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電気・電子設計の職務経歴書の書き方|採用担当に伝わる記入例と無料テンプレート

電気・電子設計の職務経歴書の書き方|採用担当に伝わる記入例と無料テンプレート

電気・電子設計の職務経歴書でよくあるのが、「回路設計を担当」「設計から評価まで幅広く経験」とまとめて終わる書き方です。これでは、電源のアナログ回路なのか、マイコンやFPGAの周りのデジタル回路なのか、どこまで任されていたのかが伝わりません。採用担当が知りたいのは、どの分野の製品で、どの回路を、どの工程まで設計し、性能やコストがどう変わったかです。

電気・電子設計の仕事は、回路図を描くことだけではありません。EMC(電磁ノイズ)や安全規格への対応、部品の選定と代替、量産に向けた評価まで、製品が世に出るまでの多くの工程に関わります。書類でも、この広さを具体的に書けるかで伝わり方が大きく変わります。

この記事では、FA向けの電源とサーボドライバの電気設計に約10年半携わってきた人の記入例をもとに、項目ごとの書き方と評価される理由を解説します。電源・制御基板・車載など分野別の書き分け方と、AIの経験の書き方も紹介します。

この記事でわかること

  • 電気・電子設計の職務経歴書の完成イメージ(記入例)
  • データで読む、電子部品の行き先の変化と、電子機器の技術者の仕事の広がり
  • 回路設計・EMC・安全規格・部品選定の実績を、OK例・NG例で書くコツ
  • 電源・制御基板・車載・分野を移る人の書き分け方
  • 2026年の電気・電子設計とAI:AIの経験を職務経歴書にどう書くか

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この記事の記入例と同じ形式で、Word・Excel・PDFの3形式。空欄のテンプレートと記入見本がセットになっています。

電気・電子設計の職務経歴書の記入例

まずは完成イメージです。FA向け機器のメーカーで、産業用スイッチング電源のアナログ回路設計を3年、サーボドライバの制御基板の設計を約3年半経験し、現在は主任として4名の設計チームを率いている人を想定しています。画像をタップすると拡大できます。

電気・電子設計の職務経歴書の記入例(FA向け電源・サーボドライバの電気設計 約10年半)
電気・電子設計の職務経歴書の記入例(A4・2枚)

この記入例と同じ形式のテンプレートを無料で用意しています。Word・Excel・PDFの3形式で、空欄テンプレートと記入見本の2点セットです。

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ツールで聞かれる質問や記入見本は、電気・電子設計の職務経歴書をAIで作成するページで先に確かめられます。

データで読む:電気・電子設計の経験は「分野」と「技術」の両方で語ると伝わる

書き方に入る前に、電子部品がどこで使われているか、電子機器の技術者がどんな仕事をしているかを、公表されているデータで見ておきます。3つの資料を重ねると、見えてくることは1つです。電子部品の行き先は多くの分野に分かれ、その比重も数年で動きます。だから評価されるのは、どの分野の製品かをはっきり書いたうえで、分野が変わっても通じる回路・規格・部品の技術で経験を語れる人です。

電子部品の出荷先は、自動車が約3割でいちばん多い

電子情報技術産業協会(JEITA)の電子部品部会は、委員会に参加する10社超の電子部品メーカーから、連結ベースの用途別の出荷額を集めて公表しています。「電子部品用途別構成比推移」によると、2026年4〜6月期の構成比は、自動車が30.4%で最も多く、通信機器19.0%、PC・周辺機器16.1%が続きます。産業機械は3.7%、医療・ヘルスケアは0.8%でした。

電子部品の用途別の出荷額の構成比(2026年4〜6月期)。自動車30.4%、通信機器19.0%、PC・周辺機器16.1%、産業機械3.7%など
言いたいこと:電子部品の出荷先、いちばん多いのは自動車で約3割(JEITA、2026年4〜6月期)

出典:電子部品用途別構成比推移(電子情報技術産業協会 電子部品部会)(電子部品短期動向調査〈グローバル出荷〉)

これは部品メーカーの出荷の内訳です。設計者の側から読み直すと、同じ「電子部品を使う製品の設計」でも、行き先の分野は大きく分かれています。そして分野が違えば、守る規格も求められる信頼性も変わります。車載なら車載向けのEMC規格や機能安全、産業機器ならIEC規格にもとづく安全・EMC、医療機器なら医療機器向けの安全規格、という具合です。

だから職務経歴書では、「回路設計を担当」の前に、どの分野の、どんな仕様の製品かを書きます。記入例の「産業用AC-DCスイッチング電源(出力100〜300W、DINレール取付型)」や「200V級ACサーボドライバ(0.1〜1.5kW)の制御基板(6層)」のように、分野・出力・電圧・層数まで書くと、応募先の製品に近いかを採用担当がすぐ判断できます。規格も「IEC 61800-3」のように番号で書きましょう。

