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保険営業の職務経歴書の書き方|採用担当に伝わる記入例と無料テンプレート

保険営業の職務経歴書の書き方|採用担当に伝わる記入例と無料テンプレート

保険営業の職務経歴書でよくあるのが、「担当代理店の業績拡大に努め、目標を達成しました」と書いて終わる書き方です。これでは、どんな代理店を何店支えてきたのか、数字のうちどこが自分の働きなのかが伝わりません。採用担当が知りたいのは、誰に、どんな形で保険を届け、代理店やお客様が自分の働きでどう変わったかです。

この記事で扱うのは、損害保険会社の総合職として代理店を支え、企業向けの保険を提案する保険営業です。個人のお客様に直接販売する営業とは、数字の意味も、評価のされ方も違います。代理店の数が減り、1店あたりの規模が大きくなるなかで、代理店を育てる力と、企業のリスクを保険の形にする力が重く見られています。

この記事では、損害保険会社で約10年半、代理店営業に携わってきた人の記入例をもとに、項目ごとの書き方と評価される理由を解説します。代理店の募集人として働いてきた人や、保険業界から他業界の法人営業に移りたい人の書き分け方も紹介します。

この記事でわかること

  • 保険営業(損害保険の代理店営業)の職務経歴書の完成イメージ(記入例)
  • データで読む、代理店の減少と大型化、伸びている保険の種類
  • 収入保険料と「自分の働き」を分けて書くコツを、OK例・NG例で
  • 自動車関連の代理店担当・専業代理店・代理店の募集人・他業界への転職別の書き分け方
  • 2026年の保険営業とAI:職務経歴書での書き方と注意点

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保険営業の職務経歴書の記入例

まずは完成イメージです。損害保険会社に総合職として入社し、自動車販売店などの代理店の担当、地域の中小企業向けの企業保険を経て、いまは本店で大型の保険専業代理店6店を担当している人を想定しています。画像をタップすると拡大できます。

保険営業の職務経歴書の記入例(損害保険会社の代理店営業10年半)
保険営業の職務経歴書の記入例(A4・2枚)

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データで読む:代理店が減り大きくなるいま、保険営業は「育てる力」と「企業への提案」で評価される

書き方に入る前に、損害保険の販売の現状を、業界団体の公表データで見ておきます。3つの資料を重ねると、見えてくることは1つです。保険料のほとんどは代理店を通じて集まり、その代理店は数が減って1店あたりが大きくなっています。そして企業向けの保険の比重が増しています。だから評価されるのは、大きな代理店を育て、企業のリスクに合わせた提案を代理店と一緒にできる営業です。

損害保険の代理店は、3年で約2割減った

日本損害保険協会の「2025年度損害保険代理店統計」によると、2025年度末の代理店の数は12万4,024店で、前の年度末より11.5%減りました。2022年度末の15万6,152店と比べると、3年で約2割減っています。同じ年度に新しくできた代理店は3,149店、廃止された代理店は1万9,263店でした。

損害保険代理店の実在数。2022年度末156,152店、2023年度末150,652店、2024年度末140,138店、2025年度末124,024店
言いたいこと:損害保険の代理店は3年で約2割減った(日本損害保険協会、2022〜2025年度末)

出典:2025年度損害保険代理店統計(日本損害保険協会)(2026年8月7日発表。2023・2024年度は各年の発表資料)

一方、代理店で保険の販売に携わる募集従事者は173万6,427人で、減り方は2.4%にとどまりました。編集部が単純に割り算すると、1店あたりの募集従事者は2022年度末の約11.8人から、2025年度末は約14.0人に増えています。ファクトブックによると、代理店の数がもっとも多かったのは1996年度末の62万3,741店です。編集部の読みでは、代理店は「数が多く小さい」形から「数が少なく大きい」形へ移り続けています。

代理店が大きくなると、保険会社の営業に求められることも変わります。商品を説明して回るだけでなく、何十人もの募集人がいる代理店の業務の仕組みを、一緒に整える役割が増えます。2025年5月には改正保険業法が成立し、大規模な乗合代理店などの体制整備(法令等遵守責任者の設置など)を強める内容が盛り込まれました(金融庁の説明資料。関係する内閣府令等は2026年6月1日に施行)。記入例で、大型の代理店6店について「募集人 計約140名」と規模を書き、「お客様の意向の確認と記録の手順を代理店と見直し」と書いているのは、この役割を果たしてきたことを示すためです。

