欄、入学・卒業の年で迷ったら

生年月日を選ぶだけで、入学・卒業の年月を和暦・西暦で計算し、学歴欄をそのまま作れます。早生まれ・浪人・留年にも対応しています。

学歴早見表で計算する →

提出前のチェックリスト

提出前に確かめる7つのこと
この章のまとめ:提出前に確かめる7つのこと

書き終えたら、提出前に次の項目を確認しましょう。

  • 職務要約に、会社の業種、担当した事業、段階、立場、代表的な成果が入っている
  • 案件ごとに、事業の内容、期間、提携先の種類、自分の役割を書いている
  • 実証実験で確かめた数字と、事業化後の数字(顧客数・売上・黒字化など)を分けている
  • 見送った案件は、判断の基準とその後の打ち手を書いている
  • 提携先の社名や、公表されていない事業計画の数字を書いていない
  • AIを使った場合は、入力しなかった情報と自分で確認したことを書いている
  • A4で2枚程度に収まり、誤字脱字がない

最後に、職務要約・職務経歴・活かせる経験・自己PRで同じ数字(拠点数、顧客数、売上、検証の規模など)を使っている箇所を読み合わせ、食い違いがないか、時期の順番が合っているかを確かめましょう。

書いた職務経歴書を、採用担当の視点で100点満点チェックできる「レジュメラボ AI職務経歴書メーカー」の案内

よくある質問

事業化に至った案件がありません。事業開発として応募できますか?

応募できます。実証実験の規模と結果、そこから何を判断したかを書きましょう。新規事業は検証で止まることも多く、基準にもとづいて判断した経験は評価されます。

提携先や事業の名前は書いてもいいですか?

公表されている事業の名前は書いてもかまいませんが、提携先の社名や公表前の計画は書かないのが基本です。業種や規模、「公募し8社を比較」のような選んだ過程で書けば、十分に伝わります。

見送った案件まで書くと、失敗の印象になりませんか?

判断の基準とその後の打ち手を書けば、失敗ではなく、事業を見極める力として伝わります。記入例のように、形を変えて続けた結果まで書けると、さらに前向きに受け取られます。

大手企業の新規事業の経験は、スタートアップでも通じますか?

通じます。ただし、社内の承認や調整の話より、自分で手を動かした範囲と、速く決めて動いた経験を前に出しましょう。判断の基準を先に決めて期間を縮めた経験などは、規模を問わず評価されます。

AIを使った経験がないと、事業開発の転職で不利になりますか?

AIの活用をどの程度求めるかは応募先によって大きく違い、経験がないことだけで不利になるとは限りません。社外秘の情報を守ってきたことも評価の対象になります。求人票にAIの記載がある場合は、判断の仕組みをつくった経験を数字とともに書きましょう。

この記事の記入例テンプレートを無料でダウンロード

Word・Excel・PDFの3形式に対応。空欄テンプレートと記入見本のセットです。

Author

佐藤 大貴

レジュメラボ編集責任者/アースダイバー代表

佐藤 大貴

人材紹介の会社で、キャリア系メディアの編集長をしていました。転職やキャリアをテーマにした記事づくりに長く関わり、2019年にアースダイバー株式会社を立ち上げました。編集長時代、たくさんの求職者の方やキャ…

Share

前の記事
一覧へ戻る
次の記事