出荷先の比重は、3年半でこれだけ動いた

同じJEITAの2022年10〜12月期の構成比と比べると、変化がはっきりします。自動車は36.2%から30.4%に、通信機器は26.4%から19.0%に下がり、PC・周辺機器は9.3%から16.1%に、エネルギーは1.6%から3.1%に上がりました。

電子部品の用途別構成比の変化。PC・周辺機器は9.3%から16.1%、エネルギーは1.6%から3.1%、自動車は36.2%から30.4%、通信機器は26.4%から19.0%
言いたいこと:出荷先の比重は3年半で大きく動く(JEITA、2022年10〜12月期と2026年4〜6月期)

出典:電子部品用途別構成比推移(電子情報技術産業協会 電子部品部会)(2022年10〜12月期の掲載値)

構成比は割合なので、自動車向けの出荷が減ったという意味ではありません。それでも、どの分野の比重が大きくなるかは、数年の単位で動いています。変化の理由はこの資料からはわかりませんが、事実として言えるのは、ひとつの分野だけを前提にキャリアを考えなくてよいということです。

編集部の読みでは、分野の比重が動くからこそ、電気・電子設計者の経験は「分野」と「技術」の両方で書くと強くなります。電源の効率を上げる、ノイズを抑える、入手しやすい部品を選び直す、といった技術は、FA機器でも車載機器でも通じます。記入例の活かせる経験・知識・技術が、「アナログ電源とデジタル制御の回路設計」「EMC・安全規格を見越した設計と検図」「部品選定・代替部品の評価」と、分野ではなく技術の言葉で書かれているのはこのためです。

電子機器の技術者の仕事は、回路図の先の評価・量産・原価まで広がる

厚生労働省の職業情報提供サイト「job tag」の「電子機器技術者」(別名に電子機器設計技術者を含む)では、仕事の内容ごとの実施率を公開しています。「機器やシステムの図面、回路図、立体図を作成する」は84.5%でした。一方で、「製造工程での不具合の原因を調査し、改善する」は89.7%、「開発した製品が顧客の要求に合致しているか評価する」は87.9%と、回路図の作成を上回っています。「製品の原価を算出する」も84.5%ありました。

電子機器技術者の仕事の内容ごとの実施率。製造工程での不具合の原因調査89.7%、顧客の要求に合致しているかの評価87.9%、回路図などの作成84.5%、原価の算出84.5%など
言いたいこと:電子機器の技術者の仕事は、回路図の先の評価・量産・原価まで(厚生労働省 job tag)

出典:職業情報提供サイト(job tag)「電子機器技術者」(厚生労働省) 仕事の内容(2026年10月閲覧)

この数字は、電子機器技術者として働く人が、それぞれの仕事をしているかを答えたものです。設計の担当者に限った値ではない点に注意してください。それでも、回路を描く仕事と同じくらい、評価・量産・原価に関わる仕事が当たり前に行われていることがわかります。

職務経歴書でも、回路設計だけを書くのはもったいないことです。記入例は「回路設計から基板の検図、評価、EMC・安全規格への対応、量産立ち上げまで」と担当した工程を順に並べ、実績には「試作回数を3回から2回に削減」「部品コストを1台あたり約18,500円から約15,200円に削減(約18%減)」と、評価や原価に関わる数字を入れています。この表は、自分の経験を振り返るときの物差しとしても使えます。仕様書、シミュレーション、試作の試験、不具合の原因調査、原価の算出。このうち自分が担当したものを書き出すと、書ける実績が見つかりやすくなります。

まとめると、いまの電気・電子設計の職務経歴書では、回路の種類に加えて、どの分野の、どんな仕様の製品で、どの工程まで担当し、性能・コスト・開発の速さをどう変えたかを書けるかで差がつきます。次は、採用担当が書類のどこを見ているかを確認します。

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採用担当が電気・電子設計の職務経歴書で見ている3つのこと

採用担当が確かめる3つのこと:自社の製品・回路に近い経験か、どの工程まで任せられるか、設計の課題を数字で解決してきたか
この章のまとめ:採用担当が確かめる3つのこと

こうした変化と採用の現場でよく見られる傾向を踏まえると、電気・電子設計の採用担当は、書類から次の3つを確認しています。書類を読むのは人事だけでなく、配属先の設計者であることも多く、技術の中身まで読まれます。