損害保険の保険料の約9割は、代理店を通じて集まる

同じ統計では、保険料がどの経路で集まったかも示しています。2025年度の元受正味保険料の構成比は、代理店扱が89.0%、保険会社の直接販売などの直扱が9.9%、保険仲立人扱が1.1%でした。

募集形態別の元受正味保険料の構成比(2025年度)。代理店扱89.0%、直扱9.9%、保険仲立人扱1.1%
言いたいこと:損害保険の保険料の約9割は代理店を通じて集まる(日本損害保険協会、2025年度)

出典:2025年度損害保険代理店統計(日本損害保険協会)

つまり損害保険会社の営業成績の多くは、代理店がお客様に販売した結果です。採用担当はそれをよく知っているので、収入保険料の数字を見ると「このうち本人の働きはどこか」を探します。

代理店の種類にも特徴があります。主な販売の経路で分けると、代理店の56.4%が自動車販売店や整備工場などの自動車関連業、17.6%が保険の販売を専門にする専業代理店でした。記入例の人物が、自動車関連の代理店28店の担当から始め、保険専業の代理店を担当するようになったのは、この2つが代理店営業の代表的な担当先だからです。部署ごとに代理店の種類と数を書くと、自分がどんな代理店を支えてきたかが、採用担当にすぐ伝わります。

火災と新種(賠償責任など)の保険料は、4年で2割以上増えた

日本損害保険協会の「ファクトブック2026」で保険の種類ごとの正味収入保険料を見ると、2025年度は自動車保険が4兆6,732億円で最も大きく、全体の46.9%を占めます。2021年度と比べると、火災保険は1兆5,071億円から1兆8,866億円へ25.2%、賠償責任保険などを含む新種保険は1兆3,931億円から1兆7,253億円へ23.8%増えました(増加率は編集部の計算)。

保険種目別の正味収入保険料(2021年度→2025年度)。自動車42,288→46,732億円、火災15,071→18,866億円、新種13,931→17,253億円、傷害6,315→7,053億円、自賠責7,729→6,690億円、海上・運送2,729→3,131億円
言いたいこと:火災と新種の保険料は4年で2割以上増えた(日本損害保険協会、2021→2025年度)

出典:ファクトブック2026 日本の損害保険(日本損害保険協会) 正味収入保険料の保険種目別

この伸びには、保険料の改定の影響も含まれます。ここから読み取れることは2つあります。1つは、火災保険や賠償責任保険など、企業の財産や事業を守る保険の比重が増していることです。企業のリスクを聞き取り、保険の組み合わせを提案できる人の出番は広がっていると読めます。

もう1つは、収入保険料の伸びは、保険料の改定でも起きるということです。だから職務経歴書では、収入保険料の前年比だけでなく、自分が提案した社数・受託した社数や、更改率の変化のように、自分の働きで動いた数字を分けて書きます。記入例の「代理店と共同で中堅企業12社の保険の見直しを提案し、9社で受託」は、その書き方の例です。

まとめると、いまの保険営業の職務経歴書では、収入保険料に加えて、どんな代理店をどの規模で支えたか、代理店と一緒にどんな仕組みを作ったか、企業向けの提案で自分が何をしたかを書けるかで差がつきます。次は、採用担当が書類のどこを見ているかを確認します。

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採用担当が保険営業の職務経歴書で見ている3つのこと

採用担当が確かめる3つのこと:誰にどんな形で保険を届けてきたか、数字のうち自分の働きがどこか、お客様本位の手続きを守り仕組みにできるか
この章のまとめ:採用担当が確かめる3つのこと

こうした変化と採用の現場でよく見られる傾向を踏まえると、保険営業の採用担当は、書類から次の3つを確認しています。

  1. 誰に、どんな形で保険を届けてきたか保険営業には、保険会社の社員として代理店を支える営業、企業に直接提案する営業、個人のお客様を担当する営業などがあります。所属・担当した代理店やお客様の種類・扱った保険を書くと、応募先の仕事に近いかどうかを採用担当がすぐ判断できます。
  2. 数字のうち、自分の働きがどこか代理店営業の収入保険料は、代理店の販売の結果でもあります。目標・実績・前年比に加えて、自分が提案した社数や受託した社数、更改率の変化などを分けて書くと、本人の力が見えます。
  3. お客様本位の手続きを守り、仕組みにできるか保険の販売では、お客様の意向を確かめて記録することなど、守るべきルールが多くあります。正しい手続きを代理店と一緒に仕組みにしてきた経験は、売る力と同じくらい重く見られます。