  1. 自社の製品・回路に近い経験か電源・アナログ・デジタル制御・高周波など、どの回路を、どんな製品で設計してきたか。採用担当や現場の設計者は、まず応募先の製品と回路の近さを確認します。
  2. どの工程まで任せられるか仕様の検討から回路設計、基板のレイアウト指示・検図、評価、規格対応、量産立ち上げまでのうち、どこを自分で担当したか。担当範囲とチームでの役割があると、入社後に任せられる仕事を判断できます。
  3. 設計の課題を数字で解決してきたか効率・ノイズ・温度・コスト・試作回数などを、改善の前後の数字で示せるか。EMCや安全規格の試験で何が起き、どう対策したかは、設計力を測る材料としてよく見られます。

3つとも、答えになるのは「幅広く経験」という言葉ではなく、製品の仕様・工程・数字です。「設計力」「技術力」は、どの応募者にも書けてしまいます。どの回路を、どの工程で、どう変えたかを書きましょう。

項目別の書き方:OK例とNG例の違い

ここからは項目ごとに、NG例とOK例を並べて解説します。OK例は記入例からの引用です。電気・電子設計の書類で特に差がつくのは、職務経歴の製品と回路の書き方と、EMC・安全規格、部品選定の実績です。

職務要約:「どの製品の、どの回路を、どの工程まで」を3〜5行で

職務要約は、採用担当が最初に読む部分です。経験年数に加えて、製品の種類・回路の種類(アナログ/デジタル)・担当した工程・一番の成果を入れます。

× NG例

大学卒業後、電機メーカーに入社し、電気設計エンジニアとして様々な製品の回路設計に携わってまいりました。設計から評価まで幅広く担当し、品質の高い製品づくりに貢献してまいりました。

ここが惜しい

  1. 「様々な製品」では、電源なのか制御基板なのか、どんな回路を設計してきたのかがわかりません。
  2. 「設計から評価まで幅広く」も工程名がなく、基板設計や規格対応を担当したのかが判断できません。
  3. 経験年数と成果の数字がなく、「品質の高い製品づくりに貢献」は本人の評価にとどまっています。

○ OK例

大学(電気電子工学科)卒業後、株式会社サンプルエレクトロニクスで約10年半、FA向け製品の電気設計に従事してまいりました。最初の3年間は産業用スイッチング電源のアナログ回路設計を、2019年からはサーボドライバの制御基板(マイコン・FPGA周辺)の設計を担当しています。回路設計から基板の検図、評価、EMC・安全規格への対応、量産立ち上げまで経験し、現在は設計リーダー(4名)として次世代機の部品コストを1台あたり約18%削減しました。

ここが評価される

  1. 「スイッチング電源のアナログ回路」「制御基板(マイコン・FPGA周辺)」と、製品と回路の種類が期間つきでわかります。
  2. 担当した工程を順に並べているので、設計から量産まで任せられる人だと伝わります。
  3. リーダーの人数と部品コストの削減率で、現在の役割と成果の大きさを一文で示しています。

電源から制御基板へと担当が変わった人は、記入例のように「最初の3年間は」「2019年からは」と期間を添えると、アナログとデジタルの両方を経験してきた流れが一文で伝わります。

職務経歴:期間ごとに「担当製品・内容・実績」を分けて書く

職務経歴は、電気・電子設計の書類でいちばん重要な項目です。下の画像の3つのポイントを押さえると、同じ経験でも伝わり方が大きく変わります。

電気・電子設計の職務経歴の書き方のポイント
職務経歴の書き方のポイント

× NG例

産業用電源の回路設計を担当。シミュレーションや試作評価を行い、効率の改善に取り組みました。新製品の量産化に貢献しました。

ここが惜しい

  1. 出力や用途が書かれておらず、どの規模の電源を設計したのかがわかりません。
  2. 「効率の改善に取り組みました」では、どの回路をどう変え、どれだけ良くなったのかが伝わりません。
  3. 「量産化に貢献」だけでは、認証試験や量産開始の時期など、確かめられる事実がありません。

○ OK例

【担当製品】産業用AC-DCスイッチング電源(出力100〜300W、DINレール取付型)

【内容】PFC回路・LLC共振コンバータの定数設計、LTspiceでのシミュレーション、試作評価(効率・リップル・温度上昇・起動特性)、安全規格(IEC 62368-1)に合わせた沿面・空間距離の設計

【実績】300W機の後継機開発で回路を担当。定格負荷時の変換効率を従来機の90.5%から92.8%に高め、損失を約31Wから約23Wに低減。安全規格・EMCの認証試験に1回で合格し、2018年10月に量産開始