3つとも、答えになるのは「代理店と信頼関係を築いた」という言葉ではなく、規模・割合・仕組みの具体です。「足しげく通った」「頼りにされた」は、どの応募者にも書けてしまいます。何店の代理店で、何を変え、どの数字が動いたかを書きましょう。

項目別の書き方:OK例とNG例の違い

ここからは項目ごとに、NG例とOK例を並べて解説します。OK例は記入例からの引用です。保険営業の書類で特に差がつくのは、職務経歴の担当欄と、収入保険料に添える「自分の働き」の数字です。

職務要約:所属・立場・担当・代表的な数字を3〜5行で

職務要約は、採用担当が最初に読む部分です。保険営業は働き方の幅が広いので、所属(保険会社か代理店か)と立場、担当した代理店やお客様を最初に書きます。

× NG例

大学卒業後、損害保険会社で営業を担当してまいりました。代理店の皆様と信頼関係を築き、毎年目標を達成してきました。保険を通じて社会に貢献したいと考えています。

ここが惜しい

  1. どんな代理店を何店担当し、どんな保険を扱ったのかがわからず、経験の中身が伝わりません。
  2. 「毎年目標を達成」には数字がなく、目標の大きさも達成の度合いも判断できません。
  3. 志望の気持ちが中心で、何が得意なのかが書かれていません。

○ OK例

大学卒業後、2016年4月に株式会社サンプル損害保険に総合職として入社し、約10年半、代理店営業に携わってまいりました。自動車販売店などの代理店の担当、地域の中小企業向けの企業保険を経て、2023年からは本店で大型の保険専業代理店6店を担当しています。2025年度は担当代理店の収入保険料40億3,000万円(達成率106%、前年比108%)でした。

ここが評価される

  1. 自動車販売店の代理店、企業保険、大型の専業代理店と、担当の移り変わりが一文でわかります。
  2. 「総合職」と書くことで、個人の歩合で契約を集める営業とは働き方が違うことが伝わります。
  3. 収入保険料に達成率と前年比を添えているので、成果の大きさが確かめられます。記入例では最後に得意なことを1文添えています。

職務経歴:部署ごとに、担当した代理店の種類・数と扱った保険を書く

職務経歴は、保険営業の書類でいちばん重要な項目です。下の画像の3つのポイントを押さえると、同じ経験でも伝わり方が大きく変わります。

保険営業の職務経歴の書き方のポイント
職務経歴の書き方のポイント

× NG例

本店企業営業部にて代理店営業を担当。担当代理店の業績拡大に努め、目標を達成しました。代理店の育成にも取り組みました。

ここが惜しい

  1. 代理店の種類や数、募集人の人数がなく、どの規模の代理店を支えていたのかがわかりません。
  2. 「業績拡大に努め」は、どの数字がどれだけ伸びたのかが書かれていません。
  3. 「育成に取り組みました」は、何をして、代理店がどう変わったのかがわかりません。

○ OK例

【担当】大型の保険専業代理店6店(募集人 計約140名)。代理店の業務運営の支援と、中堅企業(年商50億〜300億円)向けの保険の設計

【実績】2025年度

担当代理店の収入保険料:目標38億円/実績40億3,000万円(達成率106%、前年比108%)

(中略)

【取り組み】お客様の意向の確認と記録の手順を代理店と見直し、点検の結果を毎月共有。満期の3か月前から案内する更改の流れを代理店と一緒に作った

ここが評価される

  1. 代理店の数と募集人の人数を書いているので、支えていた規模がわかります。
  2. 担当に「業務運営の支援」と「保険の設計」の2つの役割を書いているので、仕事の幅が伝わります。
  3. 【取り組み】で、代理店と一緒に作った仕組みを書いているので、育成の中身がわかります。

会社の情報欄には、売上高の代わりに「正味収入保険料」を書くと、保険会社の規模が正確に伝わります。総合職として入社した人は、雇用形態の欄に「(総合職)」と添えておくと、転勤を含む異動の中で経験を広げてきたことがわかります。

担当が変わったら、部署ごとに行を分ける

自動車販売店の代理店と保険専業の代理店では、支え方が大きく違います。部署ごとに行を分け、代理店の種類と数、主に扱った保険を書くと、経験の幅が採用担当に伝わります。

代理店の実績と、自分が直接関わった成果:収入保険料に「自分の働き」を添える

データの章で見たとおり、損害保険の保険料の約9割は代理店を通じて集まり、保険料の改定でも数字は動きます。そこで、収入保険料の目標と実績に加えて、自分の働きで動いた数字を分けて書きます。

× NG例

2025年度:担当代理店の収入保険料40億3,000万円。担当代理店の業績を大きく伸ばしました。

ここが惜しい

  1. 目標がなく、40億3,000万円が高いのか低いのか判断できません。
  2. 収入保険料は代理店の販売の結果でもあり、自分が何をして伸ばしたのかが伝わりません。
  3. 保険料の改定でも数字は動くため、収入保険料だけでは本人の力が見えにくくなります。

○ OK例

担当代理店の収入保険料:目標38億円/実績40億3,000万円(達成率106%、前年比108%)

代理店と共同で中堅企業12社の保険の見直しを提案し、9社で受託(新たな収入保険料 計1億800万円)

早期更改率(満期の1か月前までに更新手続きが済んだ割合)68%→84%(2023年度→2025年度)

ここが評価される

  1. 目標と実績、達成率と前年比をそろえているので、成果の大きさが確かめられます。
  2. 提案した社数と受託した社数を分けて書いているので、自分が直接関わった成果がわかります。
  3. 早期更改率は定義を添えているので、読み手が自社の数字と比べられます。

「早期更改率」のように、会社によって呼び方や計算方法が違う指標は、括弧で定義を書き添えます。満期が近づいてから慌てて手続きをすると、お客様への説明が不十分になったり、補償が途切れたりするおそれがあります。更改を早めた実績は、数字の伸びだけでなく、お客様を守る仕組みづくりとして伝わります。

社外に出せない数字は、割合や前年比で書く

収入保険料の金額を出せない場合は、達成率や前年比、担当代理店の数で規模を伝えます。代理店名や企業名は書かず、業種と規模で表しましょう。

活かせる経験・知識・スキル:代理店の支援・企業への提案・社内の調整から3つに絞る

職務経歴の中から、応募先で使える経験を3つに絞って箇条書きにします。保険会社の営業は、代理店・お客様・社内の引受部門や損害サービス部門の間に立つ仕事です。誰と誰をつなぎ、何を整えてきたかがわかるように書きます。

× NG例

・損害保険の商品知識

・代理店営業の経験

・誰とでも仲良くなれるコミュニケーション力

ここが惜しい

  1. 「商品知識」「代理店営業の経験」だけでは、何がどこまでできるのかがわかりません。
  2. コミュニケーション力は、どんな場面でどう活きたのかがないと評価につながりません。

○ OK例

・代理店の業務運営の支援(更改手続き・意向確認の仕組みづくり、募集人の育成)

・中小〜中堅企業のリスクの聞き取りと、火災保険・賠償責任保険・業務災害の補償を組み合わせた保険の設計

・代理店と、社内の引受部門・損害サービス部門をつなぐ調整(担当代理店 延べ52店)

ここが評価される

  1. 代理店の支援・企業への提案・社内の調整と、強みの種類が重ならないように選んでいます。
  2. どれも職務経歴の実績と対応しているので、根拠を経歴欄ですぐ確かめられます。
  3. 延べ52店は、各部署の担当代理店の数を足した数字で、経歴と食い違いません。

PC・システムスキルと資格:募集人資格は「試験名と単位」まで

PC・システムスキルは、契約管理や代理店管理のシステム、見積もり・設計のシステムなど、使ってきた道具を書きます。Excelは「代理店別の収入保険料・更改状況の集計表」のように、何を作ったかまで書きましょう。