ここが評価される

  1. 出力・取付方法・回路方式まで書いているので、応募先の製品に近い経験かをすぐ判断できます。
  2. 評価の項目を具体的に挙げることで、設計だけでなく評価まで自分で行ってきたことが伝わります。
  3. 効率と損失を前後の数字で示し、認証試験の結果と量産開始の時期まで書いているので、成果を確かめられます。

【内容】には、回路の方式(PFC回路・LLC共振コンバータ)と、評価の項目(効率・リップル・温度上昇・起動特性)を具体的に書きます。回路の方式と評価の項目がそろうと、設計だけでなく、自分で確かめるところまで担当してきたことが伝わります。

社名や型式は伏せ、仕様で伝える

製品の型式・顧客名・未発表の仕様は書かず、「出力100〜300W」「200V級・0.1〜1.5kW」のように仕様の範囲で書くと、守秘義務を守りながら経験の中身が伝わります。

EMC・安全規格への対応:規格名と「何が起き、どう対策し、どうなったか」

EMCと安全規格への対応は、電気・電子設計ならではの実績です。試験で限度値を超えて対策した経験は、失敗ではなく、原因を切り分けて手を打てる力の証明になります。

× NG例

EMC対策を担当。ノイズの問題を解決し、規格に適合させました。

ここが惜しい

  1. どの規格の、どの試験だったのかがわからず、応募先の製品に必要な経験かを判断できません。
  2. 「ノイズの問題を解決」では、原因の見立てと対策の中身がわからず、技術力が伝わりません。
  3. 限度値に対してどれだけ超え、対策後にどれだけ余裕ができたのかという数字がありません。

○ OK例

【内容】マイコン・FPGA周辺回路、エンコーダ通信(RS-485)、ゲート駆動回路の設計、レイアウト指示・検図、EMC試験(IEC 61800-3)とイミュニティ試験(静電気・ファストトランジェント・サージ)の対応

【実績】放射エミッションが限度値を最大8dB超えた問題を、ゲート抵抗の調整、コモンモードチョークの追加、グラウンドの配置見直しで解消し、全帯域で3dB以上の余裕を確保

ここが評価される

  1. 規格番号と試験の種類を書いているので、同じ規格を扱う応募先にはすぐ経験が伝わります。
  2. 超過量(最大8dB)と対策後の余裕(3dB以上)を数字で示し、対策の効果がはっきりわかります。
  3. 対策を回路・部品・基板の3つの面から書いているので、原因を切り分けて手を打てる人だと伝わります。

対策は「回路」「部品」「基板」のどこに手を入れたかで分けて書くと、読み手の設計者が状況を思い浮かべやすくなります。安全規格では、沿面距離・空間距離(絶縁のために必要な部品どうしの距離)の設計や、認証試験に1回で合格したことも立派な実績です。

部品選定・代替部品の実績:品目数と「止めなかった」結果で示す

部品の入手性やコストは、いまの電気・電子設計で重く見られるテーマです。長納期の部品や生産中止の部品を、どう選び直して製品を守ったかを書きましょう。

× NG例

部品の選定を担当。半導体不足の際は代替部品の検討を行い、生産継続に貢献しました。コストダウンにも取り組みました。

ここが惜しい

  1. 何品目を検討したのか、どんな評価をしたのかがわからず、取り組みの大きさが伝わりません。
  2. 「生産継続に貢献」では、結果として生産が止まらなかったのかが確かめられません。
  3. コストダウンの対象と前後の金額がなく、成果の大きさがわかりません。

○ OK例

【実績】2021〜2022年の半導体の供給不足では、入手が難しくなった23品目の代替部品を選定・評価し、生産停止ゼロ

【実績】回路の共通化と部品の見直しで、部品点数を約480点から約390点に、部品コストを1台あたり約18,500円から約15,200円に削減(約18%減)

ここが評価される

  1. 代替部品は「何品目を、選定から評価まで」と書いているので、担当した範囲と量がわかります。
  2. 「生産停止ゼロ」と結果を言い切っているので、調達の危機を設計の力で乗り切ったことが伝わります。
  3. コストは部品点数と1台あたりの金額を前後で示し、削減率まで計算が合っています(3,300円÷18,500円≒約18%)。

代替部品の評価では、定格・特性の比較、実機での評価、品質保証や調達部門との確認など、自分が担った工程を添えるとさらに具体的になります。調達・製造部門と一緒に進めた経験は、「部門をまたいで動ける設計者」という評価にもつながります。

活かせる経験・知識・技術:回路・規格・部品の3つの面から選ぶ

職務経歴の中から、応募先で使える経験を3つに絞って箇条書きにします。データの章で見たとおり、分野の比重は動きます。ここは分野名より技術の言葉で書くと、応募先の分野が違っても伝わります。