資格は正式名称で書きます。損害保険の募集人の資格は、日本損害保険協会の「損害保険募集人一般試験」で、基礎単位と商品単位(自動車保険・火災保険・傷害疾病保険)に分かれています。その上の段階として「損害保険大学課程」があり、専門コースの認定者は「損害保険プランナー」、コンサルティングコースの認定者は「損害保険トータルプランナー」と呼ばれます。記入例のように、合格した単位や認定の名称まで書くと、扱える保険の範囲と学びの深さが正確に伝わります。

自己PR:強みは2つまで。代理店やお客様がどう変わったかで示す

自己PRは「強み → 工夫 → 結果の数字」の順に書きます。保険営業の自己PRは「行動力」「信頼関係」といった言葉になりがちですが、採用担当が知りたいのは、自分が関わったことで、代理店やお客様がどう変わったかです。

× NG例

私の強みは行動力です。担当代理店には毎日のように足を運び、代理店の皆様から頼りにされる存在になりました。最近は生成AIも活用しています。

ここが惜しい

  1. 訪問の多さは姿勢の話で、代理店がどう変わったのかという結果がありません。
  2. 「頼りにされる存在」は自己評価で、確かめられる事実がありません。
  3. 生成AIを何に使い、何を入力せず、どう確かめたのかがわかりません。

○ OK例

代理店が自分たちで回せる仕組みをつくる力

更改の手続きが満期の直前に集中していた代理店で、満期の3か月前から案内する流れを代理店と一緒に作り、進み具合を毎月共有しました。担当代理店の早期更改率は68%から84%に上がり、お客様の補償が途切れるおそれを減らしています。

ここが評価される

  1. 満期直前に手続きが集中するという、代理店営業ならではの課題が具体的に書かれています。
  2. 仕組みづくりという自分の行動と、早期更改率という結果がつながっています。
  3. 記入例では2つ目の強みに企業への提案を書いています。生成AIの活用はPC・システムスキル欄に、使い方と確認方法をセットで書いています。
保険営業の職務経歴書の記入見本つきテンプレート

経歴・応募先別:保険営業の職務経歴書の書き分け方

経歴・応募先ごとに前に出すこと:自動車販売店・整備工場の代理店担当、保険専業代理店・企業向け保険、代理店の募集人、保険業界から他業界の法人営業へ
この章のまとめ:経歴・応募先ごとに前に出すこと

保険営業は、どこで誰を担当してきたか、どこに応募するかで、採用担当が気にすることが変わります。どのタイプでも共通するのは、代理店(またはチーム)の数字と自分の働きを分けて書くことです。まずは表で全体像を確認しましょう。

タイプ採用担当が見るポイント前に出すこと
自動車販売店・整備工場の代理店担当保険が本業でない代理店を、どう動かしてきたか代理店の数と収入保険料、募集人への支援の中身
保険専業代理店・企業向け保険大きな代理店の業務を整え、企業に提案できるか募集人の人数、共同で提案した社数と受託した社数
代理店の募集人として働いてきたお客様の意向に沿って、正しい手続きで販売できるか担当件数と新規契約、意向の確認と比較の説明の手順
保険業界から他業界の法人営業へ販売パートナーを通じて売る経験が、自社に合うか代理店を「販売パートナー」と言い換え、育てた仕組みを書く

自動車販売店・整備工場の代理店を担当してきた

自動車関連の代理店は、保険の販売が本業ではありません。採用担当は、本業で忙しい代理店に、どう保険を扱ってもらったかを確かめます。

職務経歴書に書きたいこと

  • 担当した代理店の数と種類(新車の販売店・整備工場など)
  • 担当代理店の収入保険料(目標・実績・達成率)
  • 募集人への商品説明や、契約手続きの支援で工夫したこと

記入例

【担当】自動車販売店・整備工場の代理店28店。自動車保険を中心に、募集人への商品説明と契約手続きの支援

【実績】2018年度:担当代理店の収入保険料 目標9億2,000万円/実績9億6,600万円(達成率105%)

ポイント

  1. 記入例の前半の書き方です。代理店の種類と数、支援の中身が1行でわかります。
  2. 工夫したことがあれば【取り組み】を1行足し、手続きのミスが減った、新しく扱い始めた保険がある、などの変化を書きます。

よくある落とし穴は、販売台数の多い大きな販売店の数字に頼った書き方です。担当代理店の中で、自分の支援によって伸びた代理店や、新しく保険を扱い始めた代理店があれば、店数で書き出しましょう。