× NG例

・回路設計

・基板設計

・問題解決能力

ここが惜しい

  1. 「回路設計」「基板設計」は電気設計者なら誰でも書く言葉で、どの回路の、どの深さの経験かがわかりません。
  2. 「問題解決能力」は抽象的で、設計のどんな場面で活きるのかが伝わりません。

○ OK例

・アナログ電源(PFC・LLC共振)とデジタル制御(マイコン・FPGA周辺)の回路設計

・EMC・安全規格を設計の初期から見越した、回路・基板の設計と検図

・部品選定・代替部品の評価と、調達・製造部門と進めるコストダウン

ここが評価される

  1. 回路の種類・規格対応・コストと、強みの種類が重ならないように選んでいます。
  2. 求人票の「必須・歓迎の経験」と言葉をそろえると、採用担当の目に留まりやすくなります。

記入例では、ツールや測定器は「設計ツール・技術」の欄に分けています。「回路設計」「基板設計」「評価・測定」「規格」と分類を立て、回路図CADやLTspiceの経験年数、使ってきた測定器、対応した規格番号を書きます。

ツールの経験年数は職務経歴と合わせる

「回路図CAD(10年半)」のように年数を添えるときは、職務経歴の期間と食い違わないように確認します。自分で配線したのか、レイアウト指示・検図なのかも分けて書きましょう。

自己PR:強みは2つまで。設計の進め方とその結果で示す

自己PRは「強み → 進め方 → 結果の数字」の順に書きます。採用担当が知りたいのは、性格ではなく、設計の進め方をどう変え、何が良くなったかです。

× NG例

私の強みは粘り強さです。ノイズの問題など難しい課題にも最後まであきらめずに取り組んできました。最近は生成AIも活用して業務を効率化しています。

ここが惜しい

  1. 「粘り強さ」は多くの応募者が書く言葉で、設計者としての力が伝わりません。
  2. どんな課題に、どう取り組み、どうなったのかという結果がありません。
  3. 「生成AIも活用」は何に使い、出力をどう確かめたかがわからず、かえって不安を与えます。

○ OK例

EMC・安全規格を、設計の初期から作り込む力

放射エミッションの対策と再試験に時間を使った経験から、ノイズ対策は検図の段階で行うと決めました。チェックリストを導入し、試作回数を3回から2回に減らしました。

ここが評価される

  1. 試作後の対策に時間を使った経験から設計の進め方を変え、チームの仕組みにしたという流れで、再現できる強みだと伝わります。
  2. 試作回数の変化で結果を示しているので、開発期間やコストへの効果が想像しやすくなります。
  3. 職務経歴に書いた事実と同じ数字を使っているので、内容に一貫性があります。

生成AIを使ったなら、確かめ方まで書く

記入例では「社内で認められた生成AIを部品比較と報告書の下書きに使用。定格・測定値は原本と測定データで必ず確認」と書いています。使っていない職場なら、無理に書く必要はありません。

電気・電子設計の職務経歴書の記入見本つきテンプレート

分野・経歴別:電気・電子設計の職務経歴書の書き分け方

分野・経歴ごとに前に出すこと:電源・パワーエレクトロニクス、制御基板・デジタル、車載機器に応募、民生・通信から産業・車載へ移る
この章のまとめ:分野・経歴ごとに前に出すこと

電気・電子設計は、扱う回路と製品の分野によって、採用担当が気にすることが変わります。どのタイプでも共通するのは、製品の仕様・担当工程・前後の数字の3つをそろえることです。まずは表で全体像を確認しましょう。

タイプ採用担当が見るポイント前に出すこと
電源・パワーエレクトロニクス効率・熱・安全を両立した設計ができるか出力・回路方式・効率と損失、安全規格と絶縁の設計
制御基板・デジタル(マイコン・FPGA)部品の多い基板をノイズに強くまとめられるか使ったデバイスと通信方式、層数、高速信号とノイズ対策
車載機器に応募する車載の品質と規格の考え方についてこられるか車載で求められる規格・品質の経験、信頼性評価、変更管理
民生・通信から産業・車載へ移る分野が変わっても通じる技術を持っているか共通する技術(電源・EMC・部品選定)と、学び直しの具体策

電源・パワーエレクトロニクスの設計

スイッチング電源、インバータ、充電器などの設計です。採用担当は、効率・熱・安全をどう両立させたかを確かめます。

職務経歴書に書きたいこと

  • 出力(W・V)、入力の範囲、回路方式(PFC・LLC共振・フルブリッジなど)
  • 効率・損失・温度上昇などの改善を、前後の数字で
  • 安全規格と、絶縁(沿面・空間距離)・熱の設計で工夫したこと