保険専業の代理店・企業向けの保険を担当してきた

記入例の人物の現在の仕事にあたります。大きな代理店ほど、募集人の人数も契約の数も多く、業務の仕組みが成果を左右します。採用担当は、代理店の業務を整える力と、企業に保険を提案する力の両方を見ます。

職務経歴書に書きたいこと

  • 担当した代理店の数と、募集人の人数
  • 担当代理店の収入保険料と、自分が共同で提案した社数・受託した社数
  • 更改の流れや意向の確認の手順など、代理店と一緒に作った仕組み
  • 企業向けの保険で扱った種類(火災・賠償責任・業務災害など)

記入例

【担当】大型の保険専業代理店6店(募集人 計約140名)。代理店の業務運営の支援と、中堅企業(年商50億〜300億円)向けの保険の設計

【実績】代理店と共同で中堅企業12社の保険の見直しを提案し、9社で受託(新たな収入保険料 計1億800万円)

ポイント

  1. 記入例の現職の書き方です。代理店の規模と、自分が直接関わった成果が分かれています。
  2. 提案した社数と受託した社数を並べると、提案の質まで伝わります。

よくある落とし穴は、企業名や代理店名を書いてしまうケースです。データの章で見たとおり、企業向けの保険の比重は増していますが、取引先の名前は社外に出せない情報です。業種と年商の幅で書きましょう。

保険代理店の募集人として働いてきた

保険代理店に勤め、自分でお客様を担当して保険を販売してきた人です。複数の保険会社の商品を扱う乗合代理店では、商品を比べて勧めるときの説明も大切です。採用担当は、お客様の意向に沿って、正しい手続きで販売してきたかを確かめます。

職務経歴書に書きたいこと

  • 担当したお客様の数と、扱った保険会社・保険の種類
  • 新規の契約件数(目標・実績・達成率)と、更新の件数
  • お客様の意向の確認と、商品を比べて勧めるときの説明・記録の手順

記入例

※記入例とは別の架空例です

【担当】法人・個人のお客様 約380件(損害保険3社・生命保険2社の商品を取り扱い)

【実績】2025年度:新規の契約 目標60件/実績67件(達成率112%)。更新時に補償内容を見直した提案 約210件

【取り組み】比べた商品と勧めた理由を記録する手順を店舗で統一

ポイント

  1. 担当件数と扱う保険会社の数で、仕事の規模がわかります。
  2. 比べた商品と理由を記録する手順は、お客様本位の販売を仕組みで守ってきたことを示します。

よくある落とし穴は、新規契約の件数だけを強調するケースです。更新の件数や、見直しの提案の件数も書くと、契約を長く預かってきたことが伝わります。

保険業界から、他業界の法人営業に移りたい

保険会社の代理店営業は、自社の社員ではない販売パートナーを通じて売る仕事です。この経験は、販売代理店を持つメーカーやIT企業などのパートナー営業と共通点が多くあります。業界の言葉を、一般的な言葉に言い換えるのがポイントです。

職務経歴書に書きたいこと

  • 「代理店」を「販売パートナー」「販売代理店」と言い換える
  • 「収入保険料」に「(売上にあたる数字)」と添える
  • パートナーを育てた仕組み(研修・手順書・進み具合の共有)を中心に書く

記入例

※記入例の経験を、他業界向けに言い換えた例です

【担当】販売代理店6社(販売スタッフ 計約140名)を通じた企業向け商品の販売支援。代理店の業務の仕組みづくりと、中堅企業への共同提案

【取り組み】満期の3か月前から案内する更新の流れを代理店と作り、進み具合を毎月共有。期限の1か月前までに更新が済んだ割合を68%から84%に改善

ポイント

  1. 保険の専門用語を減らしても、規模・仕組み・数字の変化はそのまま伝わります。
  2. 面接では、保険ならではの点(意向の確認など法令に沿った手続き)を、ルールを守って売る力として説明できます。

よくある落とし穴は、保険の用語をそのまま使ってしまうケースです。「早期更改率」「収入保険料」は、他業界の採用担当には伝わりにくい言葉です。言い換えたうえで、定義を添えましょう。

2026年の保険営業とAI:職務経歴書にどう書くか

保険営業がAIの経験を書くとき:書くこと、入れなかった情報、自分で確かめたこと、使っていない・禁止の職場の場合
この章のまとめ:保険営業のAIの経験、書くことと書かないこと

最初にお伝えしたいのは、AIの使い方や、AIの経験を求める度合いは、応募先によって大きく違うということです。IPAの「DX動向2026」プレス発表では、AIを導入している企業は従業員1,001人以上で8割近くにのぼる一方、101人以下では16.6%でした。大きな保険会社と、地域の保険代理店とでは、AIの使い方も社内ルールも大きく違います。

AIを使った経験がないからといって、書類選考で不利になると考える必要はありません。まずは求人票に「生成AI」「AIツール」「DX」などの言葉があるかを確認し、記載があれば具体的に、なければ1行添える程度で十分です。

保険営業で現実的なAIの使い方

総務省の「令和8年版 情報通信白書」の企業向け調査では、生成AIを使っている業務として「営業・販売」を挙げた割合は約6割でした。保険会社の代理店営業で2026年時点に現実的な使い方は、次のようなものです。どれも「下書き」や「整理」までをAIに任せ、判断は人が行う使い方です。

使い方具体例自分で確かめること
勉強会資料の構成案代理店の募集人向け勉強会の目次や説明の順番(記入例の使い方)補償の内容や条件が、約款・パンフレットと合っているか
公開情報の整理企業の公開資料から、業種の一般的なリスクを洗い出す出典が確かか、その企業の実態に合っているか
会議の記録の要約社内会議の議事メモを要点にまとめる決まったことが正しく残っているか
連絡文の下書き代理店への案内文や、手続きの変更のお知らせ社内ルールで決められた表現と食い違っていないか

書き方:「何の業務で・どう使い・何が変わったか」

記入例では、PC・システムスキル欄に1行だけ書いています。使った業務、入れなかった情報、自分で確かめたことがそろっています。

× NG例

生成AIを積極的に活用し、代理店支援の生産性を大きく高めました。

ここが惜しい

  1. 何の業務に使ったのかがわからず、実際の使い方の水準が判断できません。
  2. お客様や代理店の情報を入れていないか、出力を誰が確かめたかが書かれていません。
  3. 「生産性を大きく高めた」の中身がなく、何が変わったのかが伝わりません。

○ OK例

社内で認められたツールで勉強会資料の構成案を作成(2025年10月〜)。お客様・代理店の情報は入れず、内容は自分で確認

ここが評価される

  1. 「勉強会資料の構成案」と、AIに任せた範囲が具体的です。
  2. 「お客様・代理店の情報は入れず」と書くことで、情報の扱いに気をつけていることが伝わります。
  3. 「内容は自分で確認」と、最終的な責任を自分が持っていることがわかります。

資料づくりの時間が減ったなど、効果を測っていれば前後の数字を添えます。測っていなければ数字は作らず、使った業務と確かめ方だけを書きましょう。

AIの経験を書くときの注意点

  • お客様・代理店の情報、契約や事故の内容を入力していないことがわかるように書く。保険は、お客様の暮らしや事業の情報を預かる仕事です。
  • 会社が認めたツールを、社内ルールの範囲で使ったことを前提に書く。
  • 補償の内容や条件など、お客様への説明になることは、AIの出力をそのまま使わず、約款や社内の資料で確かめたと書く。
  • 盛らない。数回試しただけの経験を「活用」と書くと、面接で詳しく聞かれたときに答えに困ります。

AIを使っていない・禁止の職場だった人は

金融の仕事は情報の扱いが厳しく、生成AIを使っていない、または使える範囲が限られている職場は珍しくありません。ルールに従って情報を扱ってきたこと自体が、保険営業として大切な姿勢です。

代わりに、仕組みで仕事を変えた経験を書きましょう。記入例の「満期の3か月前から案内する更改の流れを代理店と一緒に作った」のような手続きの仕組みづくりは、AIと同じく「仕事のやり方を自分で変えられる力」を示します。

実績の数字が書けないときの対処法

数字が書けないときに拾う4つの切り口:規模、割合、行動、変化
この章のまとめ:数字が書けないときは4つの切り口から拾う

保険会社の数字は、社外に出せないものも少なくありません。また、支店の数字に埋もれて、自分の数字がはっきりしない人もいます。規模・割合・行動・変化の4つの切り口で探すと、書ける数字はたいてい見つかります。