記入例

【担当製品】産業用AC-DCスイッチング電源(出力100〜300W、DINレール取付型)

【実績】300W機の後継機開発で回路を担当。定格負荷時の変換効率を従来機の90.5%から92.8%に高め、損失を約31Wから約23Wに低減

ポイント

  1. 記入例の書き方です。効率だけでなく損失のワット数も書くと、発熱がどれだけ減ったかを設計者が具体的に想像できます。
  2. 出力300Wで効率90.5%なら損失は約31W、92.8%なら約23Wと、計算が合っていることも大切です。

よくある落とし穴は、効率の数字だけを書いて、測った条件を書かないケースです。「定格負荷時」のように条件を添えると、数字の重みが正しく伝わります。

制御基板・デジタル回路(マイコン・FPGA・組込み)の設計

マイコンやFPGAを中心にした制御基板の設計です。採用担当は、部品の多い基板をノイズに強く、量産できる形にまとめられるかを確かめます。

職務経歴書に書きたいこと

  • 使ったデバイスの種類(マイコン・FPGA・DDRメモリなど)と、通信方式
  • 基板の層数と、レイアウトを自分で引いたのか、指示・検図したのか
  • 高速信号の品質や、ノイズ・イミュニティ試験への対策

記入例

【担当製品】200V級ACサーボドライバ(0.1〜1.5kW)の制御基板(6層)

【内容】マイコン・FPGA周辺回路、エンコーダ通信(RS-485)、ゲート駆動回路の設計、レイアウト指示・検図

ポイント

  1. 記入例の書き方です。層数と通信方式を書くだけで、基板の規模と難しさが伝わります。
  2. FPGAの論理設計(HDLでの設計)まで担当した人は、回路設計とは分けて、使った言語と規模を書きましょう。

よくある落とし穴は、組込みソフトとの境目があいまいなケースです。ソフトも書いた人は、「ドライバの評価用プログラムをC言語で作成」のように、担当した範囲を一言で分けておくと、面接での質問にも答えやすくなります。

車載機器の設計に応募する

データの章で見たとおり、電子部品の出荷先で最も多いのは自動車です。車載機器では、温度・振動などの厳しい使用環境に耐える信頼性と、車載向けの規格に沿った開発の進め方が求められます。

職務経歴書に書きたいこと

  • 車載の経験がある人は、対応した規格(車載部品のEMC規格や機能安全の規格など)と自分の関わり方
  • 温度サイクルなどの信頼性評価や、故障モードの分析(FMEAなど)の経験
  • 設計変更の管理や、文書で根拠を残しながら進めた経験

記入例

※記入例とは別の架空例です

【担当製品】車載用DC-DCコンバータ(12V系)の回路設計

【内容】車載部品向けEMC規格(CISPR 25)の試験対応、部品の故障モード分析(FMEA)、設計変更の手続きと変更点の評価計画の作成

ポイント

  1. 規格名と、FMEAや変更の手続きといった進め方の経験を書くと、車載の開発のやり方を知っている人だと伝わります。
  2. 車載の経験がない人も、産業機器で行った信頼性試験や、規格にもとづく文書づくりを書けば、近い経験として読んでもらえます。

よくある落とし穴は、規格の名前だけを並べるケースです。規格書を読んで設計に反映したのか、試験に立ち会ったのか、文書を作ったのか、自分の関わり方まで書きましょう。

民生・通信機器から、産業機器・車載へ分野を移る

家電や通信機器などの設計から、別の分野に移るケースです。採用担当は、分野が変わっても通じる技術を持っているか、新しい分野の規格や品質の考え方を学べるかを確かめます。

職務経歴書に書きたいこと

  • 分野が違っても通じる技術(電源、EMC対策、部品選定、低消費電力化など)
  • これまでの製品の仕様と、数字で示せる実績
  • 応募先の分野の規格や製品について、自分で学んでいること

記入例

※記入例とは別の架空例です

【活かせる経験・知識・技術】

・量産数の多い製品で、部品点数とコストを抑える回路設計(年間約50万台の機種を担当)

・家電向けEMC規格の試験対応で身につけた、ノイズの原因の切り分けと対策

ポイント

  1. 分野名ではなく技術の言葉で書いているので、産業機器や車載の採用担当にも、使える経験として読んでもらえます。
  2. 量産数を添えると、コストと品質を両立させる設計の経験の重みが伝わります。

よくある落とし穴は、前の分野の専門用語や社内の呼び方をそのまま使うケースです。応募先の設計者が読んで通じる、一般的な回路や規格の言葉に置き換えましょう。

2026年の電気・電子設計とAI:職務経歴書にどう書くか

電気・電子設計でAIの経験を書くときの3点セット:どの作業に使ったか、何を入力しなかったか、どう確かめたか
この章のまとめ:AIの経験を書くときの3点セット

最初にお伝えしたいのは、AIの使い方や、AIの経験を求める度合いは、応募先によって大きく違うということです。情報処理推進機構(IPA)の「DX動向2026」プレス発表では、AIを導入している企業は従業員1,001人以上で8割近くにのぼる一方、101人以下では16.6%でした。設計の部門では、未発表の回路図や顧客の仕様を守るために、社外のAIサービスの利用を制限している会社も少なくありません。

AIを使った経験がないからといって、書類選考で不利になると考える必要はありません。まずは求人票に「生成AI」「AIツール」などの言葉があるかを確認しましょう。記載があれば具体的に書き、なければ職務経歴に1行添える程度で十分です。

電気・電子設計で現実的なAIの使い方

2026年時点で、電気・電子設計の現場で現実的な使い方は次のようなものです。どれも「下書き」や「整理」までをAIに任せ、判断は設計者が行う使い方です。

使い方具体例人が確かめること
部品比較の下書き候補部品の主な定格や特長を一覧にする(記入例の使い方)定格・特性がデータシートの原本と合っているか
報告書・評価書の下書き試験の条件と結果のメモから、報告書の文章を整える(記入例の使い方)測定値が測定データと一致しているか、結論が正しいか
計算・データ整理の補助定数計算や測定データ集計の小さなプログラムを作る計算式と結果を手計算や実測で確かめたか
規格・資料の読み下し英文の資料や規格の解説を読むときの要点整理原文で要求事項を確認したか

電気・電子設計でAIを使うとき、いちばん大切なのは数値の確認です。部品の定格や測定値を1か所でも取り違えると、製品の安全や品質に直結します。AIの出力を「どう確かめたか」まで書けることが、設計者としての信頼につながります。

書き方:「使った」ではなく、作業と確かめ方と効果まで

記入例では、職務経歴の【取り組み】に「社内で認められた生成AIを部品比較と報告書の下書きに使用。定格・測定値は原本と測定データで必ず確認し、報告書作成を1件約6時間から約4時間に短縮」と書いています。短い文に、ルール・使った作業・確かめ方・効果の4つが入っています。

× NG例

生成AIを活用して設計業務を効率化しました。

ここが惜しい

  1. 設計のどの作業に使ったのかがわからず、使い方の水準が判断できません。
  2. 未発表の回路図や顧客の仕様を入力していないか、出力をどう確かめたかが書かれていません。
  3. 「効率化」の中身がなく、どれだけ変わったのかが伝わりません。

○ OK例

【取り組み】社内で認められた生成AIを部品比較と報告書の下書きに使用。定格・測定値は原本と測定データで必ず確認し、報告書作成を1件約6時間から約4時間に短縮

ここが評価される

  1. 「部品比較と報告書の下書き」と、AIに任せた範囲が具体的です。
  2. 「社内で認められた」「原本と測定データで必ず確認」と、ルールと確かめ方がそろっています。
  3. 「約6時間から約4時間」と前後の時間があるので、効果の大きさがわかります。

効果を測っていなければ数字を作らず、使った作業と確かめ方だけを書きましょう。

AIの経験を書くときの注意点

  • 未発表の回路図・顧客の仕様・測定データを社外のAIに入力していないことがわかるように書く。
  • 会社が認めたツールを、社内ルールの範囲で使ったことを前提に書く。
  • 定格や測定値などの数値は、AIの出力をそのまま使わず、原本で確かめたことを書く。
  • 盛らない。数回試しただけの経験を「活用」と書くと、面接で詳しく聞かれたときに答えに困ります。

AIを使っていない・禁止の職場だった人は

顧客の仕様や未発表の製品を扱う設計部門では、生成AIを使えない職場は珍しくありません。ルールに従って技術情報を守ってきたこと自体が、設計者として大切な姿勢です。

代わりに、仕組みで設計の進め方を変えた経験を書きましょう。記入例の「ノイズ経路と絶縁距離のチェックリストを検図に導入し、試作回数を3回から2回に削減」のような経験は、AIと同じく「仕事のやり方を自分で変えられる力」を示します。シミュレーションや測定の自動化、設計の標準化なども、同じように書けます。

実績の数字が書けないときの対処法

数字が書けないときに拾う4つの切り口:性能、開発の速さ、コスト・調達、量と範囲
この章のまとめ:数字が書けないときは4つの切り口から拾う

「設計は売上の数字に表れない」と感じる人は少なくありません。性能・開発の速さ・コストと調達・量と範囲の4つの切り口で探すと、書ける数字はたいてい見つかります。

評価や試験の担当が長く、自分の設計の成果が見えない

評価の仕事は、確かめた量と、見つけた問題で書けます。
例:「EMC試験 年間約20機種の対応を担当」
例:「温度上昇試験で部品の定格超えを発見し、量産前に放熱設計を変更」
量産前に問題を見つけたことは、手戻りを防いだ成果として伝わります。