収入保険料の金額を社外に出せない

金額が出せなくても、達成率・前年比と、担当の規模は書けます。
例:「大型の保険専業代理店6店(募集人 計約140名)」「達成率106%、前年比108%」
規模と割合があれば、成果の大きさは十分に伝わります。

支店全体で目標を追っていて、個人の数字がない

自分が担当した代理店の数と、その中で変わったことを書きます。
例:「担当代理店18店のうち、企業向け保険を扱っていなかった2店が取り扱いを開始」
支店の数字は「支店で〇〇(うち担当代理店分〇〇)」と分けて書きます。

代理店の数字は伸びたが、自分の働きとの関係を説明しにくい

数字の前にあった自分の行動の回数を書きます。
例:「募集人向けに勉強会を年12回開催」「代理店と同行し、工場や倉庫を見せていただいたうえで提案」
行動と、その後に動いた数字を並べると、関係が伝わります。

業務の点検や事務の改善が中心で、売上の数字がない

点検や改善はミスや手続きの早さの変化で書けます。
例:「早期更改率(満期の1か月前までに更新手続きが済んだ割合)68%→84%」
手続きの不備の件数、確認にかかる日数など、前後で比べられる数字を探しましょう。

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提出前のチェックリスト

提出前に確かめる7つのこと
この章のまとめ:提出前に確かめる7つのこと

書き終えたら、提出前に次の項目を確認しましょう。

  • 職務要約に、所属・立場・担当・年数・一番の成果が入っている
  • 部署ごとに、担当した代理店やお客様の種類と数を書いている
  • 収入保険料は、目標・実績・達成率(または前年比)をセットで書いている
  • 代理店の数字と、自分が直接関わった成果を分けて書いている
  • 更改率などの指標に、何を何で割ったかを添えている
  • 募集人資格は試験名と合格した単位まで正確に書いている
  • 代理店名・企業名・お客様の情報など、社外に出せない情報を書いていない

最後に、職務要約・職務経歴・自己PRで同じ数字(収入保険料、達成率、提案した社数と受託した社数、更改率など)を使っている箇所を読み合わせ、食い違いがないか、担当代理店の延べ数などの足し算が合っているかを確かめましょう。

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よくある質問

損害保険会社の代理店営業から、生命保険や銀行の営業に移れますか?

移れます。代理店や販売パートナーを通じて売る経験、お客様の意向を確かめて記録する手続きの経験は、金融の営業で共通して求められます。扱う商品の違いは、資格の勉強を始めていることなどで補い、職務要約の最後に移りたい理由を1文で添えましょう。

収入保険料は大きいほど評価されますか?

金額の大きさだけでは評価が決まりません。担当する代理店の規模で金額は大きく変わり、保険料の改定でも数字は動くからです。達成率や前年比に加えて、自分が提案した社数・受託した社数など、自分の働きで動いた数字を添えましょう。

募集人資格は、どこまで詳しく書けばいいですか?

試験名と、合格した単位まで書きます。損害保険募集人一般試験なら「基礎単位・商品単位(自動車保険・火災保険・傷害疾病保険)」のように書くと、扱える保険の範囲が伝わります。損害保険大学課程の認定がある場合は、コースと認定の名称も書きましょう。

転勤が多く、部署が何度も変わりました。どう書けばいいですか?

部署ごとに行を分け、担当した代理店の種類と数、主に扱った保険を同じ順番で書きます。異動のたびに担当が広がっていることが伝われば、転勤の多さは経験の幅として読まれます。

AIを使った経験がないと、保険営業の転職で不利になりますか?

AIの活用をどの程度求めるかは応募先によって大きく違い、経験がないことだけで不利になるとは限りません。更改の流れや点検の仕組みなど、自分で仕事のやり方を変えた経験を、数字とともに書きましょう。

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Author

佐藤 大貴

レジュメラボ編集責任者/アースダイバー代表

佐藤 大貴

人材紹介の会社で、キャリア系メディアの編集長をしていました。転職やキャリアをテーマにした記事づくりに長く関わり、2019年にアースダイバー株式会社を立ち上げました。編集長時代、たくさんの求職者の方やキャ…

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