既存製品の派生設計・改造が中心だった

派生設計は、機種数と、設計にかかった期間で書きます。
例:「出力電圧違いの派生機種を3年間で8機種設計」
例:「既存回路の流用範囲を整理し、派生機種の設計期間を約4か月から約3か月に短縮」
回路の共通化や流用の工夫は、記入例の部品点数の削減と同じく、コストと期間を縮める実績になります。

製品の数字や型式を社外に出せない

型式は書かず、仕様の範囲と割合で書きます。
例:「出力100〜300W」「200V級・0.1〜1.5kW」「部品コストを約18%削減」
社内の規程で禁じられた数字は書きません。仕様の範囲と割合があれば、経験の中身は十分に伝わります。

開発が途中で中止になり、量産まで行かなかった

量産しなくても、技術検討の結果と、試作で確かめたことは書けます。
例:「新方式の電源回路を試作し、目標効率95%に対して94.1%まで到達。課題を報告書にまとめ、次の機種の設計に反映」
何を確かめ、何がわかったかを書けば、技術の力は伝わります。

※上の例文は、記入例とは別の架空例です。

履歴書の学歴欄、入学・卒業の年で迷ったら

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提出前のチェックリスト

提出前に確かめる7つのこと
この章のまとめ:提出前に確かめる7つのこと

書き終えたら、提出前に次の項目を確認しましょう。

  • 職務要約に、経験年数・担当製品・回路の種類・担当工程・代表的な成果が入っている
  • 期間ごとに「担当製品・内容・実績」を分け、製品は出力や電圧などの仕様で書いている
  • 実績に、効率・ノイズ・コスト・試作回数などの改善前後の数字を添えている
  • EMC・安全規格は、規格名・試験の種類・自分の関わり方を正確に書いている
  • 設計ツール・測定器の経験年数が、職務経歴の期間と一致している
  • 製品の型式・顧客名・未発表の仕様など、守秘義務に触れる情報を書いていない
  • A4で2枚程度(多くても3枚以内)に収まり、誤字脱字がない

最後に、職務要約・職務経歴・自己PRで同じ数字(効率、ノイズの余裕、部品コスト、試作回数など)を使っている箇所を読み合わせ、食い違いがないか、損失や削減率の計算が合っているかを確かめましょう。

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よくある質問

基板のレイアウトは外注で、自分は指示と検図だけでした。書いてもいいですか?

書いて大丈夫です。むしろ「レイアウト指示・検図」と正確に書くことが大切です。記入例も「2〜8層基板のレイアウト指示・検図」と書いています。どんな点を指示し、検図で何を見つけたか(ノイズ経路や絶縁距離など)を添えると、基板の品質に責任を持ってきたことが伝わります。

電験三種などの資格は書いたほうがいいですか?

持っている資格は書いておきましょう。電気の基礎を体系的に学んだ裏付けになります。ただし電気・電子設計では、資格だけで設計の力は判断できないため、職務経歴で「どの回路を、どう設計し、どうなったか」を示すことが先です。

アナログ回路の経験しかありませんが、デジタル回路の求人に応募できますか?

応募できます。ノイズ対策や電源の設計など、デジタル回路の基板でも必要になる経験を前に出しましょう。マイコンやFPGAを学んでいる場合は、評価ボードで作ったものなど、具体的な学習の内容を自己PRや資格の欄に添えると、意欲の裏付けになります。

担当した製品が多すぎて、全部は書ききれません。

代表的な2〜3機種に絞り、応募先の製品に近いものを詳しく書きます。残りは「ほか、出力違いの派生機種 約10機種」のようにまとめましょう。A4で2枚程度に収めるのが目安です。

AIを使った経験がないと、電気・電子設計の転職で不利になりますか?

AIの活用をどの程度求めるかは応募先によって大きく違い、経験がないことだけで不利になるとは限りません。検図のチェックリストやシミュレーションの活用など、仕組みで設計の進め方を変えた経験を、前後の数字とともに書きましょう。

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Author

佐藤 大貴

レジュメラボ編集責任者/アースダイバー代表

佐藤 大貴

人材紹介の会社で、キャリア系メディアの編集長をしていました。転職やキャリアをテーマにした記事づくりに長く関わり、2019年にアースダイバー株式会社を立ち上げました。編集長時代、たくさんの求職者の方やキャ…

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